X-RETURNSとは、任天堂が2010年6月30日にニンテンドーDSi向けに配信を開始した3Dシューティングゲームである。
概要
1992年にゲームボーイ向けに発売されたゲームソフト「X-エックス」の続編。前作は公式ではアクションゲームとして扱われていたが、本作では「シューティングゲーム」となっている。
開発は近年の「スターフォックス」シリーズの開発にも関わっている有限会社キュー・ゲームス。前作がワイヤーフレームであったのに対し、今作品はポリゴンで描写されている。ちなみにキュー・ゲームスの代表取締役は前作「X-エックス」やSFCの「スターフォックス」のプログラムを担当したディラン・カスバートである。
-ストーリー-
前作「X-エックス」で移民惑星テタムスII(テタムス・ツー)を侵略しようとしたエイリアン軍を、スペースタンクVIXIV(ヴィクシブ)に搭乗して撃退したプレイヤーと、プレイヤーの指揮官であるアンドルフコーチは英雄として讃えられていた。
対エイリアン戦後、コーチは惑星の要職に就き、またVIXIVのパイロットであるプレイヤーは宇宙の彼方へ果て無き旅に出た。
それから20年後。
コールドスリープを用い、宇宙の彼方からテタムスIIへと戻ってきたプレイヤーが見たものとは・・・?
ゲームの流れ
本作はミッションクリア型であった前作とは打って変わって、「オールレンジモード」と「トンネルモード」の2つのモードを交互に繰り返すスタイルとなっている。今回は勲章消費によるコンティニューではなくオートセーブ方式で惑星到達時やトンネル突入時にセーブされ再開時はそこからになる。
オールレンジモード
いわゆる通常の3Dシューティングゲームとしてのプレイモード。3Dシューティングとはいっても、画面に表示されるのはVIXIVのコクピットからの視点であるため、FPSに近い感覚でのプレイとなる。十字キーかタッチパネル操作で照準及びVIXIVの移動を行い、武装を切り替えて敵を撃破していく。
また、プレイ中には様々なイベントが発生し、その「お題」をクリアするということも起こる。また一部惑星を除いて残存敵勢力がパーセンテージで表示され、0%にするとその惑星では敵は出てこなくなる。一部惑星ではソーラーフレアによる電子機器に影響を受ける現象が発生してレーダーが攪乱されてしまったり、重力の関係で飛行できないといった制約がある惑星もある。
トンネルモード
前作の「トンネルシーン」に近いモード。前作との決定的な違いは、前作の場合はトンネルシーンはステージ内での場所移動用のショートカットであったのに対し、本作では惑星(つまりステージ)を移動する手段ということであろう。
トンネル内では空間が強く圧縮されているという設定になっており、表示された制限時間内にゴールに到達する必要がある(制限時間内に辿りつけなければゲームオーバー)。一方通行のトンネルもあり、惑星間移動時には目的地に行くには他の惑星へ回り道する必要もある。
・・・しかし、トンネル内にも敵キャラや障害物が多数存在しており、VIXIVの邪魔をしてくる。攻撃を受けたり障害物に接触すると大きくタイムロスをしてしまうので注意。一部クエストではトンネルを利用したレースやバトルも用意されている。
ちなみに今作品のトンネルでは前作でゲーム中二回しか流れない方のBGMのアレンジが使われている。これは前作では惑星間トンネルでのみ使われていた為か、今作品のトンネルは前述の通り惑星間移動である為採用されたものと推測される。このアレンジBGMは「大乱闘スマッシュブラザーズ for WiiU」にも収録された。
登場人物及びメカ
- プレイヤー
20年前にエイリアン軍を撃退し、英雄と讃えられた伝説のスペースタンク乗り。
エイリアン軍を撃退した後、宇宙の彼方を20年ほど旅していたが、この度コールドスリープを用いてテタムスIIへと戻ってきた。
そのテタムスIIで驚愕の事実を目の当たりにする・・・ - コーチ
前作でプレイヤーにVIXIVの操縦法を教えたり各ミッションの解説などを行なっていた、いわゆる司令官。
対エイリアン戦後にテタムスIIに於いて要職に就き、その後にテタムスIIの皇帝に就任した・・・が、皇帝就任後に「あるもの」に対する研究を開始。
その研究の開始後、人格が変わったかのように周囲の惑星に対する軍事行動を開始した。
要するに本作のラスボス。・・・のはずではあるが・・・。 - VIX-529
スペースタンク「VIXIV」のサポートメカ。
球体に大型のカメラレンズと、4本のアンテナが付いたような形状をしている。
プレイ中にタクシーの運ちゃん並の勢いで色々話しかけてくる反面、肝心な所で解説をミスしたり怖がったりと、はっきり言ってどこかの嘘つき女神並に頼りない存在。
尚、本作では敵キャラクターとしてVIX-529の後継機である「VIX-630」というメカが登場する。地面から突如現れて、VIXIVの周囲を飛びながら弾を撃ってくる鬱陶しい敵ではあるが、耐久力は並なのでさっさと片付けてしまおう。兄より優れた弟など存在しない。 - VIXIV(ヴィクシヴ)
プレイヤーが登場するスペースタンク。タンクという割にはどちらかと言えば小型宇宙艇と言った外観である。
ショット・ミサイル・ボムの3種の武装を使用でき、ピラミッド型のジャンプ台でジャンプするか飛行用装備「ジェットパック」の使用により空中を飛行することもできる高性能タンク。
また、上記3種の武装以外にも「ある物質」のエネルギーを用いることにより強化ショットを発射したり、終盤で「ある武装」を使用する事もできる(というかこれを使わないとラスボスを倒せない)。
ちなみに、X-RETURNSの時代ではコーチ曰く「骨董品のようなタンク」らしい。でも20年も宇宙を旅してきたんだもの、仕方ないね。
・・・その割には帝国軍の主力戦車は、VIX-529に「VIXIV程の性能はありません」とあっさり断言されてしまっていたりするが・・・。20年前の戦車に負ける主力車って一体・・・
敵キャラクター(一部のみ)
- ヒューマノイドタンク
前作でも搭乗した人間型の歩行戦車。偽ウルトラマン。
前作とは違い、ジャンプからの踏みつけや腕からの砲撃などで積極的にVIXIVを攻撃してくるようになった。(VIXIVが飛行していると、砲撃してくる)
耐久力が高くショットを受け付けないので、ミサイルかボムで倒すべし。
開発者の一人は「間が抜けている動きをする」という理由で気に入っているらしい。 - スモールフライ
編隊を組んで飛行している小型戦闘機。
笑っちゃうくらいに弱いので、いい得点源。 - レーザータレット
地下から「よばれてとびでてババババーン!!」とばかりにニュッと出てくる大型レーザー砲。
円を描くように強力なレーザーを連続照射してくる上、耐久力も高い厄介な敵。 - レーザートレイル
後方に暫く残留するレーザーの軌跡を描きながらランダムに動きまわる樽状の敵。動きのイメージとしては立体的に動くクイックスといったようなものである。
さほど耐久力が高い敵ではないが、トリッキーな動きをする敵なのでミサイルでの攻撃がオススメ。 - ヘラクレス
カブトムシ型の歩行兵器。
つのドリル角を回転させながらVIXIVに向かって突進してくる。
通常ショットによる攻撃は後方からしか受け付けない。 - スプリット
正八面体の形状の敵。
攻撃を加えると分裂して、VIXIVを攻撃してくる。ボムを装備しているならさっさとボムを撃って倒してしまおう。 - スプリットタンク
どこぞのガ○ダムで出てきた○ゼラアタックのように、戦闘機と戦車が合体したスタイルの敵。
マゼ○アタックと同じように、戦闘機部と戦車部が分離、独立して戦うことができる兵器である。
戦闘機はショットと爆撃、戦車は爆弾投下で攻撃してくる。 - VIX-630
VIXIVのサポートメカ「VIX-529」の後継機。
サポートメカでるVIX-529と違い、武装をした戦闘メカとなっている。
地中から突如現れてはVIXIVの周囲を飛び回り、弾を撃って攻撃してくるイヤ~な敵。ハエの羽音みたいな作動音をたてるのが特徴。
VIX-529曰く「憎たらしい顔をしている」とのこと。
でも、やはり「兄より優れた弟など存在しない」。 - キャンサー
惑星モーダールのボス級キャラクターである、蟹型の巨大兵器。発掘品の古代兵器らしい。
口元からのレーザーや、ハサミからの弾で攻撃してくる上に耐久力も高い。
弱点は背中にある。
小ネタ
- 本作はニンテンドーDSi/DSiLLの他、ニンテンドーDSiとの後方互換性を持つニンテンドー3DSでも勿論プレイできる。
正直な話、スライドパッドで操作したりできるので(勿論アナログ操作は出来なく、飽くまで「十字キーの置き換え」でしか無いが)、DSiよりも操作しやすい(と、編集者は感じている)。 - 下画面のインターフェースはゲーム中の情報を表示するインジケータと操作方法の表示の他に、現在時刻やバッテリー残量も表示しているなど、後にニンテンドー3DSで発売される「スターフォックス64 3D」のそれに近いものとなっている(開発会社が同じだから当たり前か)。
- 世界観はキュー・ゲームス開発の「スターシップディフェンダー」、「リフレクトミサイル」と共有されており、前者は「X-RETURNS」の1000年後の世界・後者は発射されるミサイルがVIXIVのそれと同一のものという設定になっている。(ニンテンドーオンラインマガジン 2010年7月号より)。
- タイトルやトレーニングモードが赤を基調した配色である為、特にトレーニングモードは仮想訓練にちなんでバーチャルボーイを意識したような雰囲気である。
- 前作にもあった「けけソング」ネタも引き継がれていたりする。ちなみにやり方は前作とほぼ同じだったり。
関連動画
関連項目
関連リンク
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