GOD HANDとは
概要
『バイオハザード』シリーズ、『逆転裁判』シリーズ、『大神』などを手がけたゲームクリエイター、三上真司と稲葉敦志がそれぞれディレクターとプロデューサーとして作り上げたアクションゲーム。
登場人物の言葉は全て英語であり、神の力が宿った腕と悪魔との戦いが繰り広げられるなど、非常にシリアスな筋立てで『バイオハザード』や『デビルメイクライ』に似た雰囲気を感じさせるが、その実は遊び要素としょうもないギャグとブラックジョークが緻密な計算の上でデタラメなほどに詰め込まれた、PS2史上屈指のバカゲーである。
また、その砕けた雰囲気とは裏腹に、PS2史上でも一ニを争うほどの難易度を持ったソフトでもある。難易度調整は三段階が用意されているものの、ファミ通をして『真ん中の難易度である"NORMAL"の時点でDante Must Die(スタッフですらクリアできない難易度)並み』と言わしめるほどであり、ディレクターの三上も「『大神』や『ビューティフルジョー』でクローバースタジオのゲームを知った、という人は挑戦しない方がいいと思う」と話していた。
同社の『大神』と同じく非常に高い評価を得ており、未だに続編を求めるほどの熱狂的なファンも数多く生んだものの、高い難易度が新規購買層獲得を邪魔したか、売り上げは伸びなかった。
この作品を最後に、開発元のクローバースタジオは解散。現在はプラチナゲームズという会社に殆どのスタッフが移籍している。
ストーリー
はるか昔、魔王サタンが世界を支配しようとしていた頃、両腕に神の力を宿した救世主が現れ、サタンを滅ぼした。世に平和をもたらしてくれた彼を人々は敬い、『ゴッドハンド』として語り継いでいった。
それから長い年月が流れた時代。旅の青年ジーンは、旅先で立ち寄った村で、悪人に襲われている少女オリヴィアを助ける。彼女を救い出すことには成功したものの、悪人は人外の力を持っており、必死に戦うジーンだったが全く叶わなかった。彼はなすすべもなく、『ゴッドハンド狩り』の名の下に右腕を切り落とされてしまう。
痛みに苦しみ、絶望するジーンだったが、オリヴィアは自らのことを『ゴッドハンドを守る一族』であると語り出す。悪人がオリヴィアを襲っていたのは、彼女がゴッドハンドを持っていたからだった。自分を守ってくれたジーンの正義の心に感動したオリヴィアは、彼の失われた右腕の代わりにゴッドハンドを託そうというのだ。
こうして、ジーンはゴッドハンドを手に入れた。彼はオリヴィアに小突かれつつ、再び活動を始めた悪魔達と戦う旅に出た……。
システム
『バイオハザード4』や『サイレン』と似たような、主人公=ジーンを後方から肩越しに見るアングルの3D格闘アクションである。
基本は、□ボタンを中心に△ボタンや×ボタンを組み合わせて相手に格闘技を仕掛けていく。これらのいわゆる『基本技』は100種類以上が収録されており(「正拳突き」から「後ろ飛びまわし蹴り」のようなものまで幅広い)、ストーリーを進めるうちに集められる。これらの中から6種類の技をメニューで自由に選びセットすることが出来るが、各ボタンの同時押しや、レバー↓入力との組み合わせで、都合11種類が一度に使える。
『バイオ4』や『ゴッドオブウォー』のように、相手に基本技を与え続けてある程度ダメージを与えたり、特定の状況になると、画面に○ボタンを押す指示が出る。この時に○ボタンを押すことで、相手に応じて様々な『特殊技』をお見舞いできる。一番使用回数が多いのは『ボコる』コマンドであり、ボタン連打でスタープラチナよろしく凄まじいラッシュを叩き込む。その他、『コブラツイスト(相手がヒョロヒョロの場合)』『毒針スペシャル(相手がデブの場合)』『スープレックス(相手が中肉中背の場合)』『おしおき(相手が女性の場合)』など、様々な技を至る所で使用できる。
ゴッドリール
戦う中で溜まっていく『ゴッドリールストック』を消費して出せる強力な必殺技。30種類以上の技があり、物語を進めていく上で覚えられる。基本技と同じようにメニュー画面で使いたいものをセットしておくことになる。
戦闘中にボタンを押すと、敵の動きがスローになり、ゴッドリール技が並んだメニューが出現する。この中から、技を選ぶのに与えられた時間=相手がスローになっている間に、使う技を選び決定することで発動する。
どれも専用のモーションとムービーが用意されており、必見。バリエーションも、『ゴッドインパクト』『キンテキ(金的攻撃。良い子はダメだぜ!)』などの近距離技、『ハリケーンチョップ』『両断波』などの遠距離技、『ゴッド瞑想』など体力を回復させるような回復技から、『ゴッド☆土下座(ここ一番)』のようなどうしようもない特殊技まで多岐にわたる。ストックは難易度により最大で4~6個になり、アイテムを拾うことで回復できる。1個だけ使用する技から3個も使用する技まであり、もちろん威力は比例する(ビジュアルやかっこよさは個人差)。
特に『ゴッド本塁打』は、ゲーム発売前のトレイラーの時点で多くのファンを作っていた。空から現れた光り輝くバットで相手を全力でぶっ飛ばし、星にしてしまう大技であり、その綺麗なバッティングフォームと、敵の爽快なぶっ飛びっぷりは必見である。
ちなみに、ステージ開始前にどの技をセットしていても、戦闘中に発動させる際には『スカ』という項目が必ず出る。これを間違って選んでしまった場合、頭にタライが落ちてダメージを受けてしまう。
また、迷ったり考えすぎたりして時間内に技を決定しなかった場合は選んでた技が発動もしくは不発に終わるが、ゲージの無駄な消費になったり余計な隙を作って相手に袋叩きにされることになる。
ゴッドハンド解放
ジーンの右手の拘束具を外し、ゴッドハンドを解放する技。テンションゲージが一定量貯まると使用可能になり、腕が金色に光り輝く。
移動速度・攻撃速度が飛躍的に上がり、相手はこちらの技をガードできなくなる上に攻撃力も増加する。攻撃方法こそ通常時と変わらないものの、技のスピードも跳ね上がるため、全力でラッシュを叩き込めば、ボス敵にもかなりのダメージを与えられる。
また、この状態でいる間は、ある1つの例外を除いて無敵である。
登場人物
主人公
- ジーン
- 特にあてもなく旅をしていた風来坊。23歳という若年ながら筋骨粒々で逞しい体をしており、ゴッドハンド入手前もかなり喧嘩は強かったと思われる。ゴッドハンド入手後は無敵とも言われる強さを手に入れ、立ちふさがる悪人と悪魔共を蹴散らしていく。
愚痴り屋でぶっきらぼうな性格だが、本当は正義感が強くて優しい好青年である。オリヴィアにゴッドハンドを託された後も、その力に溺れることはなかった。また、あまりにぶっ飛んだ敵が出てきた時は、反射的に鋭いツッコミを入れることもある。『お前人間ちゃうやろ!』
オリヴィアの頼みは絶対に断れないヘタレであり、ドMである。オリヴィアと強い信頼関係を結んでいるとはいえるものの、手斧で脅されて泣く泣く敵を倒したり、背中に『Kick me!』の張り紙を張られるなど、いいようにからかわれている。 - オリヴィア
- ゴッドハンドを守る一族の生き残りであり、右腕を守って旅をしていた。悪人に狙われたところをジーンに救われ、その正義の心に感動して彼にゴッドハンドを託すことを決意。以降は彼とともに悪人退治の旅をしている。
非常に明るい性格だが、ジーンの前で明るく振舞う一方で一人の時には悲しげな表情を見せることがある(後に、同じ一族でありながら力に魅入られて道を踏み外したアゼルへの想いだったと判明する)。
ゴッドハンドをジーンに託した後は、責務から解き放たれたといわんばかりに気軽に旅をしている。通販と遊園地めぐりが好きだが、19歳なのにパチスロ・深酒も大好きであり、少々自由人過ぎるところもある。
行く先々で、ジーンが断れないのを知りつつ悪人退治をさせるドSである。風呂に入っているときですら、彼を脅すための手斧を懐に忍ばせており、彼が自分のいうことを聞かずに愚痴ると「ゴッドハンドを返してもらうわ」といって脅迫する。
愛読書は『Mの扱い方』『Sの細道』。
四天王
- エルヴィス
- 豪放磊落なデブのオッサン。首から提げた大きな数珠と、いつもくわえている葉巻が特徴。一応悪魔ではあるが人情溢れる性格であり、倒れている老人をほうっておけない。また、礼儀を知らない部下には問答無用の鉄拳制裁を食らわすほか、初対面の相手にはたとえジーンであろうと敬意を払って礼儀正しく接するなど、およそ悪魔とは思えない人間性を持つ。
女好きであるが、実際はシャノン一筋で猛アタックをかけていた。
正体は胴体に顔がある醜悪な悪魔。その巨体を生かした強烈な一撃をお見舞いする一方で、素早く振りほどけなかったら即死する技も使ってくる強敵。
最期はジーンに破れ、潔く散っていった。 - シャノン
- 派手で露出の多い格好をした、金髪の美女。四天王の紅一点であり、人の神経を逆撫でするような耳障りで甲高い声で話す。残忍で冷酷な快楽主義者であり、オリヴィアと同じく筋金入りのドS。サーカス団「シルク・ド・エス」の座長であり、魔法を使うことに長ける。魔法で相手を毒チワワに変えて苛めるという屈辱的な技も使ってくる。
エルヴィスに言い寄られるのをウザがっていたが、彼のようなデブ親父自体は好みのタイプであったらしい。
ジーンに対しても高圧的な態度で接するが、ジーンはヘタレはともかくとして被虐嗜好は薄いため、あまりかみ合わなかった。
正体は下半身が魔獣の形をした一つ目の魔女。魔獣の下半身と人間の上半身が同時に別々の攻撃を仕掛けて来ることもあり、本作の中でも鬼門と呼ばれる強さを誇る。
最後はこき使っていた人間にハリセンで袋叩きにされてしまった。 - アゼル
- 四天王の中で唯一の人間であり、オリヴィアがジーンに託した右腕に対して左腕のゴッドハンドを所持している。オリヴィアと同じくゴッドハンドを守る一族であり、彼女とは親が決めた許婚であったらしい。
ゴッドハンドの力に見入られ、自分以外の一族を抹殺し、ゴッドハンドを手に入れてしまった。神にも悪魔にもなれるゴッドハンドで、悪魔になることを選択し、自らをデビルハンドと名乗った。
ベルーゼをはじめとする四天王には信用されておらず、会議の際にも彼の席は用意されていない。
ジーンの持つ右腕を手に入れるために物語中盤で勝負を挑んでくるが、その時はジーンがゴッドハンドの力を使いこなせているかの見極めで、彼の方から引き分けという形で本気を出す前に身を引いた。
弱肉強食の世を力で支配するという、どこぞの拳王様のような野望を実現させるために四天王の座についていたが、実はサタン復活のためにベルーゼに利用されており、知らぬ間にその体にはサタンの種が埋め込まれていた。最後の最後でジーンに敗れた彼は、自らの体を媒体にして蘇るサタンにゴッドハンドが渡らぬよう、左腕をジーンに託す。サタンとして覚醒してしまった後は、二つのゴッドハンドを揃えたジーンに敗れ、サタンとともに消えていった。
ジーンが使うゴッドリールのうち、いくつか同じ技を彼も使う。また、彼がラッシュを繰り出してきた際にこちらも○ボタン連打で応戦すると、さながら承太郎とDIOのラッシュの速さ比べのような壮絶な打ち合いを繰り広げられる。 - ベルーゼ
その他、サンバの衣装を着たマッチョなゲイのオカマコンビ『最凶の双子金さん銀さん』、タイムボカンそのものにしか見えないトリオ『悪の三人組』、どこからどう見てもシュワちゃんです本当に(ry『用心棒』、カタコトの日本語を話す胡散臭い侍『先生&大先生』など、強烈な登場人物は枚挙に暇がない。
俺の右手はゴッドハンド
ゴッドハンド!!
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関連項目
外部リンク
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