2004年にTV東京系で放送されたTVアニメシリーズ『蒼穹のファフナー』の直接の続編。
本編翌年放送の前日譚『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』から5年を経て、2010年12月25日より劇場公開された。作品総尺は約90分。
TVシリーズ最終話・「蒼穹作戦」終了から2年後の世界で、平和を取り戻したはずだった竜宮島を舞台に人類とフェストゥムの新たな戦いが描かれる。
遠い宇宙からきた敵――フェストゥム。北極での決戦のあとも、人類の軍勢は戦いを続けていた。多くの者が、これ以上の戦いなど望んでいなかったにもかかわらず、敵を完全に滅ぼすための作戦が、世界各地で実行に移された。
――それが、新たな戦いの始まりとなった。
アルヴィスによる「蒼穹作戦」の決行――人類に味方するフェストゥムのコアを北極ミールより解放してから二年後。竜宮島は平和を取り戻し、少年少女たちも新たな日々を生きている。
その生活の中で真壁一騎もまた、皆城総士との再会の約束が果たされる日を待ち続けていた。
しかし夏祭りの最中、突如人類軍の輸送艦が島に接近し、打ち上げられた艦内から結晶の中に眠る少年が見つかる。それに呼応するかのように、島の上空はオーロラたなびく不可思議な暗雲に覆われ、スフィンクス型フェストゥムが出現した。
真壁一騎 CV:石井真 【搭乗機:ザルヴァートル・モデル特番機〈ファフナー・マークザイン〉】
本作の主人公。蒼穹作戦から生還後、1年間昏睡状態となっていた。回復後はファフナーのパイロットから外れ、溝口の要請でリハビリを兼ねて「喫茶〈楽園〉」で調理師のアルバイトを始めている。「一騎カレー」「一騎ケーキ」など看板メニューには彼の名前が付けられ、島民の若者の間で大好評。取り戻された平和を享受しつつ、総士との約束の時を待っている。同化現象で一度失った視力は回復しきらず低下を続け、今は光を感じられる程度。
遠見真矢 CV:松本まりか 【搭乗機:ノートゥング・モデル7番機〈ファフナー・マークジーベン〉】
蒼穹作戦から生還後、一騎が昏睡から回復してからは一緒に溝口の経営する「喫茶〈楽園〉」のウェイトレスとして働いている。一騎への恋心は健在だが、そのことを彼に伝えるつもりはない。同化現象が進む一騎の助けになるため、積極的にファフナーで戦闘に参加する。ファフナーでの冷静かつ正確無比な戦闘スタイルはもとより、日常でも朗らかな性格と優れた観察眼で仲間を支え見守り続ける彼女に、敬意を持つ後輩は多い。
羽佐間カノン CV:小林沙苗 【搭乗機:ノートゥング・モデル13番機〈ファフナー・マークドライツェン〉】
蒼穹作戦に参加したパイロットのひとり。二年前に比べ、髪も伸ばし格段に大人っぽい容姿となった。考え方や心のあり方も変わり、羽佐間容子を自然に「母さん」と呼び、高校生徒会で副会長に選ばれているなど、島の生活にも溶け込み心身ともに成長をみせる。戦闘時、変性意識下での苛烈さは相変わらず。中盤から咲良の復帰に伴い、専用機として開発されたファフナー・マークドライツェンを与えられる。
近藤剣司 CV:白石稔 【搭乗機:ノートゥング・モデル8番機〈ファフナー・マークアハト〉】
蒼穹作戦に参加したパイロットのひとり。母親と親友・衛を亡くし恋人・咲良を失いかけた経験は、二年間で大きく彼を変えた。自らの責任の自覚と決意によって、名実ともにリーダーに相応しい存在となっている。日常では咲良や小楯保の世話を自主的に行なっているほか、戦闘では未熟な後輩たちを牽引する。TVシリーズから最も大きく成長を見せたキャラクターであり、立派に生きるその姿が確認できることは劇場版の実現した大きな意義のひとつ。
要咲良 CV:新井里美 【搭乗機:ノートゥング・モデル3番機〈ファフナー・マークドライ〉】
蒼穹作戦前に深刻な同化現象で倒れたが、ミョルニアから得た多くのデータを元に治療が行われ、虚弱体質ながら日常生活レベルまで回復。中盤から再びファフナーパイロットとして戦場に復帰する。以前に比べ、その心の在り方は通常時・変性意識下ともに大きく変化し、自分の命を大切にしながら他人を思いやって仲間と戦えるようになった。近藤剣司とは良きパートナーとなっている。
堂馬広登 CV:佐々木望 【搭乗機:ノートゥング・モデル5番機〈ファフナー・マークフュンフ〉】
一騎たち世代のひとつ下の後輩で、立上芹や西尾姉弟の友人。学校放送室に立て籠もった騒動から二年経っても、相変わらず子供っぽさが抜け切らないが、根は素直で繊細な少年。マークフュンフのパイロットを引き継ぎ、尊敬する小楯衛から託されたゴウバインのヘルメットをかぶって彼のように仲間を守りたいと戦いに逸る。はじめは突出する無茶な戦闘で剣司らと衝突するが、次第に戦い守ることの真の意味に近づいていく。
西尾里奈 CV:白石涼子 【搭乗機:ノートゥング・モデル9番機〈ファフナー・マークノイン〉→ゼロファフナー】
本編時点ではオペレーターを務めていた候補生だったが、正式パイロットに抜擢。遠見真矢への強い尊敬の念は相変わらず。乙姫との別れは自分なりに受け入れているらしく、芹とは認識が異なる。両親を失った事故以来、弟と祖母の三人で暮らしており、自分の殻に閉じこもって言葉を発しないままの弟に苛立ちを抱いている。TVシリーズでは表に出さなかった負の感情を多く見せるが、明るく振舞っていたのは人一倍な将来への不安の裏返し、苛立ちは両親の元へ行きたがっていると思えた弟を失う恐怖と一体のもの。ファフナーでの変性意識によって感情の揺らぎは更に大きくなり、本音を隠せなくなっていく。
西尾暉 CV:梶裕貴 【搭乗機:ノートゥング・モデル10番機〈ファフナー・マークツェン〉→ゼロファフナー】
西尾里奈の双子の弟。かつてゼロファフナー起動実験における事故で両親が死亡し、その事実を受け入れることができず心を閉ざして喋ることができなくなっていた。両親がフェストゥムの無の中に留まっていると信じ、ファフナーと一体化することで自信とともに声を取り戻していく。また、真矢に対して想いを寄せており、それが余計に里奈を苛立たせている。※TVシリーズにも登場していたが、失声症という設定上非常に影が薄かった。
立上芹 CV:福圓美里 【搭乗機:ノートゥング・モデル12番機〈ファフナー・マークツヴォルフ〉】
岩戸の外に出た皆城乙姫と最初に出会った人物であり、彼女の親友を自負している少女。広登や里奈同様、候補生からパイロットに昇格。聡明でしっかり者な普段と異なり、ファフナーでの戦闘時は変性意識によって頭突き攻撃を繰り出すカブトムシ豪快さを見せる。その豊かな感受性がフェストゥムの苦痛を感じ取ってしまい、分け隔てない慈しみを持つゆえに苦悩する。里奈と違い、乙姫がまだいると信じ彼女が眠る場所に通い続けている。後半にはパイロット以上に大きな役割が任される。芹ちゃんマジヒロイン。
春日井甲洋 CV:??? 【搭乗機:ノートゥング・モデル4番機〈ファフナー・マークフィアー〉】
決して仲間を見捨てないとの言葉通り、今作では誰もが驚くかたちで登場し活躍を見せる。その在り方は変わっても、彼の心は竜宮島の仲間と共にあり続けている。本編からのファン感涙必至の勇姿を是非見届けるべし。ひたすらかっこいい。
TVシリーズのもう一人の主人公とも言える、一騎の幼馴染で親友。蒼穹作戦においてフェストゥムの祝福を受け入れ肉体を失うが、ミョルニアらの助力もあり個の精神を保って存在し続けている。現在は、新たなミールのひとつに属するフェストゥム・来主操の庇護の下にあり、フェストゥムと人類の迎える新たな局面に備え、来主を通じて竜宮島へ情報を伝えようとする。なお、ある理由で蒼穹作戦終了後から一騎とのクロッシング状態を保ち続けている(一騎側にその認識はない)。
総士の妹。竜宮島のコアと一体になり眠り続ける存在だったが、外界に出て活動しながら人とフェストゥム双方に選択を促し、共生の可能性を探っていた。蒼穹作戦終了と時期を同じくして島のコアと再同期し、その存在は島のミールが学んだ生命の循環の中に組み込まれた。劇中では、赤ん坊(未熟なコア)を抱いた幻影として一部の者に姿を見せつつ、意識の残滓のみが島民たちを見守っている。
真壁一騎の父であり、アルヴィス司令。司令代理となってから2年の時を経て、島の運営にも彼の特色が色濃く出るようになった。重要案件を公開して決議するなど、透明性ある方針が相応の効果と支持を得ている。今作では環境を司る島のコアが弱まっていることもあり、人類軍による核攻撃時の後遺症で体調悪化が見られる。千鶴との個人的交流は続いているが、進展のほどは謎。
真矢・弓子姉妹の母。引き続き、医療と同化現象などの研究を牽引し、島民の命を預かる重要な立場にある。それゆえの理想と苛酷な現実のギャップ、自身の不甲斐なさに今作でも苦悩する。童顔で若々しい容姿からは想像も付かないが、本編後に誕生した日野美羽の祖母である(!?)。真壁史彦への煮え切らない恋心は相変わらずの模様。早く再婚すべき。なお今作では赤い液体をぶっかけられる。
日野道生との間に生まれた娘・美羽の母親となり、姓を改め育児に専念している。美羽の存在が生きる希望だが、その存在の特殊性から、島が直面する状況に巻き込まれていくことに悩み苦しむことになる。我が子を利用され失う恐怖に、元々強くもつ家族への愛情が輪をかけ、ある行動に繋がってしまう。
咲良の母。引き続きアルヴィスCDCでオペレーターの中核として活躍。再びファフナーで前線に赴く娘の選択に、悲嘆に暮れながらも気丈に責務を果たす。
正式にカノンの養母となった。アルヴィスでは引き続きファフナーの開発担当研究を務めるほか、パイロットチームの教官も兼任。また、カノンの戦闘スタイルに合わせ設計し直した専用機「ファフナー・マークドライツェン」を開発した。
アルヴィスのチーフメカニック。妻と息子を失った悲しみから逃れるために酒浸りの生活を送っており、剣司はそんな彼の世話を自主的に行なっている。しかし、ファフナーから逃げることだけはせず、残存全機を使用可能な状態まで修復を果たしている。
西尾姉弟の祖母であり、駄菓子屋「西尾商店」を営むおばあちゃん。本編終盤に招聘されたとおり、実はアーカディアン・プロジェクト最古参の研究者であり、かつてアルヴィス建造や初期ファフナー開発の中心的存在だった。しかし、ゼロファフナーの起動実験が失敗し、娘夫婦を失ったことをきっかけに第一線から退いていた。ファフナーから逃げた自分と違い、逃げずに向き合った小楯保を高く評価し、今作では老躯をおして奮起する。
我らが死亡フラグクラッシャー。最前線に限りなく近い場所を生身で突き進みながらTVシリーズを生き抜いたアルヴィスの要。今作でも「喫茶〈楽園〉」のマスターを続けており、一騎をうまく利用して島の若い女性客を取り込み儲けていたりする。当然、特殊工作部隊員としての手腕は健在、終盤ではCDCからの指揮もこなす。ぜひEXODUSでも持ち前の死亡フラグ破壊技術を生かして最後まで生存して欲しいものである。
一騎の母・真壁紅音と同化したマスター型フェストゥムにして、ミールと拮抗する存在となった「独立共鳴核」。紅音の意志を引き継いで行動し、本編終盤にアルヴィスに協力した。本作では来主操の属するミールに捕われながら、総士の精神の保護に協力している。解放され役目を終えた時、その存在が還る場所は…。
人間の少年の形態をとっているが、染色体をもたない人のレプリカでありスフィンクス型のフェストゥム。ミール不在の中で、個として存在を望んだ最初の個体。ミールの意思とは別の彼自身の思考と感情を持ち、『空がきれい』 と初めて認識した。自分の存在に理解を示した皆城総士に強い親近感を持ち、人類軍の核攻撃から命がけで彼を守った。総士の依頼とミールから与えられたある役割を果たすため、竜宮島を訪れる。
日野道生・弓子夫妻の間に生まれた娘。竜宮島において30年ぶりの自然受胎で生まれた子供であり、今作で大きな役割を果たすキーキャラクター。竜宮島の子供から更に進化した人類とも言える彼女は、異様に成長が早いだけでなく、島のミールと日常的にクロッシングを行なうことでそれとほぼ等しい特別な存在となっている。フェストゥムの言語を自然に理解し、別のミールと『おはなし』ができる。
TVシリーズにおける人類軍の竜宮島占領未遂に際し、捨石にされた兵士たちの一人。現在はアルヴィスのメカニックとして働いている。自分たちを受け入れてくれた島に対して強い恩義を感じている。
イアンと同じく置き去りにされた人類軍の兵士の一人。現在はアルヴィスのオペレーター。ストーリー終盤にはイアン共々島への恩を返すため、かつて行われたある計画を模した作戦を立案するが…。
掲示板
121 ななしのよっしん
2019/01/26(土) 11:41:41 ID: y3Rsfqb8ZI
122 ななしのよっしん
2020/06/06(土) 13:56:57 ID: Jp3ejKNaUE
ここで人類軍が余計なことしなきゃ一期で平和に終われたのになぁ・・
総士はビヨンドみたいなことになってたかもしれんけど
123 ななしのよっしん
2023/01/19(木) 19:36:00 ID: w6vAUaZeOf
この作品の最後の方がよく分からんのだけど
①ミールが美羽の対話と来主の願いを聞き入れて戦い止める
②ミールが人類軍の核攻撃にブチギレて戦い再開しようとする
③来主が核止めつつミールを生まれ変えさせる
ってことで合ってる?
なんでミールはあの状況で素直に来主の言う通り生まれ変わることにしたの?
急上昇ワード改
最終更新:2024/11/08(金) 07:00
最終更新:2024/11/08(金) 07:00
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