クリッターとは、漫画「遊☆戯☆王」及びその派生作品に登場するカードである。遊戯王OCGにも登場し、便利な効果で多くの決闘者たちに重用され、禁止カードに指定されたことまであった。
概要
原作で登場したのは、DEATH-T編の遊戯VS海馬戦。遊戯が壁モンスターとして守備表示で召喚したが、「闇・エネルギー」(原作版)で攻撃力が3倍になった「闇・道化師のサギー」の前になすすべもなく破壊された。このときは後述のOCG効果なども持ち合わせていない、特に効果の無いモンスターであった。
アニメでは後述のOCG仕様になって出番が増えている(しかし、ルール整備がしっかりしていなかったためか、ドローする効果になっているなど、効果が統一されていない)。
レベッカ・ホプキンスVS遊戯戦ではレベッカが使用している。
攻撃表示で召喚され、すぐに「エルフの剣士」に戦闘破壊されたが、サーチ効果を発動した(何をサーチしたかは不明)。彼女の戦術は「キャノン・ソルジャー」で射出ダメージを与えつつ、生け贄に捧げた(リリースした)このカードや「黒き森のウィッチ」の効果で後続をサーチしていくというものだろう。
生け贄(やシンクロ素材)にしつつサーチするという戦術は、OCGでもよく行われるものである。
バトルシティ編、バクラVS遊戯戦ではバクラが使用。
召喚直後に「ダーク・サンクチュアリ」の維持コストとして生け贄に捧げられて効果を発動、OCGとは異なり、カードを1枚ドローした。
遊戯VS乃亜戦では遊戯が使用している。
「サイバーポッド」の効果で特殊召喚され、直後に「ブラック・マジシャン」の生け贄召喚(アドバンス召喚)のために生け贄となり効果発動、デッキから「ビッグ・シールド・ガードナー」を手札に加えた。
ドーマ編の、表遊戯(の幻)VS闇遊戯戦では、互いの手札に存在した。
表遊戯がフィールドに裏側守備表示でセットし、闇遊戯の「磁石の戦士α」に戦闘破壊されたことで効果発動、効果で「磁石の戦士α」を手札に加えた。また、このときデッキをシャッフルすることで、闇遊戯と同じであったデッキの並び順を入れ替えた。闇遊戯側のこのカードは直後の「手札抹殺」で墓地へ送られたと思われる。
このとき、台詞上ではミスで「守備力1500以下のモンスターを手札に加える」と発言している(手札に加えた「磁石の戦士α」は攻撃力1400なので本来のルールとは矛盾しないが、守備力が1700なので台詞と矛盾してしまう)。
OCG版
「Vol.6」(1999年11月18日発売)でOCGに登場。
2度のエラッタで効果が変わったカードだが、現行のテキストは以下の通り。
効果モンスター
星3/闇属性/悪魔族/ATK 1000/DEF 600
「クリッター」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
このターン、自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの発動ができない。
墓地へ送られたときにモンスターをデッキから手札に加えられる(サーチできる)効果を持つ。
どのような手段でも墓地へさえ送られれば良く、対象となるモンスターの範囲も広いため、多くのデッキで採用可能。このカードに対して相手の除去カードを使用させることができれば無駄打ちに近く、こちらが得をする。
ステータスも扱いやすく、「リミット・リバース」や「魔界発現世行きデスガイド」など数多くのサポートカードに対応し、デッキや墓地など、さまざまな場所からの特殊召喚が可能。また、シンクロ素材になった場合なども効果は発動するため、このカードを素材にしつつさらに後続をサーチできる。
ただし、エクシーズ素材にした場合は、エクシーズ素材が特殊な扱いを受けるため、効果が発動しない事になっている(海外では一時期発動するとされていたことがあった)。
しかし、サーチしたカード及び同名カードの効果の発動を封じるため、せっかくサーチした効果モンスターやペンデュラムモンスターをその場では使えないのが大きな欠点。次のターンに備えるのが主な使い方となる。
ただし、発動しない効果やテキストならば問題なく使用可能だし、召喚や攻撃への制限はかかっていないので、サーチするモンスター次第ではこの制約を気にせずに使うこともできる。
天敵はサーチ効果を無効にしてしまう「ライオウ」など。また、サーチ効果全般に言えるが、「マインドクラッシュ」などに狙われる可能性はある。
エラッタで制約がかけられてしまったこともあり、全盛期(いつか分かりにくいが)ほど重要なカードとも言えなくなった。近年の主要なカテゴリでは専用のサーチカードが充実していることも珍しくなく、制約のないそれらのほうが扱いやすいことも多い。とはいえ、そのようなサーチカードを持たないカテゴリや、カテゴリでくくれないモンスターをサーチする場合など、十分に使い道はある。
テキストにある「発動ができない」というのは、モンスター効果の発動とペンデュラムモンスターのペンデュラムゾーンへの発動の両方を指す。
初期から存在する人気カードだけあって、再録の機会にも恵まれている。
ストラクチャーデッキでは城之内編、海馬編、ペガサス・J・クロフォード編、遊戯編Volume.2、デビルズ・ゲートと、5回再録されているほか、「GOLD SERIES」や、近年では「デュエリストボックス2012」、「スターターデッキ2012」、「デュエリストセット Ver.ダークリターナー」にも再録されている。2013年の禁止指定以後はしばらく再録がなかったが、エラッタによる復帰に合わせて、『パーフェクトルールブック2016』の付録として再録された。
旧テキストのものもかなり出回っている(2013年の禁止指定以前からのデュエリストは大体持っているだろう)が、すべて現行テキストのものとして扱うので注意が必要。
守備力1500以下を対象とする「黒き森のウィッチ」とは対になる存在なのだが、こちらはエラッタによって制約がかけられたため、完全な対ではなくなった。
このカードと「黒き森のウィッチ」が両方禁止指定を受けていた時期(2004年9月1日~2005年2月28日、2013年3月1日~2016年3月31日)は、「クリッチー」が正規の融合召喚では出せないでいた。(「幻想召喚師」のリバース効果を使用すれば一応召喚可能。)
このカードの制限復帰で、融合素材代用モンスターを使えば融合できるようになったが、現在も「黒き森のウィッチ」は禁止指定を受けたままであるため、正規素材のみでの融合は未だにできない。
海外名は「Sangan」。イラストの印象そのままなネーミング。
クリッターの歴史
登場~1度目のエラッタ以前
初登場時は以下のようなテキストであった(種族や攻守などは省略)。
このカードが墓地におかれた時、自分のデッキから
※「Vol.6」収録のカードによる
攻撃力1500以下のモンスターを1枚手札に加え、デッキを切り直す。
現在とはかなり表現が違うが、一番の違いは効果発動の条件が「『フィールド上から』墓地へ送られた時」ではないことである。そのため、手札から墓地へ送られた場合でも効果が発動できた。これはつまり、「天使の施し」でドローした後、このカードを墓地へ送ることで、さらなる手札増強が図れてしまうということである。
当然これを利用しない手はなく、初期の遊戯王OCGでは、同様の使用法ができた「黒き森のウィッチ」とこのカードをデッキに3枚ずつ、さらにエクゾディアパーツ一式を投入し、「天使の施し」(当然、当時は3枚投入可能であった)でドローしつつこのカードや「黒き森のウィッチ」を墓地へ送り、デッキからエクゾディアパーツを確実に手札に加えると言う戦術が流行した。
この戦法では実質手札の「クリッター」や「黒き森のウィッチ」がオールマイティなエクゾディアパーツになるに等しいため、先攻さえ取れば簡単に勝利可能というひどい有様であった。
さすがに運営側もこれを放っておくわけはなく、フィールド上から墓地へ送られなければ効果は発動不可である、とルールを変更することで、このエクゾディアデッキを封じた。後の再録時に、テキストでも「フィールド上から」の言葉が追加されている。
1度目のエラッタ以後~制限カードへ
1度目のエラッタ後のテキストは以下のようなものであった(正確にはこれはさらに後年のものだが、ルール上の処理は同一である)。
効果モンスター
※「デュエリストセット Ver.ダークリターナー」収録のカード(DS13-JPD22)による
星3/闇属性/悪魔族/ATK 1000/DEF 600
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
見ての通り、「フィールド上から」という条件が追加されている。現行テキストと異なるのは、1ターンに何度でも使える点と、サーチしたモンスターの効果発動に制約がない点。
凶悪エクゾディアデッキが消滅したとはいえ、汎用性の高い効果であることには変わりなく、また、攻撃力が低い代わりに強力な効果を持つモンスターが増えるにつれ、このカードの重要性も増していった。
エクゾディアデッキにおいても、通常モンスターでないがゆえに手札に呼び込みにくい「封印されしエクゾディア」を手札に加えられ、相性がよかった(当然、他のエクゾディアパーツに対応している点も高評価)。
また、「死のデッキ破壊ウイルス」の生け贄としても、サーチ効果の存在から人気であった。
汎用性の高さに加え、エクゾディアデッキとの相性の良さも懸念されてか、2001年1月15日の制限改訂で「黒き森のウィッチ」と共に準制限カードに指定された。「クリッター」の長い規制生活はこのときからはじまっている。
その後、2003年1月1日の制限改訂で制限カードとなった。
カオス襲来~禁止指定
2003年、遊戯王OCGの勢力図を大きく塗り替えたカオスモンスターが登場。元々汎用性が高かったうえにカオスモンスターの特殊召喚のコストにできたこのカードはますます重用されるようになっていった。
カオスがあちこちで暴れまわったため、それを抑制する意味もあり、2004年9月1日、とうとう「黒き森のウィッチ」と共に禁止カードに指定された(同改訂ではカオスの片割れ、「混沌帝龍 -終焉の使者-」が禁止カード指定を受けたが、もう片方の「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」や、当時は大人しかったものの「カオス・ソーサラー」も存在しており、まだカオスは消滅していなかった)。
制限復帰~シンクロ前夜まで
しかし、半年後の2005年3月1日に制限カードに復帰。「黒き森のウィッチ」は2004年の禁止以後、現在に至るまで一度も復帰していないが、このカードは制限カードに復帰し、8年後に再び禁止指定を受けるまでデュエルの世界で活躍し続けることとなる。
「黒き森のウィッチ」を差し置いてこのカードだけ復帰できた理由は定かではないが、サーチできるカードの制限が、こちらは攻撃力であることから、攻撃力の高い強力モンスターを呼び込めないためではないかと言われる。もっとも、攻撃力が低くとも効果が優秀なモンスターはたくさんいるため、このカードも便利には違いない。
当然このカードもカオスをはじめ多くのデッキに復帰したが、2004年9月の改訂を生き残った「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」は2005年9月1日の改訂で禁止カードとなってしまった。
カオスをはじめとする、前世代に登場したパワーカードの規制が進み、一方でガジェットモンスターの登場など、単純な攻撃力以上に効果に目を向けられる傾向が強まり(攻撃力が無視されたというわけではないが)、低攻撃力のモンスターにも優秀な効果さえあれば活躍の場が増えた。それに伴って、それらのサーチが可能なこのカードも当然使用されていった。
カオスの中では、「カオス・ソーサラー」が活躍を始めたが、2006年9月1日に「カオス・ソーサラー」が無制限からいきなり禁止指定を受け、カオスは2009年の「カオス・ソーサラー」の制限復帰まで完全消滅となる。
このカードにとっては追い風となる出来事も多かったが、一方で「ネクロフェイス」による除外デッキ破壊や「マクロコスモス」によってこのカードの効果の発動条件である「墓地へ送られた」を満たせなくなってしまうというような除外戦術や、「冥府の使者ゴーズ」、「E・HERO エアーマン」の流行などに伴う「ダスト・シュート」、「マインドクラッシュ」の採用率増加によって、効果でサーチしたカードが手札破壊(ハンデス)の被害に遭いやすくなったこと、効果を封殺できる「光と闇の竜」の登場など、向かい風の出来事も多かった。
2007年11月、「ダーク・アームド・ドラゴン」が登場。「自分の墓地の闇属性モンスターが3体」という比較的容易な条件で、コストもなしに召喚でき、種別を問わない破壊効果を持っていたために大活躍した。「クリッター」も闇属性であるため相性がよく、当然「ダーク・アームド・ドラゴン」のデッキには必須級カードとして迎えられた。
その他、ライトロードや剣闘獣といった環境で活躍する新しいカードが登場しつつも、遊戯王OCGは大きな変革期を迎えようとしていた。
シンクロ召喚登場-遊☆戯☆王ファイブディーズ-
2008年、アニメ「遊☆戯☆王ファイブディーズ」の放送開始に伴い、遊戯王OCGも正式名称を変えて再出発、新たなルールであるシンクロ召喚が登場した。シンクロ召喚は、チューナーとチューナー以外のモンスターでレベルを足し算するというもので、攻撃力が低くとも他のモンスターと掛け合わせることで強力なシンクロモンスターに変えられる。
この召喚方法は、攻撃力が高いモンスターをサーチできなかったこのカードにとっても相性は良く、チューナーをサーチすることで容易に高攻撃力モンスターにつなげるということになった(「ジャンク・シンクロン」、「BF-疾風のゲイル」など、このカードでサーチしたい優良チューナーは多い。一方で、手札に加えるより「おろかな埋葬」で直接墓地へ送ってしまった方が都合がよかったり、「緊急テレポート」でデッキから直接特殊召喚できるものもいたため、どのチューナーもこのカードに頼っていたわけではない)。
シンクロ召喚の登場で、攻撃をほぼエクストラデッキにまかせ、メインデッキにはほとんど低攻撃力のモンスターしかいないというデッキも現れ、このカードのサーチの重要性が増した。
チューナーのサーチに便利ということもあったが、それだけでなく、このカードをシンクロ素材として墓地へ送ることでもサーチ効果が発動できたという点も、このカードを扱ううえでは重要であった。
このカードを素材としてシンクロ召喚することで、シンクロ召喚によって失ったカードの損失を、サーチによる手札補充で取り返すことができ、このときにチューナーをサーチすれば、さらなるシンクロ召喚も可能にできた。
シンクロの流れの中、低レベル・低攻撃力モンスターの展開手段が増え、コストの用意が簡単になったこともあり、このカードもコストとして使われていた「死のデッキ破壊ウイルス」が禁止指定を受けている。
エクシーズ時代へ-遊☆戯☆王ゼアル-
2011年、アニメ「遊☆戯☆王ゼアル」開始に伴って遊戯王OCGも正式名称を変更、新ルールであるマスタールール2が適用され、エクシーズ召喚が登場した。エクシーズ召喚はレベルの同じモンスターを複数用意してそれを重ねると言う召喚方法である。レベルの低いモンスターでも強力モンスターにできるという点では似ているが、レベルの足し算で低レベルだけでも高レベルに到達できたシンクロ召喚と違い、低レベルのモンスターではいくら並べても高ランクにはたどり着けない。
このエクシーズ召喚自体は、このカードとの相性があまり良くなかった。エクシーズ召喚はモンスターを重ね、エクシーズ素材とするのだが、このとき素材となるモンスターは墓地へ送られず、呼び出されるエクシーズモンスターの下に重ねられる。また、重ねられた素材はカードとして扱わないという特殊なルールが存在するため、素材となったこのカードを墓地へ送っても効果は発動できない。
エクシーズ召喚の登場直後は、まだエクシーズモンスターが控えめであったことや、前世代のシンクロモンスターが依然勢力を保っていたことから、まだまだシンクロモンスターの時代が続いた。
その後、強力なチューナーやシンクロモンスターに規制が入ったことや、エクシーズモンスターにも強力なものが増えたことから、本格的にエクシーズモンスターが活躍を始める。このカードは、エクシーズ召喚と相性がいい「レスキューラビット」などをサーチ可能であるため、エクシーズ時代にもやはり重用された。
6月、「ストラクチャーデッキ -デビルズ・ゲート-」の登場により、暗黒界が強化される。このカードは悪魔族であるため、悪魔族をコストに要求する「暗黒界の門」との相性も良かった。
9月、「カオス・ソルジャー -開闢の使者-」が制限復帰を果たす。しかし、大きく様変わりした新しい環境においては、強力なカードには違いないものの、かつての栄華を取り戻すには至っていない。
海外新規カード「Tour Guide From the Underworld」
2011年5月、欧米では、日本に先んじて収録される海外新規カードとして「Tour Guide From the Underworld」というカードが登場。召喚に成功したとき、手札かデッキからレベル3・悪魔族のモンスターを特殊召喚できるという効果を持っていた。「クリッター」もこれで特殊召喚可能である。しかし、シンクロ素材不可のデメリットがあったため、シンクロ素材にしてすぐにサーチという使い方はできなかった。
日本に少し遅れて7月、英語版にもエクシーズ召喚が登場。
しかし、このときの英語版におけるエクシーズ素材の扱いが、日本語版と異なり、「フィールド上のカードとして扱う」とされた。この違いによって、英語版ではエクシーズ素材となったこのカードが取り除かれて墓地へ送られたとき、サーチ効果を発動することが可能となった。
そのため、「Tour Guide From the Underworld」でこのカードを特殊召喚し、2体で即座にランク3のモンスターをエクシーズ召喚、素材となったこのカードを取り除くことでこのカードのサーチ効果を発動させるというコンボが生み出された。このときサーチするのは2体目の「Tour Guide From the Underworld」であったり、「レスキューラビット」であったりした。
このコンボも含め日本語版とのカードやルールの細かい違いなどから、海外においては日本とは大きく異なるデッキが流行するという、変わった状態にもなっている。
後に、エクシーズ素材の扱いに関するルールが日本語版と同じものに変更され、このコンボは消滅した。
「Tour Guide From the Underworld」の来日~そして再び禁止へ
来日前の規制など、色々と決闘者を騒がせた「Tour Guide From the Underworld」が、2012年10月、「魔界発現世行きデスガイド」という日本名で日本語版に登場した。
エクシーズ召喚しつつサーチ効果を発動させるコンボは不可能とは言え、一度呼び出しておけば蘇生カードで使いまわせるということや、このカードと「魔界発現世行きデスガイド」の間に相互のサーチ・リクルート関係があることもあり、相性がよく、「魔界発現世行きデスガイド」自体の強さも手伝って、このカードの採用率がさらに上がっていった。
登場から13年以上の間、カオスの影響による禁止も乗り越えて決闘者たちを支え続けてきた「クリッター」ではあったが、「魔界発現世行きデスガイド」の登場によってとうとう限界と判断されたか、2013年3月1日、ついに2度目の禁止指定を受けることとなった。さまざまなデッキに採用されていたことから影響を受けるデッキは多く、このカードのために構築を大きく見直さなければならないデッキも存在する。
このカードの禁止指定が発表されたVジャンプでは、新登場のカードとして「クレーンクレーン」というカードが発表された。召喚に成功した時に墓地からレベル3モンスターを特殊召喚できる効果を持ち、当然ながらこのカードとの相性は抜群。「クレーンクレーン」の登場が「クリッター」にとどめを刺したのか、はたまた、「クリッター」の禁止によって、「クレーンクレーン」のようなカードを気兼ねなく出せるようになったのか、あるいは全くの偶然か、それは定かではない。
このカードの禁止期間中に、アニメ「遊☆戯☆王アーク・ファイブ」の放送開始に伴ってペンデュラム召喚が登場。
2度目のエラッタと制限復帰
もともと人気の高いカードだけに、禁止指定以後も後述のように別のカードのイラストに登場するなど、何らかの形では取り上げられていた。その後、2016年4月1日に、現行のテキストにエラッタされる形で制限復帰。1ターンの発動回数に制限がかけられたことで、サーチ・サルベージによる使いまわしがしづらくなり、サーチしたカードに対する制限もかかったものの、サーチ対象や発動条件はそのままとなった。
このカードの制限復帰と同時期に「魔界発現世行きデスガイド」は制限カードに指定されている(このカードの復帰以前に、相性の良い【彼岸】デッキが活躍していたことによる)。一方で、前述の「クレーンクレーン」などのサポートカードも増えている。
復帰後もかつてほどの影響はなく、同年7月1日には準制限カードに緩和され、同年10月1日に無制限となった。
禁止後の転落人生
2度目の禁止カード指定を受けた後、その境遇を皮肉るかのごとくクリッターをイラストに描いたカードが続々登場する。そのイラストでは禁止カードたちが行きつく冥界に送られてしまった彼の不幸な人生が物語られている。
これらの効果は「クリッター」を効果の範囲外にしたり、サーチ効果へのメタであったりしている。
以下に挙げられたカード以外にも、「魔界発現世行きバス」、「クリッチー」、「レベル・リチューナー」のイラストに描かれている。
手違い
笑顔でバスに乗り込もうとするクリッター。しかしそのバスは彼が乗る予定だった「魔界発現世行きバス」ではなく、「魔界発冥界行きバス」であった。
これが彼に降りかかる不幸の始まりだった。
魔界発冥界行きバス
- 種別:リバース効果モンスター(レベル3/闇属性/悪魔族/ATK 600/DEF 1000)
- 効果:このカードがリバースした場合に発動する。デッキから光・闇属性以外の悪魔族モンスター1体を手札に加える。
禁止カードになったモンスターたちと共にバスに乗っているクリッター。乗るバスを間違えたことに気づいたが時既に遅し。バスはそのまま冥界に向かってノンストップである。
相乗り
冥界に辿り着いてしまったクリッターだが、たまたま現世に向かおうとしていた「いたずら好きな双子悪魔」の兄と「天使の施し」の天使が乗る車にヒッチハイクさせてもらうことになった。
これで現世に帰れる、と思いきやこれが更なる不幸へと繋がるのであった。
捕違い
検問に引っかかり逮捕される悪魔と天使。「強欲な壺」を密輸しようとしていたのだろうか。運悪く同じ車に乗り合わせていたクリッターも仲間と見なされてしまい、捕まってしまった。
濡れ衣
- 種別:速攻魔法カード
- 効果:相手の手札・フィールドのカードを合計した数が自分の手札・フィールドのカードを合計した数より多い場合、 フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。 お互いのプレイヤーはこのデュエル中、その表側表示のカード以外の対象のカードと同名のカードの効果を発動できない。
かつてのサーチャー仲間であり、融合素材の相方でもある「黒き森のウィッチ」と同じ牢屋に投獄されてしまったクリッター。必死に無実を訴えるが看守には聞き入れてもらえない。
果たして彼の濡れ衣が晴れる日は来るのだろうか?
その他の作品において
アニメZEXALⅡでは、ハートランド学園祭の出し物、Monster Cafeの中で、壁に描かれた絵として登場している。
非OCG準拠のゲームでは効果を持たないモンスターとして登場し、「三つ目の小型悪魔 闇の中で力を発揮する事ができる」というテキストを持つ。
ゲーム「遊戯王5D's タッグフォース6」では、攻撃力0のモンスターが殆どの【時械神】との相性が良く、ゾーンの所持デッキ4つのうち3つに投入されている。
これを揶揄して「時械神クリオン」と呼ばれる場合もある。
関連動画
関連静画
関連項目
- 2
- 0pt

