菅野よう子(かんのようこ)とは、宮城県出身の日本の音楽家である。
概要
早稲田大学在学中にバンド「てつ100%」のキーボードとしてデビュー。
バンド解散後、光栄(現コーエーテクモゲームス)の歴史シミュレーションゲームの音楽などを担当し、業界知名度を上げる。
手がけるジャンルは極めて幅広い。中でも、「天空のエスカフローネ」では、世界的な知名度を誇るオーケストラ「ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団」を起用。本格的なオーケストラ・サウンドで視聴者の度肝を抜き、以降も自作品にて度々共演している。
活動フィールドはTVアニメ、CM音楽、ゲーム、映画、ボーカル曲のプロデュースなど多岐にわたるが、個人名義のソロアルバムは皆無に等しい。「Song to fly」という個人名義のアルバムが1作だけ存在するが、実質的にはゲーム「アースウインズ」のサウンドトラックをもとに肉付けを行った作品であり、彼女自身もbounce.comにて「あれもゲーム音楽だからね」と言及している。
菅野よう子の名を冠した作品としては、他にCM曲集「CMようこ」「CMようこ(2)」、そしてコンサート「超時空七夕ソニック」開催を記念してリリースされた、3枚組ベスト盤「YOKO KANNO SEATBELTS 来地球記念コレクションアルバム スペース バイオチャージ」がある。
数回、ラジオやテレビに出演したことがあるが、不思議な世界観のトークと、声優顔負けのアニメ声であったため、初めてその声を聞く聴取者の度肝を抜いた。現在は少し低めになったが萌声は健在。
菅野作曲のアニメ・ゲーム関係の楽曲は様々なテレビ番組のBGMや挿入歌に使用されることが多い。
特にカウボーイビバップのオープニング「Tank!」はアニメ自体を見たことが無い人でも、どこかで一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。報道やバラエティなどで使用される回数が極めて多い曲のひとつ。
ニコニコ動画では「創聖のアクエリオン」や「星間飛行」が一時代を築いたと言っても過言ではない。
大きいお友達を量産したカードキャプターさくらのオープニングの「プラチナ」も菅野作曲である。
その他、攻殻機動隊シリーズやラグナロクオンラインⅡなどの音楽も手がけている。
「Gabriela Robin」の正体
Gabriela Robinとは菅野の楽曲に頻繁に参加している作詞家兼ボーカリストの女性である。しかし何故か顔も素性も全く明かされていない。ライブにおいてもGabriela Robinがボーカルをとる楽曲では本人は登場せず、ボーカルは毎回代役が置かれている。
その正体に関しては、「Gabriela Robin=菅野よう子」が有力と言われている。以下にその根拠を挙げる。
- 1. ほぼ菅野よう子作品のみにしか参加していない
- 10年以上活動しているアーティストだが、菅野作品以外ではただ1曲を除いてその名を確認する事は出来ない。その例外の1曲も、当時菅野の夫であった溝口肇の楽曲である。
- 2. 声がよく似ている
- 多くの曲で菅野との声の類似点が見受けられる。裏声を用いていない曲では特に顕著である。
- 3. 作詞に関する菅野よう子の発言
- 菅野は作詞活動をしばしば行っているという旨の発言をしているが、菅野の名が作詞にクレジットされている曲はほとんど無い。発言が事実ならばペンネームを用いて活動している事になるが、参加頻度の高さと素性が分からないという条件を満たしているのは「Gabriela Robin」の他には見当たらない。また、クレジット上Gabriela Robin作となっている詞をまるで自分が書いたかのような論調で解説した事が何度かある。
- 4. 関係者の発言
- 音響監督の若林和弘はGabriela Robinが日本人であることをほのめかしている。
以上の理由から「Gabriela Robin=菅野よう子」説はファンの間ではポピュラーであり、他に有力視されている説は特に存在しない。ただしGabriela Robinの声色の多彩さなどを根拠に複数人の共通名義である可能性を指摘する者もいる。今のところそれを否定しうる根拠は無いが、具体的にそれが誰なのかを推測できる情報が皆無なため、積極的に肯定する材料にも乏しい説である。
と、このまま仮説状態のままで続くかと思われたが、2009年7月7日に行われた「超時空七夕ソニック」にて菅野氏自身が登場し歌唱。自らもGabriela Robin=菅野よう子である事を認めた。
光栄(現コーエーテクモゲームス)との出会いについて
光栄(現コーエーテクモゲームス)と菅野よう子との出会いは、シブサワ・コウが『信長の野望全国版』の音楽担当を探していた際、アルファミュージック(アルファレコード)のディレクターから、当時早稲田大学の学生だった菅野よう子を紹介されたことに始まる。
シブサワは菅野のサンプルのテープを聴いてメロディーの旋律の綺麗さに感動し、即音楽担当を依頼をしたという。
それ以来、天翔記までの信長の野望シリーズ、三国志、大航海時代など80~90年代の光栄の歴史シミュレーションゲーム音楽を支えた。
2013/12/01(日) にニコニコ生放送で行われた「『信長の野望・創造』スペシャル生放送」内のインタビューにおいて、音楽について聞かれたシブサワ・コウは「自分の考えている音楽的な世界を遥かに超えるスケール感と、綺麗なメロディーラインやミュージックラインで仕上げてくれるので、菅野さんの曲は大好き。」と語った。
また、全国版の音楽を依頼して曲が収められテープが送られてきた当時を振り返り「なんといっても全国版の一番最初の頭に出てくるOvertureのターン、タンタンタンタン、ターン♪あの曲を一番最初に聞いて、すごくそれが感動して、これは絶対出だしの曲にしようとした。」と満面の笑みを浮かべた。
菅野の直接的な音楽担当は『天翔記』までだが、この「信長の野望~Overture~」は『全国版』の後は『天下創世』以降の信長の野望シリーズのオープニング曲として再び採用された。
CM音楽について
500本以上の楽曲を手がけており、現在でも多くの作品が放映されている。菅野本人は1000本以上とも語っている。ただし数えた事は無いという。つまるところ、ここ20年ほどで日本のテレビを見たことがある人は、どこかしらで必ず菅野の曲を一度は聞いているという、国民レベルの話である。まさに日本CM音楽界の女王。
曲調は様々あるがピアノやブラスを使用したものが多く、広告音楽という面をかんがみたせいか、全般的に誰が聞いても暖かく耳に優しい仕上がりになっているのが特徴。採用企業の中で代表的なものは以下の通り。
コスモ石油、日本石油、東京電力、東京メトロ、シャープ、マイクロソフト、カシオ、パイオニア、日立製作所、富士通、富士ゼロックス、富士フイルム、キヤノン、インテル、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、富士重工、ヤマハ発動機、ダイムラー・クライスラー、日本IBM、アサヒビール、キリンビール、キリンビバレッジ、サッポロビール、サントリー、コカコーラ、資生堂、ポーラ化粧品、カネボウ、コーセー、みずほ銀行、UFJ銀行、森永製菓、明治製菓、グリコ、J-PHONE、ボーダフォン、NTT DoCoMo、KDDI、ほっともっと、ミヤギテレビ、JR東海、ユニクロ、Google、DeNA
菅野作曲のCM曲と言われてピンと来ない人でも「コ・コ・ロも満タンに♪コ・ス・モ石油♪」のバックに流れているピアノの曲といえば、想像に容易いと思われる。ちなみに正式な曲名は「Seeds of Life」で、90年代からずっと使用されている。
担当した主な作品
音楽
- マクロスプラス
- MEMORIES (Episode.1 彼女の想いで)
- 天空のエスカフローネ
- 音響生命体ノイズマン
- カウボーイビバップ
- ブレンパワード
- ∀ガンダム
- 地球少女アルジュナ
- WOLF'S RAIN
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
- 創聖のアクエリオン
- DARKER THAN BLACK -黒の契約者
- Genius Party - 『BABY BLUE』
- マクロスF
- アクエリオンEVOL
- 坂道のアポロン
- 信長の野望シリーズ(全国版・戦国群雄伝・武将風雲録・覇王伝・天翔記)
- 三國志
- 大航海時代・大航海時代Ⅱ
- 維新の嵐
- 蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン
- 大河ドラマ・おんな城主直虎
主題歌・挿入歌
- ぼくの地球を守って
- はじまりの冒険者たち レジェンド・オブ・クリスタニア
- CLAMP学園探偵団
- ロードス島戦記-英雄騎士伝-
- マクロス ダイナマイト7
- 地球防衛企業ダイ・ガード
- カードキャプターさくら
- ラーゼフォン
- オーバン・スターレーサーズ
- コードギアス 亡国のアキト
その他
関連動画
関連商品
コミュニティ
関連項目
携わった楽曲やCDの記事
- i do
- 愛の輪郭
- アイモ
- ANGEL VOICE(FIRE BOMBER)
- オベリスク(マクロスF)
- 甲斐の虎(信長の野望)
- ギラギラサマー(^ω^)ノ
- cosmic cuune
- サヨナラノツバサ〜the end of triangle
- 星間飛行
- 創聖のアクエリオン
- そうだよ。(マクロスF)
- 月の繭
- 虹いろ・クマクマ
- 花は咲く
- pink monsoon
- プラチナ(坂本真綾)
- ヘミソフィア
- 雄偉の将
- ユニバーサル・バニー
- ライオン(マクロスF)
- rise
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