レイクサイドマーダーケースとは、東野圭吾の小説『レイクサイド』を原作とした青山真治監督による2005年公開の映画である。原作についてもあわせて記述する。
概要
“深い深い心の底に、みんな何かを沈めている”
木々に囲まれた湖畔の別荘を舞台にしたミステリー。原作『レイクサイド』は2002年3月に実業之日本社から刊行。「本格ミステリ・ベスト10」2003年版では16位にランクインした。2004年11月には映画化に先んじて新装版の単行本が刊行され、2006年2月に文藝春秋社の文春文庫で文庫化された。
もともとは実業之日本社の小説誌「週刊小説」に、「もう殺人の森へは行かない」というタイトルで1997年に連載された長編。連載版の出来に作者が不満足だったのか、その後、連載版を下敷きに最初からまるごと書き直したのが『レイクサイド』である。雑誌連載版は現在も単行本化されていないので、雑誌版を読むには図書館で掲載誌のバックナンバーにあたるしかない。
2005年1月に『レイクサイドマーダーケース』のタイトルで、青山真治監督により映画化。R15+指定。東野圭吾作品の映画化としては『秘密』(1999年)、『g@me.』(2003年)に続く3作品目になる。2000年の『EUREKA』で高い評価を得ていた青山真治が監督、キャストも役所広司・薬師丸ひろ子・豊川悦司など豪華な面々を揃えたが、東野圭吾がまだ今ほどの超ベストセラー作家になる前(『容疑者Xの献身』で直木賞を受賞するのはこの翌年)だったこともあってか、あまり話題にならなかった。
あらすじ
湖を見渡す別荘に、中学受験を控えた子供たちの勉強合宿のため集まった3組の親子と塾の先生。
その中の一人、並木俊介の愛人が合宿に顔を出した末、妻に殺害された。
子供達ともども晒し者になるのを恐れた大人たちによる共同の死体遺棄が始まる中、並木は幾多もの不自然な点に気が付く。
登場人物
並木俊介(演:役所広司)
主人公。アートディレクター。中学受験が必要だとは思っていないため周りが教育熱心な親ばかりのなか若干浮いている。ネクタイの結びが雑だったり、子が受験する中学の知識が無いため志望動機すら碌に語れないダメ親父。
並木美菜子(演:薬師丸ひろ子)
俊介の妻。バツイチで娘が3歳のとき俊介と再婚した。夫とは現在別居中だが娘をどうしても有名私立である修文館に入学させたいため不仲を隠し合宿に参加。時折未来が垣間見えるという特殊能力がある。
高階英里子(演:眞野裕子)
カメラマンをしている並木の若き愛人。修文館のパンフレットを撮影したが彼女自身同校に在籍していた(しかし中退)。仕事道具を届けに来たといって合宿に顔を出す。父親たちが集まっている前で自分の親はお受験が原因で仲たがいしたと話したり急遽参加したバーベキューの後片付けもせず帰るなど少々非常識。なぜか大人たちの写真を所持していたが・・・。俊介をホテルに呼び出すも連絡がつかなくなり別荘で死体となって発見される。
藤間智晴(演:柄本明)
初老の男性。湖畔の別荘の持ち主。医者なためか非常に冷徹で遺体捜索にも知識があり指紋、歯型、顔を潰すなどの残虐な行為も平然と行う。
関谷考史(演:鶴見辰吾)
建設会社社長。集まった親の中では感情をあらわにする場面が多い。
関谷靖子(演:杉田かおる)
考史の妻。美菜子とは学生時代からの友人。
津久見勝(演:豊川悦司)
子供達が通う塾の講師。修文館を首席で卒業している。同校在籍者の好みか英里子をバーベキューに誘う。
並木舞華(演:牧野有紗)
12歳になる並木夫妻の娘。美菜子の連れ子であり俊介とは血が繋がっていない。俊介曰く「お母さんそっくり」。
藤間直人(演:村田将平)
いかにも気の弱そうな顔をした藤間家の子供。スポーツは苦手。
関谷拓也(演:馬場誠)
少しふっくらとした少年。靴ひもがほどけているのに気付かないなどどこか抜けており父親から心配されている。
関連動画
関連項目
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