代表的な著書に『とある魔術の禁書目録』『ヘヴィーオブジェクト』『インテリビレッジの座敷童』『未踏召喚://ブラッドサイン』などがあり、長篇シリーズを並行して執筆している。
概要
第9回電撃ゲーム小説大賞に「シュレディンガーの街」を投稿するも、三次選考で落選。
しかしその小説が編集の目にとまり、以後一年ほどの修業を経て2004年に『とある魔術の禁書目録』でデビューする。
ファンからの愛称は『かまちー』
作者本人のメディアへの露出が少ないため、読者の間では正体は「北欧風の金髪美少女女子高生型インフルエンザウイルス」と言うのが冗談めかして通説となっている。
この事は本人も認識している様であり、10周年記念のコメントでは自らネタにしていた。
小説を書くのが趣味と公言しており、言葉通り執筆に関する意欲は高く、大変な速筆である。
「作品書く息抜きに短編一本書きあげた」「プロットかと思って印刷したら完成された原稿だった」「掌編を依頼したら文庫本一冊分になって返って来た」など、その執筆スタイルにおける伝説が数多い。事実で。
ただ編集のチェックが追いつかないこともあるようで、作中において誤字脱字が非常に多いことでも知られる。
2015年には「毎月刊行プロジェクト」を決行。これは2017年1月まで続き、2014年12月から数えて都合2年刊行し続けてた事となった。
現在は毎月刊行はやっていないがその速さが衰えたわけではなく、同じ月に電撃文庫と別レーベルで1冊づつ刊行(つまり一月に2冊)出すなどしている。
デビュー作『とある魔術の禁書目録』は漫画化やアニメ化など様々なメディアミックスを果たし、ついには劇場映画化。
次作『ヘヴィーオブジェクト』も漫画化・アニメ化されている。
作品
長篇シリーズ
- とある魔術の禁書目録
- 科学と魔術が交差するとき、物語は始まる──。
作者のデビュー作。超能力と魔術が入り混じるバトル系の作品。全22巻+SS2巻+SP1巻+外典書庫2巻。
初期は主人公・上条当麻の視点で騒動を解決していく作品だったが、中盤からキャラクターの増加と視点移動が激しくなり、最終的に主人公も3人まで増え、群像劇のような構成になる。
パワーインフレが凄まじいと思われがちだが、実は6,7巻辺りからしばらくデフレしていたスレイヤーズ形式の作品。最終章に入るまでは初期の方が強かった、というのは読者の中で定説。
なお、続編の「新約」「創約」との区別のためにタイトルには無いが「旧約」と呼ばれる。 - 新約 とある魔術の禁書目録
- 禁書目録で大きな節目となったエピソードが終わったため、一度巻数をリセットして改題した作品。全23巻。改題したもののストーリーは旧約から地続きなので注意。
パワーインフレが凄まじいのはこちら。禁書の「お約束」を作者自ら皮肉り、全力でぶち壊しにかかっているのが特徴。だからこそ主人公をイジメ抜いた末に待つ展開からが本番だと言える。具体的には新約9巻辺り。こちらも完結し、下記の続編が2020年から始まった。 - 創約 とある魔術の禁書目録
- 新約を超え、新たに時代は創られる──!
二度目の巻数リセット。例によってストーリーは新約の続き。既刊5巻。
旧約・新約を経てどのような世界が創り出されていくのか注目である。
余談だが、創約2巻の刊行をもって作者の電撃文庫における刊行数が100冊を突破した。 - ヘヴィーオブジェクト
- 生身で戦う主人公達が超巨大兵器「オブジェクト」を破壊していく近未来アクション。全20巻。
作品の傾向としてはバディ要素が強く、主人公・クウェンサーとその相棒・ヘイヴィアが勇猛果敢に巨大兵器に立ち向かっていく。劣勢からの熱い逆転劇、下ネタ、バカな会話、ブラックな表現が魅力。
短編集形式だが大枠のストーリーは1巻丸々使用して完結する。また、「1巻がスターターパック、それ以降はブースターパック」と作者が語っているように、設定や登場人物が次巻に引き継がれないのも特徴の一つ。
上記の理由からナンバリングが無いためどれから読めばいいか分からなくなるかも知れないが、とりあえず刊行順に追っていけば問題ない。 - インテリビレッジの座敷童
- テクノビレッジの座敷童(電撃MAGAZINE掲載の小説)を文庫化する際に改変した作品。全9巻。
ハイテク化した田舎で展開する妖怪と人間のオカルトコメディ…と謳っているが、実態は人がよく死ぬシリアス系の作品。どちらかというと前作ヘヴィーオブジェクトの方がまだコメディには近かったかもしれない。
基本的には「陣内忍パート」「内幕隼パート」「菱神舞パート」に分かれて展開していく。一人称視点だが三人称視点もある。
鎌池和馬初の長編完結作品。
また、鎌池作品では一番最初に主人公とメインヒロインが結ばれた長編シリーズでもある。 - 未踏召喚://ブラッドサイン
- 鎌池和馬10周年企画の第3弾で発表されたシリーズ。召喚を題材にした作品で、「禁書目録と対をなす正統派新シリーズ」と紹介されている。全10巻。
メインヒロイン格(いわくラスボス)の「白き女王」は、著者のメインヒロイン格には珍しく絶対的な強さと強烈な個性を持ち、圧倒的な存在感を以て読者の心を掴んだ。また、主人公も当時の著書の流れにしては珍しく最強クラスの設定なのだが、あまりそれを感じさせないのは白き女王のせいだろうか。
序盤から複雑な設定が付き纏うが、親切にも章のストーリー展開と設定が纏められたページがある。 - 最強をこじらせたレベルカンスト剣聖女ベアトリーチェの弱点 その名は「ぶーぶー」
- タイトルがとても長い。『インテリビレッジ』でイラストを担当した真早氏が挿絵を描いている。全7巻。
ゲーム風に理解ができ、誰でも自由に行き来出来る異世界「グランズニール」が舞台であり、炎魔法しか使えないベアトリーチェと彼女が昔結婚を約束したぶーぶーがメインであり、その一人と一匹を取り巻く者たちの話である。 - アポカリプス・ウィッチ 飽食時代の【最強】達へ
- イラスト担当がMika Pikazo氏である事もあってか、CV付きのCMが作られるなど中々に物入りな様子で始まったシリーズ。既刊4巻。
5人の魔法使い「難問排除」により電力・農業といった世界中全てのインフラが担われる時代、謎の「脅威」に対抗すべく洋上水晶魔法学園グリモノアで「水晶魔法」を学ぶ主人公・歌貝カルタとその仲間たちがメインの物語。 - 神角技巧と11人の破壊者
- 本来はゲームとして開発されていたが中止になってしまった作品のノベライズ。全3巻。
「邪神」と呼ばれる規格外の存在の"角"を組み込んだ兵器「神角技巧」が闊歩する世界で、ひょんな事から神角技巧の1つを受け継ぐ事となった主人公・ミヤビとその仲間たちの物語が描かれる。
その他
とあるシリーズの外伝『とある科学の超電磁砲』『とある科学の一方通行』『とある科学の未元物質』『とある科学の心理掌握』『アストラル・バディ』にプロットを提供している。
上記の他に『ヴァルトラウテさんの婚活事情』『簡単な~シリーズ』『使える魔法は一つしかないけれど、これでクール可愛いダークエルフとイチャイチャできるならどう考えても勝ち組だと思う』が刊行済み。『殺人妃とディープエンド』『殺人器とネバーエンド』は未単行本化ながらも電子書籍として配信されている。
小説『とある魔術のヘヴィーな座敷童が簡単な殺人妃の婚活事情』は(2014年時点での)著者の全作品同士のクロスオーバーであり、『ヴァルトラウテさん』の世界観を舞台として物語が繰り広げられる。
また、公式Webサイトにて『吸血鬼の姉とゾンビの妹』シリーズが掲載中。無料公開作品ながら1話あたりの分量は文庫1冊分と変わらない。全10話分掲載中である。
2018年9月末からは、電撃文庫@カクヨムにて新たに『マギステルス・バッドトリップ』の連載を開始した。一体いくつ書くつもりだ。こちらはいわゆるマネーゲームモノ。単行本は電撃文庫ではなく、そこから派生した新レーベル「電撃の新文芸」から刊行された。全3巻。
また、2019年8月から2020年8月末まで運営されたサービス「LINEノベル」では『魔導ハッカー〉〉暴け、魔法の脆弱性を』『美少女くノ一ちゃん達がせんせーのヒミツを覗いてみた結果』の2つを掲載。一体いくつ(ry
『魔導ハッカー』に至っては1巻公開から1ヶ月と少しで「突然ですが」と2巻目が公開された。
『くノ一ちゃん』も2巻が公開されている。
現在はLINEノベルがサービス終了してしまったため単行本も絶版となっているが、両作品共に電子書籍として1巻・2巻の合本版が販売されているためそちらで読む事が出来る。
2022年には『魔導ハッカー』の3巻が発売された。こちらは単行本は無く、電子書籍限定である。
作風
作風は作品ごとに異なるので一概に言いきれないが、新刊が出る度にキャラを増やしてそれを基点にストーリーを書いていく手法をよく採用する。
特に『とあるシリーズ』は一体何人いるのか、読者ですら把握しきれないほど多い。
彼の作品の特徴には以下のようなものがある。
- ネーミングセンスがぶっ飛んでいる
- 二つ名や役職、種族、あだ名がキャラ名になる
- とあるシリーズの一方通行や魔神勢、インテリビレッジの座敷童の妖怪、ヘヴィーオブジェクトの「おほほ」など。
- キャラクターがかなり多い
- 設定が色々ぶっ飛んでいる
- キャラクターが変な口調で話す
- 主人公が弱い
同じ電撃文庫の作家である成田良悟氏いわく、(読者をひきつける要素を攻撃力、設定の緻密さや矛盾の無さと言う隙の少なさを作家の防御力と置いた上で)「攻撃力252で防御力0」と評している。彼から見ると攻撃に偏ったパラメータなんだとか。しかし新約終盤の展開から、むしろ防御力の方が高くも見え、今やあまり当てにならない評価になりつつある。
防御力0と言うのは作家としていろいろと致命的な気がしなくもないが
小説以外でもゲーム『ミリオンアーサー』シリーズのシナリオ担当として制作に携わるなど創作活動の幅は広く、今後も多くの新作を出していくことが予想される。
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関連項目
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