殺し屋の推し(The Hitman‘s Fave)とは、大島琳太郎作の漫画である。雑誌『ハルタ』にて連載されている。
「『史上最強の殺し屋』と呼ばれた主人公がアイドルオタクとなったことをきっかけに殺し屋を引退する」という、所謂「殺し屋引退モノ」のお約束を踏襲した作品だが、現代のアイドルオタクに纏わる多岐にわたる描写と大島氏の高い画力により独特な世界観が生み出されている。
闇社会から恐れられる伝説の殺し屋エンドウオワルは、ある時地下アイドルグループ「ろ~ゼシア」のメンバー皆星香李(カオリン)を推すために突如引退する。自身の殺し屋としての過去を背負いつつ、エンドウはカオリンを推し続ける事ができるのか!?
本名:淵堂終? 性別:男 職業:殺し屋→フリーター 年齢:29歳?[1]
本作の主人公。常に黒い特性スーツ(極めて高い耐熱性・薬品耐性・撥水性・防弾性を持つ)に身を包んでいる。
暴力団「藤山会」に所属する殺し屋だったが、地下アイドルグループ「ろ~ゼシア」のメンバー皆星香李と出会って以降次第に殺しを躊躇するようになり、物語の冒頭で引退することとなる。現在は「推し活にはクリーンな金しか使わない」という誓いを立てアルバイトと布教活動に邁進している。
プログラムされたような精密な動作と一切の躊躇を見せない冷徹な仕事ぶりから”藤山の殺人機械”と呼ばれて闇社会から恐れられ、暴力団同士の抗争を防ぐ抑止力として機能していた。引退後もその戦闘力は健在であり、襲い掛かって来た武装集団に対し命を奪わず返り討ちにする活躍を幾度も行っている。現役時代は拳銃やナイフの他、状況に応じてその場にある工具や日用品なども用いて殺しを行っていたが、現在では主にペンライトやタオル、団扇などの推し道具を用いて戦闘を行う。
幼少期から殺しの技術を磨く傍ら「己を特定しうるあらゆる情報も残さない」訓練を受けており、カメラを向けられると本能的に体が動き撮影されることを拒んでしまうためツーショットチェキ(アイドルがファンと撮るインスタント写真)が撮れないことに苦悩していたが後に克服した。
性別:男
「ろ~ゼシア」のメンバー山本小梅のファンである丸眼鏡のオタクで、推し活中は梅の花を模ったヘアゴムを始めとする小梅を連想させる衣類を常に身に着けている。
学生時代「オタクがバレたら社会的に死ぬ」と思い込み、当時推していたアイドルのライブを休んで友人との飲み会に参加した結果推しの引退に立ち会えなかった過去から「もう現場に後悔は残さない」と決め、常に全力で推し活に取り組んでいる。
エンドウとはろ~ゼシアを推す同志として互いに信頼しあっており、初心者オタクであるエンドウや小野に対しアドバイスを授けることが多い。
性別:男
「ろ~ゼシア」のライブに通い始めたばかりの若いオタクで、主に詩田梨津姫を推している。
当初ライブハウスの異様な雰囲気に戸惑っていたが、エンドウ達とのろ~ゼシア生写真交換をきっかけに推し活にのめり込んでいく。知識も推し活につぎ込める財力も未だ乏しいが、熱意は本物でありろ~ゼシアやエンドウ達を救う活躍をすることもしばしばある。
エンドウ達が推している4人組の地下アイドルグループで、「キラキラの正統派」とも形容される王道・万人向けグループである。メンバー全員の名前にバラ科植物の果実が入っている。
本作のヒロインで、ろ~ゼシア最年少のメンバー。愛称カオリン。
ろ~ゼシアの中でも特に「王道」を前面に押し出したアイドルであり、自身の才能を信じて常に全力で活動に邁進している。仲間から「化け物」と評される極めて強靭な精神を持ち、初ワンマンライブの直前にロシアンマフィアに誘拐された際も他のメンバーの前で完全な平静を装いライブを成功させた。機転もよく利く。ただしリズム感は乏しく、ライブ中ダンスで失敗してしまう事もしばしば。経験の乏しさから努力が空回りしてしまうこともある。
エンドウのことは「えんど~さん」と呼ぶ。「自分を誘拐犯から救ってくれた人」としてエンドウオワルの名は知っているが自分の常連ファンであるエンドウと同一人物だとは気づいていない。
自身もアイドルファンであり、他グループと共演するイベントの際には仕事の合間にサインを貰いに回るほどである。特にDIVE≈ヒロインのメンバー野辺望々果とはアイドルフェスの撮影現場で起こったトラブルを通して親しい仲となった。
外見・性格共に小学生男児のようにも見えるが香李と同じ高校2年生のアイドル。誰に対しても親しい友人相手のような男口調で話す。特撮ヒーローやロボットアニメをこよなく愛しTシャツやプラモデルなどのグッズを所持している。
ダンスに無意識に独自のアレンジを加えた上で振付師に絶賛される天才肌な側面もある。
性別:女
長髪・長身で踊りも完璧なろ~ゼシアの姉貴分。酒癖は良くない。
性別:女
アイドルとして高い才能を持つが重度のあがり症を持つメンバー。なのに何故か体育会系のファンが多い模様。
性別:男
ろ~ゼシアのプロデューサー。アイドルたちのプロデュースの他マネジメント、演出、衣装デザインなどを1人でこなす。自身の人選に強い自信を持っており、ろ~ゼシアのメンバー4人の才能とチームワークに大きな期待を抱いている。
性別:男
元警察官の大柄な男性。表向きは会場スタッフとして働いているが、元は総理大臣である香李の父親に雇われたボディーガードである。当初香李はファンに対して威圧感のある彼を快く思っておらず、森田の側も香李を「首相の娘」として接し互いにぎくしゃくしていたが今では打ち解けている。
岩木興行が主催するマイナーグループ向けアイドルフェス『クイーンズ・オブ・ジ・アイドル・フェスティバル(QIF)』出場グループの内の一つ。4人組の王道清楚系グループとして圧倒的な人気を背景に予選を突破した。出場グループが一堂に会したプロモーション写真撮影の際にも周囲の空気に流されない堂々とした演技で貫禄を見せつけた。
QIF予選を2位で通過した3人組の地雷パンク系地下アイドルグループ。
DIVE≈ヒロインのセンターポジションと作詞を務めるアイドル。愛称ののぴ。
アイドルとして極めて挑発的なキャラ作りを行っており、QIFのプロモーション写真撮影の場で撮影用のQIFロゴマークを破壊する写真を撮り他の参戦グループを挑発した。
本音では本業の清掃員の仕事と両立した上でのアイドル活動を望んでおり、QIF優勝によるメジャーデビューは望んでいなかったが、以前からのDIVE≈ヒロインのファンであり写真撮影を通して結果的に仲良くなった香李からの激励を受けて全力でQIFに挑むことを決意する。
その正体は藤山会直属の掃除屋「ハッピークリーニング」に所属する闇社会の死体処理人。"藤山の殺人機械”エンドウオワルの大ファンであり、DIVE≈ヒロインの代表曲『だいぶ≈深淵』の歌詞は初めてエンドウの仕事を目撃した際の衝撃を歌詞にしたものである。アイドルとしての人気が高まり多忙を極めながらもエンドウとの再会を夢見て掃除屋の仕事を続けている。
QIF出場グループの内の一つである4人組のくノ一アイドル。忍者装束に身を包み手裏剣・刀・弓矢・煙玉等を所持しておりイベントやMVでは殺陣も披露する。
QIF出場グループの内の一つである14人組の組体操アイドル。14人全員が同じ容姿・髪型・チアガール風衣装をしており、人数と一体感を生かした組体操パフォーマンスを行う。
QIF出場グループの内の一つである双子デュオシンガー。揃いのマスクとツナギを身に着け鞭を所持しており、スタッフを巻き込んでSMプレイ風パフォーマンスを行う。
QIF出場グループの内の一つである3人組の仮装メタルバンド。スプラッタ風のセーラー衣装を身に着け血糊を撒き散らしながら演技を行う。
QIF出場グループの一つである3人のマッチョが売りの少女
たち。筋骨隆々な肉体にプロレス風の衣装を身に着けパフォーマンスを行う。
一般社会の裏に潜み非合法な活動を生業とする者たち。本作作中に登場する闇組織は一般社会に対しても非常に大きな影響力を持っている様子である。
日本の闇社会を統べる超巨大闇組織。都内某所にある超高層ビル「フジヤマタワー」に本部を構える。下部組織の長から構成される「連合幹部会」により運営されているが、会長のカリスマ性に依存している部分も大きい様子である。幹部全員が日本の名峰の名と同音の名字を持つ。
性別:男
藤山会の初代会長。群雄割拠状態だった日本の闇社会を統一し天下泰平を齎したとされる。
殺し屋時代のエンドウの雇い主だったが、アイドルオタクとなり殺しを躊躇するようになったエンドウを「使いもんにならねぇ」と言って引退を許し、その後も連合幹部会の反発を押し切りエンドウが自由な生活を送れるようサポートしている。
性別:男
藤山会本部会長付。車の運転から政府への根回しまで様々な業務をこなす。引退後のエンドウとも度々会っており、「殺人機械」からアイドルオタクへと変貌したエンドウを見て感慨にふけると同時に困惑もしている。
エンドウを一流の殺し屋に育て上げた人物。顔や手に無数の古傷が刻まれている。
エンドウに対し時に暴力的な指導を行う一方で別の師にも教えを受けさせるなど柔軟性も併せ持っていた様子である。
日本最高峰の腕を持つスナイパー。左眼の周りに大きな傷跡がある。少年時代のエンドウに狙撃術を授けた。
予測不能な事態が発生するリスクを最小化するため、そして標的に死の恐怖や苦しみを感じさせないためにたとえ複数の標的であっても一撃で仕留めることを信念としている。
藤山会の下部組織の内の一つ。
性別:男
八久島組組長。藤山会副会長・連合幹部会議長を兼任する。その立場ゆえか藤山会全体の利益を代表した発言をすることが多い。
藤山会の下部組織の内の一つ。一般社会では芸能プロダクションとして活動している。
岩木興業総裁。藤山会幹事長も務める。誰に対してもフランクだがくたびれた雰囲気の口調で喋る。
一般社会では「芸能界のドン」として知られており、「あの人に逆らえる人は芸能界に居ない」と言われるほどの人物でありながらフットワークは軽く、現役プロデューサーとして現場に立つことも多い。「芸能界ではあらゆるものを踏み台にする胆力がなければ才能があろうと生き残る事はできない」という持論を持ち、ろ~ゼシアに対しては一定の評価をしつつも物足りなく思っている。
性別:女
藤山会の下部組織の内の一つ。関西トップシェアを誇る委託殺人業者である。
性別:男
父親の跡を継ぎ巳輪組六代目組長となった若者。比喩でなく物理的に舌が2枚ある。誰に対しても慇懃無礼な態度で接する。殆どの登場シーンでたい焼きを食べている大のたい焼き好きだが何故か尻尾は残す。
エンドウ引退後混乱が広がりつつある闇社会の中での勢力拡大と、エンドウを殺し屋に復帰させた上での自陣営への取り込みを目論んでいる。
藤山会の下部組織の内の一つ。
性別:男
金剛一家総長。エンドウ本人が出席している会議で「用済みなら始末すべき」と主張[3]し、巳輪に発言と人格を咎められると暴力に訴えるなど粗暴な性格の人物。
ボウリング場。地上は何の変哲もない遊戯施設だが、地下には裏社会でも限られた人間しか仕事を依頼する事ができない秘密の武器工房が存在する。
タイガーボウルのオーナーを務める伝説の武器職人。エンドウとは10年来の商売相手である。金払いはいいものの職人気質を理解していないように見えるエンドウを快く思っていなかったが、殺し屋引退後のとある依頼をきっかけに和解する。
性別:男
筋骨隆々なタイガーボウルのチーフスタッフ。オーナーの護衛も務めており、メイスのような突起の付いた2個のボウリング球を操り闘う。
性別:男
タイガーボウルのドリラー。売店での接客やマイボール製作の傍ら地下工房への案内人を務める。最近度々訪れる、どこからか地下工房の噂を聞きつけた一般人の冷やかしに辟易している様子である。
ろ~ゼシアの初ワンマンライブ直前に香李を誘拐した犯罪集団の実働部隊。20人全員が軍隊や諜報機関の出身である。
性別:男
ω型の口元が特徴的なマフィアのリーダー。以前彼のボスと関係を築いていたにもかかわらず地位を得た途端に縁を切ろうとした皆菱首相への報復のため娘の香李を誘拐したが駆けつけたエンドウにより制圧されたのち警察に逮捕された。
10年前日本国内のクリーニング工場を人身売買の拠点としていたが、エンドウの襲撃を受けて以降藤山会傘下で活動していた犯罪組織。エンドウの死の噂をきっかけに藤山会による支配からの離脱を目論み手始めにタイガーボウルを襲撃するが、偶然顧客として居合わせたエンドウの活躍により阻止された。
香李の父親で日本の総理大臣。娘にアイドル活動を続けることを許す傍らボディーガードを付けることを強制している。
藤山会やロシアンマフィアなど、裏社会と強い結びつきを持っている様子である。
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最終更新:2025/12/14(日) 22:00
最終更新:2025/12/14(日) 22:00
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