オルソラ=アクィナスとは、『とある魔術の禁書目録』に登場する天然巨乳シスターである。
概要
ローマ正教のイタリア人シスターで、暗号解読の専門家。世界各地で布教活動していたため、高度な交渉術を持つ。なのに会話をしていると、話の内容が前後してしまうため話しづらい。
また、その実績が評価されて自身の名を持つ「オルソラ教会」の設立も許可されたほど。
しかし魔術書の原典「法の書」の解読方法を発見したことが切っ掛けで、自身の所属するローマ正教から命を狙われることになる。
逃亡中、オルソラは日本の天草式十字凄教とコンタクトをとり保護を求めた。天草式はそれを了承し、オルソラの力になろうとするが、その天草式の態度を信じきることができず、天草式から逃亡する。
そして、学園都市の外でうろついていたところ上条当麻と出会う。しかし、その直後、オルソラは天草式に拉致されてしまう。
上条はステイルとローマ正教が派遣してきた部隊(アニェーゼ部隊)と共に天草式と闘い、オルソラの奪還に成功。上条はオルソラをアニェーゼ部隊に引き渡した。しかし、アニェーゼ部隊はオルソラを保護するつもりなど更々なく、それどころか部隊全員200人で私刑(リンチ)を加えてフルボッコにする。
そして、アニェーゼ部隊がオルソラを保護するためではなく拉致するためのものだったことと、天草式は純粋にオルソラに手を貸そうとしていただけだったことに気付いた上条は、アニェーゼ部隊が陣取るオルソラ協会に一人で特攻した。それにステイルや天草式十字凄教の面々が加わり、戦いの結果、アニェーゼ部隊は敗れた。
結局、自分たちの都合のために異教徒を欺くローマ正教を見限り、イギリス清教に移籍。その為、11巻ではイタリアからイギリスに引っ越しするオルソラの様子が描かれている。
彼女は料理が上手く、インデックスに当麻の500倍美味いと言わしめた。作者の鎌池和馬に至っては結婚したい相手に挙げている。現在は必要悪の教会(ネセサリウス)の女子寮に住んでおり、彼女が食事当番をする日だけ寮の人間が全員集結するらしい。
法の書
後になって、彼女の発見した解読法は誤りであったことが判明している。「法の書」は、幾通りにも解読できるように書かれているため、正しく解読することは不可能に近い。インデックスやシェリー=クロムウェルでさえ解読できていない。
なお著者はアレイスター=クロウリーである。ただし、書いた本人も神託のようなものを受けている最中に書いたので、内容は記憶にないとのこと。ステイル曰く「法の書が解読されたとき十字教の時代が終わる」と言われているほど強力な代物。
執筆者のクロウリーは「法の書が記された1904年に十字教の時代は終わり、今ある時代は十字教の支配体制が消滅した次(ホルス)の時代(アイオーン)である」という持論を掲げている。
なお、オルソラの解読法による法の書のタイトルは「二つの時代の終わり」、収録内容は「エノク言語を用いた肉体の天使化術式」であった。また「汝の欲するところを為せ、それが汝の法と為らん」との文が併記されており、解読方法は100通り以上あるとされる。
考察
一応、インデックスが「自分には理解できない文章」(魔術には関係しないもの)だったから誤りの解読法であると勘違いしたと解釈することができる。
二つの時代(十字教の時代)を終わらせるもの、魔術ではないもの(科学?)、天使化術式、自分の思ったものが自分のルールとなる(自分の理解が現実を歪める)。
考察に考察を重ねることになるが、これらの情報を組み合わせて考え直すと「法の書」に書かれている真の内容についてもある程度推測できるのではないだろうか。
神威混淆(ディバインミクスチャ)
![]() |
ここから下はとある魔術の禁書目録の重大なネタバレが含まれています。 ピクシブ百科事典の記事とほぼ同じ内容です。 同一編集者による編集なので無断転載ではないです。書き直し大歓迎。 |
初登場:新約20巻
ローラ=スチュアートこと大悪魔コロンゾンが対アレイスター=クロウリー用に配備した霊装。「イシス=デメーテル」「ラー=ゼウス」「オシリス=ハデス」「テフヌト=アルテミス」「ワチェット=レト」の5つが生産された。
基となったのは、ギリシャ神話とエジプト神話の相互解釈(理解)。 国・文化・時代が移ろえば奉ずる神の名や性質もまた変わる。
西洋人は異文化への理解の為に、異なる神を自分達が信仰する神に当て嵌めて考え、例えばオシリスはハデス、イシスはデメーテルに変遷を遂げている(日本的には神仏習合、荼枳尼天みたいに元の神と混ざったキメラが誕生していく「習合」の歴史である)。
しかしこの霊装の本質はむしろ真逆で、上記のような習合の意味を「最初の段階で原典をそのまま理解する気などなかった」と解釈し、類感理論(偶像の理論)で「人の人の無理解・不寛容、互いが互いを諦める悪意を力に変換する」という意味を持たされた。
この霊装は適合者の人間と「融合」して初めて真価を発揮する。
人と人の体を大小のコイルに見立て、相互不理解で生じる悪意を力に変換するため「変圧器(トランス)」と表現されている。他者の理解を求めず、ただ周囲に悪意を撒き散らし悪人を気取るアレイスター=クロウリーは、お誂え向きの標的でしかない。
当初は異なる使い方がされていた為、5つの内3つはクロウリーが「霊的蹴たぐり」で容易く破壊。内1つはレイヴィニア=バードウェイとレッサーによる輸送中、上条当麻によって破壊された。
イギリスの「良心」
クロウリーズ・ハザードの最中、戦時下のイギリスで彼女も懸命に働いていた。ロンドン塔に幽閉された上条当麻を事情聴取のためにステイル=マグヌスの元へと移動させた後、自分も何か役立とうと右往左往していたが、温和でワンテンポ遅いので、周りのペースに合わせるのに必死だった。
そんなオルソラの姿を見たキャーリサは、この戦時下ではオルソラのような者が貴重(皮肉ではなく良心的な意味で)だと語る。
その後は大英博物館にいるアニェーゼ=サンクティス達の為に、女子寮で鼻歌を唄いながら料理を作って車で届けた。
オルソラ「わたし、は……皆様の足を引っ張ってはいないのでございましょうか」
アニェーゼ「大丈夫ですよ。すでに十分助かっています。十分過ぎるほどにね」ただし、自らに不足を感じる者にはどう受けとめられたことか。
直接戦って国を守る力を持つシスター達には、気づけない。新約とある魔術の禁書目録20巻 P209より会話と地の文を抜粋
一時の平穏な空気は、彼女達のもとへオリアナ=トムソンにより薔薇型の霊装「神威混淆(ディバインミクスチャ)」の一つ「イシス=デメーテル」が運ばれたことで終わりを告げる。
上述通り、この霊装はある種の自己犠牲(融合)を強いる為、騎士派(上層部)の政治的判断も絡んで対立している清教派アニェーゼ部隊のシスター達が使用者に選出されたのだった。
オリアナの説明を聞いたオルソラは、アニェーゼ達を遮る様に霊装を手に取る。オルソラは狂気的な空気が蔓延する戦時下のイギリスにおいて、「良心」と呼べる貴重な存在だった。その彼女が「神威混淆」を手に取った瞬間、イギリスの「良心」は折れてしまった。
オルソラ_イシス=デメーテル
イシス=デメーテルと融合したオルソラ。はいむらによる略称は「オルソラID」。
普段着用しているシスター服ではなく、古代エジプト風に要所だけ白い布で覆い、それ以外は金の装飾品と留め具のみ。
背部に神々しい光輪のような「ブドウの蔓の輪」があり、腕にも同じものが巻かれている。
はいむら曰く、電源コードぐるぐる巻き。
え、シスター服?弾け飛んでたらしいですよ。
この状態のオルソラは言動と行動が一致しておらず、会話も噛み合わない。上条に「あらあら、またお会いしましたね上条さん」と微笑みながら挨拶し、それが戦闘の合図となった程。これはイシス=デメーテル側が相互不理解の力を完全に引き出すために、オルソラの認識を歪めている為らしい。まぁオルソラと会話が微妙に噛み合わないのは日常茶飯事かもしれないが…。
能力
オルソラを「オリーブの木(母体)」に見立てて彼女の指先の蔦の回転で「植物」を操る。
有効範囲の規模は惑星全土、それも地球二周半に及び、今までの誤った使い方とは文字通り桁が違う。
地中に潜らせた蔦や根で周囲一面を崩壊させることも可能で、植物自体の破壊力も凄まじく、鋼鉄を普通に砕いている。
蔦の記号に対応するのは大型トラックを丸のみ出来るハエトリソウ、ギロチンのように周囲を削り殺すモウセンゴケ、胃液を撒き散らすウツボカズラ、マキビシ、ムシトリスミレなど。何らかの飛行魔術も使用しており(文中では植物の応用と推測)、力の種類も多彩である。
当然、10億以上ものクロウリーズハザードに対しても有効で一度の攻撃で何十体も葬っている。
新約20巻以降の活躍
作中ではアレイスター=クロウリーを完璧に負かした。まさかのジャイアントキリング。
ついでに上条もオティヌスを庇ってボコボコであった。
オティヌス:
考えろ、人間!!何がブドウだ、何がオリーブだ。無から有を創る事はできん。あの強さには必ず秘密がある。つまり、あの娘もまた対価を取られているはずだ。
許せるのか、この運命を。アレイスターは娘を救えなかった、人間の女は知らぬ間に対価を抜き取られていった。おまえは何も出来ずにただ死んだ、私はまた一人ぼっちになった。
……認めんぞ。全部が全部、ここにはいない大悪魔の思惑通りに片づけられていくなど、私は絶対に認めないっ!!新約とある魔術の禁書目録20巻 378ページより
オティヌスの言葉を受けてもう一度立ち上がる上条。
幾千億の月日を過ごしたオティヌスに「繋がる力」を持つと言われた彼は、まだ諦めていなかった。
上条当麻
その『わがまま』に、どれだけ強い力が宿るかは!!
暴力を捨てて、言葉で戦って!! 救いなんか知らなくても、求めていなくても。それでも自分がやりたいからって理由だけで世界の全部に立ち向かって多くの場所に十字教を広めていった、オルソラ=アクィナス!!
最大最強に『わがまま』を貫いてるお前が一番分かっていないといけないんじゃなかったのか!!!!!?新約とある魔術の禁書目録20巻 412~413ページ
確かにオルソラは強かな女性である。 暴力ではなく言葉での戦いを貫き通し、自身の名を冠したオルソラ教会を設立して十字教を広めるばかりか
、執筆者アレイスター=クロウリーにすら解釈不可能な「法の書」を自己流で解読し(ほぼ誤読に近い解答だが)、他宗教に保護を求めた。
そんな彼女だからこそ、半ば自虐気味に世紀の悪人を気取るクロウリーにも暴力ではなく言葉で戦い、理解するために歩み寄るべきだったのかもしれない。
結末-その後
言葉だけで歩み寄った上条の決死の説得でイシス=デメーテルと引き剥がされ、オルソラは無事正気を取り戻した。その後、分離したイシス=デメーテルがクロウリーに向かって飛びかかった所を、オルソラが自身の手で破壊し決着を付けた。
オティヌス:
『かわいそうなお姫様』で終わるかと思ったら……。
……強いな。イイ女じゃないか、シスター。新約とある魔術の禁書目録20巻 P424
続く新約21巻でもオルソラは活躍する。
『黄金夜明』サミュエル=リデル=マグレガー=メイザースとの戦闘中、負傷して教会に流れ着いたアレイスター=クロウリーに応急手当てを施し、まさに言葉だけでクロウリーに魔術嫌いを改めさせるきっかけを作り、忌み嫌う聖書を手に取らせたのだった。
関連動画
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
- 7
- 0pt