マイホームヒーローとは、原作を山川直輝、作画を朝基まさしが担当する漫画である。
概要
2017年26号より『週刊ヤングマガジン』で連載中のクライム・スリラー・サスペンス。
相続する予定の遺産に眼を付けた半グレを殺し、後戻りができない状況に陥ってしまったごく平凡なサラリーマンを主人公とする、罪と罰、愛と戦いの物語。
ハラハラした展開がジェットコースターのようなスピードで続く。
また、ドラマが2023年10月24日から放送され、2024年春には実写映画も公開される。
あらすじ
おもちゃメーカーの営業職に就いている鳥栖哲雄は、家を出て二か月になる女子大生の娘・零花とファミレスで会食するが、サングラスとマスクを外した彼女の顔には多数の痣が……
仕方なく二人分のメニューを平らげて店を出ると、怪しげな会話をしている若者たちを発見。
気になって彼らを尾行するも、仲間に感づかれ、路地裏でボコボコにされたのち、全裸+免許証が写った写真を取られてしまう。
悔しさのあまり号泣したあと、怒りと「零花が危ないかもしれない」という恐怖が沸き上がって来た哲雄は、合い鍵を使い零花のマンションに侵入。
するとそこに先ほど怪しげな会話をしていた若者が一人で帰って来る。
自分に気付かずに上司と電話する若者の話から、彼が裏家業の人間で、既に元カノを二人殺傷しており、零花も危ないということを察知した哲雄は、若者を不意打ちのち炊飯器で撲殺してしまう。
そこに偶然、哲雄の妻である歌仙が訪ねて来る。
軽いパニックを起こしながらも状況を説明する哲雄に対し、歌仙は事件の隠蔽を提案して彼はそれに乗る。
足がついたら自分だけじゃなく家族も無事では済まない。哲雄は趣味で執筆していたミステリー小説の知識を駆使し、巻き込んでしまった家族を守るため、完全犯罪と半グレ達を撃退するストーリーを全力で創作していくが、それは想定していたより遥かに壮大な長編になっていき……
登場人物
主人公とその家族
鳥栖哲雄 声 - 諏訪部順一
おもちゃメーカーの営業職をやっている47歳。47年間一度も刑法を犯さずに生きてきた。娘の零花を溺愛しており、彼女の為なら何でもする覚悟を決めている。趣味は推理小説を読むことと書くことで、ネットの小説投稿サイトに自作の小説を多数投稿しているが、評価はあまりよくない。好物はカツカレー。口癖は「おん」。婿養子で、元の名字は苗場。
鳥栖零花 声 - 白田千尋
鳥栖家の長女。女子大生。高二の頃から反抗期中だが、哲雄の誕生日には毎年クオリティの高い誕生日プレゼントを彼に贈っている。「やればなんでもできる」と豪語するほど何事においても筋がいいが、己の能力を過信して痛い目を見ることも少なくない。
鳥栖歌仙 声 - 大原さやか
哲雄の頼りになる妻。勘が鋭い。料理の味付けが薄い。
半グレ組織
間島恭一 声 - 伊東健人
半グレ組織に所属する20歳の青年。両親がやっていた飲食店を取り戻すため裏家業に足を踏み入れた。豊富な犯罪知識と経験を有し、状況判断と行動力に優れ、危機意識も高く勘もいいため、若くして実働部隊のリーダーに就いているが、強引なスタンドプレーも目立つ。
窪/佐武辰巳 声 - 大塚明夫
人を殺すのが何よりも大好きな半グレ組織のリーダー兼教官。過去に中東で傭兵をやっていた。暴力団「間野会」に出入りするフリーの殺し屋で、「タイマンなら世の中の大概の人間を殺せる」と豪語する。母子家庭で育ち、自身をネグレクトしていた母と、再婚相手のチンピラを自らの手で殺害した。韓国語を始め多彩な言語に通じている。
志野/小堀太成 声- 山寺宏一
半グレ組織のトップ。暴力団「間野会」に所属。人の才能を見抜く能力があり、スカウトも巧み。幼いころから自分を崇拝するを「友人」を作りだす術に長け、人脈は多岐にわたる。
麻取延人/山内延人 声 - 多田啓太
零花の彼氏[1]。20歳。少年院出所後に父親のコネで半グレ組織に加入するも、馬鹿すぎるため組織でも腫れもの扱いされていた。歌仙の実家の財産を奪うため、組織の指示で零花に近づき付き合うも、頻繁に暴力を振るっていた模様。酔って暴力衝動を剥き出しにしていたところ、哲雄に不意打ちの金的を喰らい、その後、炊飯器で撲殺される。
麻取義辰/山内義辰 声 - 三木眞一郎
延人の父親で47歳。組織の収入の3割ほどを一人で稼ぎ出す、人格が何人もいる天才的な単独詐欺師。年収は一億ほど。歪んだ感情の持ち主で、息子のことを溺愛している。
竹田 声 - 德石勝大
半グレ組織のメンバー。組織の最古参の一人で、同じく最古参の一人である恭一とは仲が悪い。会社員時代、VIP客にマジギレして会社に大きな損害を与えてクビになったらしい。
甲斐
小沢謙信の父親の徒弟。謙信から事のいきさつを聞き、恩がある兄貴分に報いようと彼をサポートする。妻帯者。
警察関係者
安元浩司
警視庁組織犯罪組織対策部に所属する警部補。犯罪者に人権はないと思っている。かつては哲雄の父親の部下で、哲雄の両親の葬儀を取り仕切ったことから哲雄とは面識がある。
薬師寺太一
安元の部下。安元の越権捜査も厭わない姿勢や犯罪者の人権を無視する言動に半ば辟易している。自身が起こした交通事故を肩代わりしてもらい、これを契機に警察の情報を志野にリークするようになる。
戸島
黒ぶち眼鏡とちょび髭が特徴の壮年の刑事。普段は少し軽い感じだが仕事は真面目にこなす。
渡辺
哲雄を胡散臭いと感じている戸島の上司とみられる刑事。職位は係長。
村の関係者
鳥栖郷一郎
カルト教団の教祖として村に君臨する歌仙の父。理想主義者で、太鼓を打ったような声が特徴的。性欲が強く、信者の女を抱きまくっているほか、近親相姦も厭わない。
鳥栖洋二
村の裏社会部門を担う歌仙の従兄弟で郷一郎の甥。教団の教えは全く信じていない。
鳥栖胡蝶
頭を丸刈りにした歌仙の異母姉。実質的な「和服の鳥栖」の運営人。
鳥栖天照
歌仙の母。現・オガミメだが末期ガンに身体を蝕まれており老い先は短い。
鳥栖次郎
郷一郎の弟で、鳥栖洋二の父親。教団の敵を排除する仕事を半世紀以上続けているヤクザ。様々なコネを駆使し、教団の力を広めてきた。違法動植物の密売やマネーロンダリングも行うなど、資金面での貢献は計り知れない。教団を抜けようとした際、毒を盛られて金を没収された過去があり、機を見て郷一郎にとって代わることを画策している。
松田月夜見
教団の指示を受け、身分を占い師だと詐称し、志楽久杉山の偽名を用いて零花の監視と護衛をしていた眼鏡をかけた青年。外の世界にでて哲雄たちを監視している中で、経典で習うものとは別種の「愛」を知り、苦悩する。
鳥栖キエ
村にある学校の取締役。その後、村をまとめることとなる。
皆川ヲハ・東明砂
哲雄に殺人容疑を着せようとした若い男女。村で生まれ育つが10歳の時に大量殺戮事件で両親を失っている。
その他
小沢謙信
零花のバイト仲間の高校生。哲雄のファン。窪に父を殺された過去を持ち、彼への復讐を生きがいとしている。
響 声 - 大久保瑠美
延人の交際相手のキャバ嬢。延人に相当のめり込んでおり、彼を心から心配する数少ない一人。延人も、他に明かしていない秘密を話すなどある程度信頼を寄せていた模様。
用語
- 組織……窪をリーダーに据える形で志野が創設した半グレ組織。物語開始時点で結成から三年が経っている。正式メンバーは20人強。コネで入った延人を除き、厳正な訓練課程を突破しなければ所属できない。
- 村……鳥栖家を主体とするカルト教団の信者が300人以上住む村。教団員の多くはここに居住しているが、村の外にも存在し、強い力を持つ。
- 和服の鳥栖……代々続く呉服屋。何も知らない村の信者達を労働力にしているので、高い利益率を誇る。
- オガミメ……霊魂の憑依などが可能だとするカルト教団のシンボル。オガミメの仕事の中には、妻を失った男性の前で妻の魂を憑依させ、そのまま性行為に及ぶというものもあり、歌仙は子供の頃から母が目の前で抱かれる姿を見せられていた。
関連動画
関連静画
関連チャンネル
関連リンク
関連項目
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 3
- 0pt