ローズキングダム
ローズキングダムとは、2007年産の日本の競走馬である。
馬名はバラの王国という意味。やらないか♂
彼を語る前には、まず彼の曾祖母であるローザネイから始まる血統を語らなければならないであろう。
このローザネイ、父Lyphardの輸入牝馬なのだが、まあ比較的産駒が走る系統で、持ち込みのロゼカラー、日本での産駒ロサード、ヴィータローザ、ロゼカラーの子であるローズバド、ローゼンクロイツもGⅠやクラシック戦線で活躍し、重賞を多数勝った。
…のだが、肝心のGⅠでは2着が最高でGⅠには届いていなかった。
当時、GⅠに届いていなかった社台の名門ということでスカーレット一族やファンシミン系と比べる向きもあったのだが、スカーレット一族は2004年ダイワメジャーが皐月賞を勝ちGⅠ制覇達成。その後メジャーも次々GⅠを獲った上、さらにダイワスカーレットやヴァーミリアンらもGⅠ荒稼ぎ。すっかり勝負強い名門になってしまったのだ。
残ったファンシミン系も2005年にラインクラフトとアドマイヤマックスがGⅠを勝ち、GⅠ馬の系統となった。
ちょっと残念な血統仲間がGⅠ勝っちゃってNDK?状態になった中、彼は生まれたのである。
父キングカメハメハ、母ローズバド、母の父サンデーサイレンスという血統。ぴかぴかの良血馬である。
サンデーレーシングに卸され、200万×40口の総額8000万で募集されることになった。作曲家の平尾昌晃氏も一口購入したとか。
母や一族が世話になっているGⅠに届かない原因である可能性が微レ存橋口厩舎に入厩し、2009年の10月にデビューすることとなった。
ここでは超良血で評判馬、のちに立ちふさがることになるヴィクトワールピサが出走しており、貧相な体つきで調教もイマイチだった彼は二番人気になったが、巧みな競馬で内を突き先頭に躍り出ると、最速の上がりでヴィクトワールピサをねじ伏せデビュー戦を勝利で飾る。
続く東スポ杯2歳ステークス(GIII)も前につけ抜け出しトーセンファントムの豪脚を完封し重賞勝利。次走はラジオNIKKEI杯2歳ステークスの予定であったが、同厩のデイリー杯を獲ったリディルが骨折離脱し朝日杯出走が出来なくなったので、その代打として朝日杯フューチュリティステークス(GI)へ。
すでに使い方がアレな感じがするが、レースでは中団につけて直線真ん中を割って抜けだすと粘るエイシンアポロンを切って捨て1着で駆け抜けた。
一族の悲願、GⅠ制覇をたったの三戦で達成してみせた。とは言え2歳GⅠは軽視される傾向があるので今度はクラシック以降での勝利が期待される存在となった。
クラシックに向け、スプリングステークス(GII)から復帰。圧倒的一番人気に推されるが前が詰まったりして上手く立ち回れず、上がり最速で突っ込むが3着に敗れてしまう。
上がり最速だったとはいえ、荒れ気味で力の要る馬場が合わなかったということもあったかもしれない。この馬、小柄な馬体なためか非力さを見せる局面がここから増えてきてしまうのである。
皐月賞(GI)ではまだ二番人気であったが、最内を切り裂いて突き抜けたヴィクトワールピサを尻目に真ん中を突き抜けようとしたが伸びきれず4着に敗れた。
この後はダービー(GI)へ向かうことになったのだが、直前で挫石を発症し出走が危ぶまれる事態に陥った。幸運にも直前で骨折したダノンシャンティとは違い、なんとか事なきを得て出走となった。
レースは超スローでの切れ味勝負となり、キレが身上の彼には持って来いの展開となったが、よりこの展開が大好きなエイシンフラッシュの切れ味に敗れ2着となった。
母のローズバドもオークスで2着に敗れており、血であるとしか言いようが無い感じである。せっかく良い条件なのにコロッと負ける辺りもそれである。
失意の春を越え、正念場の秋を迎えた。初戦は2400mの神戸新聞杯(GII)。ここではエイシンフラッシュとの再戦となったが、今度は見事にねじ伏せ重賞勝利。自信を持って菊花賞(GI)へ向かった。ここでは皐月賞馬ヴィクトワールピサが凱旋門賞挑戦で不在、エイシンフラッシュは直前に筋肉痛を起こしリタイアとなり断然の一番人気…とはならず、距離不安を言われて2.6倍で落ち着いた。
レースでは後方待機からキレのある末脚で迫るが、ビッグウィークが早め先頭で押し切るのを止められず2着。とにかく何かが足りないようである。
次走にはジャパンカップ(GI)を選択。秋の内容が評価され四番人気と評価された。そして迎えたレース。前々で脚を溜めて直線真ん中を割って抜けだす朝日杯のような競馬を見せたが
外から派手に斜行してきたブエナビスタと、内から真ん中によれてきたヴィクトワールピサに挟み込まれ完全に止まる甚大な不利を受けてしまう。
しかしそれでも立て直し、根性を見せ前を行くヴィクトワールピサをかわし、ブエナビスタにこそ及ばなかったが2位を確保。これが、彼に良い運命を運ぶことになった。
斜行したブエナビスタ、お咎め無しとはならず降着。2位入線のローズキングダムに繰り上がりという形でジャパンカップ勝利が転がり込んだのである。
しかし、彼が諦めてズルズル後退したり、3着でいいやと諦めていたらGⅠの舞台でスターのブエナビスタが降着して
被害馬どころかローズキングダムに不利を与えた可能性もあるヴィクトワールピサに1着が転がり込んだとはあんまり考えにくい。
そう考えれば、彼が不利を受けながらも闘志むき出しで頑張ったことが此の勝利につながったとも言えなくはない。
ブエナの斜行はちょっとひどすぎだったので問答無用だった気もするが。
そんなこんなで古馬相手でもGⅠを勝ったのだが、やっぱり周りから言われたため捲土重来、ちゃんとブエナに勝つことを目標に有馬記念に出走…するはずだったのだが疝痛で回避。
ここから歯車が狂ったか、古馬になった後は京都大賞典を勝ったくらいで、GⅠでは勝負圏外というレースが続いている。
安田記念で久々にマイル戦に挑戦するも後ろに位置しすぎたか、それとも気持ちが切れていたか伸びあぐね13着。
復活する日はいつになるのだろうか…
しかし、結局復活する日は来なかった。ついにはローカルGⅢの新潟大賞典にトップハンデを背負い出走して沈没。
かつてダンツフレームが天皇賞から中一週で出てきた時も物議を醸したものだが、彼は一伸びで撫で斬り圧勝し貫禄を示したのだが
彼はほんの一瞬鋭く伸びるようなフシもなく沈没していった。晩年は気持ちがぷっつり切れていたようだが、結局残ったのは汚名のみであった。
そして引退を表明した。なお今後については2013年5月現在不明である。 え?種牡馬入りしないの?と思うかもしれないが
父キングカメハメハという時点でルーラーシップとバッティングするしその上母父サンデーサイレンスでは、正直付ける相手に困るというものである。
ヴァーミリアンやソングオブウインドは?と思うかもしれないが彼らの場合父エルコンドルパサーが早世したという大きな理由があり、彼は父も生きているし同い年で実績も血統も一枚上のルーラーシップが存在する時点でもう詰みに等しいのである。
馬体も母に似て細身で小柄、それのみならず斤量を苦にしてしまうパワーの無さというのは大きなマイナスといえる。小柄でも例えばオルフェーヴルやステイゴールドはパワーに溢れ斤量を一切苦にしないし、ステイゴールドはその力強さ故にか種牡馬としても大成功した。この親子は溢れすぎてるとも言うが。
彼に残された道はもう功労馬や誘導馬として生きるのみなのであろうか…
と筆者は悲観的にもなったのだが、6月に入ってようやく種牡馬入りの話がまとまり日高のブリーダーズスタリオンステーションで種牡馬入りする運びとなった。
血統故に日本では苦戦必至ではあるが、何とか切れ味を伝えてほしいものである。
なお、ブラジルから種牡馬入りオファーがあったようだがそれは蹴っ飛ばしたらしい。 ブラジルの方が牝馬は選べたと思うのだが…
2018年10月、頭を強く打ったことにより麻痺が残り種牡馬を引退したことがヴェルサイユファームのツイッターで判明した。ヴェルサイユファームで老後を送ることとなった。2019年9月、同じ牧場で繋養されていたタイキシャトルとともに何者かにたてがみを切られる事件が起こった。この事件以降競走馬牧場が観光客にたいして解放しなくなることが相次ぐなど、悲しい事件となった。
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble | |||
*マンファス 1991 黒鹿毛 |
*ラストタイクーン | *トライマイベスト | |
Mill Princess | |||
Pilot Bird | Blakeney | ||
The Dancer | |||
ローズバド 1998 青毛 FNo.1-w |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ロゼカラー 1993 鹿毛 |
Shirley Heights | Mill Reef | |
Hardiemma | |||
*ローザネイ | Lyphard | ||
Riviere Doree |
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最終更新:2021/01/18(月) 19:00
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