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ザ・ロック（映画）単語

ザロック

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ザ・ロック（映画）とは、1996年に公開されたアメリカのアクション映画である。

概要

　ザ・ロックはアメリカ海兵隊の英雄が起こしたテロ事件における攻防を描いたアクション映画である。監督はマイケル・ベイ、制作はドン・シンプソン（映画公開前に死去）並びにジェリー・ブラッカイマーが行った。俳優にニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー、エド・ハリスなどの有名所を起用し、さらに音楽担当にハンス・ジマーが名を連ねている。

あらすじ

　極秘作戦において見殺しにされた部下や、その遺族に対して不誠実な態度を取り続ける政府に激怒したアメリカ海兵隊准将フランシス・Ｘ・ハメル（エド・ハリス）は、14名の海兵隊員と共にアメリカ海軍の武器庫から化学兵器（ＶＸガス）とそれを搭載可能なロケットを奪取。サンフランシスコ湾に浮かぶアルカトラズ島（元収容所、通称ロック）に民間人81名を人質として立てこもる。その上で、アメリカ政府に対して部下の遺族への補償金に使用するとして現金1億ドルを要求、これが受け入れられない場合、ＶＸガスをサンフランシスコ市街に撃ちこむと脅迫する。

　最初にハメル准将から脅迫電話を受け取ったＦＢＩ長官ウォマック（ジョン・スペンサー）は、アルカトラズ島に突入するSEALs チームのためにザ・ロック内部に詳しい人間と、化学兵器のスペシャリストの提供を求められる。化学兵器のスペシャリストにはFBI特別捜査官のスタンリー・グッドスピード（ニコラス・ケイジ）が、ザ・ロック内部に詳しい人間として（ウォマックにとっては非常に不本意だが）唯一ロックからの脱獄に成功した元SAS 大尉にしてスパイのジョン・パトリック・メイソン（ショーン・コネリー）が選ばれる。当初、ウォマックに恨み骨髄のメイソンは非協力的であったが、グッドスピードがコーヒーを頼んだりフェラーリをパーにしたりメイソンの名誉のために一芝居打ったりすることで事件解決に協力することになる。こうしてチャールズ・アンダーソン中佐（マイケル・ビーン）率いるSEALsの最精鋭にグッドスピード、メイソンの2名を加えたチームは、闇夜に紛れてロック内部に突入するが・・・・・・

主要登場人物

スタンリー・グッドスピード（演:ニコラスケイジ声:大塚明夫/小山力也/山寺宏一)

　婚約者に怒られるほどのビートルズマニアなFBI特別捜査官。主人公の一人。化学が3度の飯より大好きで、それで子どものころから眉毛は焦がすわ飼い猫には逃げられるわをしながら最終的に博士号まで取得した変人。毒ガスのことを「発明されたことを呪いたくなる」とまで言い切るほど嫌悪している。サンフランシスコに呼び出された当初は訓練だと思っており、さらに発生したのがテロ事件だと認識しても自分がロックに突入するとは思っておらず（実際、彼自身の普段の仕事も危険ではあるがドンパチとは無縁）、SEALsと共に突入するよう命令を受けた際は嘔吐した。しかしプレッシャーには強いと自負しており、絶望的状況でも諦めずに行動するタフガイである。ちなみに、作中一番エグい方法で敵を殺している。

ジョン・パトリック・メイソン(演:ショーン・コネリー声:若山弦蔵/坂口芳貞)

　元SAS 大尉にしてイギリスの諜報員。主人公の一人。娘が一人いるが、妻は既に死亡している。30年前、諜報員としてアメリカ合衆国内部で諜報活動を行い、かつてFBI長官フーバーが貯めこんだ世界各国の過去半世紀分の機密をおさめたマイクロフィルムを奪取する。しかしカナダに脱出する直前にアメリカ当局によって拘束され、裁判無しで刑務所に収容される。が、僅か1年でロックを脱獄したのを含め、2度も厳重に警備された刑務所の脱獄に成功している。しかし結局はウルフバーグ連邦刑務所に収容されることとなる。この過程において現FBI長官ウォマックを深く恨むことになったようだ。メイソンの拘束後、イギリス政府は「そんなヤツ知らん」としらばっくれ、このためメイソンはネルソン・マンデラより長い獄中生活を送る、まさに「国に尽くし、そして裏切られた軍人」となる。事件発生後、最初は非協力的であったが、グッドスピードの行動とVXガスの存在を知らされて協力するようになる。アルカトラズが観光名所となったことを知らないなど、長年にわたる獄中生活を送ってきた以上、戦闘に対するブランクは10年単位になるはずであるが、ナイフの一投で敵兵を仕留めるなど作中では現役海兵隊員達と対等以上に渡り合う能力を見せる。

フランシス・Ｘ・ハメル(演:エド・ハリス声:柴田秀勝/津嘉山正種/小川真司)

　アメリカ海兵隊准将。ベトナム戦争やカンボジア内戦、湾岸戦争などで従軍しており、議会名誉勲章（メダルオブオナー、アメリカ合衆国において軍人に授与される内で最高位の勲章）を受賞したこともある英雄中の英雄である。公表できないような極秘作戦なども遂行しており、そういった作戦で戦死した部下やその遺族に対するアメリカ政府の対応（ハメル曰く「遺族に嘘八百を並べ立て、賠償金すら支払わない」）に憤慨し、何度も政府に抗議したが受け入れられず、ついにはテロ事件を起こす。ロック占拠の前に、観光に来ていた子どもたちを言い含めて島から脱出させるなど、悪役ながら人道的な人物。

チャールズ・アンダーソン(演:マイケル・ビーン声:田中正彦/大塚明夫/内田直哉)

　アメリカ海軍特殊部隊 SEALsに所属する中佐。アルカトラズ突入部隊の隊長として作戦立案から現地での指揮まで行う。作戦成功のためには経歴不明の老人を突入部隊に同行させることも厭わない一方、もしおかしな真似をすれば躊躇い無く殺すと宣言するなど、軍人としてしなければならない事を理解している。また、ハメルと同じように国家（ペンタゴン）による横暴を何度も目の当たりにし、そのことに対して憤りを抱き、ハメルの心情には理解を示しているが、非常に強い国家への忠誠心から、ハメルの行動には激しく反発した。