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京成電鉄株式会社(けいせいでんてつ、英:Keisei Electric Railway Co.,Ltd.)は、東京都・千葉県で路線を展開する大手私鉄。略称は「京成(タグ検索)」。
京成グループの中核を占める企業で、系列企業に新京成電鉄や北総鉄道などがある。
会社概要
元は成田山への参拝客を運ぶ路線として造られ、現在はそれに加え成田空港へのメインルートとなっている。都営浅草線と直通する都心通勤路線だが、千葉県内の都心寄り、市川・船橋近辺では線形が悪く遠回りとなる為、総武線・東西線との競合には劣勢。というかもはや勝負する気すらなく後塵に徹している節があり、東葉高速線の開業時には逆に本数を減らして所要時間を減らす戦略を取っている。その代わり、津田沼以東の成田方面では総武線よりもショートカットして成田に到達するため、成田への鉄道輸送としては最もシェアが高い。
反対方向も京急線の羽田空港まで直通しており、専ら空港関係に非常に強い。人口増の時代が終わり、自然増を前提とした宅地拡大ビジネスが成立しなくなりパイの奪い合い合戦になる中、未だ成長途上にある航空産業を武器に頭角を現している。
過去に経営難の時代があり、莫大な赤字を抱えた。鉄道業以外の大型投資をしたものの売り上げが伸びず、そこにオイルショックに伴う不況が直撃したためである。この時代、冷房車の完備が非常に遅れたなど利用者に不便を強いていた時代もあった。この赤字を受けたローコスト施策としてファイアオレンジとモーンアイボリーの「赤電」色だった車両を一面のファイアオレンジに塗り替える盛大な自虐をやってのけたのもこの時期。
(ちなみに、この頃の京成をモデルにした鉄道会社が「おじゃまんが山田くん」に『東江戸川電鉄』として登場している)
だが、その後の経営再建策(かつて上野に保有していた上野京成百貨店の丸井への賃貸(建物は「京成上野ビル」として、京成電鉄と他社の区分所有)、谷津遊園の閉鎖、人員削減など)の成功と、傘下のオリエンタルランドが東京ディズニーランドを開園させたこと、そして成田空港へ乗り入れるスカイライナーの開業で見事に立ち直り健全な経営状態になっている。同時期の他社私鉄はバブル期に会社が大きくなりすぎたり、JRに真っ向から勝負を挑んだ事で本数が増加し線路を増やさざるを得なくなったりと、後に引けなくなりコストが嵩んで苦労しているが、この頃身動きが取れず、失敗を基にこれらを控える決断ができた事が結果的に成功要因となった。
経営再建以降は派手な拡大路線を見せなくなった代わりに手堅い経営能力に長けており、会社として見れば関東私鉄の中でも随一の利益を誇っている。長らく変化の乏しい状況だったが2010年には成田スカイアクセスという数十年来のド派手なプロジェクトが完成を迎え、ますますの繁栄を謳歌している。このスカイアクセスも、路線図上では第2の幹線が出現する大規模な変化の割に、実際の工事は北総線の2駅延長、うち1/3程度は作りかけで放置されていた成田新幹線跡地の流用と、少ないコストでパフォーマンスを得る手腕が発揮されている。
節約志向の代償で古い設備が多く、乗客目線的にはお世辞にもオシャレとは言えず昭和的なイメージが強かったが、近年ではリニューアルや最新鋭車両の導入にも積極的で、そうしたイメージも排除されつつある。
関係企業
あまり派手なところのない京成だが、東急や西武のようなグループ展開に定評のある鉄道会社に引けを取らない企業グループを構築している。かのオリエンタルランドが一番有名なグループ企業のひとつだが、その他にも特に自社路線を補完するような鉄道・交通系企業がやたらと多い。
- 新京成電鉄・・・言わずと知れた一の子分…だったが、この度本社への吸収合併が決定。一時期は京成のお古の車両ばかりだった。新京成線は松戸線に改名するが、運賃体系や運行ダイヤは変更無しとのこと。千葉線との直通運転も引き続き行われる。
- 北総鉄道・・・印旛の高い奴。現在では京成からのリースか京成車と同一設計の車両しかいない。
- 小湊鉄道・・・意外なグループ企業。小湊グループを形成するため関係は薄いが、車両は気動車なのに赤電風。
- 千葉ニュータウン鉄道・・・住宅・都市整備公団の改組によってできた会社。会社情報が京成HPの中。
- 成田空港高速鉄道・・・成田空港への乗り入れ部の線路保有者。一応京成グループに数えられる。
- 関東鉄道・・・数少ない非千葉企業。関鉄グループを形成するが、車両は気動車なのに京成カラー。
- 舞浜リゾートライン・・・ディズニーリゾートライン。車両は京成宗吾工場で整備される。会社情報が京成HPの中。
これ以外にも鋸山ロープウェー、筑波観光鉄道(ともに索道事業)がある。成田高速鉄道アクセス、芝山鉄道、成田高速鉄道アクセスなど、資本関係はあるがグループ企業となっていない会社もある。また、鉄道事業以外の交通系企業として、バス事業者が20社(小湊鐵道グループ、関東鉄道本体除く)、タクシー事業者が30社ばかりある。バスが多いのは、京成を始めとするグループ企業のバス事業がやたらと分社化したせい。
鉄道としての概要
本線(京成本線)・押上線・千葉線・千原線・金町線・東成田線を保有、運行し、2010年7月17日からは京成成田空港線の運行も行っている(施設を保有する事業者は京成ではない)。ICカード型乗車券としてPASMO・Suicaを利用できる。乗り入れている鉄道事業者は、京急、都営地下鉄、北総鉄道、新京成電鉄、芝山鉄道がある。
空港アクセス鉄道としての一面を持ち、空港特急である「スカイライナー」が都心(京成上野駅・日暮里駅)と成田空港駅とを結んでいる。
本線の終点は京成上野だが、上野公園の真下にありJRまでは数分歩く(一応東京メトロ経由の地下連絡通路があるが)ので、実質的なターミナルは日暮里となっ ている。その他に、押上から都営浅草線・京急線と直通し、日本橋や品川のビジネス中心地や羽田空港へ向かう2ルートを持つ。
2010年7月17日に最高速度160km/hを出す新型高速車両を投入し、日暮里駅から北総線を経由し成田空港(空港第2ビル駅)までを最短36分で結ぶ「京成成田空港線(成田スカイアクセス・成田新高速鉄道)」が開業し、北総線の線路を間借りして第二の幹線となっている。
営業区間
以下の路線を保有・運営している。
- 京成本線:京成上野駅~成田空港駅
- 東成田線:京成成田駅~東成田駅(途中の駒井野信号場までは本線と重複)
- 押上線:押上駅~青砥駅
- 金町線:京成高砂駅~京成金町駅
- 千葉線:京成津田沼駅~千葉中央駅
- 千原線:千葉中央駅~ちはら台駅
- 成田スカイアクセス:京成高砂駅~(北総線経由・印旛日本医大駅までは共用区間)~成田空港駅
また2025年4月1日からは新京成電鉄吸収合併により以下の路線の保有・運営を開始する予定である。
この他、都営浅草線・京急本線・京急久里浜線・京急空港線・北総鉄道・芝山鉄道への直通運転を行っている。
現行車両
- AE形・・・第3代スカイライナー専用車両。成田スカイアクセス開業に合わせて導入。
- 3000形・・・京成グループ標準車両。現在の主力車両。
- 3050形・・・3000形の成田スカイアクセス向け車両。
- 3700形・・・3000形に次ぐ主力車両。
- 3600形・・・京急・スカイアクセス入線不可。本線特急を中心に運用。
- 3500形・・・更新車のみ現存。普通列車を中心に運用。
- 3400形・・・AE車の機器流用車。スカイアクセス入線不可。
通勤車の運用は4・6両のローカル運用と8両が中心の優等運用に分かれるが、優等運用は更に「制御電動車・ボルスタアンカー付き台車装備」という京浜急行電鉄の車両規定に適合しているか、最高時速120km/hの高速走行が求められる成田スカイアクセスに対応しているかで運用が分かれる。両方対応している車両は3000形と3700形。3600形は両方非対応だが、都営浅草線には入線出来る。
近年は3000形の大量導入を受けてローカル運用の6連化が進められており、4連のみしか入線できない金町線を除き、4連の運用を見ることは少なくなっている。
主な過去の車両
- 3300形・・・「赤電」一派最後の生き残り。末期はローカル運用に就いた。
- 3500形・・・未更新車は引退済み。
- AE車・・・初代スカイライナー専用車両。
- AE100形 ・・・第2代スカイライナー専用車両。スカイアクセス開業後はシティライナー用。
関連動画
関連項目
関連リンク
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