ライトノベル『カンピオーネ!』、アニメ『カンピオーネ! ~まつろわぬ神々と神殺しの魔王~』、及び漫画。
丈月城原作によるライトノベル/アニメ作品である。イラストはシコルスキーが担当。漫画は坂本次郎。
スーパーダッシュ文庫(集英社)より2008年5月23日から2014年9月まで刊行され、後にダッシュエックス文庫にて2019年4月まで刊行された。単行本は全22巻。(本編21巻+EX1巻)
また2017年12月より設定を共有し異なる並行世界を舞台にした「神域のカンピオーネス」を連載。イラストはBUNBUNが担当。単行本全5巻。
2020年6月より「神域のカンピオーネス」の続編となる「カンピオーネ! ロード・オブ・レルムズ」を刊行。イラストはBUNBUNが担当。単行本は2021年9月現在既刊3巻。
あらすじ
草薙護堂は神殺しである。
この世界には神殺しと呼ばれるものがいる。神話に抗い地上に災厄をもたらす神、まつろわぬ神を殺し、その力を奪った者たち。彼らは『カンピオーネ』と呼ばれ、畏敬されていた。
日本に住み、平穏な日常を送っていた一介の高校生草薙護堂。彼は祖父が残していったある石板を持ち主に返すためにイタリアを訪れた・・・そこで彼は不思議な少年や怪異に巻き込まれるーーー
主要登場人物
- 草薙護堂(くさなぎ ごどう) - CV:松岡禎丞
- とある事件を経てゾロアスター教の常勝不敗の神、軍神ウルスラグナを倒し『東方の軍神』を簒奪したことでカンピオーネと成った。
世界で七人目のカンピオーネ。日本のカンピオーネ。
カンピオーネになってからの趣味は観光名所破壊(まつろわぬ神と戦うたびに何かしらの歴史的建造物を破壊してしまう。例:レインボーブリッジ)、つまりお約束。わざとではない。
無害な振りをしては女を侍らせ、口実さえあれば戦闘と破壊に明け暮れる質の悪い男である……という噂を口にする者もいる。が、実は知人を自身よりも大切にする青年である。それに惚れた周りの者が寄ってくるために関係者には誤解される(多分)
- エリカ・ブランデッリ - CV:日笠陽子
- 魔術結社《赤銅黒十字》に所属する魔術師、若き天才。赤銅黒十字最強の、組織の筆頭騎士の称号『紅き悪魔(ディアボロ・ロッソ)』を得ている。先代は実の叔父。愛剣は"クオレ・ディ・レオーネ"
錬鉄術と呼ばれる、金属を操る魔術を得意とする。料理できない子。
- 本人曰く、護堂を最も愛している。
一番目に護堂に目を付け惚れた少女。護堂の「愛人」を自称している。
- 万里谷祐理(まりや ゆり) - CV:花澤香菜
- 日本の『媛巫女』の一人。優れた霊視術師。料理できる子。恵那とは子供の頃からの幼馴染。
護堂の事を心から慕っている。
- 妹がおり、とても賢い。
「正妻」と業界では呼ばれている。
- リリアナ・クラニチャール - CV:喜多村英梨
- 魔術結社《青銅黒十字》に所属する魔術師、エリカと並ぶ若き天才。エリカとは腐れ縁という名の幼馴染。『剣の妖精』という異名を持っている。愛剣は"入ル・マエストロ"。
エリカからの愛称はリリィ。
魔術師とは違う『魔女』の素質も持つ。料理できる子。隠し(通せていると本人は思い込んでいる)趣味として恋愛小説執筆や料理。
照れながらも護堂に対して常に献身的で、良かれと思ってやることが裏目に出ることもある。
護堂の「騎士」を名乗っている。
- 清秋院恵那(せいしゅういん えな) - CV:斉藤佑圭
- 祐理と同じ媛巫女。『太刀の媛巫女』の名を持つ少女。剣術・呪術共に日本最強の媛巫女、幼馴染の佑理を大切にしている。料理できる子(※なお、サバイバル飯)。
野性的かつ野蛮な部分もあるが、護堂への恋慕が募ると急にしおらしくなる。
宝刀"天叢雲剣(草薙劍)"を操る。
- 甘粕冬馬(あまかす とうま) - CV:松本忍
- 正史編纂委員会と呼ばれる、日本の呪術界を統括する組織の使者。霊視の出来る佑理を訪ねてよく来訪する。糸目おじさん。
- 草薙静花(くさなぎ しずか) - CV:日高里菜
- 護堂の妹。兄スキーであるがツンな態度でごまかしている。
- アテナ - CV:小倉唯
- 三位一体の属性を持つまつろわぬ女神。幾多の神の中でも物語を通して、護堂の本当の嫁ライバル。
- パンドラ - CV:巽悠衣子
- 神殺しをカンピオーネに改造するエピメテウスの妻。「カンピオーネの元締めにして支援者」とも言われ「あらゆる災厄と一掴みの希望を与える魔女」であり「全てを与える女」であるとも表現されている。
用語説明
まつろわぬ神
人に与えられた
神話に背き、地上をさまよい
歩くようになった神。
こうなった彼らは、
そこにいるだけで
世界を造り
かえる存在と化し、人々に災厄をもたらすようになる。なお、放置していても
自然消滅することはない。
倒してもなお、
神話が存在する限り長い時を経て
蘇る。
権能
神が所持するこの世ならざる力の事。
また、殺
害した神から簒奪した力のこと。『
天変地異を引き起こす』『
死亡した後に
蘇生する』など、効果は千差万別。神の力を人の身で扱うためか、簒奪者に合わせた
アレンジが行われ、本来のものに
比べて制限が加わることが多い。
カンピオーネは神を殺せば殺すほど権
能が増加し、より強大な存在になっていく。ただし権
能を得るには相応の戦い振りを示す必要があるため、他の
神殺しとの
戦闘で傷ついた神を倒しても権
能が増える事はない。また、そんな戦いをするが
故に途中で
死亡したりなど、長い
歴史のある
カンピオーネに
古参は少ない。
カンピオーネ
魔術師たちはまつろわぬ神を退治してくれる
カンピオーネを王として扱い、機嫌を損ねないよう立ちまわる。
エピメテウスの落とし子
神を初めて殺めた直後から『エピメテウスの落とし子』と呼ばれる通りエピメテウスの妻である
パンドラによって体は作り変えられ、以下のような体質を獲得する。
●
普通の
人間とは
比べ物にならない
回復能力を持つ。出血はすぐに止まり、
骨折などでも数日で治る。また、痛みも感じにくくなる。
●身体そのものがとても頑丈になる。例えば、
骨であれば
鉄以上の硬度を得る。
様々な
運動、視力など
人間としての基本
能力が大幅に強化される。しかも窮地に立たされれば立たされるほど基本
能力が強化される度合いが強くなる。
その他のカンピオーネ
サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン - CV:石塚運昇
東欧の老カンピオーネ。狼の群れの召喚、塩化の邪視、殺害した相手を亡者として従える、雷と嵐を呼ぶ、などの多彩な権能を持つ。侯爵と呼ばれているが、その地位も過去に力によって強奪したものである。ヴォバンの苗字は本来元侯爵の飼い犬の名である。名乗ることで元侯爵を自分の世話係にするという意味合いがある。
サルバトーレ・ドニ - CV:江口拓也
イタリアの若き6番目のカンピオーネ。自称、『護堂の永遠の好敵手』。剣術と、将来強くなった護堂と戦うことにしか興味がなく、そのためにはどんな暴挙も厭わない。
権能『東方の軍神』(The Persian Warlord)
ウルスラグナの十の化身が持つ能力を部分的に再現する権能。化身ごとに使用条件が存在し、それを満たさない限りその力を行使することはできない。なお、全ての化身に共通で『一度使用した化身は丸一日の間使えない』という制限がある。
- 第一の化身 『風』 (かぜ)
- 使用条件は顔見知りが危機的状況において草薙護堂の名を呼ぶこと。
この時、お互いに風が吹く場所にいる必要がある。効果は危機に陥った相手のいる場所への瞬間移動。近くにいる仲間を連れていくことも出来る。
- 第二の化身 『雄牛』 (おうし)
- 使用条件は敵が人間を凌駕する剛力の持ち主であること。
効果は超人的な怪力の発揮。力を行使する対象が大きく重いほど、怪力の度合いは跳ね上がる。
- 第三の化身 『白馬』 (はくば)
- 使用条件は敵が民衆を苦しめる大罪人である事。
太陽の焔を呼び出し、敵対する者を焼き尽くす。この焔の出力・効果範囲はかなり細かく調節可能。
- 第四の化身 『駱駝』 (らくだ)
- 使用条件は一定以上のダメージを受ける事。刃物で身体を貫通される程度の負傷で良い。
効果はキック力と格闘能力の向上。また、異様なまでの打たれ強さを得られる。
- 第五の化身 『猪』 (いのしし)
- 使用条件は巨大な物体を標的に定め、その破壊を決意する事。
体長二〇メートル超の巨大な猪を召喚する。この猪は基本的に標的の破壊を目的に行動するが、ある程度は護堂の思い通りに動いてくれる。自身や敵の状態に関わらず使用できる便利な化身だが、周辺地域に大きな被害を与えてしまう諸刃の刃。
- 第六の化身 『少年』 (しょうねん)
- 物語の開始時点では草薙護堂はこの化身を掌握していない。
- 第七の化身 『鳳』 (おおとり)
- 使用条件は超高速の存在に攻撃される事。
効果は肉体・知覚・思考の超加速。加えて、羽の如き身の軽さも得られる。代償として、使用時間に応じて強い痛みが心臓を襲い、最後には行動不能になってしまう。
- 第八の化身 『雄羊』 (おひつじ)
- 使用条件は瀕死になっている事。
効果は死からの蘇生。完全に回復するまで数時間を要する。
- 第九の化身 『山羊』 (やぎ)
- 使用条件は周囲の人間が草薙護堂に助力したいと願う事。
効果は雷を操る神力の獲得。周囲の人間の意志と生命力を奪うことで、さらに力を高める事が可能。
- 第十の化身 『戦士』 (せんし)
- 使用条件は敵とする神についての十分な知識を得る事。
敵の来歴を明らかにする事で神としての力そのものを切り裂く、智慧の剣を生み出す。直接的なダメージを与える事も出来るが、敵の能力を封じるために使われる事の方が多い。
関連静画
テレビアニメ
2012年7月~9月に放送された。全13話。タイトルは『カンピオーネ! 〜まつろわぬ神々と神殺しの魔王〜』。
ナレーションは立木文彦(「草薙護堂はカンピオーネである!」の人)。
原作が内容上、例の四人と会ってから安定するまで約第五巻までを必要とする為、アニメ版では大幅なカットが入った。
スタッフ
主題歌
- オープニングテーマ「BRAVE BLADE!」
- 作詞:松井洋平 / 作曲・編曲:菊田大介(Elements Garden) / 歌:桜川めぐ
- エンディングテーマ「Raise」
- 作詞:只野菜摘 / 作曲:俊龍 / 編曲:藤田淳平(Elements Garden) / 歌:小倉唯
放送局
各話リスト
関連動画
関連項目
外部リンク