ボッケリーニ(Boccherini) とは、2016年4月4日生まれの日本の競走馬である。栗毛の牡馬。
しっかりGⅡ以下での実績を積み上げながらも2着になりがちで、その負けた相手が強いことも多かったことから「門番」とも呼ばれた。
主な勝ち鞍
2020年:中日新聞杯(GⅢ)
2022年:目黒記念(GⅡ)
2023年:鳴尾記念(GⅢ)
父キングカメハメハ、母ポップコーンジャズ、母父ダンスインザダークという血統。
父キングカメハメハは現役時代にもNHKマイルカップと東京優駿の「変則二冠」を達成しているが、リーディングサイアーに2度なったことがあるなど種牡馬としての実績が顕著であった。
母ポップコーンジャズは中央1勝。産駒でボッケリーニの全兄にあたるラブリーデイはGIを2勝しているので母についてはラブリーデイの記事も参照。
母父ダンスインザダークは菊花賞馬であり、種牡馬としても産駒のGI馬4頭中3頭が菊花賞馬であるなどステイヤーを多く輩出した。
生産はノーザンファームで、父、母、全兄ラブリーデイを所有していた金子真人ホールディングスの所有となった。
馬名の意味は「人名より」であり、作曲家ルイジ・ボッケリーニから採られたものと思われる。因みに香港名は皇庭譜曲らしい。
栗東の池江泰寿厩舎に入厩し、池江師に「茶色いラブリーデイ[1]」という評価をされたり、同厩舎でデビュー直前のシルヴァーソニックと3頭併せをしたり、新馬戦に駆け込む馬が多数出る時期であることから抽選で除外となったりしつつ、2月に芝1600mの3歳新馬でデビュー。戸崎圭太鞍上で単勝1.9倍の1番人気に支持されたがもたつく感じであったとのことで6着[2]。
レース中の骨折が判明していたようだが、未勝利戦の期限に間に合うように早めに調整した甲斐あって次走は7月の芝1800mの3歳未勝利。川田将雅を鞍上に2番人気に支持されると、先行して上がり最速で2馬身差付けて勝利。
続いて9月の芝1600mの3歳以上1勝クラスに出走すると単勝3.0倍の1番人気に支持されたが、結果は僅差の3着。なお、このレースには全兄のパンコミードも出走していて単勝3.1倍の2番人気に支持されていたが、こちらは7着であった。
11月の芝1800mの3歳以上1勝クラスでは単勝2.4倍の1番人気に支持されると、これに応えてアタマ差で勝利。
4歳初戦は2月の2勝クラスで芝1600mの花見小路特別。単勝3.0倍の1番人気に支持されると、返し馬では気性の難しさを感じさせたが、レースでは中団からの競馬で1馬身以上付けて勝利。因みに川田騎手はこのレースで史上21人目となるJRA通算1400勝を達成した。
3月には藤岡康太を鞍上に、3勝クラスで芝1600mのトリトンステークスへと5番人気で出走したが、不良馬場で脚を使ったものの4着。
4月は3勝クラスで芝1800mの難波ステークスに出走。再び川田を鞍上に2番人気に支持されて先行したが、同じく先行したセラピアからは1馬身以上離れた2着。
6月には3勝クラスで芝1600mのストークステークスに出走。松山弘平鞍上で単勝2.3倍の1番人気に支持されたがスタートで遅れて後方からの競馬となり、上がり最速は出したが4着[3]。
同月には更に3勝クラスで芝1800mの江の島ステークスに出走。戸崎鞍上で2番人気に支持されると、スタートも良く、先行して逃げたロザムールを捉え半馬身差で勝利。
続いて8月には藤井勘一郎鞍上で芝1800mの小倉日経オープン(OP)に出走。4番人気に支持されたレースでは4コーナー辺りでの反応が鈍く、3番人気サラキア[4]に捲られたが、直線は盛り返しサラキアから1馬身半差の2着。
11月は芝1800mのカシオペアステークス(L)に出走。 松山鞍上で単勝3.6倍の1番人気に支持されたレースでは、内から上がり最速で脚を伸ばしたもののランブリングアレー[5]に半馬身差の2着。
12月には中日新聞杯(GⅢ)に出走。単勝4.3倍の2番人気に支持されると、中団でレースを進めて直線で上がり最速を出して狭いところを通り、一旦は先頭に立った9番人気の最強の1勝牝馬シゲルピンクダイヤを捕らえてクビ差で重賞初挑戦で初制覇。因みに5歳1月で重賞初制覇のラブリーデイより少し早い勝利であった。
5歳初戦は浜中俊鞍上で2月の小倉大賞典(GⅢ)。単勝2.8倍の1番人気に支持され直線で外から上り最速で脚を伸ばしたが、11番人気の伏兵馬テリトーリアルにハナ差で敗れて2着。
5月には吉田隼人鞍上で新潟大賞典(GⅢ)に臨みトップハンデの1頭ながら2番人気に支持されたが、折り合いはついていたものの5番手からの5着。
7月には浜中鞍上で中京記念(GⅢ)に出走。トップハンデで2番人気に支持されたが、スタートは良かったもののコーナーに問題があり6着。デビュー戦以来の掲示板外となった。
新潟記念は回避し11月に行われる芝2000mのアンドロメダステークス(L)に出走。トップハンデで単勝4.2倍の1番人気に支持され、馬群をこじ開けて伸びたもののハナ差でラーゴムに敗れて2着。
12月には再び中日新聞杯(GⅢ)に出走。57.5kgのトップハンデで2番人気に支持されたレースでは、着順が8番人気ショウナンバルディ、17番人気アフリカンゴールド、10番人気シゲルピンクダイヤという波乱となる中でペースの遅さが不向きだったということで4着。
6歳初戦は横山武史鞍上で1月のアメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)に出走。4番人気に支持されると、4コーナーで外を通って前が壁にならないように荒れた馬場の内を突いたがキングオブコージ、マイネルファンロンに次ぐ3着。
3月には浜中鞍上で日経賞(GⅡ)に出走。逃げる菊花賞馬タイトルホルダーに対し、先行して内から上がり最速で迫ったがクビ差の2着。
5月の目黒記念(GⅡ)では57.5kgのトップハンデで2番人気に支持されると、好位のインでレースを進めてゴール手前で抜け出し、6番人気マイネルウィルトス4分の3馬身差付けて久しぶりの勝利。
休み明けの10月は京都大賞典(GⅡ)に出走。単勝3.2倍の1番人気に支持されたが、2番人気ヴェラアズールに差し切られて2馬身半差の2着。
11月はジャパンカップ(GI)に9番人気で出走したが、外枠や硬い馬場の影響もあり、好位での競馬も結果はヴェラアズールが勝利する中でブービー17着に終わった。
12月は香港ヴァーズなどにも登録はしていたものの大目標としていた有馬記念(GI)に出走。14番人気で理想としていた好位には付けたが結果は11着。
7歳初戦はシドニーカップにも予備登録はしていたがやはり再び3月の日経賞(GⅡ)。5番人気となり、タイトルホルダーには8馬身差で圧勝されたものの不良馬場の中で2着は確保した。
続いて目黒記念連覇を目指したが59.5kgという斤量から回避し、6月の別定戦である鳴尾記念(GⅢ)に出走。単勝11.2倍の5番人気で迎えたレースでは、スタートも良く、最後は逃げたフェーングロッテンに競り勝ち8着までクビ差が続く大激戦を制した。因みにこれで池江厩舎にとって鳴尾記念の勝利は全兄ラブリーデイ含めて7勝目となった。
同月の宝塚記念(GI)は6番人気となり、理想より後ろのポジションからの競馬で7着。
続いて10月には京都大賞典(GⅡ)に3番人気で出走。直線で一度は先に出たもののソラを使うところがありプラダリアとクビ差の2着。なお、浜中騎手は直線外斜行で過怠金1万円となった。
香港ヴァーズも検討されたが、次走は12月のチャレンジカップ(GⅢ)。ジョアン・モレイラを鞍上に2番人気で迎えたレースでは、上がり最速で内を突いたが後に大阪杯を連覇するベラジオオペラに1cm差ともされるハナ差で敗れて2着。
8歳初戦は1月のアメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)に浜中鞍上で出走。2番人気に支持されたが、先頭に立つとブレーキをかける「いい意味でも悪い意味でもこの馬らしい走り」もあり、同じく金子真人ホールディングスの所有馬であるチャックネイトに敗れて2着。
大阪杯も検討されたが結局3度目となる3月の日経賞(GⅡ)に出走。タイトルホルダーの引退もあり、単勝2.3倍の1番人気に支持されたが、好位から一旦は先頭に立ったものの5着に終わった。
再び6月の鳴尾記念(GⅢ)。ジョアン・モレイラを鞍上に2番人気に支持されたが、同じく金子真人ホールディングスの所有馬で1番人気のヨーホーレイクにアタマ差で敗れて2着。8度目の重賞2着であり、1984年以降ではニッポーテイオー、エアシェイディ、アップトゥデイトと並ぶ最多記録となった。
宝塚記念も登録していたが出走せず。8月の札幌記念(GⅡ)に浜中鞍上で出走予定であり、鞍上も「おじさんで体調の波が少ない」と期待していたものの馬場入場後に右後肢跛行で競走除外となった。
以降はチャレンジカップも検討されたようだが出走せず8歳を終えた。
9歳初戦は金鯱賞も検討されたが中山記念(GⅡ)に出走。7番人気で先行したがスピード馬場の中で13着に終わった。
続いて戸崎鞍上で日経賞に出走予定であったが出走せず。5月30日にはJRAの競走馬登録が抹消された。
32戦7勝 [7-12-2-11]。重賞3勝ながらも4.5億以上の賞金を稼いだ。
引退と同時にイーストスタッドで種牡馬入りする予定であることが発表された。
| キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
| Gold Digger | |||
| Miesque | Nureyev | ||
| Pasadoble | |||
| *マンファス 1991 黒鹿毛 |
*ラストタイクーン | *トライマイベスト | |
| Mill Princess | |||
| Pilot Bird | Blakeney | ||
| The Dancer | |||
| ポップコーンジャズ 2000 鹿毛 FNo.19 |
ダンスインザダーク 1993 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
| Wishing Well | |||
| *ダンシングキイ | Nijinsky II | ||
| Key Partner | |||
| グレイスルーマー 1994 栗毛 |
*トニービン | *カンパラ | |
| Severn Bridge | |||
| ディスクジョッキー | *リアルシャダイ | ||
| シャダイチャッター | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
クロス:Northern Dancer 5×5×5(9.38%)
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最終更新:2025/12/29(月) 19:00
最終更新:2025/12/29(月) 19:00
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