勇者指令ダグオンとは、1996年(平成8年)2月3日から1997年(平成9年)1月25日まで放送されたアニメ。全48話。
概要
90年代を代表するロボッアニメ『勇者シリーズ』の第7作目にあたる。
監督は前作から降板した高松信司に代わって望月智充が担当した。
前作から打って変わって等身大ヒーローからロボットに合体という、ファイバードに近い作風になった。
高校生をメインにしたためか、シリーズ中最も大きなお姉さん方から人気を博した為勘違いされがちだが、
内容はあくまで子供向けで目立った媚もなく王道な特撮番組(主に円谷、東映作品)テイストなヒーローものである。
初期には白骨化した死体現場に駆けつけるシーンがある等徹底しすぎな面もあるというのは内緒
番組放送後には不定期に「ダグオンくらぶ」というコーナーを設けており、おたよりを紹介したり、本物のダグテクターが現実世界のチビッ子達の元にヒーローショーや幼稚園訪問をする様子などが放送された。(現在は肖像権の問題かビデオやDVDには収録されていない。)
OVAも全2巻発売された。
ちなみに主題歌の「輝け!!ダグオン」はシリーズで初めて男性ボーカルが起用された他、初めて主題歌として曲名にタイトル名が含まれている楽曲となっている。
ストーリー
謎の事故によって凶悪な囚人(宇宙人)たちが解放され、宇宙監獄サルガッソが占拠された。彼らの目的は惑星狩り、その最初の標的は地球!
宇宙警察機構のブレイブ星人は、事件に巻き込まれた大堂寺炎ら5人の高校生を「ダグオン」に任命。
彼らは、地球を、そして自分たちの未来を守る為、勇者としての戦いの日々に飛び込むのだった。
登場人物
- 大堂寺炎/ファイヤーエン(CV:遠近孝一)
- 主人公で山海高校の1年生。熱血バカ。口癖は「これが青春だ!」。
ファイヤーストラトスと融合合体しダグファイヤーに、さらにファイヤージャンボと火炎合体しファイヤーダグオンに、ファイヤーショベルと剛力合体しパワーダグオンになる。
終盤2体が超火炎合体してスーパーファイヤーダグオンになったが、劇中では3回のみの登場であった。
更に46話にて1度のみダグベースと超融合合体し、ダグベースを動かしたりもした。 - 広瀬海/ターボカイ(CV:子安武人)
- 2年生の鬼の風紀委員長。頑固だがゴキブリが苦手。
ターボライナーと融合合体しダグターボに、さらにシン、ヨクと重連合体しライナーダグオンに、そこにゲキが加わり超重連合体しスーパーライナーダグオンになる。
ライナーダグオンの合体プロセスは「マイトガイン」のトライボンバーと一緒。 - 沢邑森/アーマーシン(CV:山野井仁)
- 2年生で柔道部の主将。ナンパが趣味。英里加ちゃんの尻に敷れている。
アーマーライナーと融合合体しダグアーマーになる。 - 風祭翼/ウイングヨク(CV:結城比呂・現:優希比呂)
- 2年生で天才少年。昆虫観察が趣味。後に中学校時代の同級生とオイシイ関係に。
ウイングライナーと融合合体しダグウイングになる。 - 刃柴竜/シャドーリュウ(CV:私市淳)
- 1年生の一匹狼。家はない。病弱な妹の美奈子がいる。
シャドージェットと融合合体しダグシャドーに、さらに3匹のシャドーガードと機獣合体しシャドーダグオンになる。 - 黒岩激/ドリルゲキ(CV:江川央生)
- 中盤の追加メンバーで、風雲高校という他校の3年生にして番長。涙もろい。
ドリルライナーと融合合体しダグドリルになる。 - 宇津美雷/サンダーライ(CV:山口勝平)
- 後半の追加メンバーで、1年生の転入生。その正体は宇宙警察機構の新人。つまり宇宙人。
サンダーバイクと融合合体しダグサンダーに、さらにサンダーシャトルと雷鳴合体しサンダーダグオンになる。 - ルナ/ギャラクシールナ(CV:深水由美)
- 宇宙警察機構の刑事で、炎にファイヤーショベルを与えた人物。
初登場後長らくヒドーに洗脳されていたが、海によって救出された。 - 戸部真理亜(CV:長沢美樹)
- ヒロインの1年生。炎とは腐れ縁。
- 「超常現象研究会」を一人でやっている。オカルト娘。
- 戸部学(CV:永澤菜教)
- ダグオンに憧れる小学生で自称ダグオンくらぶ会員1号
マリアの弟で通称「ガク」。 - 宇宙剣士ライアン(CV:広瀬匠)
- かつてアーク星人に滅ぼされた機械生命体・剣星人の生き残り。
ダグオンに心を開いた後は度々やってくる頼りになる存在。宇宙人のことにも詳しい。
ガンキッドの名付け親でもあり、保護者となる。おじさんではないらしい。 - 無限砲ガンキッド(CV:長沢美樹)
- サルガッソの宇宙人、メカージュ星人に作られたロボット。旧名「ガンドロイドT-96」。
思考はまだ子供そのもので、泣き声は周囲の電波を妨害する能力がある。
スーパーファイヤーダグオン、ライアン、ガンキッドの三人で合体技「トライアングルクリスマスビーム」を放ったこともある。(ネーミングは、マドーの「クリスマスプレゼント」発言に対抗したものだと思われる) - ブレイブ星人(CV:中田譲治)
- 炎達をダグオンに任命した宇宙人。メカや基地をも提供した。
戦闘には殆ど関わらなかったものの、終盤ピンチに駆けつけヒドーを倒すが・・・
登場メカ
- ファイヤーダグオン
- ダグファイヤーがサポートメカのファイヤージャンボと合体して誕生するいわゆる1号ロボ。第2話から登場し、ファイヤージャンボが大破する30話まで主力として活躍した。高い機動性と飛行能力を持ち、攻撃力の高い武装が揃う。単体での最強技はファイヤーブレードだが、中盤以降はライオソードや無限砲も使われている。
- パワーダグオン
- ダグファイヤーがサポートメカのファイヤーショベルと合体して誕生するいわゆる2号ロボ。第31話以降に主力として活躍。すさまじいパワーを誇り、飛行能力と機動力以外はファイヤーダグオンを大幅に上回る。決め技としてはほとんど無限砲が使用された。第38話で復活したファイヤーダグオンとは実際のところは使い分けが前提なのだが、作中では使い分けで運用されず、その後もパワーダグオンがメインで運用された。
- スーパーファイヤーダグオン
- ファイヤージャンボとファイヤーショベルが合体して誕生する作中最強メカ。上記のパワーダグオン誕生の経緯からイレギュラーな合体であり、プログラミングはされているものの、エネルギー変換効率に致命的な欠陥を持つために通常の方法では合体できず、またパイロットのエンの身体に多大な負担をかける。そのためどうしようもないとき以外では出撃機会がなかった。
- ライナーダグオン
- ライナーチームの3体が合体して誕生する。強力な凍結攻撃であるライナーブリザードと、突進技であるライナータックルが必殺技。
- スーパーライナーダグオン
- ライナーチームにダグドリルを加えた4体が合体して誕生する。単純なスペックはファイヤーダグオンを上回り、ダグオンチームを壊滅させた再生宇宙人を無限に生み出すヒュドロン星人を撃破した。必殺技はドリルから発射されるスーパーライナークラッシュ。……なのだが、個性がないのが裏目に出たのか、初登場以外のときにはすさまじく弱体化補正がかかった噛ませロボと化した。
- シャドーダグオン
- ダグシャドーが3体のサポートメカと合体して誕生する。全体的に影が薄く、むしろ合体前のリュウやダグシャドーの方がむしろ活躍していたりする。
- サンダーダグオン
- ダグサンダーがサポートメカのサンダーシャトルと合体して誕生する。ほかのダグオンとまともな共闘が作中でないため、性能的には比較できない部分が多い。
水晶の瞳の少年
- ・後日談であり新たな設定、学年がひとつ上がる(激は就職済み)
- ・ダグコマンダー、ダグテクターの形状が変更
- ・新たなオリジナルテーマ曲
- ・作画は柳沢テツヤ
- ・後日談なのもあってロボットの登場は控えめ(融合合体ロボ、ファイナルダグオンのみ)
- ・やおいシーンが含まれている
などがある。
このような設定で、かつレンタルされている店もさほど多くなかった為か知名度も少なく、
「女性ファンへのサービスなのでは」と考えるファンも多く(ドラマCDが更に肥大化した結果ともされる)、
賛否の分かれる作品でもある。 但し、ケンタとの友情を訴えた内容、新たにリファインされたダグテクターや、
後編におけるクオリティの高い戦闘シーンなどを評価する声もある。
ロボットアニメとしては物足りなかったが、青春アニメとしては十分な出来だったといえる。
※なお、本作は当時放送されていたガンダムWや超者ライディーン、遡れば聖闘士星矢、天空戦記シュラト等の
女性ファン層が多い等身大ヒーロー物の流れを組んだ作品でもあるが、OVAはともかくとしてTV版に関しては
本編の内容や年間の販促展開も含め、低年齢層を対象としたれっきとした勇者シリーズであり
決して女性向けを意識した作品展開ではないことを留意されたい。
望月監督本人も、本作に関してこのようなコメントを残している。
中々再視聴の機会にも恵まれない勇者シリーズではあるが、風聞や偏見に囚われず視聴することをお勧めする。
玩具について
今作は人間から変身するという点でタカラの玩具的には「トランスフォーマー 超神マスターフォース」に通ずる部分があるが、ロボット玩具の展開はそれまでの勇者シリーズと特別変わった点はない。ただし、各キャラがダグテクターを装着した状態のフィギュア玩具が発売され、それぞれが特徴的なギミックを兼ね備えている。中でもドリルゲキは「上半身がドリルになって独立回転する」というものでよくネタにされる(あまり話題にならないがダグシャドーのギミックも同様)。
従来のロボット展開に加え等身大ヒーローの要素も取り入たことから玩具展開の拡充が計られ、DX玩具だけでも過去最多の商品点数となっている。なりきり玩具は「ダグコマンダー」「ファイヤーブラスター(「伝説の勇者ダ・ガーン」の「ダ・ガーンマグナム」のリデコ品)」が発売され、更に「ライアン」「ガンキッド」も実際に手に持って遊べるなりきり玩具としての側面を持っていた。
また、今作は毎年おなじみの「トランスフォーマー」から流用があった最後の作品でもある。
最後のメンバー・宇津美雷が融合合体する「サンダーダグオン」は、「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーV」の「ギャラクシーシャトル」の仕様を一部変更したリデコ品である。ダグサンダーが本体の変形に関わらない(バックパックになる)のはこのためで、玩具上ではギャラクシーシャトルにダグサンダーを装着することが可能だったりする。
ダグベースは「トランスフォーマー リターン・オブ・コンボイ」のメインアイテムの一つ「ロボットベースグランダス」の流用。ロボットに変形できたのはこの為で、元のギミックがほとんど残っており前作の敵側アイテム「デスギャリガン」と連動させることができる。
関連動画
関連項目
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- 0pt