虚構推理とは、城平京による日本のミステリー小説シリーズ、およびそれを原作とする漫画、テレビアニメである。
概要
虚構推理 | |
小説 | |
---|---|
作者 | 城平京 |
イラスト | 清原紘、片瀬茶柴 |
出版社 | 講談社 |
レーベル | 講談社ノベルス |
刊行期間 | 2011年5月- |
巻数 | 既刊6巻 (2023年2月現在) |
漫画 | |
作画 | 片瀬茶柴 |
出版社 | 講談社 |
レーベル | 講談社コミックス |
掲載 | 少年マガジンR 月刊少年マガジン マガジンポケット |
掲載期間 | 2015年4月- |
巻数 | 既刊21巻 (2024年5月現在) |
小説・漫画テンプレート |
幼い頃に神隠しに遭い、片眼・片脚と引き換えに“怪異”や”妖怪”たちの知恵を司る神となった少女、岩永琴子と幼い頃に“妖怪”である“件(くだん)”と“人魚”の肉を食べ「未来を掴む力」と「不死の身体」を手に入れた、人ならざる者の桜川九郎。2人が自身の特殊な力を活用しながら、妖怪・怪異の絡んだ事件に挑むミステリである。
ただしミステリといっても、名探偵である岩永琴子がするのは事件の真実の解明ではない。基本的に、起きた事件の真相は「その場にいた(一般人には見えない)幽霊や妖怪が目撃していた」という形であらかじめ明らかになっており、琴子と九郎がするのはそれらの情報に基づいた「依頼人が納得する推理」を作ること。依頼人が納得するのであれば、その推理は真実でなくとも構わない――というのが本作のスタンス。《虚構推理》とタイトルに冠する所以である。
2011年より講談社から刊行されている。 また、2015年以降からは、講談社の漫画雑誌『少年マガジンR』漫画アプリ『マガジンポケット』(2020年2月号より『月刊少年マガジン』の3媒体)でのコミカライズやブレインズ・ベース制作によるアニメ化などのメディアミックスが行われている。
シリーズ第1作は『虚構推理 鋼人七瀬』のタイトルで、2011年5月11日に講談社ノベルスから刊行された。妖怪・怪異の起こした事件を解決するために作中で展開される《虚構推理》の趣向はミステリ界でも注目を集め、第12回本格ミステリ大賞を受賞した。[1]
第1作は2015年にサブタイトルを外した『虚構推理』に改題し、講談社文庫で文庫化。2019年には短編集『虚構推理短編集 岩永琴子の出現』が講談社タイガから刊行されるのに合わせて、1作目も講談社タイガから再刊された。同年には第2長編『虚構推理 スリーピング・マーダー』が講談社タイガから刊行。以後、講談社タイガにて長編と短編集が交互に刊行されており、2023年現在、長編3巻+短編集3巻。
2015年、講談社が『少年マガジンR』を創刊するにあたり、同誌でコミカライズが掲載されることが発表され、連載開始。コミカライズは片瀬茶柴が担当しており、片瀬は本作で漫画家デビューを果たした。
2017年、『虚構推理 鋼人七瀬』のコミカライズが完結(単行本6巻まで)。しかしその後も「城平が続編小説を執筆し、それを片瀬がコミカライズする」という形で連載が続けられており、前述の通り城平が執筆した続編小説も講談社タイガから書籍化されている。 なお、講談社ノベルス版『虚構推理 鋼人七瀬』では清原紘がカバーイラストを手掛けているが、講談社タイガから刊行された書籍では片瀬がイラストを担当している。
コミック9巻までで累計発行部数200万部を突破。2023年の小説6巻の時点で500万部を突破している。
2019年1月14日にテレビアニメ化決定の一報と共に、メインスタッフ・キービジュアルが公開された。
2020年1月から同年3月までテレビ朝日、MBS、BS日テレ他にて放送された。全12話。
2020年11月27日にはテレビアニメ第2期制作決定が発表され、2023年1月から放送された。全12話。
受賞歴
発表年 | 賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
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2012 | 第12回本格ミステリ大賞 | 小説部門 | 『虚構推理 鋼人七瀬』 | 受賞 |
本格ミステリ・ベスト10 2012年版 | 国内 | 4位 | ||
2016 | 第6回 NEXTブレイク漫画RANKING BEST50 | 漫画『虚構推理』 | 7位 | |
2018 | 第42回講談社漫画賞 | 少年部門 | ノミネート |
ニコニコ静画
登場人物
-
岩永琴子 鬼頭明里 - 11歳の時に”怪異”と呼ばれる化け物たちに誘拐され片眼と片脚を失うのと引き換えに、
彼らの”知恵の神”となり、怪異たちから寄せられるトラブルを解決している。
病院で偶然出会った九郎に一目ぼれをする。
テレビアニメ
第1期が2021年1月から3月までテレビ朝日他にて放送された。
第2期は「虚構推理 Season2」のタイトルで2022年10月より放送予定だったが、同年5月2日に2023年1月に放送を延期することが発表され、同年3月までTOKYO MX他にて放送された。
第1期は原作長編1巻(コミックス6巻まで)の『鋼人七瀬』編に、導入編として原作短編集1巻『岩永琴子の出現』収録(コミックスでは7巻収録)の「ヌシの大蛇は聞いていた」を組み込んだ構成。
第2期は原作短編集2巻『岩永琴子の純真』収録の「雪女のジレンマ」(コミックス12巻~13巻)、原作短編集1巻『出現』収録の「電撃のピノッキオ、あるいは星に願いを」「うなぎ屋の幸運日」(それぞれコミックス8巻・7巻)、原作長編2巻『スリーピング・マーダー』編(コミックス10巻~11巻)を、原作から順序を入れ替えて構成されている。
スタッフ
原作 | 城平京 |
---|---|
漫画 | 片瀬茶柴 |
監督 | 後藤圭二 |
シリーズ構成 | 高木登 |
キャラクターデザイン 総作画監督 |
本多孝敏 → 松本健太郎【第2期】 |
アニメーション制作 | ブレインズ・ベース |
制作 | NAS |
キャスト
放送局・配信サイト
第1期
放送局 | 放送日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
テレビ朝日 | 2020年1月11日 | 土曜 | 25時30分~ | |
MBS | 26時38分~ | |||
AT-X | 2020年1月13日 | 月曜 | 23時30分~ | リピート放送あり |
BS日テレ | 2020年1月14日 | 火曜 | 24時00分~ | |
J:COMテレビ | 2020年1月15日 | 水曜 | 23時30分~ |
配信サイト | 配信日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
dアニメストア | 2020年1月4日 | 土曜 | 21時00分~23時00分 | 会員限定、先着500名 |
GYAO! | 21時00分~21時59分 |
配信サイト | 配信日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
dアニメストア | 2020年1月11日 | 土曜 | 25時30分~ | |
GYAO! | ||||
ビデオマーケット | ||||
ニコニコチャンネル | 2020年1月14日 | 火曜 | 26時00分~ | 第1話常設無料 最新話1週間無料配信 |
※その他配信サイト | ||||
AbemaTV | 27時00分~ | |||
U-NEXT | 2020年1月15日 | 水曜 | 12時00分~ | |
アニメ放題 | ||||
ビデオパス | ||||
J:COMオンデマンド | ||||
ニコニコ生放送 | 23時30分~ | タイムシフトあり |
※その他配信サイト:dTV\バンダイチャンネル\Hulu\FODプレミアム\あにてれ\Amazon Prime Video\TVer\MBS動画イズム\Amazon Video
放送局 | 放送日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
テレビ朝日 | 2020年1月11日 | 土曜 | 25時30分~ | |
MBS | 26時38分~ | |||
AT-X | 2020年1月13日 | 月曜 | 23時30分~ | リピート放送あり |
BS日テレ | 2020年1月14日 | 火曜 | 24時00分~ | |
J:COMテレビ | 2020年1月15日 | 水曜 | 23時30分~ |
第2期
放送局 | 放送日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
TOKYO MX | 2023年1月8日 | 日曜 | 25時05分~ | |
BS日テレ | 2023年1月9日 | 月曜 | 24時00分~ | |
アニマックス | 2023年1月14日 | 土曜 | 23時30分~ |
配信サイト | 配信日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
dアニメストア | 2023年1月8日 | 日曜 | 24時00分~ | 地上波先行配信 |
DMM TV | 2023年1月11日 | 水曜 | 24時00分~ | |
dTV | ||||
アニメタイムズ | ||||
ニコニコチャンネル | 2023年1月14日 | 土曜 | 12時00分~ | 第1話常設無料 最新話1週間無料配信 |
その他配信サイト | 以降順次配信 | |||
ニコニコ生放送 | 21時30分~ | タイムシフトあり |
各話リスト
話数 | サブタイトル | 配信日 (ニコニコ) |
動画 (ニコニコ) |
動画 (dアニメ) |
---|---|---|---|---|
第一話 | 一眼一足 | 2020 1/15 |
||
第二話 | ヌシの大蛇は聞いていた | 1/22 | ||
第三話 | 鋼人の噂 | 1/29 | ||
第四話 | アイドルは鉄骨に死す | 2/5 | ||
第五話 | 想像力の怪物 | 2/12 | ||
第六話 | 合理的な虚構 | 2/19 | ||
第七話 | 鋼人攻略戦準備 | 2/26 | ||
第八話 | 虚構を紡ぐ者 | 3/4 | ||
第九話 | 鋼人七瀬攻略議会 | 3/11 | ||
第十話 | 虚構争奪 | 3/18 | ||
第十一話 | 最後の虚構 | 3/25 | ||
第十二話 | 秩序を守る者 | 4/1 | ||
Season2 | ||||
第十三話 | その神の名は | 2023 1/14 |
||
第十四話 | 雪女のジレンマ | 1/21 | ||
第十五話 | 雪女のアリバイ | 1/28 | ||
第十六話 | 雪女の純真 | 2/4 | ||
第十七話 | 六花ふたたび | 2/11 | ||
第十八話 | 電撃のピノッキオ | 2/18 | ||
第十九話 | あるいは星に願いを | 2/25 | ||
第二十話 | そして支配者はいなくなった | 3/4 | ||
第二十一話 | もの言えぬ子ども達 | 3/11 | ||
第二十二話 | 招かれざる判定役 | 3/18 | ||
第二十三話 | スリーピング・マーダー | 3/25 | ||
第二十四話 | うなぎ屋の幸運日 | 4/1 |
主題歌
- オープニングテーマ「モノノケ・イン・ザ・フィクション」
- 歌:嘘とカメレオン 作詞:チャム(.△) 作曲・編曲:渡辺壮亮
- エンディングテーマ「LAST DANCE」
- 歌:宮野真守 作詞:由潮 作曲・編曲:Jin Nakamura
- 第2期オープニングテーマ「ヨトギバナシ」
- 歌:カノエラナ 作詞・作曲:カノエラナ 編曲:エンドウ.
- 第2期エンディングテーマ「Invincible Love」
- 歌:宮野真守 作詞:Amon Hayashi 作曲:$ÜN(SUN), Le`mon, NAOtheLAIZA
編曲:NAOtheLAIZA
関連動画
関連チャンネル
関連生放送
関連リンク
- ノベルス「あとがきのあとがき」『虚構推理 鋼人七瀬』 - webメフィスト(講談社BOOK倶楽部)
- 虚構推理 (少年マガジンR公式サイト)
- 虚構推理(pxivコミックス:第1〜第4話無料公開)
- 『虚構推理』R公式 (Twitter)
- アニメ「虚構推理」公式サイト
関連項目
- 小説作品一覧
- ミステリー
- 講談社ノベルス
- 講談社タイガ
- 城平京
- アニメ作品一覧
- 2020年冬アニメ / 2022年秋アニメ → 2023年冬アニメ
- ニコニコ動画で配信中のアニメ作品一覧
- 特殊設定ミステリ
脚注
- *本格ミステリの世界では、ざっくり言うと「名探偵には完全に客観的で正しい推理は不可能なのでは?」という問題(いわゆる「後期クイーン的問題」、名探偵の項も参照)があり、00年代後半あたりから「だったら名探偵の推理は真実でなくても、聞いている者を説得できればいいのでは?」という発想の作品(米澤穂信『インシテミル』、円居挽『丸太町ルヴォワール』など)が登場して評価を集めていた。『虚構推理 鋼人七瀬』もその流れの中に位置づけることができる。また、2010年代後半から今村昌弘『屍人荘の殺人』に代表される「特殊設定ミステリ」と呼ばれる作品群がブームを巻き起こすと、同時期に刊行された綾辻行人『Another』や米澤穂信『折れた竜骨』と並ぶ特殊設定ミステリの代表作とも見なされるようになった。
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