双極性障害単語

ソウキョクセイショウガイ
医学記事 ニコニコ大百科:医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

【お願い】
ニコニコ大百科Wikipediaなど、インターネット上の科辞典は、医学を専門としていない方も編集できるため、これらの情報みにし、自己判断を行わないでください。的にかなりつらいと感じたら、迷わず「精科」あるいは「精科」を併設している医療機関へ受診してください。→HOSPITA.JP(ホスピタ)exit


双極性障害とは「躁(軽躁)状態」と「うつ状態」の両極端が繰り返し起こる「気分障」である。「躁うつ病」の名で知られているが、現在は基本的に「双極性障害」と呼ばれる。DSM-5では「双極性障害」と呼ばれ、各種提出用診断書はICD10コードをもちいて「F31・双極性感情障害」と記載される。

概要

うつ病とほとんど同じ「うつ状態」と対極の「躁・軽躁状態」が繰り返し起こる慢性疾患である。「躁状態」があるものは「双極Ⅰ」、「軽躁状態」があるものは「双極」として、大きくこの2種に分類される。

双極性障害の診断は非常に難しく(最初に「うつ状態」で診断を受けることが多いことも含め)当初から「双極性障害」として診断されることは極めて少ない。実際に診断されるまでの期間が均で4~10年ほどかかるとも言われている。

実際「うつ病」として診断されていた患者の10人に約1~2人が最終的に「双極性障害」に変わることがある。これは決して誤診ではなく、正しい診断がされるまでそれなりに時間を要する疾患だからである。

双極性障害の原因

双極性障害の原因そのものは未だはっきりはしていないが、にでも起こってしまう。特に生活上のイベントや過度のストレス(昇進・転職・転居・結婚・葬儀・徹夜など)により発病してしまう。

以前、双極性障害は「単に心からくる病気である」と思われてきたが、昨今の研究によりそれだけではない「の様々な異常からくる病気(神経伝達物質の増減やバランスか崩れているなど)」であることがわかってきている。

双生児を対とした研究などから、発症に遺伝的要因が関与していると推定されている。ただし同一の遺伝子を持つはずの一双生児であってすら双子の片方しか双極性障害を発症しない例も少なくないことから、全に遺伝要因のみで決定されるような病気ではないことも判明している。決して遺伝のみからくる病気(遺伝病)ではない。

発病前の性格傾向としては「社交的で明るくユーモアのあふれるタイプで、組織の潤滑油的な役割を担うことが多い気質(循環気質)」が挙げられる。このようなタイプは「頑りすぎる」ことが多く、極度な過労が蓄積してしまう。しかし本人は「まだ疲れていない」「これくらい大丈夫」と頑り続けてしまうため、気分がハイになり、双極性障害(躁・軽躁状態)を引き起こしてしまう。

主な症状

躁状態・軽躁状態の共通している点は自分は元気で爽快な気分であるがゆえに「周囲を困惑させている」のに本人は全く気付かないことである。どちらにせよ問題を起こしていることには変わらないので、躁状態だから重い・軽躁状態だから軽いというような尺で測れるものではない。

うつ状態はうつ病の症状とほぼ変わらない。ただし気分の波がしくなるため、単極性のうつ病・躁病とは全く異なった苦しさを本人は強く感じる。

躁状態

躁状態であると判断される基準は以下のとおりである。

躁病の時期は、DSM-5では

  1. 気分が良すぎたり、ハイになったり、奮したり、怒りっぽくなったりして、他人から普段のあなたとは違うと思われてしまう
  2. 少ししか眠らなくても気になる
  3. 自分が偉くなったように感じる
  4. いつもよりおしゃべりになる
  5. いろいろな考えが次々と頭に浮かぶ
  6. 注意がそれやすい
  7. 活動性が高まり、ひどくなると全くじっとしていられなくなる
  8. あとで困ったことになるのが明らかなのに、つい自分が楽しいこと(買い物への浪費、性的分別、ばかげた商売への投資など)に熱中してしまう。

といった症状のうち少なくとも1.を含む4つ以上(1.が怒りっぽいだけの場合は5つ以上)の症状が1週間以上続く場合をします。

引用
日本うつ病学会 双極性障害委員会
双極性障害(躁うつ病)とつきあうために 2.双極性障害の症状を知ろう(PDF)
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/sokyoku/pdf/bd_kaisetsu_20180727.pdfexit

躁状態では人が変わったような行動になる。周囲を休ませないため、疲労困憊させてしまう。また社会生活においても破滅的な行動をとってしまうため、周囲に対し信用を著しく落とす言動・行動が多く見受けられる。場合によっては周囲に暴言や暴力ふるってしまう。

大変元気で活動的になるため、本人は「これが本来の自分の姿である」と思ってしまう。そのため明らか異常行動であっても「正当な理由で行動している」と思い込んでしまい、安易にとがめたり止めようとすると怒りをあらわにし、周囲にきつくあたることがある。

軽躁状態

軽躁状態の場合は躁状態と同じ症状が4日以上続く。他人から見て明らかに人が変わった様子ではあるが、Ⅰの躁状態よりはしくは現れず、社会生活に支障があまりないため周囲には「少しテンションが高い・気分が良いのかも」と思われ、見過ごされやすい。

の躁状態よりも軽いと思われがちだが、かなりつらく追い詰めることには変わりない。軽躁状態であっても決して軽んじるべき状態ではない。

うつ状態

うつ状態であると判断される基準は以下のとおりである。

うつ病の時期とは、DSM-5の診断基準によれば、毎日のように

  1. ほとんど一日中憂うつで、沈んだ気持ちになる
  2. ほとんどのことに興味を失い、普段から楽しくやれたことも楽しめなくなる
  3. 食欲が低下(または増加)したり、体重が減少(増加)する
  4. 寝つきが悪い、中にが覚める、が覚めるなどの不眠が起こるか、あるいは眠りすぎてしまうなど、睡眠の問題が起こる
  5. 話し方や動作が鈍くなるか、あるいはイライラして落ち着きがなくなる
  6. 疲れやすいと感じ、自分のことを責めてしまう
  7. 「自分は価値がない」と感じ、自分のことを責めてしまう
  8. 何かに集中したり、決断を下すことが難しい
  9. 「この世から消えたい」「死にたい」などと考える

といった症状のうち1.か2.のどちらかを含む5つ以上の症状が2週間以上続く場合をします。

引用
日本うつ病学会 双極性障害委員会
双極性障害(躁うつ病)とつきあうために 2.双極性障害の症状を知ろう
(PDF)http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/sokyoku/pdf/bd_kaisetsu_20180727.pdfexit

は軽躁状態よりもうつ状態の期間が長いため、Ⅰよりも自殺企図のリスクが高いとされている。また、他の精神疾患(摂食障アルコール依存症など)を引き起こしやすい。

混合状態

躁状態(軽躁状態)からうつ状態やその逆の場合、躁とうつが混ざって出てくる。例えば活動的で奮している状態でもうつ状態のイライラとした落ち着きのなさが表れるなど「躁とうつが混濁して両方出てくる」状態である。本人は大変落ち着きのない状態になる。

この状態のときは特に「自殺企図(自殺念慮・希死念慮)」に注意したい。うつ状態の「死にたい」と躁・軽躁状態の「衝動的(行動的・意欲的)」な部分が合わさってしまうと行動に移ってしまいやすくなるからだ。

睡眠障害

いずれも深刻な睡眠不足に陥ると双極性障害を悪化させるため、細心の注意を払いたい。

  • 躁・軽躁状態では調子が良いと錯覚するため「睡眠時間(あるいは睡眠をとらなくても)問題ない」と考えて眠らなくなってしまう。疲れを感じないため、本人は気づかず(あるいは気づいていても)睡眠がとれなかったり、睡眠時間が短くても問題に思わない。また徹夜は躁状態を悪化させるリスクにもなる。また一晩の徹夜でも躁転する危険性がある。
  • うつ状態では入眠困難・中途覚醒覚醒が顕著に表れる。またを覚ましてもしばらく身体が非常にだるく、まぶたは重いままである。結果しばらくのあいだ布団の中で々してしまうことも少なくはない。

治療

  • 双極性障害を専門的に診るのは「精科」
    科は精神疾患を診る専門の病院である。双極性障害であるかどうかも含め、精神疾患を幅広く診ることができるため、気分の大きな変調を感じたら必ず精科で診てもらう。精科のほかに「心療内科」「神経科」を掲げている病院クリニックであれば精科医が診るので問題はない。実際「精科」の敷居を下げるために「心療内科」を併設している病院が多い。
    なお「精科」を併設しない「心療内科」(あるいは「内科」と「心療内科」など)は、内科の病気に対して心身の両面から診ていく病院なので、精神疾患は専門外である。
    なお「躁状態(双極Ⅰ)」が見受けられる場合は入院施設のある医療機関に受診し、「軽躁状態(双極)」が見受けられる場合は入院施設のある医療機関を紹介してもらえるようにするのが望ましい。その際は医師とよく相談していくこと。
  • (確実なところから)情報収集をする
    双極性障害と向き合い治療をしていくための情報を収集し、理解を深める。この記事からは「関連書籍」「関連リンク」を参考にし、情報を得ることができる。
  • 自分の人生を守るために治療する
    躁・軽躁状態で信頼を失うこと、うつ症状で自分を犠牲にしないようにきちんとした治療を受けることが一番である。自分の人生を守れるのは、あくまで自分自身でしかない。璧にできなくてもよいので、症状を引き起こすストレスなどは医師とよく相談しながらコントロールしていく。
  • 用するに対する理解をする
    用するは必ず副作用を伴う。相互の効果を正しく知り、調子や具合が悪くなった場合は速やかに医師に相談できるように把握・理解に努める。
  • 自分の病気を受け入れ、病気に対する偏見を持たない
    まず自分自身が病気に対して受けいれられず、勝手な偏見を持ってしまうと、自分を責め、治療を勝手に中断したりするなどの行動をしてしまう。自分の病気は自分がよく知っているはずなので、周囲の偏見的な意見を気にすることなく、病気を受け入れ、自分に対する偏見を捨てていく。

薬物療法

注意 治医に相談せず勝手に量を増やしたり、を中止したり、お酒を飲む(飲みすぎる)と奮したり自分の行動が抑えられなくなるなどの強い副作用を伴います。
とても危ないので絶対にやめてください。


双極性障害の物療法ではに「気分安定薬」「非定抗精神病薬」などが用いられる。
症状により適応となるが分かれるが、ここでは分類せず治療に使われる代表的なのみを示している。場合によっては「抗不安薬」「抗うつ薬」「定抗精神病薬」も処方されることがあるが記載しない。「睡眠薬」も状態により処方が変わるため、こちらも記載しない。

  • 非定抗精神病薬※双極性障害に適応のもの
    • クエチアピン(商品名:セロクエル®)・クエチアピンフマル徐放錠(ビプレッソ®[徐放錠])
      内の神経伝達物質に働きかけ、うつ症状を善する。通常、双極性障害におけるうつ症状の善に用いられる。
    • アリピプラゾール(商品名:エビリファ®)
      内の神経伝達物質であるドパミンなどの受容体に作用し、躁症状とうつ症状を善する。再発予防にも用いられる。
    • オランザピン(商品名:ジプレキ®)
      双極性障害における躁症状を善する。
    • リスペリドン(商品名:リスパダール®)
      躁状態への効果がある。

心理療法

「双極性障害の原因」でも述べたが双極性障害は心の病気だけではないので、カウンセリングだけで治るものではない。物療法と心理療法の両方を組み合わせ、再発防止につなげていくことが大切である。

  • 心理教育
    病気の性質を理解し、病気と向き合う。再発の予兆を自分自身で把握することも的となる。
  • 対人関係・社会リズム療法
    毎日の活動時間やその時の周囲の状況を記録することによって、生活の乱れやストレスに気づき、これを修正していく。
  • 認知行動療法
    その人の思い込みで判断してしまう「考え方のクセ」に気づき、修正していく。

関連疾患

間違われやすい病気

  • 境界性パーソナリティ障害
    偏りすぎた性格が起因して感情の起伏がしくなる。相手を大好きで称賛していたかと思うと、細なことで相手を大嫌いになると突然攻撃的になるなどの症状が見受けられる。両極端な症状が出ることから、双極性障害と間違われやすい。
  • 統合失調症
    バランスが崩れて起こる病気であり、特に幻覚・幻聴のほかに様々な妄想が起こる「陽性症状」と関心が起こる「陰性症状」が見受けられる。「陽性症状」は強い妄想(被害妄想や誇大妄想など)や奮してまとまりのない会話が「躁状態」、「陰性症状」は一見「うつ状態」に見えることがある。

併発しやすい病気

  • 依存
    快感や高揚感を伴う特定の物質にはまってしまうと、それがないと一時も慢できなくなってしまうことがある。アルコール依存症依存症・買い物依存症などが挙げられる。
  • 摂食障
    極端に食べ物を制限・摂取しない「拒食症」、大量の食べ物を食べ、その後に大量に吐いてしまう「過食症(過食嘔吐)」、またその両方が断続的に繰り返される状態になる。
  • パニック
    突然呼吸がしずらくなったり、心臓が(病的に)ドキドキしたり、急に強い不安感に襲われ「死んでしまうのではないか」という強い恐怖を感じる。しかし内科で診察しても異常は見られない。
  • PTSD(心的外傷後ストレス障害)
    災害事故・性的暴力虐待などの過酷な体験のあとに現れる精・身体症状。

関連書籍(参考文献・推薦図書)

関連リンク(参考文献)

関連項目

【スポンサーリンク】

スマホ版URL:
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E5%8F%8C%E6%A5%B5%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

双極性障害

3 ななしのよっしん
2016/10/17(月) 22:08:31 ID: nYwcBMJh+z
最高にハイってやつだぜ(゚∀゚)
↓ 無限ループ ↑
だ氏のう(-_-)

っていうか、仕事に支障出ている。
に「別人みたいだ」と言われた。
4 ななしのよっしん
2017/01/20(金) 09:09:36 ID: 81ekljtItm
双極性障害状態のときは躁の時にやらかしたの思い出すから普通よりむらしいね
5 ななしのよっしん
2017/06/02(金) 19:40:00 ID: PkLuKeMYaW
かなり辛いだな、
理解されにくいからな〜
6 削除しました
削除しました ID: VK7CDmu9q7
削除しました
7 ななしのよっしん
2017/12/25(月) 17:45:21 ID: AQOL7NrK2l
双極性の躁状態って状態の自分を守るための強がりというか攻撃による防御状態なんだって
界性や自己愛性人格障害の人にも見られる特徴だそう
ネット叩きとか双極性結構多そうだしなぁ
8 ななしのよっしん
2017/12/30(土) 12:49:03 ID: Foyx9tbncj
も躁みそがを失ってる状態で
自発的な心持の問題じゃない
そもそもが自分をコントロールできない状態が常態化する

手足を失うのと同じようにの機もげてるんだ
心の風邪なんてとんでもない言い方で
風邪と違って一生レベルの付き合いです
しかも場合によっちゃ別の障の併発もありえる
9 ななしのよっしん
2018/04/12(木) 22:48:49 ID: dUVHEkg+OJ
https://www.barks.jp/news/?id=1000153907exit
マライア・キャリー17年間、双極性障害に苦しんできたことを告白
よく言ったなこの手の精神疾患は鼻つまみ者される可性もあるのに
故・北夫氏や投資で大失敗してて後にこの病気だと診断されてショック受けてたな
10 ななしのよっしん
2018/06/17(日) 12:41:46 ID: DyOYZUym66
Catherine Zeta Jones on living with bipolar disorder
https://www.opencolleges.edu.au/blog/2016/06/14/mhm-catherine-zeta-jones-bipolar/exit

キャサリンゼータジョーンズバイポーラ躁鬱病双極性障害)についての記事。短い記事だが、それでも、病気の理解のとっかかりとしては十分、啓的かも。

この記事に挙げてあるだけで
Carrie Fisher, Demi Lovato, Russell Brand, Patricia Cornwell, Richard Dreyfuss, Stephen Fry, Mel Gibson, Linda Hamilton, ... 双極性障害表して共に戦おうと呼びかけている芸人は、たくさんいる。
ここでも有名であることを社会で善用しようとしている。
11 ななしのよっしん
2018/06/17(日) 12:45:52 ID: DyOYZUym66
ここに名前が上がっているなかでも Stephen Fryが書いた本(←何冊かある)は強く奨められる。
うつ病と戦うには、持ち直している時期に、うつ病について学んで、体験して生還した人たちが書いたものを読むのは良い考えであると思う。
Fryはすぐれた言を持っているので英語の勉強にもいい
12 ななしのよっしん
2018/12/24(月) 10:18:24 ID: a9d/Xpopzi
ムネリン。。。