百花繚乱紛争調停委員会とは、スマホゲーム『ブルーアーカイブ』に登場する百鬼夜行連合学院の治安組織である。作中では百花繚乱と略される事が多い。
概要
百鬼夜行自治区で治安維持や紛争調停の役割を担う部活。言うなればトリニティの正義実現委員会やゲヘナの風紀委員会に相当する組織である。
その起源は大昔にまで遡り、百鬼夜行が現在の連合ではなく群雄割拠・戦乱の世と化していた時代、自治区内を統一するため大預言者クズノハが百花繚乱紛争調停委員会を創設。見事紛争を調停して統一を果たした。以降百花繚乱は現代に至るまで綿々と続き、歴史と伝統のある部活へと成長していった。しかしクズノハという生徒が百鬼夜行に所属していた記録は存在せず、先述のクズノハが百花繚乱を創設した逸話も古今東西の民話や伝承を集めた奇談集に僅かな記載があるのみで、陰陽部は実在したかどうか怪しいと疑っている。一方で百花繚乱の歴代委員長は「クズノハと会った」と主張しており、懐疑的な声が多い中で百花繚乱だけはクズノハの存在を確信していた。
存在が初めて語られたのはイベント『不忍ノ心』。和楽姫に扮した万魔殿の丹花イブキが魑魅一座きまぐれ流に誘拐される事件が発生。ゲヘナとの外交問題に発展する前に事件を解決すべく陰陽部から召集命令が出された。ただ、この時は百花繚乱の名前が出た程度でメンバーは誰も登場しなかった。この時までは正しく機能していたようだが、次に登場した『Final.あまねく奇跡の始発点編』の第2章「虚妄のサンクトゥム攻略戦」では委員長のアヤメと副委員長のナグサが失踪し、機能不全に陥って活動そのものが停止。このため廃部が秒読み段階となり、残された委員も意欲が低下して「辞めたい」という声も聞こえてくるように。色彩の尖兵が百鬼夜行自治区を襲撃した時、百花繚乱を求める声に応じてユカリ、キキョウ、レンゲの3人が住民の避難誘導や敵の迎撃を担うも、部員の大半が百花繚乱を去っていたため本来の力を発揮出来なかった。そして先生率いるシャーレがプレナパテス決戦に勝利した事で事態は終息。百花繚乱無しでも落ち着きを取り戻した自治区を見てメンバーは存在意義を見失ってしまう。そこへ失踪中だったナグサが戻ってきて委員長の証をキキョウに返却。これが決定打となり、失意のキキョウは自らの権限を以って百花繚乱の解散令を発布、廃部を待たずに部の幕を引こうとした。
そしてメインストーリー『Vol.5 百花繚乱編』にて遂にスポットが当てられた。先の解散令に納得がいかないユカリが百花繚乱を立て直すべく、ナグサから委員長代理の座を勝ち取ろうと奔走する様子が描かれる。だが、幾重ものすれ違いや箭吹シュロの謀略により鋼メンタルのユカリさえも心を折られ、勘解由小路家に戻ってしまうなど一時は再建が絶望的となる中、燈籠祭の開始に合わせてシュロが行動を起こす。火の海に沈む街並み、幻魎付喪神と呼ばれる黒い怪物の群れの出現、逃げ惑う住人。最終編以上の脅威が百鬼夜行自治区を包み込んだ。百花繚乱が無くなっても人々を守る使命までは失わなかったナグサ、レンゲ、キキョウは各々燃え盛る街で怪物を退治し、団結してクロカゲや無貌の形代といった恐るべき怪異を退け、元凶たるシュロの目論見を粉砕。ユカリの救出とナグサの復帰を以ってどうにか解散令は撤回され、百花繚乱は存続と相成った。
アヤメがいた頃はそれなりに規模が大きかったようだが現在の百花繚乱は僅か4名しか所属していない(したがってモブ部員の姿も確認出来ない)。各々が高い能力を持ったエリートとはいえ4名で治安維持や紛争調停するのはかなりの激務のようで、キキョウの絆ストーリーでは彼女が体調を崩してしまっている。それでもギリギリ治安維持が出来ているため百鬼夜行はトリニティやゲヘナと比較して平和だと思われる。
ちなみに実装されている百花繚乱メンバーは全員最高レアの☆3、振動タイプ、STRIKERという共通点がある。一撃重視のユカリ、手数の多さで攻めるレンゲ、支援役のキキョウとそれぞれ役割が異なり、『百花繚乱』編で実装された総力戦クロカゲでの活躍が見込める。
4周年記念のブルアカふぇす!では、ブランケットとなった百花繚乱の羽織が会場限定販売された。
組織
百花繚乱には「優れた才能を持った人物が同時期に一斉に現れる」という意味があり、その名の通り、選りすぐりのエリートのみが在籍を許される狭き門。所属する生徒には百花繚乱の証である藍色の羽織と制式ライフルが支給される。制式ライフルのモチーフは第一次世界大戦から大東亜戦争終結まで使用された大日本帝國陸軍の三八式歩兵銃。委員長は証として幽霊を捕らえられる銃「百蓮」を受け継ぎ、百鬼夜行北部の大雪原にある黄昏の寺院にてクズノハとの交信が可能になる。ちなみに百蓮の写真は広報用サイトにも掲載されていて誰でも閲覧可能。ちなみに百花繚乱に所属出来るのは高校生だけのようで、中学生時代のユカリが毎日入部を希望しに来ていたが、そのたびにキキョウに追い返されていたとか。
拠点としている調停室は、百花繚乱が創設された時に建てられたものを使用し続けている。したがって非常に老朽化が進んでおり、桐生キキョウの絆ストーリーでは床や天井がよく抜け、ドアがあっても雨風が入ってくるなど廃屋同然の状態と化していた。先生が数時間に渡って修繕してくれたおかげで若干解消されたものの倒壊しないのが不思議なくらいである。調停室の裏には倉庫が、表の庭には射撃訓練に使う的が並んでいるのが確認出来る。
百花繚乱の主な活動は、学院内で発生した派閥・委員会同士の対立や紛争の仲裁、町内を巡回して不良生徒の取り締まり、治安維持、事件の対処などが挙げられる。問題児の逮捕権も有しているが、百花繚乱の基幹を成すのはあくまで「調停」であり、対立する双方の架け橋となって納得出来るよう仲裁・解決へ導く事が本来の役割。その高い処理能力と戦闘能力により魑魅一座や問題児を震え上がらせる一方、住民や生徒たちからは強く信頼されている様子が窺える。また独自の情報網を持っているようで情報収集能力は陰陽部に匹敵すると思われる。影響力の大きさから陰陽部は百花繚乱をマークするも、「実態把握が難しい」とカホに評されるほど高い機密性を保持していた。百花繚乱も陰陽部をマークしていて水面下で対立中のようだが、実質陰陽部が生徒会の役割を担っているため、陰陽部から要請を受けて出動したり、あるいは腰が重い陰陽部に代わって事件を解決する事もある。
メンバーは有事に備えて毎日午前4時に起床して鍛錬、それが終わると朝食を食べて授業を受け、放課後も鍛錬という日々厳しい訓練に励む。不破レンゲの絆ストーリーによると毎日グラウンドを走り、百花繚乱で受け継がれてきた射撃術の会得と訓練、兵法書を使った勉強を行っているのだという。他にも百花繚乱に代々受け継がれてきたあらゆるトラブルの対処法を3年かけて学ぶとの事(突然の銃撃戦への対応や敵陣で孤立した際に星を読んで逃げる方法など、もはや特殊部隊レベルの内容だったりする)。このような激しい訓練で築かれた実力で百鬼夜行の治安を守るのである。まさに戦闘のエキスパート集団。
百花繚乱は実力によって序列が決まる能力主義で、幹部や委員長の実力に疑問がある場合は立会人を立てる事で継承戦――すなわち下剋上を挑める。公平性を得るため百花繚乱以外の立会人を1名(ニヤ曰く代々の継承戦は陰陽部が立会人をやっていたという)、基準が正しいかどうか判断するための百花繚乱の幹部1名、計2名の立会人を用意する必要がある。
部員
百花繚乱には「色々な花が咲き乱れる」という意味もあるためかメンバー全員が花の名前を冠する。
- 七稜アヤメ
当代の委員長。当時を知る忍術研究部のミチル曰く「陽キャ」。抜きんでた才能を持っており、部員からも慕われていたが、ユカリが入部する約10ヶ月前に突如行方不明となった。立ち絵なし。時系列的には『不忍ノ心』と最終編の間の事と思われる。失踪前にクズノハからの言葉を記した巻物を用意し、忍術研究部やナグサを通して先生に渡した。『百花繚乱編』では、大雪原で花鳥風月部のコクリコに敗れて黄昏の向こう側に連れ去られた事が失踪の原因と明かされた。ナグサとは幼馴染の関係。
- 御稜ナグサ
雪女のような風貌が特徴的な副委員長兼委員長代理。アヤメが行方不明になった時に委員長代理となるがアヤメを探すために彼女も行方不明になり、図らずも百花繚乱崩壊の引き金を引いてしまう。片腕しか使えないにも関わらずユカリを軽く一蹴出来るほどの実力を持つが、情けないほど豆腐メンタルで、自分にアヤメの代わりは務まらないと考えて証の百蓮をキキョウへ返却してしまい、余計事態がこじれてしまった。右腕に包帯を巻いている。『百花繚乱編』で眼前のアヤメを助けられなかった事が語られ、その際に伸ばした右腕を黄昏に持っていかれた。
- 桐生キキョウ
百花繚乱の作戦参謀を務める幹部。常日頃から兵法書を読んで勉強しており、住民から「的確に指示を出す姿が印象的」「本当に賢い」と評されるほど頭が良い。また生徒や住人からの信頼も篤く彼女のもとに労いの差し入れが多数送られた事もあった。その高い能力を買われてナグサから次期委員長に指名されている。詳しくは桐生キキョウの項で。
- 不破レンゲ
切り込み隊長を務める幹部。熱血漢な体育会系で、考えるよりも体を動かす事を好む。脳筋のように見えるが、会得に3年かかると言われる百花繚乱流トラブル対処法を2年生の時点で会得しているところを見るに、平均以上の学力はあると思われる。上記のキキョウとは幼馴染の関係。愚直なまでに青春を追い求める姿が印象的。
- 勘解由小路(かでのこうじ)ユカリ
期待の新人。中学生時代に助けられた事で百花繚乱への入部を志し、高校進学後にすぐさま入部を果たした名家・勘解由小路家の令嬢。百花繚乱での活動や先輩方に敬愛の念を抱いており、厳しい訓練をこなしながら充実した日々を送っている。ナグサとは対照的に鋼メンタルを持つため打ちのめされてもすぐ回復する。「えりーと」と自称したり、レンゲの言う事を鵜呑みにしたり、世間知らずな所が多く見受けられる事からポンコツ感が隠し切れないが、令嬢としての教育は行き届いているようでテストでは満点を取っている。詳しくは勘解由小路ユカリの項で。
- 大預言者クズノハ
百花繚乱を創設したとされる人物。百鬼夜行では都市伝説レベルの噂話程度でしかないが、歴代委員長はクズノハに会ったと主張して存在を確信。エデン条約編第4章では色彩と接触して夢と現の境界線が曖昧になっていた百合園セイアに現実世界への帰還の方法を教え、先生には「色彩によって変質した生徒を助けたいのであれば訪ねてくりゃれ」と伝えるなど、要所要所に登場している。総力戦クロカゲではゲマトリアを差し置いて解説役に抜擢された。ユーザーからは顔のパーツがユカリと似ている事から関連が疑われているとか。
関連静画
関連項目
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