ノースフライト(ウマ娘)単語

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ノースフライト

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ノースフライト(ウマ娘)とは、Cygamesのメディアミックスプロジェクト『ウマ娘プリティーダービー』の登場キャラクター。

実在の競走馬「ノースフライト」をモチーフとするウマ娘である。CV：指出毬亜

概要

誕生日：4月12日　身長：156cm　体重：成長中　スリーサイズ：B82・W51・H80

何でもドレスアップするのが大好きなお洒落さん。
「どんな素材もデザインと着こなし次第で輝く」というのが彼女のモットーだが、それは彼女自身の体質と経験が基になっているようだ。
『フーちゃんのファッションアドバイス』は学園のウマ娘たちの間で大人気。

プロフィール（ウマ娘ポータルサイト）より

2023年 9月17日の5th EVENT第2公演DAY2にて発表されたウマ娘。その後しばらく音沙汰がなかったが、2024年 1月31日、バレンタインのストーリーイベント「おでんせ！和みの幸味庵」でアプリ内に初登場、イベント配布SSRとしてサポートカードも実装された。

モチーフ馬はサクラバクシンオーのマイル制覇を阻んだ最大のライバルであり、アプリの配信当初からウマ娘化が待望されていた1頭である。

「フーちゃん」という愛称はウマ娘独自のものではなく、史実で担当厩務員から呼ばれていたのがファンにも定着したもの。またファッション好きという設定も、彼女のメンコの刺繡が厩務員自らの手によるものだったエピソードが発想元と思われる。
後述の史実の通り、彼女を担当した厩務員は当時としては非常に珍しい女性だったのだが、トレーナー（プレーヤー）の性別を自由に切り替えられるウマ娘でこれがどう反映されるかは要注目なところ。

史実

1994年の春秋マイル制覇を果たし、サクラバクシンオーを「スプリントの絶対王者」に押し込めた「マイルの女王」。

1990年生まれの牝馬。牡馬ではBNW、牝馬ではベガ、ホクトベガ、ユキノビジンと同世代である。父*トニービン、母シヤダイフライト。ウイニングチケットやサクラチトセオーと同じく*トニービンの初年度産駒である。買い手がつかず、生産牧場の大北牧場がそのまま所有して走らせることになった。

体質が弱く、デビューは遅れて桜花賞もとっくに終わった4歳（現3歳）の5月にずれこむ。しかしデビュー戦と2戦目を9馬身差、8馬身差で圧勝。その勝ちっぷりに一躍秋には牝馬二冠馬ベガの強力なライバルになるかと注目を集める。
しかし3戦目で熱発や発情などのトラブルが重なり5着敗戦。牝馬三冠最終戦のエリザベス女王杯（当時は旧4歳限定戦）出走は絶望的になった……かと思われたが、陣営は敢えて古馬との戦いになる府中牝馬S（GⅢ）に出走、ここを見事勝利してエリザベス女王杯に挑み、「ベガはベガでもホクトベガ！」の2着に突っ込んだ。

その後、年末の阪神牝馬特別（GⅢ）と翌1月の京都牝馬特別（GⅢ）をともに楽勝。京都牝馬特別は6馬身差の圧勝で、以降はマイルに狙いを絞り、読売マイラーズカップ（GⅡ）で牡馬も蹴散らし安田記念に乗りこんだ。武豊騎乗のスキーパラダイスら海外の実績勢も多数参戦する豪華メンバーとなったが、ここをスタートで出遅れながら豪脚一閃、2馬身半差の圧勝。4連勝で現役最強マイラーに君臨する。

秋は1400mのスワンS（GⅡ）で、スプリントの絶対強者に覚醒したサクラバクシンオーと対決。安田記念で既にバクシンオー（4着）に勝利していたため、「1200ならバクシンオー、1600ならノースフライト、ならその中間の1400なら？」と大きな注目を集め2強対決となったが、日本レコードを叩き出した覚醒バクシンオーの前に惜しくも2着。
そして引退レースとしてマイルチャンピオンシップに臨み、悲願のスプリント・マイル二階級制覇を目指したサクラバクシンオーをコースレコード返しで2着に退け、双方の「マイルの女王」と「スプリントの王者」という評価を絶対のものとして現役を引退した。
ちなみにこの年の年度代表馬は三冠と有馬記念を制したナリタブライアンだったのだが、ノースフライトに年度代表馬の票を投じた記者がたった一人だけおり、結果としてナリタブライアンの満票受賞を阻止した形になっている。票の是非はともかく、記者によってはナリタブライアンに匹敵するほどのインパクトがあった証であろう。

通算11戦8勝。敗れた3戦は2000m、2400m、1400mであり、1600mでは生涯無敗である。
それまでマイル以下の距離はざっくり「短距離」としてまとめられていたが、サクラバクシンオーとノースフライトが互いに「1400m以下」と「1600m」で絶対的な強さを見せ、距離ごとに直接対決で明暗を分けたことで「スプリント」と「マイル」の間にも明確な「距離の壁」が存在することを強く認識させることになった。バクシンオーが「スプリンター」というカテゴリーを確立したことは周知だが、それはノースフライトがマイルの壁として立ちはだかったが故でもある。ノースフライト自身も古馬でマイルに専念するローテを組んだことから、1歳上のシンコウラブリイとともにマイル路線における現代的な距離適性重視ローテの先駆けとも言えるかもしれない。

またノースフライトは、GⅠ 馬としては史上初めて担当厩務員が女性だったことでも有名である。彼女を担当した石倉幹子厩務員は1993年に厩務員となったばかりの新人で、デビュー前から1頭の馬を受け持つのはノースフライトが初めてだった。現在より遥かに女性が少なかった当時の競馬界では非常に目立つ存在で、いきなりGⅠ 馬を輩出したことや京都大学馬術部出身の才媛というキャリアもあってマスコミからもかなり追いかけられ、当人は騒ぎすぎだと辟易していたという。
ともあれ、石倉厩務員は「フーちゃん」と呼んだ初めての担当馬に深い愛情を注ぎ、ノースフライトも石倉厩務員に非常によく懐いていた。後年、引退したノースフライトを取材しに訪れた女性記者が何の気なしに「フーちゃん」と呼び掛けたところ、ノースフライトは突進するかのような猛スピードで記者のもとに駆け付け、声の主が石倉厩務員でないことがわかるとガッカリしたように立ち去って行ったという。

引退後は故郷の大北牧場で繁殖入り。お互いの調教師の間ではバクシンオーとの配合が話題に挙がっていたが、結局実現することはなかった。産駒の活躍馬はオープン特別を勝ったミスキャストぐらいだったが、そのミスキャストが種牡馬入りして2012年の天皇賞(春)で大逃げ大波乱を決めたビートブラックを輩出した。「孫のブラックが春天を逃げて勝った」こともバクシンオーと一緒。
2011年に繁殖を引退、功労馬として余生を過ごし、2018年に心不全で死亡した。