インテリパワー(Intelli Power)とは、1995年5月7日生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
1999年:浦和記念(GⅡ)、サンタアニタトロフィー(南関東G3)
2000年:川崎記念(GI)、マイルグランプリ(南関東G1)
2001年:金盃(南関東G2)
2002年:ダイオライト記念(GⅡ)、金盃(南関東G2)
概要
父*ルション、母インテリフラワー、母父*オウインスパイアリングという血統。
父*ルションは欧州のG1を2勝した馬で、種牡馬としては海外にG1馬2頭を残したのちに日本に輸入され、インテリパワーの他の重賞馬としてマイネルブリッジを輩出した。どちらかというと名牝ウオッカの母父として名を遺しているかもしれない。
母インテリフラワーは未出走馬。笹川牧場で代々受け継がれていた牝系のようであるが近親に活躍馬はいおらず、2代母ササノマサルの産駒フラッシュリリーが白毛馬ハクホウクンと交配されてハクバノデンセツ、ハクバノイデンシ、ハクホウリリーの3頭の白毛馬を産んだことが目立つ程度であろうか。7代母第弐オーグメントの子孫にまで来たところでやっとオーエンス、セントオーと言った八大競走勝ち馬や21世紀以降のグレード重賞勝ち馬が現れる。8代母オーグメント(アスベル)は小岩井農場が輸入したアストニシメントの孫で、帝室御賞典を勝ち、その子孫にはメジロマックイーンなど。
母父*オウインスパイアリングはアメリカのG1を2勝した馬で、ケンタッキーダービーでサンデーサイレンスの3着となっている。引退後日本で種牡馬となったが、供用4年で死亡したこともありグレード重賞馬は輩出せずに終わった。
生産は北海道茅部郡森町の笹川大晃牧場。近年の生産馬としては2歳オープンで勝利したスリールミニョンが有名であろうか。渡島半島にも生産牧場あったんだという感じであるが、一応「胆振軽種馬農業協同組合」に所属しているようだ。因みにテレビ番組の「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」で今は信号所となった函館本線の姫川駅が紹介された際には利用者として牧場関係者が出てきたとか。
2歳〈旧3歳〉(1997年)
ホッカイドウ競馬の林正夫厩舎に所属し、6月に札幌競馬場で行われるホッカイドウ競馬のフレッシュチャレンジに櫻井拓章鞍上で出走予定であったが、ここは出走取消となっている。
改めて櫻井鞍上で同月の旭川競馬場で行われたフレッシュチャレンジに出走すると2番人気に支持され、2着に2.6秒差と大差をつけて圧勝。
7月にサラ系3才オープンに出走すると、ここも2着に5馬身差付けて圧勝。
8月には札幌競馬場で行われる中央競馬のダート1000mの3歳500万下に出走。12頭立てで9頭が地方馬という競走であったが、ここは田中勝春鞍上で単勝3.7倍の2番人気に支持されると、番手から先頭に立ち、上がり最速を出して1番人気の中央馬エイシンコービンに1馬身半差以上付けて勝利。因みにここまで3戦の出走馬はインテリパワーを除いて馬体重500kg未満であった。
前走の活躍で目に留まったのか、オグリキャップを買ったことでも知られる佐橋五十雄の所有となり、10月に櫻井鞍上で岩見沢競馬場で行われる重賞のヤングチャレンジカップに出走。ここは1番人気となったものの5番人気ミフジシーワンに敗れて2着。
11月に岩見沢競馬場で行われるウィナーズチャレンジにも渋谷裕喜鞍上で出走したが、ここも1番人気で4着に終わった。
12月には北海道3歳優駿(GⅢ)に出走し、7番人気でマイネルクラシックの3着。
更に同月には全日本3歳優駿(GⅡ)にも出走して11頭立ての9番人気となったが、ここは1番人気アグネスワールドに2馬身半差の2着と健闘した。
3歳〈旧4歳〉(1998年)
3歳初戦は2月の共同通信杯4歳ステークスで芝初挑戦……と言いたいところであったが、積雪のため格付け無しの重賞としてダートで施行されることとなった。エルコンドルパサーが強さを見せた中、蛯名正義鞍上で6番人気に支持されたインテリパワーは番手でレースを進めて4着。
3月に今度こそ初の芝レースとなるスプリングステークス(GⅡ)に的場均鞍上で出走したが、12番人気で逃げて直線で沈みクリールサイクロンの8着。
4月にはクリスタルカップ(GⅢ)に出走して菊沢隆徳鞍上で12番人気となったが、後方からの競馬でトキオパーフェクトの10着に終わった。
5月にはダートの端午ステークス(OP)に塩村克己鞍上で出走したが、逃げて沈み最下位15着。
以降は1600万下のダート戦に出走したものの、9月の大阪スポーツ杯は牧田和弥鞍上で11番人気11着、10月の太秦ステークスは小林徹弥鞍上で逃げて15番人気12着、同月の貴船ステークスは単勝307.0倍の16番人気で6着と比較的健闘したものの、11月のウェルカムステークスは後藤浩輝鞍上で14番人気11着、12月の師走ステークスは14番人気8着、同月のサンタクロースステークスは塩村鞍上で14番人気で最後方からブービー15着と不振に終わった。
4歳〈旧5歳〉(1999年)
再び地方競馬に移籍し、川崎競馬場の秋山重美厩舎に入厩。4歳初戦は張田京鞍上で3月の京葉盃に出走。近走の不振もあってか単勝13.6倍の6番人気となったが、逃げて1馬身半差の勝利。
同月の光風特別は単勝1.8倍の1番人気で4馬身差付けて勝利。
4月の卯月特別も単勝1.5倍の圧倒的1番人気で5馬身差付けてレコードで勝利。
5月のダイヤモンド特別も単勝1.1倍の圧倒的1番人気で4馬身差付けて勝利。
同月のよみうりランド皐月盃は単勝1.5倍の圧倒的1番人気で、後の帝王賞馬マキバスナイパー相手に逃げて5馬身差の圧勝。
5連勝で臨んだ6月の報知オールスターカップ(南関東G3)は1番人気に支持されたもののアローセプテンバーに3馬身差の2着。
7月にサンタアニタトロフィー(南関東G3)に出走すると、単勝1.6倍の1番人気で先行して1馬身差付けて勝利。
9月の東京盃(GⅡ)では3番人気に支持され、逃げた9番人気の地方馬サカモトデュラブの4着。
10月にはグランドチャンピオン2000(南関東G1)に出走して4番人気に支持されると、1着馬ゴールドヘッドが逃げる中で番手に付けていたが4着。
12月の浦和記念(GⅡ)では単勝21.2倍の5番人気となり、先行して早めに先頭に立ちウイングアローに半馬身差付けて勝利。3着は1番人気アローセプテンバー。
5歳〈旧6歳〉(2000年)
5歳初戦は東京シティ盃(南関東G3)に出走。3番人気に支持されると、先行してアローセプテンバーに3馬身差の2着。
2月の川崎記念(GI)は単勝8.2倍の3番人気に支持され、7番人気の地方馬ナショナルスパイに4分の3馬身差付けて勝利。3着は1番人気ファストフレンド。因みに兼ねてから爪に不安のある馬で、この頃のインテリパワーは裂蹄で血だらけだったとか。
3月のダイオライト記念(GⅡ)では石崎隆之を鞍上に1番人気に支持され、番手に付けて上がり最速を出したものの、逃げたマイターンを捉え切れずハナ差の2着。
4月のマイルグランプリ(南関東G1)では張田鞍上で単勝3.5倍の2番人気に支持され、11番人気トウケイメモリーに半馬身差付けて勝利。
5月の大井記念(南関東G2)は3番人気に支持されたものの7着に終わった。
6月の帝王賞(GI)では石崎鞍上で5番人気に支持され、後方からの競馬で5着。
10月のマイルチャンピオンシップ南部杯(GI)では3番人気に支持されて先行したが、2番人気ゴールドティアラの5着。
同月のグランドチャンピオン2000(南関東G1)では張田鞍上で3番人気に支持されたがマキバスナイパーの5着。
12月の東京大賞典(GI)では今野忠成鞍上で11番人気となり、ファストフレンドの12着に終わった。
同年には、川崎記念の勝利などが評価されてNARグランプリサラブレッド5歳以上最優秀馬を獲得した。
6歳(2001年)
6歳初戦となる1月の川崎記念(GI)は4番人気に支持され、レコード勝利の2番人気レギュラーメンバーとそこから半馬身差の1番人気ファストフレンドとの争いから6馬身差離れた3着。
3月には金盃(南関東G2)に出走。59kgとトップハンデタイながら単勝5.8倍の2番人気に支持されると、先行して早めに進出し、キャニオンロマンに1馬身半差付けて勝利。因みにこれが今野忠成騎手の重賞初制覇であった。
同月のダイオライト記念(GⅡ)では1番人気で先行したが、リージェントブラフの末脚に屈して1馬身差の2着。
4月のマイルグランプリ(南関東G1)では2番人気に支持されたがアローセプテンバーの5着。
5月のかしわ記念(GⅢ)では桑島孝春が鞍上となり、5番人気で後方から早めに進出したがここもタマモストロングの5着。因みにノボトゥルー、ゴールドティアラなども出走するという翌年には昇格したのもわかる好メンバーであった。
6月の帝王賞(GI)では石崎鞍上で8番人気となったが、7番人気マキバスナイパー、6番人気リージェントブラフに次ぐ3着と好走。
今野鞍上で臨んだ9月の日本テレビ盃(GⅢ)は、5番人気でアグネスデジタルの6着。
7歳(2002年)
船橋競馬場の川島正行厩舎に移籍して迎えた7歳初戦は、3月の金盃(南関東G2)。馬体重も前走から29kg増加の538kgとなったが、斤量も59kgとまたしてもトップハンデになり、張田鞍上で単勝21.4倍の7番人気で迎えたレースでは、先行して早めに進出していき、逃げたコアレスハンターを差し切って2馬身差付けて勝利。金盃を連覇したのはインテリパワーが初。因みに2着から6着は1番人気から5番人気の順番に並んでいた。
3月には3度目の挑戦となるダイオライト記念(GⅡ)に出走。単勝6.8倍の3番人気に支持されたレースでは、番手から早めに先頭に立って上がり最速を出し、4番人気ハギノハイグレイドに2馬身差付けて勝利。1番人気トーシンブリザードは5着、2番人気リージェントブラフは4着であった。
5月のかしわ記念(GⅡ)では2番人気に支持され、先行して一旦は先頭に立ったが、トーシンブリザードに交わされて半馬身差の2着。
6月の帝王賞(GI)では3番人気で3番手に付けたが、番手の勝ち馬カネツフルーヴを交わせず、ミラクルオペラに差し切られて3着。インテリパワーは後にレース中に骨折していたことが判明したという。
8歳(2003年)
イクノディクタスやハギノトップレディの装蹄にも関わるなど、装蹄師として著名な福永守の所有となり、笠松競馬場の後藤保厩舎に移籍。
11月の東海クラウンに東川公則鞍上で出走して1番人気に支持されたが、先行していたものの失速し競走中止。
48戦15勝、獲得賞金は4億9899.5万円とほぼ5億円。蹄が弱かった上に、手前を変えられないため右回りでは苦労していたとか。地方馬と中央馬がそこそこ伯仲していた交流重賞初期を彩る一頭であった。
種牡馬入り
2006年になって福永の拠点である広島県のホースプロジェクトで種牡馬入りしたが、同年に生産部門が閉鎖されたようでそのまま種牡馬としても用途変更となった。
唯一種付けされたセリーローレンは受胎したまま北海道に移動したため広島産馬とはならなかったが、無事出産し、「エイワンガール」と命名されて大井競馬場でデビューを果たしている。
血統表
| *ルション 1981 黒鹿毛 |
Riverman 1969 鹿毛 |
Never Bend | Nasrullah |
| Lalun | |||
| River Lady | Prince John | ||
| Nile Lily | |||
| *ベルドリーヌ 1977 黒鹿毛 |
Marshua's Dancer | Raise a Native | |
| Marshua | |||
| Palsy Walsy | Sea O Erin | ||
| Allie's Pal | |||
| インテリフラワー 1991 鹿毛 FNo.7-c |
*オウインスパイアリング 1986 鹿毛 |
Slew o' Gold | Seattle Slew |
| Alluvial | |||
| Highest Regard | Gallant Romeo | ||
| Bold Example | |||
| ササノマサル 1981 栗毛 |
*リマンド | Alcide | |
| Admonish | |||
| ササノビューティ | *コントライト | ||
| ウチウラワンヒメ |
クロス:なし
関連項目
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