川崎競馬場(かわさきけいばじょう)とは、神奈川県川崎市川崎区にある地方競馬の競馬場である。1949年開設。
概要
神奈川県で唯一の競馬場であり、近隣の大井(東京都)・船橋(千葉県)・浦和(埼玉県)と合わせて南関東4競馬場(南関4場)と称される。全国の地方競馬場が廃止ギリギリの瀬戸際に立つ昨今ながら、立地の良さなどから割と安泰傾向な勝ち組競馬場。
工業地帯ど真ん中という立地ゆえか、現存する競馬場では敷地面積が最小で、お隣である大井競馬場と比べるとえらく小さく見えてしまう。狭いゆえに競馬場にはつきものの厩舎が併設されていないくらいである。そのせいか全体が見渡しやすいのはちょっとした利点でもあり、スタンドのどこからでもギネス記録サイズのドリームビジョンを見られるところはとても便利。2016年には閉鎖・解体された3号スタンドの跡地に日本初の競馬場に隣接する複合商業施設「マーケットスクエア川崎イースト」がオープンした。
また、4月から12月までナイター競馬「スパーキングナイター」を開催している。ナイター競馬は大井競馬場に次いで全国2番目のもの。開催時期が移った川崎記念をはじめ、川崎開催時のJBCなどはナイターでの競走となる。およそ20時頃にメインレース発走、最終レースは20時50分頃。
主な競走
ここで表記する「JpnI」などはダートグレード競走で国際競走でないもの(中央競馬のGIなどとほぼ同格)、「SI」などは南関4場共通の地方グレードを指しています。
川崎記念(JpnI)
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川崎競馬場で最大規模の競走。1998年からGI(後にJpnI)に指定された。2024年からは4月第1週に開催時期が変更され、ナイターでの開催となる。
時期的にサウジカップ、ドバイワールドカップに出走しない中距離馬の参戦が多く、牡牝問わずこのレースで初のJpnⅠ奪取を狙う馬が多く参戦する。
全日本2歳優駿(JpnI)
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毎年12月中旬に行われる、文字通り2歳馬限定の大競走。中央競馬で行われる「朝日杯フューチュリティステークス(GI)」や「阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)」が芝の2歳牡馬牝馬最強決定戦であることに対し、こちらはダート界の2歳馬最強決定戦の意味合いを持つ(JRAには2歳馬のダート重賞が存在しない)。2002年からGI(後にJpnI)に指定された。
この時期だと地方馬・中央馬の実力差が少なく、時折中央勢を打ち負かす期待の星がよく出る競走でもある。勝った馬がその後出世しやすいというジンクスがあり、後の東京優駿(日本ダービー)勝ち馬ダイゴホマレや、南関東三冠馬のトーシンブリザード、条件不問のGI7勝馬アグネスデジタルなどのビッグネームを輩出してきた競走でもある。
エンプレス杯(JpnII)
開催時期は頻繁に変わり、現在は5月第2週に開催される牝馬限定競走。長年ダート界の牝馬頂上決定戦に位置付けられていたが、JBCレディスクラシックの創設によりその座を譲ることになった。
副題は「キヨフジ記念」。「川崎競馬の名馬」と言えば牝馬の名が挙がることが多く、競走名になったキヨフジもまた川崎出身で中央競馬のオークスに優勝した馬であった。川崎競馬にはこのほかにも、同じく川崎で活躍したホクトベガの名を冠した「ホクトベガメモリアル・スパーキングレディーカップ(JpnIII)」や、ロジータを顕彰した「ロジータ記念(SI)」が存在する。
関東オークス(JpnII)
毎年6月頃に開催される、3歳牝馬限定競走。文字通り「ダート界の優駿牝馬(オークス)」であり、中央馬や他地区の地方馬も参戦する競走である。南関東地区の牝馬三冠競走の最終戦でもある。
2008年にはユキチャンが白毛馬としては史上初の重賞制覇を達成し、大きな話題となった。
毛色限定競走
国内競馬において川崎競馬は毎年毛色限定競走を開催している。年内最初の開催日である1月に行われる栗毛・栃栗毛対象の「ゴールデンホース賞」、1年の真ん中である6月に開催の青毛・青鹿毛・黒鹿毛対象の「くろうま賞」、12月の年内最終レースとして行われる白毛・芦毛対象の「ホワイトクリスマス賞」の3つ。
歴史はホワイトクリスマス賞が最も長く、2022年まで44年間行われてきた伝統のレース。ゴールデンホース賞も2023年に20年目の節目を迎える。
アクセス・飲食関連
川崎競馬場の最寄り駅は京浜急行大師線の港町駅。駅から徒歩1分で正面入口が見えるので、そうそう迷うこともない。
港町駅までは京急川崎駅より1駅。京急川崎およびJR川崎駅から歩いていくことは十分可能だが、かなりアレな感じの街並みを通り抜けていく必要もあるので、初めての人は無理せず港町から行くことをお勧めする。関東より外から来る場合は、東海道新幹線からなら品川駅で京浜急行への乗り換え、それ以外なら京浜東北線・東海道線の川崎駅で乗り換えるといいだろう。
なお、川崎市は大都会岡山の2倍以上の規模を誇る超大都会である。なので駐車場の確保は結構難しく、ゆえに自動車で来るのはあまりおすすめできない。競馬場にも駐車場はあるが、大きな競走の日はすぐ埋まってしまう。
また川崎駅前から競馬場への無料送迎バスも出ているのだが、ものすごく混むので使うならある程度すし詰めは覚悟しておくこと。
飲食に関しては2号スタンドのフードコートに集中している。重賞開催日にはロジータホールにて競馬場限定のクラフトビール・ロジータビールを販売。こちらも人気のため、売り切れる前に早めの行動を。隣のマーケットスクエアも含めると食事の幅は広いので、頻繁に通うファンにも安心。
また内馬場では土日を中心に予約制のバーベキュー場を運営している。JRAのレース中継を予想しながらBBQをエンジョイという事も出来るので、競馬開催時以外でも楽しめる要素が多い。
川崎競馬のあれこれ
- 南関東の競馬場の例に漏れず、場内の食いもの屋に定評がある。個人的には麺類ともつ煮オススメ。
- 川崎競馬の非開催時には、他の南関競馬場の場外馬券発売を行っている。また、2011年からは中央競馬の場外発売を行う「ウインズ川崎」を場内に併設した。ウインズ川崎は2022年4月から「J-PLACE川崎」にリニューアルされた。
- 広域発売においては、他の南関東の競馬場や場外発売所では「他場レース発売日程」に記載されているレースのみ発売しているが、川崎競馬場や系列のジョイホース横浜・双葉では一部競馬場のほぼ全てのレースを発売している。詳しくはこちらで確認してほしい。
- 2006年と2012年にJBCを開催。コースの構造上、クラシック・スプリントともに距離が若干延びている。特に2006年は開催距離が1600mであったため、レース名がJBCマイルで開催された唯一の年である。
- 川崎競馬で最も有名な人物に、7151勝の日本最多勝記録を作った佐々木竹見騎手がいる。川崎競馬場内には佐々木竹見を顕彰する特設展示室が用意されている。
- 令和元年(2019年)に専属生ファンファーレ隊「ロジータブラス」を結成。川崎の重厚なファンファーレをリズム込み10人編成で演奏する。大井競馬の東京トゥインクルファンファーレとのコラボも多く、年度毎にメンバーが入れ替わる。
- 本馬場入場曲は、長らくの間業務用著作権フリー音楽「新しき旅立ち」が使われているが、2021年8月31日、「スパーキングサマーカップ(SⅢ)」より重賞用の本馬場入場曲「The Road To Victory」が導入された。
なお、編曲については2パターンの中から公式Twitterにてファン投票で選ばれたものが採用された。 - 川崎競馬開催時は、京急大師線の本数がちょっと増える。
- 過去には協賛レースの申し込みを受け付けていたが、コロナ禍に伴う無観客競馬のため、受付を休止している。詳しくはこちら。
- 実は現在の川崎競馬場は二代目。初代は明治末に建設されたが国による競馬禁止令により廃止。その後工場が誘致されるも戦災により焼失し、その跡地に戸塚から移転してきた現在の競馬場が建設された。
- 最近では公式YouTubeでの活動が本格化されており、「スパーキングトークLIVE」と題して、前田玲奈や稲富菜穂などの声優やタレントをゲストに迎えた馬券対決番組が生配信されている。
- 競馬非開催日には大井に負けじと近年更に多彩なイベントを行うようになっており、最近では川崎ドリームビジョンを用いた野外映画鑑賞会が行われ好評を博した。なお競馬が関わらないイベントに関しては㈱よみうりランドが運営している。
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外部リンク
関連項目
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