悪実とは、
1.ゴボウの別称
2.「仮面ライダー鎧武」に登場するキャラクター・呉島光実のスタッフ内の愛称である。(本項にて解説)
概要
悪実「黙ってろよ屑」
仮面ライダー鎧武の作風は、仮面ライダーW以降のいわゆる「平成二期」のライダーシリーズの中でも脚本家・虚淵玄の脚本によって異彩を放った作品となっているが、この呉島光実というキャラは、ある意味その作風の最たるものを描いている。
彼が作中で取る黒い行動はファンの中では勿論、スタッフの中でも話題となり、公式サイトにて17話のあらすじ一覧にて彼が現場で「悪実」「黒ミッチ」と呼ばれていることが明らかになった。
行動理念としては思いを寄せる舞と兄貴分である紘汰が所属するチーム鎧武を守るためであり、ヤンデレチックな雰囲気も感じられる。しかし、自分が龍玄である事が兄の貴虎にバレ、そしてヘルヘイムの森の真実を伝えられてからは一転ユグドラシル側の人間としてその秘密を隠す事が街の平和を守る事につながると信じて行動するようになるが、あくまで森の秘密を追求する紘汰が自分の意にそぐわない行動を取り始めるや次第に彼への苛立ちを募らせるようになり、遂にそれは怒りから憎悪にまで発展、もはや当初の理念であった舞の安全や沢芽市の平和、しいては己の兄の事すら心中から消え、敵であるはずのオーバーロードインベスと組んでまで紘汰抹殺に執着するようになる。
やがてレデュエとの取引によって自身がその後の世界をある程度管理できる権利を得ると、それを止めようとした紘汰、戒斗、生きていた貴虎も排除し、最終的にはチーム鎧武そのものも切り捨てて舞のみを生かそうと考えるに至った。
彼の黒い行動が鎧武という作品の人気の秘訣のうちの一つであるという事実。今後の彼の行動に期待である。
この記事には本編のネタバレが含まれています。それでもいい方はご覧下さい。
悪実的行動
- 地位のある貴虎の弟である事をちらつかせ、シドを半ば脅して戦極ドライバーとブドウロックシードを手に入れる。
- 再び会った際に「シドさんは僕のお友達」と言いながら黒い笑み。
- 紘汰から戦極ドライバーを奪取する作戦にて、凰蓮と城乃内を利用して晶を人質にとる。
- 形だけのスタンスかと思いきや、紘汰が反抗的な態度をとると躊躇なく城乃内に晶を攻撃するように命令した。
- 同作戦にて、湊燿子の言葉に対して「黙ってろ」の発言と共にこれまでの彼の中で一番の悪役的表情を見せる。
- カチドキアームズで鎧武がスカラー兵器を破壊した際に「どうして貴方は僕の言う通りにしてくれないんだ」と発言。
- 紘汰が祐也とロックシードの真実を舞に話し、彼女が公衆の面前で事実を公表しようとした際に隠れてロックシードを大量に開門しインベスを呼び出し、公表をうやむやにする。
- その直後駆けつけた紘汰に対して逆恨みし、激昂して彼に掴みかかる。
- ヘルヘイムの森にてアームズチェンジ中の鎧武を、背後から「アイツさえいなければ」の発言と同時にブドウ龍砲で不意討ち。その直後に「やった」と発言。
- オーバーロードに関する真実を知った貴虎を凌馬側のエナジーライダーが襲撃しているのを見殺しにする。※1
- 散り際に貴虎に託されたゲネシスドライバーとメロンエナジーロックシードを使って仮面ライダー斬月・真に変身し、変身者は貴虎であると錯覚させ紘汰を罠にハメて襲撃する。
- 紘汰を始末するためにシドと結託し再び斬月・真に変身し紘汰に挑む。その前のシーンにてあたかも自分が斬月・真に襲われたかのように偽装工作をする。
- 斬月・真に変身して紘汰に襲いかかるも、負ける訳にはいかないと反撃してきた紘汰に対して「コイツ」発言。
- ロシュオが持つ知恵の実の元へ案内するレデュエの罠を見抜いた上で、シドを単身彼の元へ向かわせる。結果、光実が助けに行く事もなくシドはロシュオに葬り去られる。
- 沢芽市が隔離された際にレデュエと結託し紘汰を始末しようとする。その際に紘汰を一番邪魔な存在と称する。
- デュデュオンシュに紘汰が光実の仲間であることを確認されると、「僕の仲間は僕の思い通りになってくれる人」と発言。
- 斬月・真となって紘汰を襲撃するも、ブラーボに貴虎でない事を見破られた挙句、極アームズとなった鎧武の前に完膚なきまでに叩きのめされ、必殺技を受ける直前に味方のデュデュオンシュを盾にして逃走。
- その後、誰もいない場所で「最後に笑うのは僕だ」と言って悪役笑い。
- 何食わぬ顔でチーム鎧武のガレージに戻ってきて白々しい態度をとるものの、団結しているライダー達に対して不服そうな表情を見せ、そのことを戒斗に皮肉られる。
- 湊に「戦極凌馬に見捨てられたのか」と嫌味を言うものの、逆に言い負かされて逆ギレし「ここは僕の居場所だ」と言うが、これまでの悪行を知っている湊からは「人を騙し続けてきたあなたにもう居場所なんてない」とバッサリ切り捨てられる。
- 政府が沢芽市にミサイル攻撃をした際にロシュオが知恵の実の力を使って消し去ったのを目撃し敗北を確信。「居場所なんていらない」と言いオーバーロード側に寝返ることを決意。
- その後、チーム鎧武のメンバーのみを助けた上で、他の拉致した人間をレデュエが企画したロシュオの愛した女を復活させるための生贄とするために生体エネルギーを吸収する計画に加担。
- 拒絶されたことで完全に吹っ切れ、誰もいない場所に紘汰を呼び出し、一切演技をせずに憎しみを暴力に変えてぶつけ、自らが斬月・真であることをバラし紘汰を抹殺しようと襲いかかる。その際に紘汰の抱いている希望のことを「病原菌」と称し、「貴虎はアンタの病原菌のせいで死んだ」と更に追い詰める。※2
- 今までの悪事を自ら紘汰にバラしたことで紘汰側と表立って完全に敵対したことで、「光実がこうなってしまったのは自分の責任だ」と感じた貴虎が、決着をつけようと光実を呼び出し一騎打ちに。旧斬月(斬月・真と分けるための便宜上の名称)で斬月・真を圧倒し、貴虎は情の深さからトドメを躊躇ったが、光実は全く躊躇うことなく旧斬月が面割れするほどの一撃を与え、貴虎を海の底へと沈める。※3
- 貴虎に勝利はするものの、彼の幻覚に怯えて狂気の叫びを上げる。※4
- 舞を半ば拉致同然に誘拐。抑止しようとしたペコを「黙ってろよ屑」の一言でバッサリ切り捨てオーバーロードをけし掛け瀕死の重傷を負わせる。
- その後紘汰相手にも屑呼ばわり。鎧武極アームズとバロンレモンエナジーに優勢で戦い、貴虎の幻もろとも必殺技で吹き飛ばすほどの強さを見せる。※5
- 怒り狂う紘汰を抑止し撤退しようとする戒斗に対して「いいよ、見逃してあげる。尻尾を巻いて逃げたら?」と上から目線で煽る。※6
- 生命を吸い取られているリカとラットを見捨てたうえ、舞に「私の趣味だ」と言わんばかりのドレスを着せる。
- 舞を人質にしようとするレデュエから彼女を守るために、人間を試そうとしているロシュオに彼女を預ける
- 今までの悪行を知っている戒斗からついに「唯の馬鹿」認定される。※7
- さらに戒斗と交戦中に「舞さんを幸せに出来るのは自分だ」と言い放つも、「お前はただ人形が欲しいだけだ、お前は誰も愛してなどいない」と一蹴される。
- 加勢にきた凰蓮と城乃内を終始圧倒するも、凰蓮に「偽物坊や」と言われ「束になってもクズはクズなんだよ」と暴言を吐く。
- 舞の安否が戦極によってバラされ、レデュエに舞を預けたこと自体「マヌケ」と言われ、さらに貴虎の幻影に「誰もお前を必要としていない」と言われ逆上し、舞の元へ向かう。
- レデュエと紘汰の戦いの様子をただ見ていただけで、結果的にレデュエを見殺しにする。
- 「葛葉紘汰は黄金の果実を埋め込まれた舞を犠牲にしようとしている」という戦極凌馬の奸言に乗せられ、ヨモツヘグリロックシードという危険な代物を渡される。
- 眠ったままの舞を見つめ「昔のあなたの顔が思い出せない」と本心を涙ながらに呟き、ヨモツヘグリロックシードを手に取り、紘汰に挑むことを決意する。
- 龍玄・黄泉となり、紘汰に襲いかかる中、苦しみながら「自分の命だからって、惜しむものか」とついに自分の命まで捨て駒にする発言をした。
そしてその末路は…
龍玄・黄泉となって鎧武へ戦いを挑むものの、捨て身で攻撃を受けながらヨモツヘグリロックシードを奪取し、これまで数々の悪行を行ってきた彼を「許す」と言って気絶する紘汰。
そんな彼を見て、これまで行いを悔いながら「許される訳無いだろ!」と絶叫。
光実は最後のけじめをつけるために舞の元へ戻る。その際に「紘汰さん」と、かつての呼び方で紘汰を呼んだ。
こうして、光実は長い呪縛から解放され「悪実」は消滅したのであった。
だが・・・戦極凌馬によって舞は還らぬ人になった(正確には心臓が黄金の果実と融合していた)、戦極と相対するが、兄譲りのゲネシスドライバーは破壊され、ただただ涙を流すしか無かった・・・
たしかに「悪実」として悪行の限りを尽くしていた事実は消えない、だがその結果がこの救いの無い結末が彼の迎える結末なのか?その答えはこれからの物語へ・・・・
余談
光実を演じる高杉真宙氏だが、「後半のほう(悪実)が違和感なく演じられる」とインタビューで語っていたらしい
ファブリーズの修造の息子のように穏やかな役もやっている彼だが、実は過去に彼は悪実の片鱗といえる演技をメイプルストーリーのCMで見せている。(4分58秒〜5分28秒あたりに登場)
さらに鎧武劇場版公開から一ヶ月前に上映した「渇き。」という映画(役所広司主演)で高杉氏は悪実もビビって逃げ出すぐらいのクズを演じていた。しかし、藤島加奈子というレデュエ以上の魔性の女にだれもが翻弄されてしまう映画で結局ロクな目にあわないハメになるが。
関連項目
- 呉島光実
- 仮面ライダー鎧武
- 闇堕ち
- ヤンデレ
- それが権力!(闇堕ちした瞬間に言った名台詞)
- 悪魔の実(語感は似ているが関係ない)
- 草加雅人(行動理念と他人のベルトを使う所に共通点ありだが、草加は終始味方サイドで最後まで主人公達と和解しなかった。)
- 木場勇治(闇堕ちに共通点があり、行動も少しだけ似ている)
- 浅倉威(変身妨害繋がり)
- ラブコフ(相手をクズ呼ばわりした繋がり)
- 暁美ほむら(脚本家つながり及び行動理念及びヤンデレに共通点)
- リディ・マーセナス(お坊ちゃんで女絡みで闇堕ちという共通点ある上、使用機体が何度も変わるという点も共通している)
- カテジナ・ルース(序盤では常識人だったが、中盤から主人公の敵となり、最後は全てを失って破滅する末路を辿る。だが光実は最終回にて更生している)
悪実行動における主な被害者
- 葛葉紘汰(元々彼と舞の為だったが、紘汰の行動に嫌気がさして彼の抹殺に乗り出す)
- 錠前ディーラー シド(光実を利用する気だったが、結果的には捨てられる)
- 呉島貴虎(光実にとって最も目障りだった男にして実兄)
- 高司舞(思い人。彼女のためにした行動が結果的に全て彼女を悲しませている)
- 駆紋戒斗(目障りで天敵といってもいい男、戒斗は彼の行動一つ一つに怒りを持っている)
- レデュエ(現在の結託相手、互いに利用しようと考えている・・・が最終的に見殺しにされる)
- デュデュオンシュ(レデュエが差し向けたお目付け役だったが、最終的には光実に裏切られガードベントにされた)
- 仮面ライダー龍玄(彼が物語前半で変身していた仮面ライダー。斬月・真に変身するようになってからは出番が激減し、ついには全く使われなくなったが、とんでもないロックシードを使うために使用される)
- 仮面ライダー斬月・真(上記のように龍玄に変わって変身する仮面ライダーで兄・貴虎の形見だが彼に悪事に使われるが、上記の要因でお払い箱にされる)
- 凰蓮・ピエール・アルフォンゾ(凰蓮の敬愛する麗しきメロンの君の偽物として悪事を働くも、彼に正体看破される)
- 葛葉晶(兄貴分であった紘汰の姉だが、レデュエと彼の計画で生命エネルギーを吸われる)
- ペコ(チームバロンのメンバー。光実を抑止した結果オーバーロードの餌食に)
補足
- ※1:貴虎はその後ロシュオに救出されている。
- ※2:ちなみに貴虎はこの時点で既にロシュオから開放されており、物陰から一部始終を見ていた。
- ※3:現時点では貴虎の生死は不明。
- ※4:レデュエに「壊れたかな?」と言わしめる程。
- ※5:斬月・真は貴虎時代は鎧武ジンバーレモン(紘汰成長前)を打ち倒しやカチドキアームズと互角に戦っていたが、光実が変身してからはジンバーレモンにすら劣勢を強いられていた。
- ※6:ちなみにこの戦闘中、彼は一部始終狂った笑い方をしながら戦っていた。
- ※7:ちなみに、回で斬月・真に変身する際に初めて「変身!」と発言した。
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