ここに建てた病院が逃げた
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271
ななしのよっしん
2011/12/15(木) 20:40:08 ID: C+MHYoJjgp
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……人の叫び声が聞こえる。
さっき、>>266の通信を受けたけど、ここからどう動いていいものかわからない。病院は>>244を取り込んだ。>>244の装備はスナイパーライフルとショットガンだったっけ。これじゃあロクに動くこともできないし、お腹も減ったし、何より心細い。
「……はぁ、帰りてぇ…」
そう呟いた時だった。突然
「くぎゅううううううううううううう!!」
という叫び声が聞こえた。ビックリしてあたりを見渡すと、ちょうど>>265地点の方向から人の群れがやってきた。そいつらは異常だった。
見たら大体異常だとわかるくらい異常だった。主に恰好が。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
と荒い息を上げながら、女性のパンツを五枚ほど頭から被って興奮している奴。
さっきから
「くぎゅうううううううう!!!」
と叫び、ルイズとかいう奴への愛をまくし立てる奴。
どいつもこいつも変態だった。いや、もう病院へ行けと言わざるを得ない奴ばかりだった。そいつらが無駄に綺麗な列を作って、俺の前を通り過ぎていった。
よく見ると、みんな死んだと思われていた別働隊の連中の面々だった。俺は二つの驚きに襲われ、ただ茫然とした表情でそのパレードを見送った。
俺は無意識に無線機のスイッチを入れた。
「……こちら、>>271。あの、こんなことを言うのもなんだとは思うんだが……聞いてほしい。さっきまで死んでたと思っていた連中が、生きてた。それで……なんだ、変態が編隊を組んでやってきた。」
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272
ななしのよっしん
2011/12/17(土) 16:59:34 ID: rTUljcgZRv
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「こちら>>272。>>271の言っているようなやつらがこっちのほうにもいるんだが、その言動がばらばらなんだ。
まず>>271の言ったルイズとかいう奴への愛をまくし立てる奴の他に、『くぎゅっほう!』と叫びながら飛びあがる奴、ひたすらにメロンパンを求める奴、執事を気取っている奴、…もう挙げればきりがない。
共通するところは、どいつもこいつも『くぎゅうううううう!』と奇声を上げるところだ。
こんな奴らどうしろと…ん?>>273、それは何だ?写真じゃないか。しかもそのバーコード頭の少女は何なんだ、そんなのどうするというんだ?何だと?あいつらを正気に戻すアイテムだと?何を言ってんだ、写真の一枚二枚があいつらに効くわけ…
…え?正気に戻った…だと…?どうなってんだ? -
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273
ななしのよっしん
2011/12/24(土) 17:56:34 ID: GHQNqsvJUH
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274
ななしのよっしん
2012/01/21(土) 01:20:18 ID: C+MHYoJjgp
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275
ななしのよっしん
2012/02/05(日) 15:27:12 ID: rTUljcgZRv
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276
ななしのよっしん
2012/03/20(火) 21:56:03 ID: C+MHYoJjgp
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277
>>273
2012/04/03(火) 23:03:37 ID: GHQNqsvJUH
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278
ななしのよっしん
2012/04/29(日) 10:06:26 ID: C+MHYoJjgp
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279
ななしのよっしん
2012/05/03(木) 11:14:44 ID: YhLD5YYBRs
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280
ななしのよっしん
2012/05/20(日) 11:21:14 ID: R4xFwcFlDK
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281
ななしのよっしん
2012/05/27(日) 15:23:38 ID: bWqWKLmzd/
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282
ななしのよっしん
2012/06/03(日) 11:39:43 ID: fJJqcUToff
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報告書
●月●日×時
XX病院内にて現在研究中の病原菌が流出、非常に感染力が強く、毒性も強いと判断した上層部は病院内にいる患者もろともその《区画》を隔離することに決定。
▲月▲日○時
XX病院含む区画を完全隔離。周辺の住民は厳密に検査し、感染の有無を確認。XX病院含む区画をXX区画とする。
×月×日
XX区画の隔離壁が突如崩壊。国立病院特別執行部隊を送る。
結果、病院が生物化していることが判明。
同時刻、XX病院の責任者の大病院が行方不明になる。
事を重く見た上層部は司令部に《餌》の発動を求め、XX区画の爆破を試みる。しかし、部隊の兵士が解除パスワードを聞き出し、《餌》を解除。上層部は特別執行部隊を破棄することに決定。
×月◎日
病院が隔離されてから異常に進化していたことが判明。原因はXX病院の地下施設で作られていた生物兵器S。司令部は証拠隠滅のため、区画を爆撃することに決定。生物兵器のことは上層部へ報告。 -
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283
ななしのよっしん
2012/06/03(日) 12:59:25 ID: tyOTB2OVHl
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284
ななしのよっしん
2012/06/10(日) 21:56:29 ID: fJJqcUToff
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285
>>273
2012/06/23(土) 19:41:15 ID: GHQNqsvJUH
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286
>>284
2012/07/09(月) 23:21:34 ID: fJJqcUToff
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な、何でっ…!!何であいつがいるんだよ!?
無線機から声が聞こえたときは何かのいたずらだと思ったのに…!!
>>244は死んだんじゃなかったのかよォ…!?
やばい、殺される……殺されちまう……!!
「おい、こんなところで何をしている。」
わーっ!!
……って、あんた誰だ?
「私か。Dという者だ。少し休ませてくれ、今まで地下シェルターに閉じ込められていて、やっと脱出することができたんだ……すまんが、そこの兵士さん……今からXX病院の地下施設へ行くつもりだが、一人では少し危ないんだ。手を貸してくれ。」
あんな所へ?どうして?
「君らの話は聞かせてもらった。このXX区画の真の目的、病院…いや、生物兵器Sと>>244の関連性……きっとその在り処は地下にあるだろう。全兵隊をXX病院へ集めさせてくれ。あれの管理者だった私から話がしたい。」
…………
あんたが病院関係者なのかは疑わしいが、一応そこまで連れて行ってやる。もしかしたら、そこにほかの通信手段があるかもしれないからな。
「ああ、頼む。早くしないと、すべてが塵になる……」 -
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287
>>280
2012/08/10(金) 13:13:47 ID: R4xFwcFlDK
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288
ななしのよっしん
2012/08/10(金) 13:16:34 ID: Q4SzG26dYa
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289
byouin
2012/08/24(金) 15:58:06 ID: fJJqcUToff
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ク、クカ、カカカカカカ。
いい武器だ。ミサイルとはいい武器だ。
取り込んでもさほど邪魔にならないから好きだ。さて、種類こそバラバラだがこの200発はどこにくれてやろうか。
向こうを見ると、区画の外へ逃げ出す人間達がいる。
そんなことはさせるか。俺があの狭い檻から出られた記念だ、盛大に飛び散ってもらうとしよう。
RPG数発が、数十人を吹き飛ばす。数十人じゃ足らない、殲滅してやる。跡形もなく吹き飛ばす。
……かなりの数のミサイルを周りの建物ごと人間達にくれてやった。もう逃げ出す人間はいないな。しかし、まだミサイルが残っている。適当に住宅街にばらまくとしよう。目の前に砂煙と炎を上げて家や道路が木端微塵にになっていった。
散々ばらまいて焼野原にしてやった。もう、建物らしいものは一つも残っていない。しかしあれだな、さっき逃げ出していたのは兵士の格好をしていなかった。……一般人か。
まぁいい、ここにいる人間はいずれ空爆で今度こそ吹っ飛ぶ。
俺はちゃちゃっとあの病院跡にあるジェット機で逃げるだけ。
いやあ、愉快。【あいつら】は俺を空爆で跡形もなく消したと思っているが、そうはいかない。全世界に、この病気を広めなくてはならない。
しかし、気に入らない。大病院が逃げただと?
あの力もないただの男が!!ユルサナイ……俺をこんな体にしたあの男め!
今向かってやる……今殺してやる!! -
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290
ななしのよっしん
2012/08/24(金) 16:01:35 ID: CrV/T4slx2
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モ
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291
ななしのよっしん
2012/09/23(日) 23:46:11 ID: /bjmeGJZW4
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292
???
2012/09/26(水) 19:07:14 ID: SVApGPOZ3x
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「くぎゅ…がああ!!」
……私はすでに感染している。
写真は発作を抑える事は出来ても完治はしないらしい。
だが希望は残されている。
XX病院――――
奴が最後に吐いた捨て台詞が事実なら
あの場所に辿り着ければ助かるかも知れない。
幸か不幸か、病院や他の感染者達は私に興味が無いらしい。
むしろ危惧すべきはあの兵士達だ。
彼らが感染者にどのような処置を施しているかは知らないが、あまりいい予感はしない。
―――――先程から鳴っていた爆撃音が止まったが、気にする余裕も無かった。
もうすぐ>>290に着くぎゅ、…最後の角を曲がった。
ぱしゃん
!?
突然の水音に足を止める。
見ればあたり一面に水が張っている。だがそれよりも嫌悪感を抱かざるを得ないのは
藻
水面にびっしりと見たことも無い色の藻が発生している。悪臭の漂うそれを踏みつけながら先に進んだ。
そして私はそれを見た。
それは希望ではなかった。病院でも、感染者でも、研究者でも、兵士でも、くぎゅでもなかった。 -
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293
大病院
2012/11/22(木) 20:06:23 ID: fJJqcUToff
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……地響きが聞こえる。
地下でも響き渡る音だ……まるで、【彼女】の怒りだ。
今、私は人生の終点にいると実感できる。平和だと思っていた時間も空間もこの場所には存在しない。
ただ、むせ返るような臭いと、ただただ広がる戦場のような蹂躙の跡。…十にも満たない娘が花を握りしめて死んでいる。赤子を抱き締めたまま母親が焼け焦げている。赤子の声は聞こえない。どこからか泣き叫ぶ声まで聞こえる……それは、男なのか、女なのか……
誰がこんなことをしたのか。……全部私だ。
全ての病を治そうとしたがために、この町に地獄を作ってしまった。
数年前、私はこの町はずれの研究施設に配属された。
配属された当初は何の変哲もない薬品関係の開発研究所だ。
私はそこで働けることを、難病を治す薬の研究ができることを誇りに思っていた。私の努力は順調にこの施設を大きな病院にまで変えていた。その当時からだろうか、私のことを【大病院】とあだ名で呼ぶ者が増えたのは。
町にも活気が戻り、一番の幸せを感じられた時のことだった。
その知らせは突然届いた。
『お前の友人Aが難病にかかっている。お前の所で治せないか。』
私はすぐさまそれに応じた。
知らせの送り主は誰だったかわからなかったが、彼女が難病にかかっていたことは確かだった。私は彼女の病原体を調べた。しかし、分からない。何のウイルスなのか、どういうものなのか出所さえ掴めない。
私は次第に躍起になっていった。…彼女は段々と内側から壊れていく。どうしようもない。絶望しかけていた私に手を差し伸べたのは、その日研究所に配属されたばかりの研究員だった。
おかしかったと今なら言える。彼はどういうツテを使ったのか、妙な機材を地下に増設し、瞬く間に病院内の人間の注目を集めていった。その日から、町から人が消える事件が多発した。
そんな中、彼は、私にこう言ったのだ。
『すべての病を治す薬を、作ってみたいと思いませんか?』
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294
大病院
2012/11/22(木) 21:04:00 ID: fJJqcUToff
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それは悪魔の囁きの様だった。
私は言われるがままそれに賛同した。私はもう、自分自身を見失っていた。
全ては彼女を治すために。彼女を治すそれだけのために。
人体実験など、非道な真似を幾度となく繰り返していた。私はいつしか外道と成り果てていたのだ。
当時、私の護衛を務め、中学からの友達であった>>244も私に恐怖を覚えたのか護衛をやめてしまった。それと同時に彼女は精神まで病んでしまうことになった。私はそこで気づいた。彼女は>>244に恋をしていたのではないかと。私はそのことでまた心の支えを失ってしまうことになった。私もまた彼女に恋をしていたのだから。
そんな中、あの研究員がまた私を唆した。
『彼女を治すには、彼女を強い体にせねばなりません。意味は分かりますね?』
私は、それの判断もろくにできなかった。
強い絶望を受けると、周りの声さえも聞こえなくなってしまうらしい。ただ私はぼんやりとした気持ちのまま、何か機械でも動かすように何かを指示し、メモに書き留めていた。
私が我に返った時には、目の前に培養液に浸かった妙な肉塊があった。それがなんなのかなんて思い出せるわけもない。
ヒクヒク動くそれの名前には__
名前には……
………彼女の名前が書かれていた。
『あなたが望む通り、あなたが言う通りに病気は治りました。誤解しないでくださいね、軍の上層部からそうするよう言われているから僕は機材をそろえただけで、すべての決定はあなたが下したのですから。』
後ろで、彼はそう言った。私は後ろを向く彼をウイルス漬けにして焼却処分した。それから、ありったけ叫んで泣いて暴れた。そして、私は自ら捕まった。
後に、その兵器は生物兵器S…シックスと呼ばれるようになった。
……私は、彼女を、楽にさせなければならない…義務があるのだ。だからこうやって抜け出てきた。
だから、協力してくれ……私なんかよりずっと強い、兵士達諸君……
……君らだけが、頼りなんだ…… -
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295
280
2012/11/23(金) 23:29:44 ID: R4xFwcFlDK
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296
大病院
2012/11/24(土) 18:10:45 ID: fJJqcUToff
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『…話すべき事は君らに話した。
そう、私は君らの探している大病院だ。』
そこまで言ったところで、兵士の一人が掴みかかった。
『お前のせいで!…一体どれだけ死んだと思ってやがる!!両の手じゃもう数えきれねぇ位死んだ!俺のダチだって、みんな、みんなてめえなんかのせいで……!!』
…そう、その通りだ。すべては私の選択の結果だ。だから私はそれから逃げるように、自らあの上層部に捕まった。
だが、この場所で彼女と戦っていた>>244がいたことを知らされ、逃げるのをやめた。
臆病者だった彼が戦っているのに、私が逃げてどうする?これでは私が臆病者ではないか。そんな生き恥を晒してまで逃げたくなんかない。
一瞬の隙をついて私は束縛を解き、そしてここまでやってきた。
『……すまなかった、君らの友人たちは結局私の手で死んでしまったようなものだ。こればかりは詫びようと詫び切れん。だから…償いだけでもさせてくれ。
……この施設の地下に、ワクチンがある。あの【彼女】から採取した……全ての病を治す薬……のようなものだ。不完全だからな。あれを上空から散布することで病原菌は全滅できるだろう。バイオハザードもこれで終結する。
問題は……彼女だ。周りの物質を取り込めるほどに成長した彼女を完全に停止させるには……おそらく、病……唯一あの薬でも治療できなかったウイルスを直接彼女の体内に注入する他ないだろう。
…この役は私が受けよう。何、彼女とて私を殺そうとしているに違いないさ……
弱ったところを、地下にある戦闘機で粉砕することができるはずだ。A-10…だったか?あれのガトリングなら十分だろう。彼女の生命組織はそれで完全に死ぬ。輸送用のヘリもあるから心配ない……
……さぁ、行け!この外道のことなど気にも留めるな!!
いざとなれば……私ごと病院を吹き飛ばせ……』 -
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297
いぬ
2012/11/26(月) 16:59:41 ID: S5tFoqZe7U
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298
ななしのよっしん
2012/12/04(火) 17:47:31 ID: vOa2UD1X+c
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299
大病院
2012/12/04(火) 22:02:54 ID: fJJqcUToff
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あの兵士達は行った。
無線機から>>310へ私が行くだろうとか言っているが、そっちに行くのは味方だ。私は、もうどこも逃げたりはしない。ここで、彼女が来るのを待つだけだ。
無線機の電源を切ろうとした時だった。
「もしもし、もしも~し?」
いるはずのない人間の声がした。
「……!?お前は、>>2!?馬鹿なっ!!お前は死んだはずだ!」
「いたのですか、大病院。まったく、あなたという人は。せっかくこちらに引き入れてあげようと思ったのに、こんな裏切りまでして。」
「裏切ったのはお前だ!!協力すれば彼女の命を助けると言ったのはお前じゃないか!!」
「助けたじゃないですか。<<2を中継役としてあなたを手助けした。それなのに、<<2はあなたの手によってあんな目に遭って、かわいそうに。」
「貴様……!!」
「あぁ、そうだ。司令部には空爆をやめてもらうように言いました。少なくとも兵士や住民の皆さんが、空爆で吹っ飛ぶことはなくなったということです。」
「お前の……お前の目的はなんだ!?」
「目的?安全に、安心して暮らせるように敵を排除すること。今回のことはあなたとあなたの管理する兵器の暴走、という形で解決を図りますので。安心してください………『俺は、お前らなんかに捕まらない。』」
「…お前、まさか上層部の」
「グッバイ、大病院。楽しかったよ。」
無線が切れた瞬間、【彼女】が上から飛び降りてきた。
タイトル:黒幕
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300
大病院
2012/12/09(日) 21:45:03 ID: fJJqcUToff
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「くぁwせdrftgyふじこlp;@:ーーーーーーーー!!!!」
崩壊しきった言語を吐き並べて、【彼女】が吠える。
見るもおぞましい姿だった。所々から殺した兵士から奪った銃器が飛び出ていて、吸収した鉄筋で骨を形成している。まさに、化物だった。
まずい、せめて>>2が生きている事実だけはあの兵士たちに伝えなければ…
「ダイビョウインンンンン!!」
私が無線機を取ろうとする前に、彼女は私を鷲掴みにした。
「ぐぅっ!!」
「殺す、コロスコロす、コロスコロス殺してやる……!!」
とんでもない力で【彼女】は私を締め上げる。骨の数本が砕け、呼吸すら困難になる。目の前がじわじわと白く塗り潰されていく。
死ぬのか、私は……私は、何もできずに、死、ぬの、か。
……死、ん…で、たまる、か!
私は無我夢中で掌に握っていた注射器を【彼女】の体めがけて突き刺し、体内に注入した。
「あ゛……ア゛…!!!」
【彼女】の力が緩む。私は人形のように地面に力なく落ちた。私は地面を這いながら無線機を探す。
どこだ……どこだ……あった。
目も見えぬ、片耳の聴覚もつぶれた。内臓だって何個潰れているのやら。
それでも。
それでも、やらねばならないことが……私にはあるのだ!!
タイトル:やらなければならないこと

