タピット(Tapit)は、2001年生まれのアメリカの競走馬・種牡馬である。
度重なる不運によって競走馬としては大成できなかったが、種牡馬としては現在進行形でアメリカ競馬の最前線を走っている大種牡馬の一頭。
父Pulpit、母Tap Your Heels、母父Unbridledという血統のケンタッキー州産馬で、1歳時のセリで62万5000ドル(約7700万円)で落札され、BCマイル2勝のDa Hossなどを管理したマイケル・ディキンソン厩舎に入厩した。レースで走っていない時はかなり悪戯好きの馬だったという。
2歳10月のデビュー戦をいきなり7馬身3/4差で圧勝し、続けて出走したローレルフューチュリティ(GIII)も再三不利を受けながら4馬身3/4差で完勝したタピットは、早々にケンタッキーダービーの有力候補と騒がれるようになった。
しかし、3歳時は脚部不安のために始動が遅れ、初戦となったフロリダダービー(GI・9ハロン)では反応が悪く6着に大敗。レース後の検査で肺の感染症が見つかった上に脚に腫瘍ができてしまい、休養を挟んで出走したウッドメモリアルS(GI・9ハロン)こそ半馬身差で勝利を収めたが、本番のケンタッキーダービーではSmarty Jonesの9着と大敗。プリークネスSをスキップしてベルモントSに向かおうとした矢先に再び肺の感染症を発症した上、復帰戦の予定だった8月のハスケル招待ハンデキャップ(GI)は喉の手術のため出走できなかった。
最終的に9月のペンシルベニアダービー(GII)に出走し、1番人気に推されたが、4角に入る前から失速して9着に敗れ、このレースを最後に通算6戦3勝・GI1勝で現役引退となった。
名門ゲインズウェイファームで種牡馬入りしたタピットは、初年度の種付け料を1万5000ドルと設定された。2008年に初年度産駒がデビューすると、いきなり*スターダムバウンドがBCジュヴェナイルフィリーズなど2歳GI3勝でエクリプス賞最優秀2歳牝馬に選ばれ、*ララアも2歳GIのハリウッドスターレットSを勝つなど大ブレイクし、新種牡馬リーディングサイアー・2歳リーディングサイアーを獲得する幸先の良い滑り出しを切った。
その後も産駒の活躍は止まらず、初年度産駒がデビューした2008年に1万2500ドルだった種付け料は2012年に10倍の12万5000ドルに跳ね上がり、一時は30万ドルに設定してもあっさり予約が埋まるほどの大人気種牡馬となっていた。この種付け料の高騰に加えて当初は牝馬の活躍馬が多かったこともあり、サンデー初期に代替種牡馬として重宝されたフジキセキのように、GIIやGIIIを勝っただけの馬でも牡馬なら代替種牡馬としての需要を見込んで種牡馬入りすることが多かった。
日本では初年度産駒のやってまったテスタマッタがフェブラリーSを勝ち、その後もちらほらと産駒が輸入されている。中でも天皇賞馬ヘヴンリーロマンスを母に持つラニはUAEダービーを勝って米国三冠を皆勤し、最終戦のベルモントSでは*クリエイターの3着に入るという健闘を見せた。種牡馬としてもダートスプリント路線で活躍するリメイクを輩出するなど奮闘している。
競走馬だけでなく種牡馬・繁殖牝馬も多く輸入されており、中でも*タピッツフライは桜花賞馬グランアレグリアを、*ララアはサラス(マーメイドS)を出すなど活躍。*クリエイターも引退後は日本で種牡馬入りしており、日本の競馬でも本馬の血統は存在感を少しずつ増してきている。
2014年には、それまでSmart Strikeが持っていた産駒の年間獲得賞金記録を240万ドル以上上回る1680万7001ドルという新記録を叩き出してリーディングサイアーとなり、2016年まで3年連続でリーディングサイアーを獲得。「Secretariat-like」とまで呼ばれた2020年代初期を代表する怪物・Flightlineや、ベルモントSなどGIを4勝したTonalistのような大物牡馬も増えてきており、現代のアメリカ競馬における最有力種牡馬の一角に名を連ねていることは間違いないだろう。
| Pulpit 1994 鹿毛 |
A.P. Indy 1989 黒鹿毛 |
Seattle Slew | Bold Reasoning |
| My Charmer | |||
| Weekend Surprise | Secretariat | ||
| Lassie Dear | |||
| Preach 1989 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
| Gold Digger | |||
| Narrate | Honest Pleasure | ||
| State | |||
| Tap Your Heels 1996 芦毛 FNo.3-o |
Unbridled 1987 鹿毛 |
Fappiano | Mr. Prospector |
| Killaloe | |||
| Gana Facil | Le Fabuleux | ||
| Charedi | |||
| Ruby Slippers 1982 芦毛 |
Nijinsky II | Northern Dancer | |
| Flaming Page | |||
| Moon Glitter | In Reality | ||
| Foggy Note | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Mr. Prospector 3×4(18.75%)、Nijinsky II 5×3(15.63%)、In Reality 5×4(9.38%)
本馬自身の動画はないので、日本にゆかりのある産駒のレースを紹介。
掲示板
1 ななしのよっしん
2021/08/28(土) 00:14:40 ID: FDuS9tRjEk
ダービスタリオンマスターズである理由からたくさん使われてる子
2 ななしのよっしん
2022/09/06(火) 05:17:23 ID: eb50xyf/50
遂に超大物が出てきたな
フライトラインは下手するとシアトルスルーの再来になるかもしれんな(三冠レース勝ってないけど)
3 ななしのよっしん
2023/10/08(日) 15:59:35 ID: 83nKMTih5a
フライトラインと同期のエッセンシャルクオリティが実に素晴らしい馬で
タピットの子らしからぬ勝負強さで中距離以上を前に行って勝ち切れる馬だった
タピット産駒ではエッセンシャルクオリティとマイルまでのフロステッドが抜けてたけれど
フライトラインが規格外すぎてすべてを持っていってしまった
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最終更新:2025/12/26(金) 19:00
最終更新:2025/12/26(金) 18:00
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