プロスペラ・マーキュリー 単語

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プロスペラマーキュリー

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……論昔の事件も、GUND-ARMのことも知ってる
でもスレッタエアリアルは「違う」わ。
私の可愛いだもの。お母さんが保する。

エルノラ(プロスペラ)

プロスペラ・マーキュリーとは、TVアニメ機動戦士ガンダム 水星の魔女』の登場人物である。
本記事では『水星の魔女 PROLOGUE』に登場する、プロスペラと近い人物であるエルノラ・サマヤ解説も行う。

CV能登麻美子(プロスペラ/エルノラ兼役)

概要

水星に本社を置くシン・セー開発社の社長であり、ガンダム・エアリアル開発責任者。の場ではレディ・プロスペラとも呼ばれる。主人公スレッタ・マーキュリー

黒髪の妙齢の女性で、推定年齢は40代半ば50代初め。水星の磁場で身体を損傷しており、右腕は義手、頭には顔の上半分を覆うヘッドギアを装着している。つまりは、本作における仮面の人である。
このヘッドギア情報処理の補助用であり、腕と違って顔面には負傷の跡はない。スレッタや部下とのプライベートな会話の際には普通に素顔を見せているあたり、どちらかというとの場で素顔を隠す的でつけていると思われる。

夫は既に死去、スレッタ水星出産したとの事。3年前にシン・セー社長に就任し、次世代ドローン技術を駆使して……と偽ってGUND-ARMエアリアル開発した。このため、周囲からはヴァナディース機関と繋がりのある「魔女」の疑いを駆けられているが、後にそれが事実だったことが判明する。
現在ペイル社に所属するベルメリア・ウィンストンは、ヴァナディース所属時代の後輩に当たる。

スレッタに対しては優しくを示す理想のとして接し、彼女友人たちにも優しい一方、ビジネスにおいては巧みな交渉術を駆使し、自社の優位を確保するやり手。情報収集力に優れた心の部下、ゴドイ・ハイマノを重用し、入手した相手の裏事情を突いた悪辣な脅迫然と行う。特に1vs1の論戦になると、巧妙な論点逸らしや詭弁すれすれの弁舌で翻弄し、絶妙なタイミングで交渉カードを切って相手を丸め込んでしまう。が呼んだか「レスバ魔女

だが、スレッタに対してもエアリアルの正体を明かさず、それどころかを示す」というより「誘導する」ような態度を示すなど、視聴者線では何か裏がありそうな演出が多々見られる。

エルノラ・サマヤ

プロスペラが登場する『水星の魔女本編過去にあたる『PROLOGUE』の登場人物。GUND研究組織「ヴァナディース機関」に所属するMSテストパイロットで、赤髪がまぶしい女性。推定年齢20代後半。

夫は軍事会社オックスアースコーポレーションのナディム・サマヤで、共にガンダム・ルブリス開発の最前線に立っていた。に4歳のエリクトがいる。

右腕を欠損しておりGUND義手を装着している。「GUNDければ命を落としていた」との事で、ヴァナディースの長、カルド・ナボ博士とはその時からの付き合い。一家ぐるみで交流を続けてきたかけがえのない恩師であった。

カテドラルによるヴァナディース機関粛清において夫、恩師、仲間たちを失い、エリクトとただ2人逃げ延びるが、その後の行く末は明らかにされていない。

『ゆりかごの星』にて~「お母さん」とは?

PROLOGUE本編という放送順」「キャラクターデザインの酷似」「声優が共通」という点から、本編放送開始直後は「エリクト・サマヤスレッタ・マーキュリー、エルノラ・サマヤとプロスペラ・マーキュリーはそれぞれ同一人物」、つまり「水星に逃亡したサマヤは追手から逃れるために偽名を名乗ることになった」というシンプルな連想をしていた視聴者がほとんどだった。
だが、公式サイトに掲載された幼少期のスレッタを描く短編小説ゆりかごの星において、本当に彼女たちが同一人物なのか疑わしくなる記述が多々見受けられ、疑念が深まっていく。

ゆりかごの星』における「スレッタ」は「エルノラ」とも「プロスペラ」とも明言されず、ただ「お母さん」とだけ呼称される。「お母さん」は「スレッタとは書かれていない)」と共に水星に逃亡し、現地民からよそ者扱いされながら暮らしていた。やがて「スレッタ」はエアリアルパイロットとなり、救助活動に参加して着実に成果を上げた事で「お母さん」も出世していく。しかしそれ相応に忙しくなり、「スレッタ」の誕生日を祝えたのは11歳の誕生日が最後になってしまう。

お母さん」は16歳になった「スレッタ」を学校入学させることにしたとエアリアルに告げる。同作でのエアリアルには確かな自があるのだが、その話を聞いたエアリアルは「お母さん」が「スレッタ」を自身の復讐のために利用しようとしていることに気付く。エアリアルは「スレッタ」を復讐に巻き込まないでほしいと願うが、その願いを伝える術はなかった。

ちなみに、「お母さん」のMS操縦ゲームの腕前は「スレッタ」以上らしい。


   

 

注意 この節は、『水星の魔女シーズン1を
鑑賞後に閲覧することを推奨します。

 
































髪色と顔つき、そして雰囲気が明らかに違うというミスリード要素こそあったものの、結論を述べてしまえば、プロスペラ・マーキュリー21年後のエルノラ・サマヤその人であり、『ゆりかごの星』のお母さんである

プロスペラの的は、自分たち絶望の淵に追いやったデリング・レンブランへの復讐
だが本編が進むにつれ、実際にはデリングへの復讐よりも優先する、もう一つの的があったことが語られていく。

人物関係

スレッタ・マーキュリー

生育環境から同年代の友人もおらず、極度の人見知りに育ったスレッタにとって、プロスペラは二の相談相手である。スレッタの座右の銘「逃げたら一つ、進めば二つ」という言葉は、幼少期の予防接種の際にプロスペラから諭された言葉がきっかけである。

……しかし、視聴者線では「本当にスレッタのことを想って行動しているとは考えづらい」不穏な描写が立つようになっていく。プロスペラがスレッタに接する時は明らか色を作っており、質問には「応じる」だけで「回答」はしない。GUND-ARM魔女の事に関しても明らかにはぐらかしており、後にエアリアルが本当にGUND-ARMである事が判明した際も、感情に訴えかけてなぁなぁにする謝罪ですませた。また、第三者からスレッタについて聞かれた際にはほぼ必ず「あの子」と呼び、「」とは呼ばない。

スレッタが従順すぎるほどプロスペラに忠実であるのも一種の洗脳に近いものではないか。スレッタとプロスペラは実の子なのか。このはサマヤ行方と共に視聴者話題を呼び、キャッチ―な展開と合わせて作品序盤の人気を大いに盛り上げた。


   

 

注意 この節は、『水星の魔女本編
鑑賞後に閲覧することを推奨します。

 

































プロスペラがたびたび発言していた「私のかわいいたち」という言葉は、エアリアルの中でデータストームと一体化しているエリクト・サマヤ(とその拡意識)をしている。

スレッタの正体はエリクト遺伝子情報から生み出されたリプリチャイルド(一種のクローン人間)であり、エリクト遺伝子上の繋がりがあるとはいえ、プロスペラにとっての本当のはあくまでエリクト1人のみである。スレッタエリクトの居場所を作るまでの繋ぎであり、データストームを拓くための「」でしかない。

プロスペラがスレッタに行ってきたことは、生育環境を利用した紛れもないマインドコントロールである。ただ、だからと言ってスレッタにまったく情がいわけではなく、エリクトの懇願で復讐計画から解放することを決めた際には、スレッタ友人達のもと(=アスティカシア学園地球寮)を訪れ、孤独となるであろうスレッタの新しい居場所を確認する一応の配慮もしていた。
……これまで身に可がったペットを「ごめんね。こっちの方が君にはいいからね」と自然に返して(捨てて)くる動物虐待のような行為ではあるが。

ゴドイ・ハイマノ

秘書兼ボディガードを務める黒人の大男。スレッタとも顔なじみ。

アンダーグラウンドに伝手が多いらしく、プロスペラの情報戦を強力にサポートする。ゴドイ当人もプロスペラに忠を誓っているが、彼自身のルーツシン・セーに入社した経緯は、本編中では明らかにされなかった。このアニメ常に全力で展開巻いてるからね。仕方ないね

デリング・レンブラン

ヴァナディース機関襲撃の首謀者であり、エルノラにとっては夫や恩師、研究所の仲間を死に追いやった復讐の相手。

……なのだが、プロスペラはそのデリングが総裁を務めるベネリットグループ下に入り、それどころかデリングと共同して極秘計画「クワイエット・ゼロを進めている。計画に必要なエアリアルの実戦データ提供するなど、その関係性はに満ちている。

ミオリネ・レンブラン

スレッタである彼女に当たる。自分の立場をわきまえずにに反発するミオリネには思う所があるのか、何かといびのある接し方をする。そればかりか、時にはミオリネをうまく誘導して自分のを通すことも。ミオリネの方でも、スレッタとの不自然子関係を見せつけられたことで、次第に不信感を抱くようになる。

シーズン2では、重体のデリングに代わってクワイエット・ゼロを引き継ぐように要請。スレッタへの扱いに対して問い詰めてきた際にも得意の話術で巧みにかわし、最後はスレッタを人質にするような形で総裁選への出を確約させる。

ベルメリア・ウィンストン

ペイル・テクノロジーズに所属する、ヴァナディース機関時代の後輩。「ベル」の称で呼んでいる。

かつて却下された拡神経移植理論「強化人士」の発案者であり、ヴァナディース壊滅後はその実績を買われてペイル社に囲い込まれた。(そうしないと身の安全が保障されないとはいえ)現在に至るまで何人もの被検体を使い潰しており、その後ろ暗い経歴をプロスペラにつかれ、彼女の手駒となる。

ヴィム・ジェターク

ジェターク・ヘビー・マシナリCEO。エアリアルGUND-ARMの嫌疑をかけられ、プロスペラがベネリットグループフロントで行われる審問会に呼び出された際、最初にアポを取りに行った相手。

両者は3年前の社長就任祝いの席で顔を合わせただけだったが、プロスペラはどういうわけかヴィムのデリング暗殺計画(未遂)を捕捉しており、初手でその件を持ち出してヴィムを脅迫。同時にGUNDフォーマットデータ提供も持ち掛ける作戦で、審問会で自分を擁護する芝居をうつよう約束させた。前述した通りデリングとプロスペラは最初から通じていたわけだが、より自然な流れで審問会を終わらせるよう仕組んだわけである。

ヴィムは提供データを元にGUND-ARMの試作を始めるが、しばらく後になって、自社により有利な条件での技術供与を行うよう、息子ラウダ・ニールをプロスペラの元へ差し向けて「交渉」を持ち掛ける。この件は株式会社ガンダムデリングの黙認の下で起業、シン・セーがそちらと提携することでお流れとなり、子はって顔をしかめることになった。

シャディク・ゼネリ

ラスレー・ディフェンス・システムCEO、サリウス・ゼネリの補佐。プロスペラは正体不明のGUND-ARM情報を入手するため提携するミオリネには断で彼女の敵であるシャディクの元を訪問する。

表立っての面識はそれくらいなのだが、実はシャディクは自らの的のためにテロ組織と通じており、その組織こそが正体不明のGUND-ARMの運用者であった。この組織は度々ベネリットグループに攻撃を仕掛け、その度にプロスペラの計画は脅かされることになる。

ベネリットグループ握を論むシャディクと、クワイエット・ゼロを推進するプロスペラ。この2人はお互いの計画を何一つ知らないまま、お互いの計画にダメージを与える行動を繰り返していた視聴者間では「この2人のどちらがラスボスになるんだ?」という展開予想が盛り上がった。

彼女たちのネガイと、譲れない優しさ


   

 

注意 この節「も」、『水星の魔女本編
鑑賞後に閲覧することを推奨します。

 

































プロスペラの的は、巨大データストーム発生装置「クワイエット・ゼロ」を完成させ、地球圏全域をデータストームで覆ってエリクト物理間に再臨させることである。

GUND-ARM粛清したデリングは妻と死別した後、彼女が遺したクワイエット・ゼロ計画を成就させ、世界から戦争を根絶する野望を抱く。そのためには(ある意味本末転倒ではあるが)データストームの拡役としてGUND-ARMが必要であった。プロスペラはそこに付けこんでデリングに接触し、パートナーとなったのである。

エアリアルパーメットスコアが8に到達し、エリクトが自分の意思でエアリアルを動かせるようになったことで、用しとなったスレッタを放逐したプロスペラは行動を開始する。まずは総裁選を勝つための実績が欲しいミオリネをそそのかし、地球・クイン・ハーバー会談に同行。デモ隊の戦闘車両オーバーライドして非武装のエアリアルを攻撃させ、これ幸いと裏で持ち込んでいた武器を回収。そのまま、これまでテロリストに扮して横やりを入れてきた新生オックスアース秘密倉庫を強襲し、テロ具に成り下がったガンダム・ルブリス量産試作モデルを全て吹き飛ばした。なお、この倉庫爆発デモ隊は治安維持軍を全に敵とみなし、軍側も反撃したことでクイン・ハーバー焼け野原になった。

惨劇をの当たりにして死にそうな顔でうずくまっているデリングを放置して宇宙に戻ったプロスペラとエリクトは、シン・セーのスタッフのみで、デリング断でクワイエット・ゼロを起動。攻撃してきた宇宙議会連合の艦隊を殲滅し、クワイエット・ゼロの中核ユニットを強奪すべくベネリットグループフロントに迫る。だが、自分の意思に覚めたスレッタが、このままでは全地球圏を支配する独裁者になってしまうを止めるべく、旧機のガンダム・キャリバーンで突撃してくる。

スレッタエリクトにあしらわせつつ、自らはクワイエット・ゼロ内部に侵入したミオリネ地球寮一行を襲撃。しかしベルメリア強化人士5号の奮戦で時間を稼がれ、緊急停止コードの入力を許す。さらに議会連合が切り札として用意していた惑星レーザー撃により、これを防御したエアリアルが大破してしまう。

キャリバーンエアリアルを接続して再びやってきたスレッタを迎え入れたプロスペラは、自らのデータストーム汚染が致命的なレベルに進行していることを明かして泣き落としにかかるが、スレッタは拒否。クワイエット・ゼロに頼らず、自分自身がエリクトの触媒となって、全地球圏規模の巨大なデータストームを展開する。
その中でプロスペラは、ナディムやカルド博士、そしてヴァナディース仲間たちと再会。彼らの説得を受けても、なおも願いを断ち切れないプロスペラだったが、エリクトと10数年ぶりの抱擁を交わし、スレッタから「復讐ではなく、未来のために進み続けた」ことを肯定され、遂に歩みを止めることを決意。エリクトスレッタ、2人のに謝罪するのだった。

なお、プロスペラ自身は預かり知らぬことだったが、知らないうちにプロスペラの計画に横やりを入れていたシャディクが、クワイエット・ゼロによる事件が自身の責任であることを供述する宣誓書にサインしていた。彼にとっては自らの悪行に対するけじめだったのだが、最後の最後でプロスペラはシャディクに救われたわけである。

3年後。クイン・ハーバーからそう遠くない麦に、データストーム汚染のリハビリに励むスレッタと、それを見つめるプロスペラ……エルノラの姿があった。
いびつな形で化し、車椅子に深々と掛ける様子は、余命が幾ばくもいという暗示だろうか。エリクトと抱き合うことは二度とわなくなったが、姿を変えて生き続けるを見守りながら余生を過ごせることは、謂れなき苦しみにされ、多くの罪を重ねた彼女への、最善の報いと言えるのではないだろうか。

余談

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