メタルマックスリターンズとは、FCで発売されたRPG「メタルマックス」をSFCでリメイクした作品である。
メタルマックスの概要についてはメタルマックスの項目である程度説明されているので、ここでは初代との相違点を主に挙げていく。
賞金首の追加、能力などの変更
初代では賞金首は11体存在していたが、リターンズで新たに5体の賞金首が追加され、合計で16体となった。
- Dr.ラフレシア
- ネギの沼地で出現する、巨大花の賞金首。地形の関係上、戦車で戦うことが出来ない。
ドリルに催眠ガスやHP回復、全体攻撃など様々な攻撃を仕掛けてくる強敵だが、
実は手榴弾とDDパイナップルを投げつけるだけで倒せるのは内緒だ(避けられなければ)。
- ビートラ
- フリーザ東部の砂地にタイヤを取られて動けなくなっている車両型の賞金首。
ヘッドライトを浴びせ、こちらの命中率(=攻撃力)を低下させてくる。
乗り降りすれば低下した命中率がリセットされるが、事前知識がないと命中率低下に気付かず、長期戦になりがち。
(発売当時の攻略本でもヘッドライトの命中率低下効果に気付くことが出来なかった)
同族の「ニュービートラ」が、PS2の砂塵の鎖とmixiアプリ等のメタルサーガ ニューフロンティアに登場する。
- ブラスバンシー
- コロナビル内に登場する、頭に金管楽器を複数備え付けた巨大イカ(?)。
ビル破壊イベント後はビル跡~イル・ミグラの間にランダムエンカウントするようになる。
音波攻撃でこちら全体を混乱させたり眠らせてくる。防御手段がないと成功率が恐ろしく高いため、かなり手強い。
DSの鋼の季節でも、多少弱体化されてだが登場する。
- ビル内でエンカウントすると白兵戦を強いられるため、その場は素直に逃走してイベント後に車で戦うべき。
- ツェッペリン
- デビルズタワーに潜む、実体化したウイルスの賞金首。クラゲに似た外見をしている。
マヒやCユニット破壊を誘発する電撃攻撃を得意とする。
特定のポイントで戦わないとカミカゼ並にすぐ逃げ出す習性がある。
- ロドリゲス
- 砂漠のオアシスでハンター達を待っている賞金首。1対1のタイマン勝負でないと戦うことが出来ない。
800近いダメージをたたき出す「へんてこなミサイル」は当時のプレイヤー達を震撼させた。
ソルジャーで挑むのがセオリーだが、タイマンである事を差し引いても兄貴分よりもはるかに強いと専らの噂。
これら新登場の賞金首の存在を受けて、既存の賞金首もデザインや行動パターン、能力が大きく変わっている。
戦車改造の自由度強化
初代ではシャシーの性能強化と穴を開けること、エンジン出力アップしか出来なかった改造だが、2で各パーツの改造を行うことが可能になり、さらにデチューンを行ったり、シャシーの穴の種類を変更することも可能になった。
リターンズは2の改造システムをベースとしている。特徴的なのはシャシーの穴に関する改造で、2のように全ての部分の穴を好きに変えることが出来る訳ではないが、同時に1ヶ所に2つ穴を開けるシャシーが何台か存在する。
分かりやすく言うと、S-Eの穴にATMミサイルなどを2門積んで、一度の攻撃で2発発射という芸当が出来るようになった。
シャシーによっては機銃を2つ同時に積むと言うことも可能。
装備の大幅増加
SFCの容量を利用し、装備が大幅に増えた。トレーダーキャンプでしか売っていない珍しいものや、どう見てもネタでしかないものまで様々。
耳栓が装備品からアイテムに代わり、戦闘中に使用することで効果を発揮するようになった事で、わざわざ頭防具を付け替えなくても音波攻撃を防げるようになった。
前述通りの大容量化により、戦闘時のエフェクトも個性的になったため、実威力の他に外見で選ぶなどの拘りを持つこともできるようになり、より「メタルマックスらしく」なった。特に前作まで文字通りお荷物でしかなかったS-Eが威力、外見、攻撃範囲共にバラエティに富み、さらに、「二刀流」によりゲームバランスを崩しかねないほどの威力を叩き出すことも可能となった。
ダンジョンの追加、構造の変化
新しいダンジョンとして、驚異的なショートカットを敢行することが出来る「東西線地下鉄跡」と、後半の街「ソル」の街中に聳え立ち、メタルマックスシリーズの世界観の一部分を垣間見ることが出来る「デビルズタワー」が追加された。
また、ラストダンジョンである「地球救済センター」の上層部の構造が変化しており、初代では最初から戦車で壁を壊して乗り込むことが出来たのが、リターンズではある程度の段階を踏まないと戦車で入ることが出来なくなっているなど、攻略難易度が上昇している。
その代わり、そこでのビッグキャノン戦がカットされている。
Cユニットのプログラム追加
2以降命中率と回避率の性能が付加されたCユニットは、最も安価なCユニット以外に、
それぞれプログラムが設定されていて、主に、戦闘時の補助や移動時の補助に分けられている。
中でも「援護」プログラムは、ある機銃と組み合わせることによって、ゲームのバランスを根本から覆すほど強烈な性能を持っている。
あまりにも圧倒的すぎてゲームがつまらなくなる可能性も否定できないので、使用の際は自己責任で。
BSコントローラの機能追加
以前のシリーズでは地図を見ることと、衛星レーザーを発射する機能しかなかったが、
リターンズでは次の町や村の情報、戦車の情報、賞金首の討伐情報など、さまざまな情報を見ることが出来るツールとなっている。
これらの機能は最初からBSコントローラに登録されているが、町やダンジョンにあるコンピュータからプログラムをダウンロードすることで、次のレベルに必要な経験値やシグナル発信機の座標確認などの機能を追加していくことが可能。
衛星からレーザーを発射する機能は追加プログラムという扱いで、最初は使うことが出来ない。
以前のシリーズで見れた戦車データは、BSコントローラの機能としてまとめられたため、スタートボタンで直接見ることが出来なくなった。
戦車
基本的な性能はFC版メタルマックスを踏襲しているが、一部の戦車の車種が変更になっており、渚の洞窟で手に入るパンサーはティーガーに、ポートスラムで手に入るタイガーはエイブラムスに、ゴーストベースで手に入るKタイガーはホワイトタイガーに変更となった。
また、戦車改造の自由度向上によって開けられる穴の種類や位置に差が生まれ、強さが変化したものもある。
- モスキート
- リオラド南の洞窟でウルフから譲ってもらえる豆戦車。フルカスタムで6t台と車体が軽く、守備力も250近くまで行く安定した性能。
最初に手に入る戦車だが、しばらく戦車らしい戦車はこれだけなので当面は主人公機として活躍できる。
穴の構成が主砲穴に大砲、副砲穴に機銃、SE穴に特殊砲という基本的な構成しかできないのが難点。
それでも、最大まで改造すればラストまで持って行ける潜在能力は秘めている。
- ワイルドバギー
- ポブレ・オプレ東にある海岸の工場で2番目に手に入る車両。今回はセキュリティが切られているので簡単に手に入る。
人間武器やアイテムを車内から使えるが車外のガスの影響を受けるなど、3のバイクの祖先にあたる。
戦車に比べて守備力が低く、主砲穴が存在しない為2つしか武装が積めず、副砲穴に機銃、SE穴に特殊砲か大砲という軽武装であるが、SE穴に大砲を積めるため迎撃プログラムがあれば弾薬の安い大砲で迎撃を行うことが出来るので迎撃能力に長けている。
人間装備で中から攻撃と言う事もあってソルジャーとの相性は最も良い。
いっその事、より装甲タイルを確保する為に副砲穴を塞いでしまって、人間装備を副砲代わりにしてもいい。
- バン
- 無敵病院で手に入る如何見ても救急車なクルマ。移動時に回転灯が光る。公式が病気シリーズ。
FC版同様守備力が最低である反面、フルカスタムしても車体がモスキート並みに軽い上に、今回は穴構成も面白い。
入手時こそ普通の救急車だが、SE穴に機銃を2連装できるためザコ掃討に絶大な威力を発揮する。特殊砲2連装で賞金首もOK。
また、主砲穴や副砲穴にも特殊砲を装備できるので特殊砲だらけになったりもできる。
原作と同じく移動時には一歩歩く事に搭乗者のHPを回復するので、生身で戦う事の多いソルジャー用として運用するのもアリ。
- そうこうしゃ
- ソルの街の下水道に潜むミュータントワニを倒すと、お礼にもらえる装輪装甲車。
主砲に特殊砲を搭載可能、S-Eで特殊砲二刀流も出来るのに、フルカスタムで10tそこそこと言う軽さが魅力。
守備もモスキートよりも硬く非戦車戦闘車両ながら下手な重戦車よりも優秀なのだが、守備はともかく同じ事が出来るバンより重い。
加えて入手条件になっているミュータントワニが生身戦闘を強いられる割りにかなり強く、どうしても入手時期が後回しになりがち。
更にミュータントワニを倒せるようになっている頃には全員もっと強力な戦車に乗っている事も多い為、「俺は戦車よりも装甲車が好きなんだ!」と言うプレイヤー以外には改造費を割く旨みが少ない。
入手時期さえ違えば大活躍出来たかもしれないが、バンとミュータントワニが存在したのが最大の不運だった。
- ティーガー
- 渚の洞窟最下層にナマリ茸だらけで埋まっている戦車。豆戦車のモスキートと違い、初めて手に入る本格的なMBT系戦車となる。
入手時は95mm砲しか無いが、同じ洞窟内にウォズニアクⅡとV24ハルクが埋まっている為、使おうと思えば直ぐに使える。
しかし、二連装出来る穴が無く、後に手に入る同じMBT系戦車のエイブラムスやRウルフに比べると、全ての面に於いて見劣りする。
フルカスタムで守備力がモスキートの1.2倍の300なのに対して、重量は約3倍の18tにもなる。(全戦車中ワースト2の重量である)一応、SE穴に機銃を装備できるため、迎撃プログラムがあれば敵弾を無料で迎撃出来る点は強みだが、メリットはその程度。
精々繋ぎで使うか、余程ティーガーに思い入れとこだわりが無ければ最後まで第一線で使う選択肢は見当たらないだろう。
原作版メタルマックス2に登場したマンムートとどっこいどっこいの不憫なシャシーである。
- エイブラムス
- ポートスラムで売っている近代主力戦車。現代の米陸軍でも正式採用されているM1エイブラムスそのものである。
価格は店主の気分で変動するが、粘れば12501G程度でも買える。
無難な性能だが主力戦車に相応しい守備力を持ち、ティーガーより遥かに軽いので最後まで主力として活躍できる。
穴構成は基本的な戦車タイプだが、SE穴に特殊砲を2連装できる。初期装備もなかなか強い。
何よりフルカスタムしても重量が14t未満で収まってしまう軽量さが素晴らしい。
- Rウルフ
- 皆大好きシリーズ伝統の紅い戦車。メルカバっぽくなったのは今作から。CユニットがSOLOMONⅡだからだろうか?
『紅い悪魔』の異名を持つ伝説のハンター、レッドウルフの愛車で、ある賞金首を倒すとイベントで彼の異名と共に譲り受ける事になる。
穴構成はエイブラムスとほぼ同じながら100近く高い守備力を持ち、その割に重量はフルカスタムでも17t未満という超強力な戦車。
初期装備もレッドウルフが今さっきまで使っていただけあってかなり強力。中でもS-トルネードは全特殊砲中最大の威力を持つ。
ここ一番のタフさと器用さこそ後述のホワイトタイガーに譲るが、総合的なバランスでは間違い無く最も優秀な戦車だろう。
- ホワイトタイガー
- 初期名「ホワイトムウ」。ゴーストベースの奥に眠る最後の戦車。近未来主力重戦車とでも言うべきオリジナルの戦車である。
車体重量は全車中最も重いが守備力も全戦車中最高の500まで上がる極めて頑丈な戦車で、穴構成も他戦車で出来るほぼ全てのことが可能。基本は大砲機銃特殊砲の典型的な戦車タイプだが、高い拡張性を持ち、副砲・SE穴の両方で2連装が可能。
機銃2連装、特殊砲2連装、機銃による迎撃のうち2つまでを同時に実行出来ると言う、すごい戦車である。
尤も其処までやると流石にSPが不安になってくるが、軽量・高性能なパーツを選別すればある程度はカバーできる。
しかし、SPを気にせず守備力を最大まで改造して大火力特化型に改造した方が、この戦車の潜在能力を引き出せるだろう。
また、レンタルタンクは初代では自分が所有できるシャシーがベースだが、リターンズでは全て独自のシャシーが使われている。
ハーフトラック(後のデマーグ)や、シャーマン、パンツァー等、後にメタルサーガシリーズ等で活躍する物も含まれている。
ある条件をクリアすると、BSコントローラからレンタルできるトラクターは必見。
他にも変更点は色々とあったり
初代の頃とは施設の名前が変わっていたり(例:とうきょうタワー→電波塔 ゴミ捨て場→有機廃棄物投棄場)
初代にはなかったイベントやミニゲームがあったり、台詞回しが所々変わっているので、比較しながらプレイしてみると面白いかも。
関連動画
関連商品

![ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。]()
![ニコニコ市場は2023年11月に終了しました。]()
関連コミュニティ
![ニコニコミュニティは2024年8月に終了しました。]()
関連作品
関連項目