電脳戦機バーチャロン・オフィシャルストーリー#2.42『One-Man Rescue』とは、かつてホビージャパンで連載されていた小説である。
S.H.B.V.D.に所属するミミー・サルペンを中心にV.C.a02年にテラ・アウストラリス・インコグニタ(T.A.I. かつてのオーストラリア)で行われた限定戦争を描いたものである。
長らく書籍化されていなかったが、全面的に書き直して同人誌として出版することがホビージャパン2012年9月号で発表され、コミックマーケット82で第1話が頒布された。
ミミー・サルペン准尉
本作の主人公。シリーズを通しての苦労人で、特技は貧乏くじを引くこと。
兵士としては優秀だが、腕っこきの同僚にリスク感知能力と交渉能力が皆無と評されるほど政治センスが絶望的で、情報漏えい(垂れ流しレベル)を捕虜に指摘されるまで気づかないなど将校としての能力は低い。
ダッシュ・プロンガー曹長
ニヒルでシニカルなスタンスを身上とする仕事人。操縦センスや戦術眼が高いだけでなく、兵站業務や部隊内経理、コメディリリーフや黒幕までこなすこの作品には無くてはならない陰の主役。
ピエゾ・バイモルフ曹長
S.H.B.V.D.所属の天才パイロット(自称)だが、現在は理想の機体の開発のため第5プラントに出向中。
かなりの女好きでプラント内に少なくとも3人の親しい女性が確認されている。元バイパーII乗りで、アーマーパージも彼が編み出した技術。
エルデン・リットー大尉
1話冒頭で死亡。しかし、彼の魂を受け継いだライデン205号機はパイロットを変えながら活躍する。
ステフォン・アイボリー軍曹
戦死したリットー大尉に代わり205号機を操縦する、華奢な体に白磁の肌を持つ16歳のパイロット。
精密さを身上とする戦闘スタイルなのだが、それゆえにゴリ押しスタイルの205号機との相性は悪く、扱いに苦労している。
イッシー・ハッター軍曹
欠員を補充するために第6戦闘VR大隊からヘッドハンティングされる。
着任時の挨拶では軍人口調で話すキャラの定まっていない初々しい彼の姿を見ることができる。
クレッグ・ブラゴ軍曹/トレバー・カントス軍曹
ベテランパイロット。
ヤズー・モリヤ曹長/ドン・オーゼック中尉
S.H.B.V.D.に所属する漫才コンビ技官。ライデンの改良や整備、装備の開発を行う。
Dr.ジャン・ダンツェン大尉
第6戦闘VR大隊大隊長。DNAの将校では唯一酷いことをしてないいい人。
ロイド・ボイド大尉
第14支援VR大隊大隊長。サラリーマン然とした将校。
ミクリア・ナイス大尉
集成VR連隊所属広報官。テンションが高く台詞に「!」がよくつく。
三日月鹿之助上級曹長
第一種資格を持つRNAの特S級下士官。
RNAを戦争に参加させる説得をする、国際戦争公司を買収可能なコネを持つ、シャドウを手配できるなどの階級不相応な影響力を持つが、発言もRNAを三人称の意味でしか使っていないなど不自然な点がある。
OMR関係者の座談会では、ほとんどのスタッフに禿頭(とくとう)設定を忘れられていた。
207号機。サルペンが小隊の指揮権を持つためOSが相応のものにグレードアップされており頭部の形状も一般機と異なる(S.H.B.V.D.所属機で機体ナンバーの3桁目の数字が2の物は指揮官用機)。
本気では標準装備のバズーカ・ランチャーではなくビーム系のフラット・ランチャーに換装することで武装を光学系に統一し、FCSの効率化を図っている。
D.B.L.-11Mk.4 フラット・ランチャー
サルペン機の手持ち武装。バイモルフからのプレゼントで発言内容からおそらく第5プラント製。基本性能は優秀だがFCSの効率化を目的に換装したのに相性が今一つ。
第3世代のライデン512E1系列にも同系統のものが採用されている。
シュタイン・ボックに基部が似た形状のランチャーが有るが、関連性は不明。
一般攻撃モード
ライデンに共通のオプションだが、劇中で使用したのがサルペンのみの為ここで記述する。
機体の全出力をレーザー照射に充てるモードで、強力な攻撃が可能な分ライデン単体では一度に一回しか使用できない非常にリスキーな攻撃オプション。
対VRモードと対になっていることから、おそらく本来の対艦レーザーとしての出力で照射しているものと思われる。
劇中では2度使用され、1度目はアファームドDを一撃で4機爆散させ、2度目では地上から人工衛星を狙撃して撃墜した。この狙撃のイメージが湧かない方はAKIRAのSOLによる攻撃を天地逆にしたものと言えば無茶さ加減がお分かりいただけるだろうか。
第2世代ライデンのレーザーに一般設定モードが有るが、VR用に最適化されて開発されたレーザーユニットの上ドルドレイにダメージを与えられなかったため関連性は不明である。
189号機。ブラックをベースにアクセントにシルバーが入る仕事人らしい渋いカラーリングの機体。
装甲材質の変更により軽量化が進められており、通常タイプのライデンに比して桁違いの運動性を有する。
武装はおおむねノーマル仕様だがFCSのカスタマイズが進んでいる為、射撃制度が非常に高い。
205号機。火力の強化に重点を置いたチューニングがされ、それに伴う重量増加を補って余りあるパワーも兼備している為決して鈍重ではないが、一本調子で融通のきかない機動特性の為重火力に訴えたゴリ押し戦法に適した機体。
人徳か馬が合ったのか、整備廠の技術将校により外連味あふれる専用のオプション装備が多数開発されており、中にはゲームには実装不可能なアレな装備もある。
CGS-9009 チェーンガン・システム ダムド9009
ライデンの身の丈ほどあるガトリングガン。名前と矛盾しそうな見た目だが、命名の由来や構造上ガトリングガンでかつチェーンガンは可能。
リットー・スペシャル#3 バトルアックス『デスギガント』
全長20メートルを超えるブースター付大戦斧。オーゼック中尉が心血を注いで鍛え上げた自信作で、生前の大尉も使うのを楽しみにしていた模様。
機体の修理中に敵襲を受け、FCS無しでも使用可能な装備と聞いて期待していたアイボリー軍曹の顔を曇らせた逸品。
冗談みたいな装備だが、威力も馬鹿げていて重装甲で知られるドルカスを一振りで2機撃破し、さらに重装甲なi-ドルカスも縦に一刀両断している。
ちなみに205号機はこの装備を「片手」で運用している。
リットー・スペシャル#7 『ボルト・ゴッチ』
オーゼック中尉がリットー大尉追悼の念を込めて鍛え上げた入魂の一作のスパイク付のシールド。
有り余るパワーで武装の融通が利いた205号機だが、装甲は並みであったため攻守のバランスが悪くそれを補う為に開発される。
これにより205号機は右手にデスギガント、左手にボルトゴッチと超接近戦仕様になったわけだが、このタイミングであの人が専任パイロットに着任したのは天の采配と言えよう。
DNAサイド初の第2世代型VRにして、史上初の第2世代型重戦闘VR。
量産型のHBV-502-Hとの違いは両手にバズーカを持っていることと、夕焼けを背に鶴が飛んでいる優美な塗装。
初陣で単機で連隊規模の第2世代型アファームドを撃破し、その圧倒的な戦闘力を見せつける。
余り知られていないが、史上初めて定位リバースコンバートで戦場に投入されたVRでもある。(実用化はまだしておらず、0.01%以下の成功率のまま強行した。)
詳細はリンク参照。OMRに登場する機体は第3プラント「ムーニー・バレー」で量産された簡易生産型で、足回りを中心に多少の改修が試みられたが本機の欠陥は基本設計に根差したものなので飛躍的に良化することは無かった。
練習機体として複座化したベルグドルをベースに、装甲、アビオニクス関係を強化したタイプ。ベルグドルより操作性等に信頼性が高かったため急きょ「ベルメイト」という別名称が付与、正式採用される。
開発した第3プラントもあくまで「つなぎ」として実用化したので性能的には見るべきものは無い。
ベルグドルに比べて多少打たれ強くなったものの、複座型であることに起因する操作の煩雑さから決して扱いやすくはない機体。哨戒用途の為の複座だったのだから当たり前である。
外見はセンサーの追加でベルグドルより顔が体に埋まった印象で、VOK系列に近づいた印象だがスケルトンシステムは採用されていない。また見かけによらず頭部が軽量化されており、ベルグドルよりも操安性が向上している。
第8プラント「フレッシュ・リフォー」が第3プラント「ムーニー・バレー」にライセンスを貸与して開発、生産させたOEM版であり簡易生産型のテムジン。
基本設計はテムジンを踏襲しているものの、各所で強引なコストダウンが行われており全体的な性能はオリジナルに比して見劣りするが、製造原価がベルグドル並みに抑えられた為V.C.a2年以降主力機種として大量に導入された。
C.G.S. type1/c
テムジンの主力武装のM.P.B.L.-7の銃身を短くしたような外観でビームブレードの形成機能もちゃんと保有している。
M.P.B.L.-7mk.2-d/9/88
テムジンが装備しているM.P.B.L.-7の過去のバージョンであり長大な銃身を持つがビームブレードの形成機能は無い。
所謂「第2世代型VR」と呼ばれるようになった最初の機体。
高速機動中の機体姿勢制御技術に関する進歩が著しい。 また、きわめて汎用性に富んだ機体構造とFCS用のOSを持ち、系統の異なる火器や武装を装備・運用可能だった。それは単にマニピュレーターの武装の持ち替えに留まらず、機体フレーム数カ所にハードポイントを設けることによって更なる発展性を保証していた。
形式番号不明 ダキアス・ガンシステム
アファームド・ザ・バトラーに採用されているものと同一のものと思われるサブマシンガン。
PKFK-2/4 プレシジョン・ナイフ
左手首のハードポイントに接続されているバタフライナイフ。使用時は展開して、左手に持って使用する。
指揮官用VRとして開発され、OSの充実・各種装備の特殊化が施された。
センサーブロックが追加され、頭部形状が他のバリエーション機と異なる。
TDFT-4/4c ターミナス・マチェット
C型最大の特徴で、近接戦闘時に絶大な戦闘力を誇った。
第2世代アファームド系列最重装タイプ。火力支援型として開発され、両手にボックスランチャーを一基ずつ、両肩にユニットガン計二門を搭載している。
DNA側が旧型VRを主力としていた頃は各戦線で多用されていたが、次第に第2世代型機種を導入するようになると重装備に由来する機動性の低下が問題になり、その役割をS型に譲り第一線から姿を消していくことになる。
リンク先参照
第1世代型VRであるMBV-09をフルチューンした機体。
RNAでは第2世代型アファームド系列の開発以前にMBV-09をベースにして様々な改修案や新機構を試験的に導入、綿密な実働テストを行っており、これらのテスト用機体は訓練ないし更なる実験用に回されやがて廃棄されていった。
元よりRNAでは旧式機体を実戦投入する気はなかったのだが、第8プラントのテコ入れによる圧倒的な物量に支えられたDNAに対してしばしば苦汁を飲まされた。このため旧式化していた機体を急きょサルベージ、再調整して導入することとなる。
総合的に見て本機は第2世代型の諸機体には及ばないが、V.C.a2年当時ならトンファーによる近接戦能力は充分強力で、加速性能を主体として強化された機動性もそれなりの評価があった。
近接戦による決着に価値を見出していたRNAではV.C.a3年のアファームド・ザ・バトラーの出現まで、敢えて本機の使用にこだわるパイロットも少なくなかった。
HBV-10ドルカスをベースにRNAが新規仕様を組み込んだ現地改修機体。装甲の強化が著しく、10/80レベルの機体の標準火器では近距離でも有効なダメージを与えることができない。
両腕の武装は作戦目的によって変更できる仕様となっており、サンド・サイズ戦役ではトンネルの掘削による奇襲作戦の為に左腕部をシャベル型のクローアームに換装したものが確認されている。右腕部も変更されており外見は当機のコンセプトを発展的継承をしたドルカスと同一のものとなっている。
RNAが本来DNAが保有しているドルカスをどのようなルートで手に入れたのか現時点では不明。
ちなみにサルペンは 、戦力再編時にドルカスなら数さえ揃えばRNAに対して何とかなるかもしれないと踏んでいたのだが、
O.M.G.時にサルペンが所属している特戦隊1個中隊がドルカスを主力とする1個師団を壊滅させる→DNA上層部「ドルカス雑魚過ぎ、いらなくね?」→O.M.G.以降追加発注なしで在庫切れ→現在(V.C.a02年)に至る
バイパー540 SH は第6プラント「サッチェル・マウス」開発主任アイザーマン博士がバイパー系列をテストベッドに行った、VRに航空機への変形機構を導入して遠隔地からの迅速な戦線投入の可能な新機体の開発計画の初期の部類に属する機体。
本機は出撃時には飛行ユニットを装着したプロト・スラッシャーと呼ばれる形態で運用され、対VR戦闘時には飛行ユニットを廃棄してVR形態に移行する。
このため一度VR形態に移行すると自力で飛行形態に移行できず、運用上の限界を生み出していた為個々の形態では水準以上の能力であったにもかかわらず正式採用は見送られた。
ちなみに本機は第8プラント「フレッシュ・リフォー」によるVR開発禁止令が布告される以前に開発されたものである。
本機が所属する「シャドウ」とはかつて0プラントに所属していたVR運用部隊を母体にしており、V-クリスタルとの交感精度の高い優秀な人材を集中管理することが当初の目的だったと考えられている。0プラント解体後も地下に潜伏し、存続し、影響力を維持していく。特に「影」と呼ばれる黒塗りのVRの目撃例には枚挙にいとまが無く、何らかの目的にのっとった活動をしていることは明らかである。
サンド・サイズ戦役で確認された「四之影」はテムジンベースの機体であったが、だからと言って例えば「壱之影」がテムジンベースかと言えば決してそう言う事は無く、「影」VRは機種が限定されていない。
「影」VRは専属パイロット用にピーキーなチューニングが施されており、V-コンバーターも良質なV-クリスタルをふんだんに使ったカスタム・メイドのものである。そのため「影」VRはベース機体と別物と言っていいほどのパフォーマンスを発揮し、専属パイロットが搭乗して完全にその実力を発揮している状態を特に区別して「影騎士」と呼ぶことさえある。
サンド・サイズ戦役で確認された「四之影」は専属パイロットが搭乗せず、M.S.B.S.ver.3による遠隔制御であり本来よりはるかに低いパフォーマンスしか得られていなかったのだが、それでも第2世代型アファームド8機を瞬殺した。
「情報不足で実態が不明な組織」「同時代の物と比べ異次元レベルの戦闘能力のVR部隊を保持」「企業紛争関連の事象を目的としていない」等のちの時代の白檀艦隊との共通点がいくつか挙げられるが関連性は不明。
白檀艦隊が討伐対象としていたシャドウと同名であり、外見上の特徴も似通っているが前述の通り完全に人の制御下にあるので同一のものではない。が、無関係であるという証拠もない。
掲示板
4 ななしのよっしん
2016/03/02(水) 23:11:47 ID: 5EdqP0GXNo
なぜ作ったし・・・
作成乙です。Rebootの方は4巻目(4年め)なれど、未だホビージャパンの連載2回目の内容に到達していないけど末永く見守るべし。
5 ななしのよっしん
2018/02/19(月) 15:39:29 ID: XAGzj0gpH/
ひょっとして、禁書VOの特典に収録されてるのって全文だったりする?
6 ななしのよっしん
2019/10/14(月) 13:21:25 ID: rkJfDSLr0r
>>6
PS4持ってないのにone-man rescueだけを目当てに買った俺が今さらながらお答えする
全部は載ってない(改稿された既刊vol.4まで収録)
なのでDiscipline 55を買っただけでは結末までは読めない
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/06(土) 19:00
最終更新:2025/12/06(土) 18:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。