「はーい! イク、行くの!」
伊19(い19)とは、大日本帝国海軍所属の巡潜乙型3番艦「伊19」をモデルとした、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん~艦これ~』に登場する艦娘(かんむす)である。
潜水艦娘としては「伊168(イムヤ)」、「伊58(ゴーヤ)」に次ぐ3人目の実装となる艦娘。自称は「イク」だが、「さん」付けで呼ぶ提督も多い(図鑑で自分でも呼んでるし)。
2013年11月から開催されたイベント「決戦!鉄底海峡を抜けて!」の1面クリア報酬として実装された。これは、運営としては予定外の投入時期であり、本来ならばその前の夏イベント「南方海域強襲偵察!」で実装される予定で、ファミ通コミッククリアの『鎮守府通信』や、『コンプティーク』2013年10月号別冊付録等でビジュアルも公開されていた。しかし、致命的な「忘れ物」[1]のために実装は先送りされた。
伊26が2016年8月に実装されるまで、伊号潜水艦の中では唯一建造する事が出来ず、入手経路はドロップのみに限られた。1-5で道中・ボスともにドロップが確認されているため、初心者でも入手可能だが確率はかなり低めらしく、入手にはなかなか難儀する。イベントでは比較的浅い海域で掘れる事もあるので、そちらに賭けてみるのも一考。
ビジュアルは艦これの潜水艦娘スタンダードのスク水装備。イムヤやゴーヤはセーラー服の上をジャケットのように羽織っているが、イクさんはスク水オンリーという潔さ。胸のゼッケンには「イ19」と書かれている。髪は薄い菫色だが、毛先に向けてピンクへとグラデーションが懸かっている。ピンク色の大きなリボンを髪に付けているのが特徴的。
髪型はイラストの構図上やや解釈が分かれており、ポニーテールかツーテールか議論の的となることも多いが、一先ず公式四コマでは左右非対称のツーテールとして描かれていた。その後、公式フィギュアの原型版においてまさかのツーテール+ポニーテールのトリプルテールである事が発覚した。
身体上の特徴はその上部装甲にあり、その一部の軽空母が泣いて逃げ出す豊満さで提督達の話題をさらった。中破すると例によって水着が裂けるが、イクさんはあられも無く南半球が見えてしまう。さらに、太い魚雷にまたがり、別の魚雷で上部装甲を押し上げているので、ただでさえ豊満な上部装甲がさらにボリュームましましであr←憲兵さんこいつです
イクさんを運用する際は、くれぐれも提督はリアル背後に気を付けられたし。
提督をオモチャにして遊ぶ子であり『提督は何をしても怒らない』為か、肩を揉むと称して色々悪戯をしてくる。「提督を遊ぶのは飽きない」などの発言もあり、加減を知らない子供っぽい無邪気さが伺える。
上記の身体的特徴や悪戯好き、「イク、行くの!」等の危険過ぎる発言をすることから、実装から数日後には静画に対して「泳ぐ18禁」のタグが付けられてしまった。
彼女を入手できる秋イベントの限定海域1面の難度が比較的低めであった事が、認知度の向上に拍車をかけた節もある。
公式四コマでは第12話のイムヤ・ゴーヤの本格登場に関連して名前のみ登場していた。
(※イムヤ&ゴーヤが実際に初登場したのは第8話)
その際、イムヤにメールを送っていたようで……。
この忘れ物と言うのは先述の通り音声収録し忘れの事。
「とりにいってくる」が平仮名なのは伊19の頭が足りていないからではなく、「録りに」と「取りに」をかけたものだろう。
実際にイクが公式四コマに登場したのは第25話で、はっちゃんと共に登場となった。しかし、この時点で既にオリョールクルージングで酷使されている様子である。
伊19は先述の通り、2013年秋イベント「決戦!鉄底海峡を抜けて!」の第1海域クリア報酬として手に入るものであり、秋イベントに参加した提督ならば殆どの人が入手に成功していたであろう。
しかし、入手が容易であったとは言え先行実装であり、正式実装されるまでは建造でもドロップでも手に入らなかったし、実装されたところで確実に自分の手に入るとは限らない。
にも関わらず、他の先行実装の艦と比べて伊19を轟沈させてしまったという報告が非常に多かった
潜水艦は水上艦とは挙動の違う艦で、戦艦や空母などの強力な艦からは攻撃をされないという反面、装甲や耐久などのスペックは駆逐艦以下の極めて脆い艦である。
そのため、潜水艦を沈ませずに効果的に運用するには、潜水艦という艦種に対する知識を持ち、ノウハウを身につけないといけないのだが……E-1クリア報酬と言う低すぎる難易度が災いしてしまったようだ。
秋イベント直前に伊168が正式実装されてはいたが、当然ながらそこで初めて潜水艦を手に入れた提督は少なかったであろう。伊19どころか潜水艦自体に触れた事がなかった初級者提督は、よく分からないまま手に入れた伊19を戦場に出してしまい、そのまま轟沈させてしまったのである。
ゲームを始めたばかりの頃は轟沈条件やダメージによる能力低下についてよく理解できていない場合が多いのに加え、演習で見かけたことがある相手潜水艦に苦労した[2]経験から潜水艦の耐久力について誤解している事も多く、中大破してもお構いなしに進軍させてしまって轟沈というパターンが多かったようである。
その後、2013年12月24日から2014年1月8日まで開催されていた限定イベント海域「迎撃!霧の艦隊」では、E-3「中部太平洋海域」のほぼ全マップにおいて獲得可能となり、通常海域においても2014年2月26日のアップデートで解放された南方海域5-4のボスドロップとして正式実装された。司令部レベルが足りていれば、1-5道中およびボスでもドロップする。
余談であるが、同じイベントでの先行実装の潜水艦「伊8」についてはこういった轟沈報告はほぼ見られなかった。
あの難所の魔海域E-4をクリアできるほどのベテラン提督しか獲得できなかった艦なので、当たり前ではあるが。
巡潜乙型(ネームシップから伊15型とも呼ばれる)は、先行配備されていた甲型(伊9型)から旗艦設備を撤去したタイプで、合計20隻が就役し、日本海軍の潜水艦の中で最も活躍したクラスである。乙型は戦争中も改良が続けられており、乙型改一を経て、ゴーヤこと伊58でお馴染み乙型改二まで続いている。このあたりの型番は、駆逐艦の特I型~特III型のような関係である。
その巡潜乙型の3番艦「伊19」は、1941年4月28日、三菱重工神戸造船所で竣工した。同年12月8日の開戦時には第二潜水艦隊に所属。僚艦2隻とともに真珠湾攻撃に向かい、空母機動部隊の前哨を担当した。機動部隊による攻撃が終了した後はハワイ方面の監視および哨戒に従事。10日、伊6が発見した空母を求めて索敵しているうちにアメリカ西海岸付近に辿り着き、ロサンゼルス近海で通商破壊を開始。大型貨物船を2隻撃沈している。1942年1月5日、西海岸からの帰路に偵察機を飛ばして真珠湾の偵察を敢行しクェゼリンへ帰投。2月1日、そのクェゼリンが米軍機の襲撃を受けたが損害は無かった。その直後に伊19は改装工事を受け、飛行機格納筒を航空燃料用の補給タンクに改造。これは「K作戦」で再度真珠湾を空襲する2機の二式大艇に燃料を補給するための改装だった。K作戦発動後、伊19は途中で海上に降り立った二式大艇に燃料を補給した。
同年5月からは、北方のアリューシャン方面に進出。ダッチハーバーの偵察や哨戒、そしてアリューシャン作戦を支援した。6月30日、北方での作戦を終え、7月7日に横須賀へ入港。船体の整備を行った。伊19の次なる任務は、南方へ進出し、ペナンやシンガポールを拠点にインド洋で通商破壊を行うはずだった。
しかし8月7日にガダルカナル島へ米軍が襲来。ソロモン戦線が形成され、伊19は急遽ソロモン方面への派遣が決まる。当初、ソロモン水域で通商破壊を行っていたのは第七潜水艦隊所属の旧式潜水艦5隻のみであった。これだけの戦力では足りないと判断した上層部が、増援として最新鋭の伊19を送り込む事にしたのだ。8月中旬、横須賀を出港し、伊9や伊15、伊17などの潜水艦とともにソロモン方面へ急いだ。伊19たち潜水艦隊は東京湾を出て、父島東方を航行。順調に南下していったが、8月20日頃から敵爆撃機の空襲に曝されるようになり、敵哨戒機が放った爆弾が彼女たちを襲った。が、急速潜航する事で難を逃れている。敵の攻撃を受けたため昼間は潜航、夜間は水上航行をし、目的地に向かった。8月24日、サンクリストバル島とサンタクルーズ諸島付近に配備を完了した。
25日と26日に敵機動部隊を発見するも姿勢と距離が悪かったため攻撃できず、見逃すしかなかった。
29日、ヌデニ島のグラシオサ湾に飛行偵察を行い、31日には同地の飛行艇基地を14センチ砲で攻撃する。しかし大した損害を与えられなかった。同日、僚艦の伊26から「レキシントン型航空母艦を攻撃し、これを撃破」との報告を受ける。
作戦遂行中の1942年9月15日、ソロモン諸島サンクリストバル島南東にあるニューヘブライズ沖に於いて、「伊19」は敵空母機動部隊を発見する。これは、ガダルカナルへの増援部隊を護衛していた小型正規空母「ワスプ」の率いる第61任務部隊の第18任務群だった。
少々話が逸れるが、この「ワスプ」という空母は、ヨークタウン級空母[3]を縮小して作ったものである。なんでわざわざそんなことをしたかといえば、日本海軍も色々苦労させられたワシントン軍縮条約がその理由である。ヨークタウン級空母(排水量2万5000トン)を3隻作ってみたら、まだ空母用の排水量割り当てが2万トンほど余ってたので、その余った分ぎりぎりになるようにヨークタウンを縮めて小型空母を作ってみた、というのがこの「ワスプ」である。
ちなみに“小型”といっても、排水量が2万トンということは「蒼龍」「飛龍」の二航戦コンビと同程度の大きさを持つわけで、立派な正規空母である。
さて、「伊19」は見つけた獲物の「ワスプ」に対し、肉迫して魚雷攻撃を仕掛けた。14時45分頃、発射した必殺の酸素魚雷[4]6発のうち3発が「ワスプ」に直撃。「ワスプ」は艦載機が搭載していた爆弾へ誘爆し、さらに補給中だったガソリンへ火が回って爆発を起こし、深刻な損傷を受けてしまった。さらに間の悪いことに、主要な消火栓がその損傷のせいで壊れてしまい、消火活動不可能になる。火災は弾薬、爆弾、ガソリンの引火に至るまで続き、「ワスプ」は10~15度ほど右舷に傾斜した状態で流出したオイルとガソリンにより周囲の海面が燃え上がるという壮絶な状況になり、ついに総員退艦命令の後駆逐艦「ランズダウン」によって雷撃処分された。
外れた3発はそのまま突き進んでいったのだが、その向かった先、第18任務群から10km程離れたところをたまたま航行していたのが同じく護衛任務中だった米海軍第17任務群であり、戦艦「ノースカロライナ」と駆逐艦「オブライエン」に外れ魚雷が1発ずつ命中する。「ノースカロライナ」は左舷艦首部水線下に幅10m、高さ7mに及ぶ大穴を開けられ、主砲弾薬庫が水没し、一時5度以上傾斜するまでになり、応急修理要員ダメージコントロールにより沈没は免れたが、ハワイに回航され、復帰まで3ヶ月を要した(1942年11月末に復帰)。そして「オブライエン」の方は、簡易修理をしてから本格的に修理をすべく米本土へ回航途中、1942年10月19日にダメージが元で艦体が真っ二つに裂けて沈没した[5]。
ただし「伊19」の方では「ワスプ」はともかくとして外れた魚雷がそんな戦果を挙げてるとはついぞ知らなかった。米軍の方でも、戦後になって調査の結果、この戦域には「伊19」しかいなかったことを確認してから、ようやく誰に撃たれたのかを把握した。イクの魚雷はお利口さんなの!
空母1隻撃沈、戦艦1隻・駆逐艦1隻を損害という、帝国海軍の潜水艦としては破格の戦果を挙げた「伊19」は横須賀に帰還し、この大戦果は海軍のみならず、普段仲の悪い陸軍も含めた軍全体を大いに沸かせた。艦長の木梨少佐は、潜水艦の艦長としては唯一、大日本帝国陸海軍大元帥たる昭和天皇への単独拝謁を賜るという、帝国軍人として最高の栄誉を与えられた。
その後「伊19」は、食糧難に喘ぐガダルカナル島の将兵に物資を運ぶとともに重傷者を収容するモグラ輸送を数回行う。続けてフィジー、サラモア方面に進出し1943年4月よりトラックを本拠地とした交通破壊作戦に従事し、そこでも商船3隻を沈める戦果を挙げた。その後ギルバート諸島方面へ急行を命ぜられたが、1943年11月25日午後6時2分、状況報告をした後に消息不明となった。戦後の米軍側の調査でマキン島近海で米駆逐艦「ラドフォード」の爆雷攻撃を受け戦没した事が明らかになった。
余談であるが、このギルバート諸島には、戦艦「ノースカロライナ」が出撃してきていた。1944年2月2日に亡失と認定され、4月30日に除籍となった。
その後、1979年にアメリカで製作された映画「1941」に伊19が登場している。
ただし、ここでの伊19は「ドイツから貰った潜水艦」「アメリカ本土(ハリウッド)砲撃をしようとする」「乗員が侍や忍者の子孫」という感じで、現実からは相当離れている。
ただし、伊19の艦長役を演じた三船敏郎の尽力で、あまりに荒唐無稽な「日本人」が描かれる場面は少ない。
ちなみに監督はイク曰く「超有名監督」のスティーブン・スピルバーグである。
2013年 秋イベント「決戦!鉄底海峡を抜けて!」 新規実装艦娘 |
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最終更新:2024/12/03(火) 01:00
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