ビートル 単語

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ビートル

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ビートル(beatle)とは…

  1. 甲虫類を意味する英語
  2. 1から転じて、フォルクスワーゲン社が販売した自動車。正しくは「フォルクスワーゲンtype1」と呼ばれるが、これはトヨタで言うAE86の様な物であり種名ではない。
  3. 2をイメージしたフォルクスワーゲン社が発売していた乗用車名称ニュービートルを参照。
  4. 3のモデルチェンジ版の乗用車の名称。「ザ・ビートル」と呼ばれる
  5. ウルトラマン」に登場する科学特捜隊所属のVTOL機。2種類が存在する。

ここでは2を紹介する。

概要

知る人ぞ知るドイツ生まれの乗用車であり、例えに詳しくなくても、その名前だけでイメージが出来る希有な存在である。基本的設計は1930年代でありながらも、4輪独立懸架や水平対向エンジンなど、その当時のはるか先を行く機構や、合理性に基づいた設計、一でわかるらしいスタイル世界各地で人気を博した。

1945年より民生用が生産されたが、最終的に生産が終了したのは2003年であり、プロトタイプ製造である1938年から数えれば実に65年近く製造された自動車の金字である。

また、アドルフ・ヒトラー開発に関与していた事もあり、一般的に悪名高い独裁者イメージが強い彼にあって、アウトバーンの敷設と合わせて、評価の高い製作と冗談交じりに評価される事がある。

特徴的な機構

戦前生まれながらもその機構は時代を一歩も二歩も先取りするものであった。そしてこれらの方式がテンプレートとなり、

エンジン

特徴的なサウンドを発するビートルのエンジン冷・水平対向4気筒である。

自然ではなく、ブロアを使った強制通であり、水平対向エンジン音と相まって農発のようなバタバタ音であったが、非常に特徴的な音となり、ビートルのアイデンティティの一つにもなっている。そして整備性も抜群であった。非常に単純な機構にスペース自体が余裕があったので、ちょっとした知識があれば極端な話ではあるがエンジンの交換もたやすかった。実際に冷ビートル関係のイベントではエンジン着脱の競争がある程である。

足回り

前後の軸を1本のフレームでつなぐバックボーンフレームにフロアパンを採用し、それにエンジンなどを取りつけた足回りを採用、そこにボディを載せると言う格好になった。重心が低く、安定性にひと役買った。そしてエンジンの搭載位置は後輪の後ろ、RR方式であった。

サスペンションは4輪が独立して動き、フロントはトレーリングアーム式、リアスイングアクスル式であった。いずれも独立懸架の方式としては初期のものであったが、左右のサスペンション独立していないが多かった事を考えれば非常に革新的であり、またそれ故に乗り心地の良さにひと役買っている。なお、体を持ち上げると特にリアホイールはVの字のように内またになる。これはスイングアクスル採用の特徴であり、同様の機構を採用しているには往々にしてみられるものである。

ただし、カーブなどで重の急な移動があった場合、イン側のサスペンションが伸びてしまい、それに起因する横転事故を誘発しやすい現象(ジャッキアップ現象)が多くなってきたので、フロントのサスペンションストラット方式に変更となったモデルもある。

車体

カブトムシと言うあだ名をつけられる程に特徴的な体はこれ自体でアイコンにもなりうるほどである。

気密性が高く、永遠とまでは行かなくてもかなり長い時間に浮く事が出来る。また、ポン載せに近く、足回りだけを使って、各種のカスタムカーベースにする事ができ、またキットカーの足回り部分のドナーに使用される事が多かった。

愛称など

その丸っこいスタイルから称は「ビートル」、「カブトムシ」等と言われるが、海外でもその丸っこいスタイルから概ね似たような称がある。アメリカでは「バグ(bug・ここでは「」と言う意味)」、ドイツでは甲虫類を意味する「ケーファー(Käfer)」と言われ、ブラジルでは現地に存在する大のGを意味する「フスカ(Fusca)」、タイではを意味する「タオ(เต่า)」と言われる。

日本では…

日本では「カブトムシ」や「ビートル」の称で知られているが、ゴルフなどが登場する以前においてはフォルクスワーゲン種と言えばビートルと言うイメージであった為、メーカー名の一部である「ワーゲン」と呼ばれる事もある。また、自動車明期には暖気の必要な初期の日本ではなく、冷ならではの暖気いらずですぐ走れると言う事で医者、特に開業医にもてはやされ「医者」と言うイメージがかつて存在した。

都市伝説

その当時の輸入の中では割にポピュラーであり、また独特のスタイルなどから格好の都市伝説の対になった。

  • 黄色いビートルを3台見たらいい事が起きる
  • 但し、いビートルを見るといい事はチャラになる
  • 100台見ればラッキーな事が起きる

などなど。いずれも地域差が大きく、上記の例と全く違う事もある。なお、ジャンプに連載していた「地獄先生ぬ~べ~」でもネタにされていた。

いずれにしてもビートルと言う存在がされていたという左になっている。

誕生

ポルシェの生みのであるフェルディナントポルシェ開発し、そこへアドルフ・ヒトラーの政策とが結びついた事で生み出された。カーマニアであったヒトラーの要はその当時としては非常にレベルの高いものであり、そしてそれを低価格で販売というものであったが、ポルシェ博士は見事にそれを成し遂げて、1938年には既に原が登場しており、民向けへの販売直前までこぎつけていたが、第二次世界大戦でその計画はとん挫し、軍用に回された。

その設計は軍用であるキューベルワーゲンシュビムワーゲンへ繋がっていった。本来は広く民に使われるべきが、ヒトラーの野望に左右され、軍用として転用された事は皮である。そして1945年にようやく広く民向けに販売される事となった。

分類

年代でいくつかの種類に分類ができる。最初期と最末期とでは大分スタイルが異なるが、基本が大きく変更されることはなかった。ここでは大きく立つ部分を基準として紹介する。

スプリットウィンドウ(1945年~1953年)

最初期に生産された車両リアウィンドウがガラス2つになっており、円を分けたように見える事からスプリットウィンドウと呼ばれる。当然ながら、非常に希少価値なのだが、スプリットウィンドウでは後方視界が悪い為、当時のユーザーが分け隔ててある柱をぶった切って、オーバウィンドウのをはめて後方視界を良くしたケースが存在する。論、今やればマニアが気絶する事であろう事だが、当時としては理にかなった行為であり、スプリットの年代でありながら、オーバルと言う事もある

オーバルウィンドウ(1953年~1957年)

1953年よりリアウィンドウが大化され、その形状よりオーバウィンドウと言われる。これにより、後方視界が改善した。また北米仕様1955年よりそれまでの腕木式のウィンカー(「セマフォー」と言われる)のものから、フェンダー設置のウィンカーに変更となっている。これまた希少価値となっている。

6V車(1958年~1966年)

1958年以降はリアウィンドウが大きくなり、またこれ以降の変化が大きく外装をいじるものがないので電装系に使用していた電圧をとって、「6V」と言う事がある。1960年式以降はそれまでのセマフォーをし、フェンダー設置のウィンカーとなっている。

1967年式(1967年)

1967年式は電装系をこれまでの6Vから12Vに引き上げた事、ヘッドランプが垂直となりながらもリアのテールが小のものと言う如何にも過渡期的なモデルとなっており、実用性とスタイルの優美さを兼ね備えたモデルとして人気が高い。

12V車(1968年~1978年)

1968年以降はバンパーがプレス化された事やテールランプが大化するなど、一気に現代的となったスタイルである。一般的に思い浮かべるビートルのイメージに近い。これ以降、後述のメキシコ製ビートルに至るまで、スタイルの変化はほぼ見られない。但し、エンジンや足回りなどは相応の変化が行われていた。

メキビー(????~2003年)

所謂メキシコ製ビートルの事。ドイツでの生産が中止になって以降も、メキシコでは引き続き生産が行われた。タクシー用途での生産が多かったのもあるが、雇用確保の為にロボットの介する部分の少ないビートルの製造が継続されたとも言われている。12Vとほぼ同じ仕様であるが、高地にあるメキシコティ公害対策の為にエンジンチューニングがされており、一般的にはパワーが出ない。この他、仕上げに問題がありなど、上級者向けの趣がある。

後継車種

1945年以来、内外で人気を博したビートル(type1)であるが、ライバルの台頭や将来的に陳腐化に抗する事が出来なくなる事はに見えていた。論、VW社もそれに対する回答は出していた。type3やtype4と言われるがそれに当たるが、いずれもビートルが生産終了になるよりもずっと前に生産中止となっている。いずれも出来は悪くはかったのだが、元々ビートルは完成度が非常に高く、また熟成されていた為、ユーザーの信頼度も段違いであった。

このように完成度の高さゆえに初代を越えられないというジレンマフォルクスワーゲンに存在しており、ゴルフが誕生するまでその苦悩は続いた。同じようなケースシトロエン2CVとディアーヌなどがある。

なお、ニュービートルイメージこそビートルを意識しているが、あくまでイメージだけであり、純な後継とは言い難い。

派生車種

長い製造の中でビートルは多くのを登場させた。メーカー製から社外製まで何でもござれの状況であり、いずれも人気が高い。

Type2

一般的にはビートルのワゴンバージョンとして知られているが、そのきっかけはとあるディーラーが製造工場で見かけたビートルの部品を使った作業用機械である。

ヴァナゴンやトランスポーター、あるいはカラベルと言われるワゴンモデルの第一世代でもある。

一般的によく知られているのはT1と言われるモデルであり、特撮好きにはメトロン星人のワゴンと言うイメージが強い。また、ヒッピーが流行していた頃、値段がこなれてきたT1を若者がこぞって購入をし、「VW」の部分をピースマークにして、サイケ塗装に身を包んだ。そして日本では軽自動車、特に駆動方式が同一のスバル・サンバーベースとしたタイプ2仕様が出ており、現在ではいろんな種がベースとなっている。

今持って高い人気を誇っており、価格も高止まりで安定している。

モデルチェンジ版としてT2がある。こちらはモダナイズ化こそされているが、基本的なスタイルに変更はく、つい最近までブラジルで「kombi」の名称で販売されていた。T1には及ばないものの、こちらも独特のスタイル人気が高い。

Type3

1961年に登場。

独特のスタイルであったType1とべれば直線基調の、割合にオーソドックスなデザインとなっている。ノッチバックステーションゴン、ファストバックと言ったバリエーションもあったのだが、肝心の4ドアが存在せず、また機構的にもビートル=TYPE1と変わりがないのでビートルを駕する事が出来ず、1973年に生産中止となっている。

しかし、数の上では成功の部類でありビートルとべるのが酷と言うものである。

Type4

1968年に登場。

モノコックボディに85力のエンジンストラットサスペンション採用などtype3よりもさらに洗練された機構に4ドア採用とビートルとべても相当先進的となったモデルである。そのパワーから「最強」と言われる事もある(※あくまでもビートルシリーズの中でです)

しかし、やはりビートルをえる事は出来ず、1974年に生産中止となっている。

キューベルワーゲン→Type181

言ってしまえばビートル=Type1の軍用バージョンである。高い高が特徴であり、2輪駆動ながらも走破性が非常に高かった。そしてキューベルワーゲンのコンポーネンツにビートルの体を乗っけたモデルも存在した。

詳しくは「キューベルワーゲン」を参照して頂きたい。

Type1811968年から1983年まで生産されたモデルスタイルこそ異なれど、その設計思想などからキューベルワーゲンの後継ともいえるモデルである。

シュビムワーゲン

同じくType1ベースの軍用であるが、こちらは陸両用である。また駆動系が4輪駆動となっており、さらに体もバスタブ形状ののようなデザインとなっている。

詳しくは「シュビムワーゲン」を参照して頂きたい

ポルシェ356

種とは言い難いが、フォルクスワーゲン社は経営にポルシェ博士の一族が関わっている事もあり、歴史的にも非常に関連がある為、ここで紹介する。

ポルシェ社の販売した初のスポーツカーであるが、そのコンポーネンツにビートルの部品が多くつかわれている。RRのポルシェはまさにここから始まったと言うべきモデルであり、ビートルとはまさに兄弟のようなものである。

その後、ビートルのコンポーネンツ、エンジンを使用したモデルポルシェ912や914がある。

カルマンギア

ビートルの足回りにギア社がデザインしてカルマン社が製造したボディを乗っけたモデルシンプルながらも流麗なデザイン人気を博し、希少価値となっている。

タイプ3ベースも存在しているが、こちらはアメ車調の直線基調であり、皮にもビートルのオマージュとなったシボレー・コルベアそっくりのデザインとなった。しかし、流麗さには欠け、人気が出なかったのでタイプ1ベース程の人気を得られず、これまたタイプ1よりもく生産中止となった。オォウ…type3...

カスタマイズ

改造の余地が大きいビートルはカスタマイズにはうってつけであり、またType2の登場の末を見て分かる通り、シャーシとボディの分離も較的容易である為、足回り部分だけを使う事も可であった。

フォーミュラvee

ビートルの足回りにフォーミュラのボディを組み合わせたものであり、からでも作れたりと非常にコスパに優れており、高い人気を誇っている。

バギーカー

パイプフレームの体にビートルの部品が使われるケースは多々あり、これまたからの作成が可である。

デューンバギー

こちらはシャーシを利用し、そこにFRPのオープンボディを載せたものである。元々、キューベルワーゲンへ転用された際に活躍した事もあり、悪路との相性も良い。トランスフォーマーにもこれをモデルとした「ビーチコバー」と言うキャラが登場している。

バハ・バグ

こちらはオリジナルを多く利用しているが、ヘッドランプの形状や悪路走破に合わせたリフトアップとサスペンションの動きに対応したフェンダー周りなどの特徴がある。模型ラジコンで多く見かける為、カスタマイズの中でも知名度が非常に高い。

広告戦略

ビートルの大きな特徴に広告戦略がある。イルディーンバーンバッグ社と言う広告代理店が担当をしたのだが、特にアメリカでは広告戦略が大当たりして、その販売台数を伸ばした事が知られている。

その当時のアメ車広告といえば、これみよがしにをPRしたものであったが、あえてそうするではなく、ウィットとユーモアを織り交ぜた広告展開を行った。なかにはPR対となるビートル自体がく、例えば節を使わない(冷)を織り交ぜた文字だけの広告を出すなど、従来のアメ車を敬遠する層、特に合理義者や知的階層の人々から支持を受けた。

銀幕のビートル

ビートルは映画テレビでもその存在感かせ、あるいはを固めていた。特に有名なのは「Love bug」シリーズである。人格を持ち、言葉こそ話さないがその仕で感情を表すその姿は何度も続編が作られたほどである。

また、「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」において、ミニボット部隊に所属するバンブル/bumblebee自動車形態では黄色いビートルにトランスフォームをする。人間側のキャラであるスパイク二の友として、またマスコット的な存在として人気を博した。

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