エレクトロニック・スポーツとは、ビデオゲームの大会試合および試合で用いられるゲームタイトルの総称。略称は「e-Sports」であり、一般的にはメディアも含めてこちらの呼び方が使用されていることが多い。
概要
「スポーツ」が「体を動かす」の意味に限定して捉えられがちな本邦では、(基本的に)体を動かさないビデオゲームが「スポーツ」とされることに抵抗がある人も多いだろう。しかし、英語のsportは「それ自体が生活の役に立たない行動」、もう少し意味を狭めても「その上で競技性を持つもの」という広い意味を持つものである。
詳しくはニコニコ大百科「スポーツ」の記事を参照されたいが、「対局」「遊び」「観戦」、場合によっては「芸術」に相当するものも英語では幅広くsportである。
「エレクトロニック・スポーツ」は、その中でも囲碁や将棋、ポーカーなどの「マインドスポーツ」に相当する分野である。
なお、e-Sportsという呼称はあくまで総称であり、近代オリンピックのように一つの世界大会があったり、統一された正式名称というわけではなく、大会によっては「Competitive gaming」や「Professional gaming」「○○ Championship」…など様々な呼び方もされている。格闘技やカーレースの大会、お笑いのコンテストにも色んな分野と名前の大会があるのと同様である。
e-Sportsでは主にFPS、RTS、MOBA、格闘ゲーム、レースゲーム、スポーツゲーム…といったゲーム内のランダム(ダイスロール的な)要素に左右されず、プレイヤーの技能が試されるゲームジャンルが競技として用いられている。優勝賞金が用意されたゲームの大規模な大会試合は、古くは1970年代Atariの時代からはじまり、2000年代に入ってからは世界的な大会も数多く開催されている。有名どころの大会では賞金総額が日本円にして億単位で用意されているところもあり、上位プレイヤーやチームは大手企業とスポンサー契約を結びプロスポーツ選手として活躍している。
また、e-Sportsはプレイヤーとして競技に参加するだけではなく、観客として試合を観て楽しむイベントでもある。近年ではストリーミングサービスの普及によりtwitchをはじめオンライン上での試合観戦も楽しまれており、オンラインゲームが盛んな韓国では専門のTVチャンネルも存在している。ニコニコ動画では試合の録画映像やハイライトシーンをまとめたフラグムービーなどが投稿されている。
e-Sportsは近代オリンピックの場においてもIOC(国際オリンピック委員会)がチェスやビリヤード、囲碁などが認可されており、委員会のもとにそれぞれの国際競技団体が加盟承認され、世界的に見れば発展を続けている。一方で日本国内では事情が異なっている。
日本国内におけるe-Sports
日本国内でもゲームの大会自体は数多くある。ただ、海外のプロ選手を代表として招待する世界的な大会が開催されることは少なく、賞金の扱いや金額も日本国外と比較すると事情が大きく異なっており、出場プレイヤーがビデオゲームのプロスポーツ選手として活動することは難しいのが現状でもある。
こうした理由には各種メディアにおけるゲームの価値観や倫理面の問題、スポンサーの不足、そして何より法律上の関係もあり、日本では現状プロスポーツとしての定着には厳しい環境となっている。 特に法律上の影響は大きく、世界大会に日本人プレイヤーが招待されることはあっても日本人のみ優勝しても賞金無しが決定づけられるという珍事もあった。定着していない詳しい理由はWikipediaや、ほか外部サイトも参照してほしい。
上記のように法律関係が絡むためe-Sports途上国となっている日本。CS放送によるeSportsを取り上げた番組を放送したり、一般社会法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)主催による大会などが開催されているが、知名度の低さや地元チームが生まれにくい環境から来るスポンサーの理解不足が足かせとなっている。
ここ最近に関しては、プロスポーツ選手の育成を目的とした専門学科が開設されたり、国内プロゲーマーを雇う専門の会社が設立されたりと、ジャンルの発展を目指す基盤作りがなされている。また、コミュニティ間においても大会出場経験のあるプレイヤーによる広報活動も行われている。
上手く活用すれば日本のサブカルチャーとしてのゲーム業界に一石を投じれるだけあり、今後の大手の動向がどう動くか注目が集まっている。
e-Sportsタイトルの一例
個別記事のあるe-Sports大会
- Electronic Sports World Cup(ESWC)
- Evolution Championship Series(EVO)
- GODSGARDEN
- Major League Gaming(MLG)
- 名古屋ストリートバトル(NSB)
- World Cyber Games(WCG)- 2014年をもって開催終了
- KONAMI Arcade Championship (KAC)
- BEMANI PRO LEAGUE(BPL)
- 闘劇
- TOPANGAリーグ
- ぶるれぼ
- カプコンプロツアー(CPT)
- ストリートファイターリーグ(SFL)
関連チャンネル
関連項目
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