伊168(い168)とは、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん~艦これ~』に登場する、大日本帝国海軍所属の潜水艦「伊168」をモデルとした艦娘(かんむす)である。
概要よ。何よ、言いにくいの? じゃ、イムヤでいいわ。
2013年7月末~8月に行われたイベントにて、艦これ初実装となる潜水艦娘の一人として登場。提督からは、自称でもある「イムヤ」と呼ばれることが多い。実装時、スクール水着+セーラー服の上着という姿が提督の度肝を抜いた。浮き輪に乗っているが、本人申告によると泳げない訳ではないらしい。中破時はセーラー服が脱げ、水着の肩紐が切れ、と大変なことになっているが、描かれているのが背中からなので前がどうなっているか(特に、上部装甲が平坦なのか豊満なのか)は不明である。髪型はポニーテイルで、髪の色は基本的に赤紫だが毛先は水色になっている。
後ろから声を掛けると「スマホとかで遊んでたんじゃないからね!」としゃべるが、これが「艦これ世界にはスマホがあるのか!?」と、一部で物議を醸した。しかし既存の艦娘でも最上、日向は現代兵器について言及しており、運営から艦これの舞台は太平洋戦争当時ではなく、世界観も現代に近いことが明言されている。また、後発の艦娘の発言によりコンビニ・エステ・テレビなどなども存在することが判明している。
2013年夏のイベントマップにおいて1面の突破報酬だったこともあり、イベントに挑んだ多くの提督が入手していると思われる。その後建造可能となったが、3-3の全面でドロップするため、無理に建造レシピを試すよりはドロップを狙った方が入手しやすいかもしれない。2-3ボスでも落ちるため、オリョールクルージング中に2隻目3隻目のイムヤと出会った人も多いのではないだろうか。
そんな中、2014年3月14日に行われたアップデートで1-5が実装された。この海域では伊168が道中でドロップする。1-4さえ突破していれば1-5に行けるため、2-4突破前でも伊168のドロップを狙えるようになった。故に入手難易度は以前よりも下がったと思われる。まだ手に入れてない提督は狙ってみてはどうだろうか。
入手難易度的に、彼女が最初に手に入る潜水艦になりやすい。潜水艦は癖の強い艦種なため、彼女を練習艦がてら運用し、潜水艦の特性や運用ノウハウを得ていった提督は多い。
なお、レベル50で改造しても艦種は潜水艦のままで、他の潜水艦勢と異なり潜水空母にはならない(例外あり[1])。とはいえ、装備スロットが一つ増えた事でカットイン攻撃が可能となり、かつ入港時間の短さという潜水艦の強みはそのまま残るため、オリョールクルージングの頼もしいパートナーとして愛好する提督も少なくなく、愛用し続けた結果、ケッコンカッコカリにまで到達する者も数多い、らしい。
ライトノベルでは
「鶴翼の絆」では1巻の終盤から登場。僚艦の伊58とともに南方海域のサーモン海に進出、ケ島を根城にする飛行場姫と守備隊の動静を監視していた。しかし、対潜掃討を担当するハンターキラーの部隊に発見され、爆雷攻撃を受ける。窮地に陥りながらも命からがら離脱し、二人は事無きを得た。その後再びサーモン海へ進出し、ケ島とは目と鼻の先にあるサブ島に上陸。瑞鶴らが放った艦載機の戦果確認を行っている。
3巻ではMI島の近海に進出し、深海棲艦の戦力を偵察。中間棲姫を発見し、その存在を司令部に報告している。
伊168を取り巻く環境はブラック鎮守府のようで、工廠で建造された直後に作戦へ駆り出されている。オリョールでの通商破壊、サーモン海の偵察、MI偵察と矢継ぎ早に作戦を遂行しているせいで正式に着任した事にはなっておらず、鎮守府にも顔を出していないというブラックな環境であった。航行中に仮眠し、布団で寝られる事は稀という過酷っぷりである・・・。
公式四コマでの活躍
公式4コマでの本格的な登場はゴーヤと同じく第12話。実は第8話(肝試し回)が初登場だったものの、誰にも気づかれることがなかった。しばらく間が空いていた理由は「ずっと出撃と入渠を繰り返していたため」と説明されている。 更に、「大破しても疲労してもへとへとでも旗艦から外れようとせず、見かねた司令官が旗艦大破で戻るように厳命」されたことになっており、「これぐらい五十鈴の苦労に比べればまだまだ」と言うイムヤとゴーヤに、吹雪たちは「ドM!?」と驚いていた。これは、ゲーム内で旗艦(大破状態で攻撃を受けても絶対に轟沈しない)とした潜水艦にダメージを吸収させて修理せずに延々とレベリングしたり(例:3-2-1)、単艦で進撃させ被弾・敗北にお構いなく資源を獲得したりする「ブラック鎮守府」が横行したため、「旗艦大破時は出撃・進撃不可」と修正されたことに由来する。
潜水艦であるためか一部の駆逐艦には逃げられ、龍田さんに恐怖の挨拶をされるなど、史実において潜水艦に沈められた艦娘には苦手意識が持たれている模様。一方で、潜水戦隊旗艦を務めた鬼怒・由良、当初潜水母艦として建造された瑞鳳・祥鳳、更にはミッドウェーの仇をとった一航戦コンビとは仲がいい模様。
なお、概要で触れたスマホ云々に関して、四コマ作中でもスマホを取り出すシーンが見られた。
戦史よ。伊号潜水艦の力、見ててよね
海大VI型a、伊号68型は1400トン級の潜水艦で、全6隻が建造された。その1番艦として1934年7月31日に呉海軍工廠で竣工したのが、伊68である。「海大」とは「海軍大型潜水艦」の略で、帝国海軍が構想した漸減作戦時には水上艦に先行して敵を攻撃する任に当たるとされており、単独で巡航して敵を襲う「巡潜」とは使い分けられる。艦隊と同行するために速度が求められただけあり、建造時は世界最速の潜水艦であった。
1942年6月、運用されていた「海大」型は全て艦名を100番増やされることになる。当初は「巡潜」型に1~50、「海大」型に51~100の番号が割り振られていたのが、「巡潜」型が50隻以上建造されることになり慌てて番号をずらしたためである[2]例に漏れず、伊68も伊168と改称された。
ミッドウェー作戦に先立ち、帝國海軍は潜水艦17隻をハワイ周辺に進出させて敵情を偵察しようと考えた。その時、内地で整備中だった伊168もこの偵察任務に投入される事になったのだが・・・。出撃直後に主電動機が故障するという致命的な事態が発生。すぐさま内地へ戻り主電動機を直したのだが、偵察任務への参加は不可能になってしまった。修理を終えた伊168はミッドウェー島の敵情偵察のため1942年5月21日に出撃。6月2日にミッドウェー島付近へ到着。
改名から1ヶ月も経たぬ6月4日、ミッドウェー海戦が起きる。
日付が変わって翌日の6月5日。当初、伊168は命令に従ってイースタン島の飛行場を砲撃していた。これは艦砲射撃で敵の飛行機を誘い出すという作戦のためだったが、この時点で敵の襲撃により「赤城」・「加賀」・「蒼龍」が失われていた。ただ一隻残った「飛龍」の艦載機部隊が敵空母「ヨークタウン」に打撃を与えることに成功したが、その「飛龍」も沈んでしまい、ここに日本海軍は一航戦、二航戦の正規空母4隻を一気に失う事態となった。
そんなことを知る由もない伊168は、予定通り砲撃後急速潜行してその場を離れたが、そこに「損傷を受け待避中の敵空母を撃沈せよ」との命令が下された。大破漂流中のヨークタウンの近くに、たまたま伊168がいたからだ。しかしこの命令は6日7時55分に下されたのだが、その頃伊168は敵の哨戒艇に追い回されており長時間潜行していた。そのため電文の受信ができず、命令に気がついたのは同日16時30分であった。伊168は直ちに行動開始し、浮上。16ノットの速度で航行、7日午前1時に航行不能となり牽引されてハワイに向かう「ヨークタウン」を発見することに成功する。しかし、その周囲は駆逐艦が警戒にあたっており、簡単に近づける状況では無かった。攻撃機会を得ようと、伊168はその場で360度回頭したり、「ヨークタウン」の真下を通り過ぎたりと慎重に距離を測る。駆逐艦5隻はヨークタウンの周辺をぐるぐる回りながら水中聴音で聞き耳を立てていたのだが、ヨークタウンから流れ出た重油と浮遊物が妨害し近くの伊168を発見できずにいた。伊168の田辺艦長は僅か3ノットで無音航行し、敵の警戒網を突破。最初に潜望鏡を上げた時は、ヨークタウンとの距離は500メートルであった。これでは近すぎて魚雷が船底を通過すると判断した田辺艦長は距離を取る。1000メートル、今度は十分な距離だった。そして位置は敵空母の側面。
9時間に及ぶ追跡の末、絶好のポジションを得た伊168は魚雷を全門発射、4発中2発が「ヨークタウン」に、1発が修理のために横付けしていた駆逐艦「ハンマン」に命中。「ハンマン」は轟沈、艦底に穴を開けられた「ヨークタウン」も沈没した。 [3]ちなみに雷撃を仕掛けた伊168側は横付けされていたハンマンを撃沈した事に気づかなかった。発見の危険を避けるため潜望鏡を上げたのは一瞬だけで、巨体を誇る空母に阻まれてハンマンを確認できなかったのである。なお撃沈されたハンマンの米兵たちは海に飛び込んだが、ハンマンに積まれていた爆雷の安全装置が外れて起爆。多くが圧死した。
護衛対象をむざむざやられてしまい激怒した米駆逐艦は猛攻撃を加え、実に5時間にわたって爆雷の雨を降らせた。伊168は直撃こそ受けなかったものの、爆雷投下の衝撃で艦内が浸水し始め、舵は故障し、蓄電池が破損して塩素ガスが発生する。乗組員は息苦しさに耐えながら応急修理に徹し、どうにか浸水を食い止める。そしてその場から離脱するため全速力で航行する。だが、艦内には塩素ガスが充満しており浮上しなければ全員が死亡する危険があった。換気を行うため艦長は思い切って浮上を決意。もし浮上した先に敵駆逐艦が待ち構えていたら機銃で刺し違えるつもりだったという。いざ浮上してみると近くに敵艦は存在せず、今のうちにと換気を始めた。ところが約10キロ先から敵駆逐艦2隻が追撃してきたため換気を急ぎつつ蓄電池に空気を取りこませ急速潜行。敵駆逐艦から砲撃が飛んできたが、ちょうどその頃に日没となり辺りは宵闇に包まれた。伊168を見失った敵駆逐艦は爆雷を2、3発撒いた後、引き返して行った。こうして、一時は大ピンチになりながらも何とか逃げることに成功する。
ミッドウェー海戦でアメリカ軍の喪失艦船は、「ヨークタウン」と「ハンマン」の2隻のみである。「ヨークタウン」に手傷を負わせたのは「飛龍」だったとはいえ、仕留めたのはまぎれもなく伊168であり、「海のスナイパー」を名乗るに相応しい戦果だった[4]
その後の1942年12月末、伊168は乙潜水部隊に編入され、ガダルカナル島への輸送作戦(モグラ輸送)に従事。[5]1943年1月1日、ガダルカナル島に物資15トンを運び、6割を揚陸した。
43年7月27日、ラバウル方面ニューハノーバー島の沖合でアメリカのガトー級潜水艦「スキャンプ」と魚雷の撃ち合いの末[6]、魚雷4発を受け、沈没した。
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2013年夏イベント 『南方海域強襲偵察!』 新規実装艦娘 | ||
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脚注
- *改造しても潜水空母にならず潜水艦のままなのは、陸軍潜水艦まるゆとドイツのU-511/呂500。とはいえ、どちらもイムヤに比べると格段に入手難易度は高いため、これらを手に入れる頃には、本稿に書いてあることくらいは承知しているレベルになっているだろう。
- *先代ゴーヤの伊58もこのときに伊158になっている。
- *余談ではあるが、飛行甲板に破損がなかったことから、当初伊168側では「ヨークタウン」を飛龍が深手を負わせた空母とは別の空母だと認識していた。実際には「ヨークタウン」はものすごい勢いで修繕しており、仮修理が終わって自力航行間近だったという。流石米帝である。
- *このときの伊168の艦長だった田辺弥八少佐は、ミッドウェー後に伊176艦長に転属。そちらでも重巡「チェスター」を大破させている。その後、負傷により内地に戻って終戦を迎え、1990年に死去した。
- *「古今東西の戦争史において、主要な兵器がその真の潜在威力を把握理解されずに使用されたという稀有の例を求めるとすれば、それはまさに第二次大戦における日本潜水艦の場合であろう」とチェスター・ニミッツ提督は述べている。
- *そのとき伊168は浮上航行中であり、スキャンプは潜行中と、潜水艦として圧倒的に不利な状況だった。
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