エクセル・サーガとは、六道神士による市内戦隊ヒーローアクションギャグ漫画である。
概要
月刊マンガ誌「ヤングキングアワーズ」にて1996年から連載開始し、2011年に完結した。単行本は全27巻。独立創刊以前から殆んど休載せずに本誌を支え続けた看板作品にして、六道神士の最長期連載作品である。
架空の都市F市(作者の所在地である福岡県福岡市がモデル)を舞台に、「腐れ切った世界を正す為には、正しい理想を持った絶対的支配者が世界を征服せねばならない。その理想を実現するためにはまず市街を征服すべし」という高邁かつ地道な思想の下に日々(無駄な)暗躍をしている理想推進機関アクロスの構成員(約2~3名+1匹)と、それに対抗するために(主催者の無駄な情熱により)作られた市街安全保障局の職員(約4名+1体)との戦いの日々が・・・・・実はそれほど話の軸になっていない。
特に物語の序盤には両者の接点はほとんど存在せず、主役であるアクロス側が活動資金(という名の日々の生活費)を調達するためにひたすらバイト漬けの日々を送りつつ細々と征服計画(と当人たちが称する謎の活動)を実行するばかりだったが、物語の中盤を過ぎたあたりからようやく対立構造が見えてきて、後半以降はなにやら超古代の遺産やらいうアヤシゲな設定も登場してきたりする。
とはいえ、基本的にはまあ深く考えるよりも素直に軽妙かつおバカなノリを楽しんだほうがいい漫画である。
1999年に2クールのアニメ化。題名に「へっぽこ実験アニメーション」を冠していることからも明らかなように、監督をカメオ出演演出の全盛期であったアフロルパンワタナベシンイチ、シリーズ構成を原作ブレイカー独創的解釈に基づくユニークな展開に定評のあった倉田英之と黒田洋介のコンビ(「地獄組」名義)が担当したため、かなり実験的要素(というよりネタ。正直、同期放映の『セラフィムコール』(後の『シスプリ』枠の企画)の方が文字通りの「へっぽこ実験アニメ」だった)とオリジナル要素の強い作品であった。
また当時無名の新人であった小林由美子と高橋美佳子が崖っぷち新人声優ユニット「エクセル❤ガールズ」として主役2人のコスプレ(小林エクセル&ハイアット美佳子)でOPとEDを歌ったり、本人たち役でアニメ本篇に登場したりコスプレでライブイベントに出演したりと、かなり黒歴史カオスな売り出し方をされたが、それ以降の彼女たちの活躍は諸氏もご存知の通り。
登場人物
アクロス
エクセルやイルパラッツォは作者の別誌(エロ)での前連載である『市立戦隊ダイテンジン』から受け継がれている。
- エクセル(声:三石琴乃)
- 主人公。イルパラッツォに絶対の愛(忠誠心)を誓う女の子。早口と異常なやる気が特徴。
いつも失敗してはイルパラッツォによって床下の奈落へと落とされている困ったちゃん。立ち直りが早く、生存能力にも長けているが、やる気は絶賛空回り中。世界一便器が似合う美女。偽名はドスコイ花子。 - ハイアット(声:南央美)
- エクセルの後輩にあたる美女。アニメではどこぞの星から連れて来られた。
極端に体が弱く、ちょっとした肉体的疲労や精神的衝撃によって即座に吐血・前のめりに昏倒し、
放って置くとそのまま血を吐きながら完全な死亡状態に陥るが、しばらくすると何故か普通に復活する。
そのため普段から謎のクスリを大量に摂取しているのだが、そのクスリやそれが溶け込んだ彼女の体液は他の生物にとっては即死級のヤバいものとなっている。 - イルパラッツォ(声:子安武人)
- アクロスのボス。市街征服という世界でもっともしょーもない野望を実現しようとしている謎の男性。メガネ。
ただし、市街征服は千里の道も一歩からという世界征服計画の第一歩に過ぎない、らしい。
経済力・技術力はあるらしく、アクロスの基地は意外と科学的な設備が整っている。 - メンチ(声:こおろぎさとみ)
- エクセルに非常食として飼われている犬。いつか脱出しようと考えているが、結局できていない。
- エルガーラ
- 漫画での登場が遅かったためアニメには登場しなかったアクロス4人目の構成員。縦ロールの美人。
数少ない常識人であるが、かなりのわがままで浪費家。思ったことがいつの間にか口に出ているサトラレ。
市街安全保障局関係者
アクロス側と同様に『市立戦隊ダイテンジン』から造型や性格の一部を引き継いでいるキャラが多い。
- 渡辺通(声:置鮎龍太郎)
- 市街安全保障局側の主人公。コンボイ蝶々綾杉千早(ハイアットの偽名)に好意を寄せている。
一応常識人だが、ハイアットの事に関してはときどき妄想の世界に入り込んでしまう。
漫画ではハイアットが敵組織の構成員であると知らされ、ショックで性格が変わってしまった。 - 岩田紀國(声:森久保祥太郎)
- 可愛い子さえ見つければ即座にプロポーズするアグレッシブな男。
松屋とは大学のゼミからの付き合い。そのころから好意を見せている。
漫画では作中に癌で病死し、(勝手に)サイボーグとして復活させられている。
(人権?なにそれおいしいの?) - 住吉大丸(声:無し)
- 太った外見とメガネが特徴。基本的に声を出さないのでアニメでも声が当てられなかった。
変態が多いこの作品では珍しいマトモな人間。ただし2次元にはまっている。
自宅のパソコンにはテラバイト単位の美少女ゲームのデータがつまっている。 - 松屋美咲(声:今井由香)
- クールになんでもこなすスーパーウーマン。岩田の学生時代からの知り合い。
岩田に迫られているがまったく相手にしていない。むしろ返り討ちにしている。 - 六本松一式(声:雪野五月)
- 爆弾解体用のアドバイザーロボット。美しい大人の女性の外見。爆弾解体が仕事だが、成功したことは無い。
実は量産されている。 - 六本松二式(声:雪野五月)
- 六本松の二型、こちらは製作者の趣味でロリ体系の女の子。
目でピーナッツを噛み、鼻でパスタを食べることができる(元ネタはのび太)。
一度岩田のデータが体に入ったことがあった。 - 蒲腐博士(声:大友龍三郎)
- 独特の髪形をした謎の人物。各界に様々な影響力を持つほか、謎の技術も多数保有している。
市街安全保障局を設立した物語の黒幕で、イルパラッツォとはかつての友だったらしい。
アニメのオリジナルキャラクター
- ナベシン(声:ワタナベシンイチ)
- このアニメの監督。髪型はアフロで、服装はルパンⅢ世の服装をしている。
エクセルたちとは特に関係のないところで何者かと戦いを繰り広げている。
多い時には一話の半分程度がナベシン絡みの展開で占められることもある。
後にハヤテのごとく!にも登場して、視聴者を喜ばせた。 - 六道神士(声:高木渉)
- 原作者。毎回冒頭に登場しては「へっぽこ実験」への許可を出す人。たまに無理やり許可させられたりしている。
せっかくのアニメ化なのに第一話から主人公に抹殺されそうになる原作者という他に類を見ない人。 - ペドロ(声:長嶝高士)
- エクセルと同じバイトの仕事場にいた出稼ぎ労働者の外国人。
妻と息子に裏切られ、新しい愛人は実は浮気、挙句の果てに死ぬ・・といったかなりの不幸体質。 - 大宇宙の大いなる意思(声:水谷優子)
- 名前のとおり、大宇宙の大いなる意思。何かマズいことがあったらリセットしてくれる。ペドロの愛人。
のちに漫画にもちょっとだけ登場。
関連動画
関連項目
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