概要
早い話が「愛知県の二つある角のうち、西のほう」である。ちなみに東のほうは渥美半島である。
半島内の合計人口は60万人余、面積は約382km^2である。この面積に5市5町がひしめきあっている。余談だが平成の大合併にもよらず半島内での合併は一件も無かった(名古屋市へ編入された大高町等は除く)。このことから自治体ごとの独立性は強いと思われる。
半島というと、どうしようもなく不便な場所というイメージが大きいが、知多半島はサイズとしてはそれほど大きくなく、最南端の南知多町ですら根本である名古屋市に一時間足らずで到着することができる。北部は名古屋港にほど近いことから工業が発展し、南部にある豊浜港(南知多町)は県で最高の水揚げ高であることから、便利さと自然を兼ね合わせた場所であると言える、たぶん。
ちなみに、地理的には名古屋が近いが、海を挟んですぐの三重県南部や岡崎市付近の文化的影響を強く受けている。半島南部ほどこの傾向が強い。そういうわけで名古屋と一緒にされるのを嫌がる人もいるのでちゃんと覚えてあげよう!
知多半島を構成する市町村
大府市
大高町が名古屋市へ編入されたことにより知多半島最北部の市となった。その位置から東海市と共に名古屋のベッドタウンと化しており、住宅地が多い。
住民の性質も知多半島民というよりは名古屋民であるというきらいがある。大府でトップクラスの中学生は半田高校より刈谷高校(越境特例で受けれる)や名古屋市内の高校に進学する。
ちなみに、大府高校の野球部はなかなかの名門で過去には巨人の槙原寛己や阪神の赤星憲広を輩出したりしたが、北の方にある愛工大名電とか中京大中京のせいでいまいち影が薄い。2008年に公立高校としては28年ぶりに夏の甲子園に出場した。(その前は槙原の在籍時にも出場している。)
東海市
新日鉄で生きている。名鉄新日鉄前駅があるが普通列車しか停まらない。
市役所北部は市外局番が名古屋市と同じ052であり、一部の東海市民はそれを「東海市は都会」という根拠にしているが実態は他の市外局番が0569なエリアと変わることはない。
また、市内の交通の要となる太田川駅は高架になり、とんでもない構造のカオス駅になった。現在駅周辺再開発中・・・。
知多市
知多半島内での影の薄さは阿久比町と並び1、2を争う。知多半島は面積から考えてその全てを合併してしまってもいいぐらいなのだが、それをしないのは知多市があるからだろうと筆者は勝手に思っている。
特徴がなさすぎて本当に何もわからない。強いていえば知多半島唯一のイトーヨーカドーが市内にあるぐらい。
東浦町
かつては知多市、阿久比町と共に影の薄い自治体同盟という括りであったが、イオンモールの出店により状況は一変、周りの市町村に威張り散らすようになった。それほどイオンの力は偉大であり、東浦町民の中には「主要産業はイオン」などという者まで現れたとかなんとか。しかしイオン以外のこれといった特徴は無い。
人口は微増が続いており、そろそろ市政施行するかもしれない。しかし人口の鯖を読んで5万を超そうとしたことは黒歴史だ。
阿久比町
半島に属するのに内陸にあるという実に悲惨な町。名鉄阿久比駅を降りると一面田んぼという、いかにも内陸という感じの風景が広がる。ちなみに知多半島で最も面積が小さい自治体でもあり、そのことが地味度を押し上げている。
常滑市
最近、中部国際空港(セントレア)ができて一気に有名になった……はずだがいまいちパッとしない。
チリみたいに縦に長い。そのため住民は海を見て南北を判断する。
焼き物が有名であり、トイレではTOTOと並ぶINAXが本社を置いている。が、そのことはあまり知られていない。それ以外だと競艇場があることでも知られている。
半田市
知多半島のドンであり、中枢都市である。人口は知多半島一の約12万人。知多半島での国の出先機関も多くが半田市に集中していることから半田市民からも他自治体民からも知多半島の中心地と認識されている。
市内にある半田高校(半高)に入学し、卒業することは知多半島の中学生における最高のステータスであり、よくおばちゃんたちの井戸端会議のネタになる。「あそこの息子さんが半高に受かった~」等々。
このように人口、経済、都市機能、などなどあらゆる意味で半島内での揺ぎ無い地位を形成しているものの、近年は「よく考えたらもう少し足を伸ばして名古屋行けばいいじゃん」という至極当然の流れにより、典型的な地方都市型の衰退が始まっている。
しかしながら未だに「知多半島で一番栄えてるとこってどこよ?」と聞けば「半田」と即答する人が多いことからしばらくは安泰、なハズ。
江戸時代の酒の流通で発生した酒粕を活かした醸造業が有名であり、ミツカン本社を擁する。また、酢の里という日本で唯一の酢に関する博物館がある。
「ごんぎつね」などで有名な新美南吉の出身地であり、また彼は半田高校の前身の旧制半田中学校出身である。そのため、知多半島内の小中学校の国語の教科書にはほぼ確実に新美南吉の作品が収録されている。
武豊町
町名を漢字で書くと他県の人は反射的に「武豊(たけゆたか)?」と聞き返してくる少し不憫な町。ちなみに読みは「たけとよちょう」。
合併時に各々の地名から一文字ずつ・・・というのはよくある話だが、武豊の場合神社の名前を合成した。(武雄神社と豊石神社)
特筆するようなこともないが、知多半島南部にありながら人口45000人は頑張っているほうだと思う。武豊町以南はJRのみで帰ることができず、名鉄への乗換が必要なため、一気に秘境度が増す。
日油武豊工場(ロケットやミサイルの推進薬、ぶっちゃけ火薬製造工場)があり、爆発事故のイメージが強いためなんとなくスリルな街という噂がある。
コンビニが結構多い町である。人口45000人に対し、17店舗。
旭硝子の工場があるおかげで、学校でガラスを割っても弁償しなくてもOK。普通は学校でガラスを割ったらお金を請求されるということを知っている人が少ない。
美浜町
JR一本で帰れない地域&南セントレア市になりかけた地域その1。南知多ビーチランドや南知多インターチェンジは南知多町ではなく美浜町にある。東京ディズニーランドが千葉県にあるようなものだと捉えてほしい。
知多半島を横断し、伊勢湾と三河湾両方に面する形となっており、住民の性質も西側と東側では若干異なる。西側は野間地区がメインで、東側は河和地区がメイン。しかし町全体では河和地区のほうが栄えていると捉えられている模様。
すぐ下の南知多町ほど観光地化が進んでおらず、素朴な漁村風景を楽しむことができる。それ故に他自治体民からのイメージは阿久比町や東海市などに並び薄い。
日本福祉大学があるためか、20歳前後の人口の多さが際立っている。
南知多町
JR一本で帰れない地域&南セントレア市になりかけた地域その2。まごうことなき知多半島最南端。本体以外にも日間賀島、篠島という島を擁する。近年は観光地化が著しいが、美浜町と同じく昔からの漁村という感じ。
若あゆ日記
知多半島内での中学校教育で特徴的なのがこの若あゆ日記であろう。体裁としてはごくごく普通の日記帳なのだが、毎日の提出を義務付けられており、なんと日記の内容について先生のコメントが付く。コメントが割とマジなツッコミになることが多く、複数日同じ話題で先生とコメントでバトルを繰り広げることも珍しくはない。何のために始まったのかよくわからないが、筆者の親の代にはあったことから歴史は長いと思われる。
平日は縦罫線の普通の日記帳だが土日祝日はなぜか罫線が取っ払われ、自由に書けるようになっている。絵日記でも書けということだろうか。
単なる日記帳では面白くないと分かっているのか、若あゆ日記は所謂「読者参加型」の日記帳である。参加は「夏休みの宿題」という名目で半ば強制されているのだが……。表紙は有志生徒の手描きであるし、生徒たちの日常生活についての作文などが載ったり、OBによる寄稿もある。また、各ページの右脇と左脇には生徒が考えた俳句や短歌が載り、新しい若あゆ(だいたい一学期に一冊)をもらうと友達の名前が載っていないか探す者が多い。
表紙
若あゆ日記では表紙も基本的に生徒作である。表紙と言いながら裏表紙までの続き絵になっており、毎回なかなかレベルの高い絵が採用されていることから競争率は高いものと思われる。ちなみに惜しくも採用されなかった作品は巻末に佳作として縮小版が掲載される。
題材としてはやはりその季節を活かしたものが多い。
巻頭言
知多半島にゆかりのあるえらい大人のありがたいお言葉が載るページ。だいたい当たり障りの無い内容が書かれている。その上にはそのえらい大人の書がある。大概達筆だがたまにどうしようもなくアレなものもある。
広場
「何でもありのバラエティ・コーナー」と銘されているが内容は割と画一化されている。誰かへの思いや部活の話や日常生活の話などごく個人的な内容の話が多いが、縛りが少ないため中学生の素の文章を読むことができる。
詩
黒歴史生産工場……と言いたいところだが応募作品の中から選出されるだけあってそれなりにきちんとしたものが多い。
書
これ本当に中学生かよと思えるぐらいえらい達筆な書が載る。
若あゆに贈る
若あゆOB・OGにより寄稿された文章。大学生から地元の名士まで実にいろいろな人々からの寄稿がある。内容は「夢に向かってがんばれ!」的なものが多い。
わたしのウィークエンド
名前の通り、生徒が自身の週末の過ごし方を紹介する。料理や家事などと言ったものが定番ネタであるが、たまにマニアックなネタも紛れ込んでいる。
その他、いろいろなコーナーが定期的に挿入されているため、ただの日記帳よりかは面白い。興味を持たれた方は知多半島出身の人を捕まえて話を聞いてみたりするといいだろう。
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関連項目
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