アドマイヤマックス(Admire Max)とは、1999年4月10日生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2001年:東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)
2004年:富士ステークス(GⅢ)
2005年:高松宮記念(GI)
父*サンデーサイレンス、母ダイナシュート、母父Rahy(ラーイ)という血統。
父*サンデーサイレンスは日本競馬史に燦然と輝く大種牡馬で、長らくリーディングサイアーの地位にあった。
母ダイナシュートは重賞3勝馬で、アドマイヤマックスは新馬齢17歳の時の産駒。ダイナシュートの孫にはGI2勝馬ラインクラフトがいる。社台グループの名牝系として知られ、ソングオブウインド、ルヴァンスレーヴ、チュウワウィザードなども輩出したファンシミンの牝系に属する。
母父*ノーザンテーストは日本競馬史に残る大種牡馬で、長らくリーディングサイアーの地位にあった。「父サンデーサイレンス、母父ノーザンテースト」の組合せによるGI馬が中々誕生しないことで知られていたが、最終的にはデュランダル、アドマイヤマックス、ダイワメジャー、エアメサイアと4頭のGI馬を輩出した。
生産はノーザンファームで、第2回セレクトセールにおいて7350万円で落札され、アドマイヤ冠で知られる近藤利一の所有となった。
栗東の橋田満厩舎に入厩し、10月に芝1600mの2歳新馬に出走すると、福永祐一鞍上で単勝4.1倍の1番人気に支持され、上がり最速で差し切ってメイショウトキムネに4馬身差付けて圧勝。
続いて11月に東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)に単勝4.8倍の2番人気で出走すると、逃げた1番人気ローエングリンが13着に終わる中、差し切ってマチカネアカツキに2馬身半差の勝利。因みに馬券内の3頭ともセレクトセール出身であることから、今は無き分類区別の「市場取引馬」(マル市)であったらしい。そのセレクトセールのおかげで市場取引馬が珍しくなくなったこともあり、後に優遇措置は廃止されたが。
12月には同期同馬主のアドマイヤドンが朝日杯に出走する一方、アドマイヤマックスはラジオたんぱ杯2歳ステークス(GⅢ)に出走。単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持され、上がり最速タイで大外から追い込んだが、先行した単勝50.3倍の6番人気メガスターダム、4番人気マチカネアカツキに次ぐ3着。
右肩の不安ということで弥生賞、皐月賞などは回避していたが、最終的に右橈骨遠位端骨折であったことが発覚した。
3歳初戦は9月の菊花賞トライアル、セントライト記念(GⅡ)。後藤浩輝鞍上で単勝3.1倍の1番人気に支持されたレースでは、後のGⅡ大将バランスオブゲームに1馬身半差付けられたものの2着と健闘。
距離の関係から天皇賞(秋)も考慮したが収得賞金の問題もあり出走した10月の菊花賞(GI)では、トライアル2着ということもあり単勝4.8倍の2番人気に支持された。レースはゲートが開いた瞬間1番人気の皐月賞馬ノーリーズンが落馬し、10番人気ヒシミラクル、16番人気ファストタテヤマ、3番人気メガスターダムの順に決着。そんな中で後から見れば明らかに距離が長かったアドマイヤマックスは11着に沈んだ。因みに一応登録していた香港国際競争の第1希望も芝2400mの香港ヴァーズだった。
11月には芝1800m時代の京阪杯(GⅢ)に出走。ここも単勝1.8倍の1番人気に支持され、末脚は見せたが5番人気サイドワインダーの3着。因みに5着には6番人気タップダンスシチー。
復帰戦となる4歳初戦は武豊鞍上で6月の安田記念(GI)。馬体重が16kg増加したこともあってか単勝18.6倍の6番人気となり、先行して番手に付けた後藤鞍上の1番人気ローエングリンは捉えたものの4番人気アグネスデジタルの末脚に屈し、クビ差で2着。
8月の関屋記念(GⅢ)は後藤鞍上で単勝1.6倍の1番人気に支持されたが、ここはオースミコスモの3着。
9月のセントウルステークス(GⅢ)は福永鞍上で臨んで3番人気に支持されたが、 テンシノキセキ、ビリーヴ、デュランダルに次ぐ4着。
続く10月のスプリンターズステークス(GI)に武豊鞍上で出走すると、単勝5.1倍の2番人気に支持された。レースでは後方から末脚を見せたが、最後方からの更に強烈な末脚を見せた5番人気デュランダルが勝利する中、先行した1番人気ビリーヴも捉えられず3着。あまり短距離のイメージがないサンデーサイレンス産駒であるがこの時は3着までを独占している。なお、クビ差の4着には5戦無敗で臨んだ3番人気レディブロンド。
マイルチャンピオンシップは収得賞金不足で除外対象となったこともあり、12月は香港マイル(G1)に福永鞍上で遠征し、先団からの競馬で3着ローエングリンと叩き合いの末4着。
この年は5戦して1度も掲示板を外さなかったものの、未勝利に終わった。
軽度の骨折を発症していたようで、また暫く休養。
スプリンターズステークスは収得賞金の都合上除外対象ということで、復帰戦となる5歳初戦は10月ポートアイランドステークス(OP)。赤木高太郎鞍上で単勝1.7倍の1番人気に支持されたが、結果は4着。
更に同月の富士ステークス(GⅢ)に出走すると、武豊鞍上で単勝2.3倍の1番人気に支持され、折り合いをつけて最後に上がり最速タイで差し切り、モノポールに1馬身差以上付けて約3年ぶりとなる重賞制覇。因みに3着までをサンデーサイレンス産駒で独占している。あと、アドマイヤマックスが1番人気で勝ったのはこの時だけ。
11月はマイルチャンピオンシップ(GI)に武幸四郎鞍上で出走し、6番人気でデュランダルの6着と菊花賞以来の掲示板外に終わった。
12月にはCBC賞(GⅡ)に出走し、2番人気に支持されたものの1着から6着まで全てクビ差という僅差の決着となる中でプレシャスカフェの5着。
6歳初戦は1月の根岸ステークス(GⅢ)に出走して武豊鞍上で2番人気に支持されたが、結果は後方からそのまま14着。GIのフェブラリーステークスに出走することを考慮してダートを試したいということだったようだが、これにより春の目標を高松宮記念とした。因みにCBC賞で4着だったメイショウボーラーはガーネットステークスでダートに初出走して勝利した後、ここでも1着となり更にフェブラリーステークスでは3連勝でGI馬となっている。
2月の阪急杯(GⅢ)は福永鞍上で2番人気に支持されたが、後方から上がり最速タイを出したものの、先行したキーンランドスワン、アタマ差で2着の逃げたカルストンライトオ、そこからクビ差3着で上がり最速タイを出したウインクリューガーと来て更にクビ差で4着。
3月には高松宮記念(GI)に出走。武豊鞍上で単勝1.7倍の4番人気に支持されたレースでは、直線半ばで先頭に立ち、6番人気キーンランドスワンに2馬身半差を付けてついにGI馬の称号を手にした。因みに1番人気プレシャスカフェが3着、逃げた3番人気カルストンライトオが4着、2番人気メイショウボーラーは16着に終わっている。
更に鞍上の武豊は1990年にバンブーメモリーでGⅡ時代の高松宮杯を勝利しているものの、GI昇格後は初制覇となった。これにより当時存在したJRAのGI21レースで未勝利なのは、マイルチャンピオンシップと朝日杯フューチュリティステークスの2つだけとなった……がマイルチャンピオンシップは2012年にサダムパテックで勝ったものの残る朝日杯はなかなか勝てず、2021年のドウデュースまで待つこととなった。その間にホープフルステークスがGIとなったおかげで、JRA平地GI完全制覇は2025年10月現在お預けとなっている。
続く5月の京王杯スプリングカップ(GⅡ)は4番人気に支持され、末脚を見せたが4着。
4番人気に支持された6月の安田記念(GI)は後方からの競馬となったが、7番人気の同期6歳馬アサクサデンエンがGIを初制覇する中、伸びずに12着。
10月のスプリンターズステークス(GI)は3番人気に支持され、後方からの競馬となったが、先行した1番人気の香港馬サイレントウィットネス、最後方からの末脚を見せた2番人気デュランダルに次ぐ3着。
11月にはマイルチャンピオンシップ(GI)に出走したが、6番人気でハットトリックの6着。
12月には香港スプリント(G1)に上村洋行鞍上で臨んだが、ここは11着に終わった。
このレースを最後に引退。23戦4勝 [4-2-5-12]。重賞で連対した時はすべて左回りであった。
因みに翌年1月にはノーザンホースパークにおいて同馬主のアドマイヤグルーヴ・アドマイヤドン・アドマイヤマックスの合同引退式なるものが行われた。
引退後の2006年からはビッグレッドファームで種牡馬として繋養されることとなった。2年ごとに供用場所を交換する契約ということで2008年にはブリーダーズ・スタリオン・ステーション、2010年には再びビッグレッドファームに移動したが、以降はそのままビッグレッドファームで繋養されていた。
受胎条件100万円で初年度は種付け数84頭、2年目は85頭。70万円に値下げされた3年目は78頭、4年目は84頭と推移していたが、産駒デビュー後の5年目となる2010年は43頭に減少。50万円に値下げされた6年目の2011年も22頭と減少したが、同年に重賞馬が2頭出た上に30万円に値下げされた7年目は60頭、8年目は86頭と一旦復調。9年目は54頭、10年目は29頭、11年目は24頭、12年目は14頭、13年目は14頭、14年目は7頭、15年目の2020年は1頭のみで産駒無しとなり、2021年は種付けせず同年限りで種牡馬引退となった。晩年は当て馬も兼任していたようだ。
その後もビッグレッドファームで功労馬として繋養されていたが、2023年2月12日に事故のため24歳で死亡。
産駒としては、地方移籍後2連勝して中央に復帰した後更に5連勝で重賞を制覇したが、怪我のため引退して種牡馬入りの予定が死亡したアドマイヤコスモスなど、単発的に芝やダートの重賞馬を輩出していた。代表産駒としては種付け料が30万円に値下げされた年に種付けされて生まれ、ダートGI級で3勝したケイティブレイブがいる。同馬が2023年から種牡馬入りしたため、あまり多くの牝馬は集めていないものの一応直系は繋がった。
| *サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
| Nothirdchance | |||
| Cosmah | Cosmic Bomb | ||
| Almahmoud | |||
| Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
| Pretty Ways | |||
| Mountain Flower | Montparnasse | ||
| Edelweiss | |||
| ダイナシュート 1982 栗毛 FNo.9-f |
*ノーザンテースト 1971 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
| Natalma | |||
| Lady Victoria | Victoria Park | ||
| Lady Angela | |||
| シヤダイマイン 1973 黒鹿毛 |
*ヒッティングアウェー | Ambiorix | |
| Striking | |||
| *ファンシミン | Determine | ||
| Fanciful Miss | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Almahmoud 4×5(9.38%)、Lady Angela 5×4(9.38%)
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最終更新:2025/12/06(土) 06:00
最終更新:2025/12/06(土) 05:00
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