マイネルレオーネ(Meiner Leone)とは、2012年生まれの日本の現役競走馬である。黒鹿毛の牡馬。
色んな意味で危険すぎる血統と非常に小柄な馬体で知られる障害馬。障害オープンの最軽量勝利記録と、中山競馬場大障害コースの日本馬最軽量出走記録を持っている。
父ステイゴールド、母ウェンブリー、母父サッカーボーイという血統。
はい、「これはまた気性がヤバそうな血統だなおい」ぐらいのことは競馬ファンであれば誰でも思うだろうが、ステイゴールドの両親についての知識がある人であれば、この基本情報だけで彼の血統のヤバさを嗅ぎつけたかもしれない。
というわけで、まずこの血統表を見ていただこう。
ステイゴールド 1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ゴールデンサッシュ 1988 栗毛 |
*ディクタス | Sanctus | |
Dronic | |||
ダイナサッシュ | *ノーザンテースト | ||
*ロイヤルサッシュ | |||
ウェンブリー 2004 栗毛 FNo.1-c |
サッカーボーイ 1987 栃栗毛 |
*ディクタス | Sanctus |
Dronic | |||
ダイナサッシュ | *ノーザンテースト | ||
*ロイヤルサッシュ | |||
クラウンアスリート 2000 栗毛 |
*アフリート | Mr. Prospector | |
Polite Lady | |||
*クラウンフォレスト | Chief's Crown | ||
*プレイメイト |
クロス:ゴールデンサッシュ,サッカーボーイ 2×2(50%)
おわかりいただけただろうか。
父母ゴールデンサッシュと母父サッカーボーイの全兄妹クロス、血量50%という危険な配合で生まれたのが彼である。人間でいえばいとこ婚にあたるため何となく問題なさそうにも思えるが、両親が50%同血というのは競走馬の配合としてはかなりヤバい。濃すぎるインブリードは体質の弱さ、生殖能力の問題、そして気性の荒さなどといった問題のある仔が産まれがちなのである。
しかもその全兄妹クロスで掛け合わされたのが、あの超絶気性難で知られたサッカーボーイ。
その妹にして超気性難のゴールデンサッシュが産んだ父ステイゴールドもこれまた極めつきの気性難。
そしてステイゴールド産駒には、ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴル、ゴールドシップといったいずれ劣らぬ超気性難の名馬が名を連ねる。
というわけで、父ステイゴールド、母父サッカーボーイの全兄妹クロス2×2という気性難の馬が産まれないはずがない危険すぎる配合で産まれたマイネルレオーネは――。
気性には特に問題がないそうである。某アフゴのようにゴールドを失ったわけでもないのに。マジで?
ただし、濃いインブリードはどうやら彼の馬格に影響を及ぼしたようで、デビュー時の馬体重は392kg。その後もずっと400kg前後をうろうろしており、最高でも414kgしかない。さすがにメロディーレーンほどの極端な小ささではないが、それでも競走馬、特に障害競走を走る馬としては記録的に小柄な部類に入る。
チビで知られた同父のドリームジャーニーですら一番軽かったときで410kg、一番重かったときで442kgあったのだから、マイネルレオーネの小柄さがよくわかる。
この小さな身体で60kg以上を背負って大きな障害をがんばって飛越する姿に、障害競走ファンからは「障害界のメロディーレーン」と呼ばれているとかいないとか……。
マイネルレオーネは2012年2月15日に新ひだか町・真歌田中牧場で生まれた。
2013年の北海道サマーセールに上場され、一口馬主クラブのサラブレッドクラブ・ラフィアンに1050万円で落札され、1口36万円×50口(=1800万円)で募集された。
馬名のレオーネ(Leone)はイタリア語でライオン。ラフィアン公式ページによると、「母名よりサッカーイングランド代表の「スリーライオンズ」を連想」とのこと。母ウェンブリーの馬名は、サッカーイングランド代表の本距離ウェンブリー・スタジアムに由来する。
栗東・清水久詞厩舎に入厩し2014年11月9日に京都芝2000mの新馬戦でデビュー。8番人気9着。
次の未勝利戦は14着に撃沈。5ヶ月休んで3歳となり、4月から未勝利戦に復帰して9着→3着→3着ときて6月、6戦目の未勝利戦を勝ち抜ける。続く7月の500万下では2着に入るが、以降は苦戦し勝ち上がったのはおよそ1年後の4歳5月。しかしすぐに降級となったのでその後も500万下に据え置きとなった。
一度は勝ち抜けた500万下なのですぐ突破したいところだったが、その後はまた勝ちきれないレースが続き、9ヶ月かかって5歳2月の500万下をようやく勝ち上がる。
1000万下では4着→5着→8着→4着ときて、6歳となった2018年1月に5戦目の睦月賞で勝ち上がる。ちなみにこのときの彼の馬体重は398kg。彼の次に400kg未満で特別競走を勝ったのが2021年1月の海の中特別を勝ったメロディーレーンである。
1600万下では4着→7着→9着→5着→9着とさすがに頭打ちの感が出てきて、6歳夏から障害競走に転向することとなった。
ちなみに清水久詞厩舎の同期にキタサンブラックがおり、併せ馬をしていたことがある。
2018年7月7日福島競馬場の障害未勝利戦で障害デビュー。4番人気7着。
9か月後の2019年4月に入障7戦目で勝ち上がる。
オープン戦では2着4回3着1回と好走するものの勝ちきれないレースが多かったが、8歳となった2020年4月に福島でオープンクラスでの初勝利を挙げる。このときの馬体重は408kgで、障害オープンの最軽量勝利記録をマーク。
ここから重賞レースに挑戦し、京都ハイジャンプ4番人気4着、小倉サマージャンプ4番人気4着、阪神ジャンプステークス6番人気6着と人気通りの着順。
年が明けて2021年、9歳初戦の平場オープンで1着(このときも408kgで最軽量タイ)、特別レースの春麗ジャンプSで2着。
2021年3月19日、ラフィアンの創設者・岡田繁幸死去。
翌3月20日のペガサスジャンプSには岡田の個人所有馬であるトラストが出走、9か月ぶりの出走ながら障害レースでは重賞以外では無敗の実績が評価され2番人気に支持されていた。
そのトラストはレースで逃げを打ち、最終障害も先頭で通過。そのままゴールを駆け抜けようかというところに赤と緑の勝負服が強襲!
4番人気のマイネルレオーネが差し切り勝ち。2着にトラストと岡田所縁の2頭のワンツーとなった。
そしてこのときの馬体重は406kg。自身の障害オープン勝ち最軽量記録を更新した。
続いて京都ハイジャンプを目標に、いざ重賞獲りへ再挑戦!というところで軽度の屈腱炎を発症、このあと1年近く休むことになった。
10歳となった2022年、2月の春麗ジャンプSで復帰し4着。
そしてJ-GⅠ中山グランドジャンプにいよいよ初挑戦。9頭立ての5番人気、さすがに大竹柵障害には苦労していたようだが、後方から徐々に押し上げていき、直線ですごい末脚で猛然と追い込んで3着。勝ったオジュウチョウサンとは0.3秒差で、その末脚は10歳馬のものとは思えない力強いものだった。
そもそも11歳で勝ったオジュウチョウサンのせいで感覚が麻痺しているが、10歳馬が中山GJ3着というのも充分にすさまじい。父ステイゴールドの血か、さらに母父サッカーボーイで補強されているのか。
そしてこのときのマイネルレオーネは408kg。1986年以降では国内調教の大障害コース出走馬の最軽量記録だそうである(海外馬では2004年中山GJに出走したフランスのネリエットの366kgという記録がある)。それで63kgを背負ってあの末脚なのだから、ステゴ一族の血おそるべし。
秋は10月16日のJ-GⅡ東京ハイジャンプにて、初コンビの小牧加矢太を迎えて復帰。しかし沈んだオジュウチョウサン(9着)と一緒に特に見せ場なく12頭立ての10着。
そしてオジュウチョウサンの引退レースとなったJ-GⅠ中山大障害。馬体重はまた中山GJと同じ408kg。鞍上には今年限りで引退の植野貴也を迎えた。道中大きな差のつかない固まった展開を後ろの方で進めると、レース終盤に抜け出したニシノデイジーを2番手集団の内で追走。最後の直線は最内を突いて追い込み、中山GJに続いて3着に突っ込んだ。
10歳にしてJ-GⅠ2戦とも馬券に絡む活躍を見せたマイネルレオーネ。絶対王者オジュウが去り、同期のタガノエスプレッソも引退してしまったが、小さな獅子は初重賞、そしてJ-GⅠの頂きを目指してまだまだ進む。
前述の通り、母ウェンブリーの馬名意味は「イングランドサッカーの聖地と呼ばれるスタジアム名」。父サッカーボーイらしい命名である。
その弟ヘディングマキ「サッカーにおけるプレーの一つで頭を使ってボールを扱う+人名」。父*シンボリクリスエス。サッカーボーイではない。
その弟ハンソデバンド(2010年共同通信杯優勝)「真冬でも半袖ユニホームを着用するサッカー選手名」。父マンハッタンカフェ。サッカーボーイではない。
その弟ロングスローイン「元サッカー日本代表小城選手の得意技」。父ジャングルポケット。サッカーボーイでは(ry
その弟チモシュート「血も涙もないような厳しいシュート練習より」。父*アルカセット。サッカーボーイで(ry
ウェンブリーを含めたこれらのサッカー馬名のオーナーはオフサイドトラップの渡邊隆。
「クロスの宝庫」*エルコンドルパサーの馬主として知られる人物であり、繁殖牝馬としてのウェンブリーのオーナーも彼である。マイネルレオーネの配合も、きついクロスで成功した*エルコンドルパサーの再現を狙ったようにも見える。
3代母*クラウンフォレストの仔ニューイングランドはテイエムハリアー(2013年京都ハイジャンプ優勝)
やネコパンチ(2012年日経賞優勝)らの父。
4代母は*プレイメイト。Woodmanの母であり近親に*アサティス、*リズムなど。
急上昇ワード改
最終更新:2024/04/28(日) 11:00
最終更新:2024/04/28(日) 11:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。