トータル・リコール(原題:Total Recall)とは、1990年に公開されたアメリカ映画である。2012年にはリメイク版が公開された。この記事では1990年版を主に、リメイク版についても軽く触れる。
概要(1990年版)
1966年にフィリップ・K・ディックが発表した短編小説「追憶売ります」(We Can Remember It for You Wholesale)を原作とするSF映画。原作が数十ページしかなく、映画化に際しかなり多くのアクションシーンが追加されている。
監督はポール・バーホーベン。監督の持ち味であるエロス&バイオレンス&ブラックユーモアは本作でも各所に登場する。主演は最新型のサイボーグから、愛娘を誘拐されたら敵の手下を殺しながら助けに行く父親まで演じられるアーノルド・シュワルツェネッガー。アカデミー賞では視覚効果賞および特別業績賞を受賞し音響効果賞、録音賞にもノミネートされた。
近未来、火星の夢にとりつかれた一人の技師が、夢による疑似体験を受けようとした事から何者かに命を狙われ始め、今の記憶が植え付けられた物である事を知った男が本当の自分を探すため火星へと飛び立つストーリー。
吹き替えはシュワルツェネッガーの声を屋良有作が担当したVHS・DVD版と玄田哲章が担当したテレビ朝日版が存在する。テレビ朝日版の吹き替えは2019年10月4日発売のKADOKAWA / 角川書店のBlu-rayにはソフト版とテレビ朝日版の吹替2種が収録されている。テレビ朝日版の初ソフト化された。
ちなみに日本での公開直前、小学館の学習雑誌「小学六年生」にダイジェスト版としてコミカライズが掲載されたことがある。
当時最先端の映像技術も多く使われ、これまで見たこともないようなシーンやキャラクターが登場した。中でもおばちゃんの顔が左右に分かれ、中からシュワちゃんが登場するシーンが特に話題になり、これをもとにしたパロディも多く見られた。
語録(1990年版)
- ローリー、夢の中の女にジェラシーかい?
- 毎晩夢の中で何してるの?→それは君には言えない
- 引っ越そう→どこへ→火星だよ→あなたせっかくの素敵な朝をブチ壊しにする気?
- そこまでは無理だろう→脳が区別できないんです、本物ですよ
- めちゃお楽しみのトリップになるぜ!帰りたくなくなるかも?
- 死ぬぞ!みんな死ぬ!正体がバレちまった!→何をやってんだ、この程度の記憶のインプットでドジりやがって!
- この人火星に行ったことがあるんだわ!本当に行った事が!→何を寝ぼけてんだ馬鹿が。記憶をインプットされて諜報員になったつもりでのぼせやがった!
- 待ってよねえ、誰かってまさか例の組織のことじゃあ→おだまり!(パーン
- このままじゃヤバい、こいつの記憶から俺たちやリコールのことを全部消しちまえ!
- ここはどこだ?→タクシーの中です→どうやってタクシーに乗った?→開いたドアからお乗りになりましたふほほほほ
- まだ幻想から抜けきれていないんだわ→これが幻想だというのか
- あんたの人生は全部夢だったって訳
- あんたはこれまでで最高の男→光栄だね
- ねぇお別れ前にもう一度抱いてくれない?なんなら縛ってもいいわ→そんな趣味があったのか→試してみる?
- まさかあたしを撃たないでしょ?一度は夫婦だったのよ→確かに楽しかった・・・(ガッ!→離婚成立だ!
- なんでしょう聞こえませんが。磁気嵐のようですなあチャンネルを変えます。だめだこりゃあ
- おおっと待った、これは俺んだ→名前でも書いてあんのぉ?→無くても俺のだ!→あたしが先に見つけたんだよ→大事なものなんだ!話せ!!→くたばっちまいな、ターバン野郎!
- 畜生、クソッタレ!→そのような番地は存じません
- お疲れ様でした。18ドルになります→ツケだ、ポンコツめ→なーーーっ!(ドカーン!→またのご利用qあwせdrftgyふじこlp
- いま君は頭に濡れタオルを巻きつけてこのビデオを見ていることと思う。
- 君は君ではない。私なのだ→なんだって?
- とにかくまず火星へ飛べ
- 見てくださいあれ(クワトー万歳の落書きを見て)→なんなんだこりゃ→クワトーはここでは英雄です。火星のジョージ・ワシントンですな→とっととぶっ殺せ→ホホッ顔さえ分からないんです
- 滞在予定は何日ぐらいですか?→2週間よ→野菜や果物の持ち込みはないですね?→2週間よ→なんですって?→にしゅううかんよおおおお
- 受けとれぃ!→ビックリするのはこれから♪(ボカーン!
- リクター、私はツイとる。なぜかわかるか?→いいえ長官→太陽系一幸せな仕事をしとるからだ
- よう旦那タクシーかい?→あっちの方が先なんだ→奴には5人のガキはいねえ
- ドカーン!→火星にようこそ!
- それで、行き先は?→最後の楽園→ヌヘヘッ着いて早々好きだねえ!
- ヌヘッ!火星に来たかどうかも覚えてねえってのぉ?
- 未来を知りたくないか?→過去を知りたいね
- 星座を当ててあげる。牡牛座でしょ→どうしてわかるんだい?つ⑩
- 最近コレのお相手は?→ブロンドだ
- メリーナ頼むよ、みんなが俺を殺そうとしてるんだ→あたしもよ
- お前もどうせ夢だっていうんだろう?
- OK、仮にあんたが正しくて全部夢だとしよう、この引き金を引いても問題はないわけだ
- あたしがこの星大嫌いなの知ってるでしょうええーっ!?(ガッ
- まさかこのあたしを撃てないわよね。あたしたち夫婦なのよ?→(ズドン!)離婚したって言ったろ!
- あんたがクワトーだろ→違う。クワトーはミュータントだ。姿を見て驚くなよ
- 何が望みだクエイド?→アンタらと同じだ、記憶だ→だが、どうして?→自分を取り戻したい。
- さあ心を開くのだ、いいかね。心を大きく開くのだ、心を開くのだ・・・心を開くのだ・・・
- どのくらいかかるのだ100万年か?50万年か?→50万年です。
- ガキが4人もいるんでよ→5人目はどうしたんだ?→ハハハこりゃミスったぁ。バレたか結婚もしてねえよ
- テメェはもう終わりだ、占いはあの世でやんなよ
- よくやったハウザー。君はヒーローだ→くたばれ
- 君が最も信頼できる人物がいる→今度は誰を出す?お袋か
- やあクエイド。このビデオ見ているという事は君の案内でクアトーを殺れた訳だ。へっ期待に応えてくれたな。酷い目にあったと思うが勘弁してくれ。私たちの仲だ。君のこれからの幸せと長寿を祈りたい所だよ。残念なことにそれは叶わぬ夢だ。つまり君の身体はもともと私のだ。返してもらいたい。君には申し訳ないが優先権は私にある。ではアディオスアミーゴ私の身体を守り抜いてくれてありがとう。あっそうだ夢の中でまた会えるかもな。ごきげんよう
- リラックスしたまえ。ハウザーはいい奴だ→クソッタレのゲス野郎だ!
- タマぶっつぶしてやる!
- なあドクター、今の記憶はすっかり?→無くなりますよ→そりゃあ良かった(ガッ
- ああクエイド、今夜パーティーがあるメリーナと一緒に来たまえ。伝えといてくれ→わかりました。→パーティーで会おう
- まだ元の君か?→さあどうかしら。どう思う?
- ヌハハハ、後が無いぜ!行くぜかわいこちゃん!
- チクショーこのポンコツドリルが!ようクエイド!今押しつぶしてやる!→ベニー!くたばれ!
- はっはっはっは!今度は本物だと思うか?そうだ!(ババババ!
- 地獄に道連れだぜぇー→パーティーで会おう!
- 私はここを爆破して家に戻る、ちょうどティータイムだ
- こんな結末になるとはな、私はハウザーに戻って欲しかったのだが、クエイドでいたいらしい→俺はクエイドだ→ちがーう!誰でもなーい!ただの愚かな夢だ。夢は必ず最後に覚めるものだ
- ミンナシンデシマウゾー
- 信じられない、夢みたい→嫌な考えが浮かんだ・・・もしこれも夢だったら・・・→じゃあ夢から覚める前に早くキスして!
概要(リメイク版)
2012年公開。原作は1990年版と同じだが、より原作に忠実なプロットになっている。劇場公開版とディレクターズ・カット版が存在し、ディレクターズ・カット版と劇場公開版ではストーリー展開が異なり、ディレクターズ・カット版はBlu-rayに収録されている。
監督はレン・ワイズマン。主演はアーノルド・シュワルツェネッガーではなく、コリン・ファレル。
舞台は世界大戦後、陸地のほとんどが化学兵器で汚染され人類が居住できる地域を大きく減らした未来の地球であり、火星は登場しない。人類の居住地域はヨーロッパとオーストラリアだけになっており、裕福なものが住むヨーロッパの”ブリテン連邦”と、労働者が住むオーストラリアの”コロニー”に分かれている。両者は地球の核を通過する巨大エレベーター「ザ・フォール」で繋がれ、コロニーからブリテン連邦へ毎日通勤するものが多い。主人公もそんな労働者の一人である。
ブリテン連邦とコロニーの間では格差に伴う様々な問題が発生しており、コロニー側では独立を求めるレジスタンス活動が活発になっている。また、ブリテン連邦側もシンセスティックと呼ばれるロボット警官を増産し、コロニーを叩き潰そうという計画をひそかに進めている。
シュワルツネッガー版へのオマージュがあちこちに見られるのも特徴。残念ながら、おばちゃんの頭部が左右に分かれはしない。
関連動画
関連静画
関連商品
関連項目
- バーチャルリアリティ
- 映画の一覧
- ポール・バーホーベン
- アーノルド・シュワルツェネッガー
- 火星
- SF
- コブラ ‐ 寺沢武一の漫画作品。第一話のストーリーが「追憶売ります」に似ているため、時に本映画と比較される。
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