ジャスティンパレスとは、2019年生まれの日本の競走馬である。青鹿毛の牡馬。
主な勝ち鞍
2022年: 神戸新聞杯(GII)
2023年: 天皇賞(春)(GI)、阪神大賞典(GII)
ジャスティンパレス Justine Palace |
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生年月日 | 2019年4月12日 |
馬種 | サラブレッド |
性・毛色 | 牡・青鹿毛 |
生産国 | 日本 |
生産者 | ノーザンファーム(北海道安平町) |
馬主 | 三木正浩 |
調教師 | 杉山晴紀(栗東) |
馬名意味 | 冠名 + 母名の一部 |
初出走 | 2021年9月12日 |
戦績 | 10戦5勝[5-1-1-3] |
獲得賞金 | 4億3466万6000円(2023年5月現在) |
競走馬テンプレート |
父ディープインパクト、母*パレスルーマー、母父Royal Anthemという血統。
父は皆様ご存じ無敗三冠馬にして、2023年現在11年連続でリーディングサイアーを獲得している大種牡馬。2019年に種シーズン途中で付けを中止しその後死亡しているため、まとまった数の産駒が生まれたのは本馬の世代が最後である。
母はアメリカで16戦5勝の馬。同じ牝系に属する活躍馬としては日本ダービー馬シャフリヤールや「龍王」ロードカナロアなどがいる。
母父は欧州と北米を股にかけ、12戦6勝(うちGI3勝)の成績を上げた馬。
母がアメリカで産んだ産駒にベルモントステークス・メトロポリタンハンデキャップを制し、種牡馬としてはBCジュベナイルターフを勝った*ストラクターや日本に輸入され朝日杯フューチュリティステークスを制したジャンタルマンタルを輩出、自身も2024年より日本で種牡馬生活を送ることになった*パレスマリス(父Curlin)、
日本での産駒で半兄にステイヤーズステークスと阪神大賞典で2着に入るなど長距離戦線で活躍しているアイアンバローズ(父オルフェーヴル)[1]がいる良血馬。
2019年4月12日にノーザンファームで誕生し、2020年のセレクトセール1歳の部で靴小売店「ABCマート」の創業者である三木正浩氏によって2億900万円(税込。税抜1億9000万円)で落札された(下記動画の97:40から)。ちなみにスタート価格は8000万円だったが、三木オーナーは1億数千万円になってから競りに加わって競り落としたそうな。
馬名意味は「冠名+母名の一部」。「ジャスティン」は牡馬用の冠名で(牝馬は「エリカ」。アグリやハセドンなど冠名を用いない牡馬の所有馬もいる)、三木オーナーのアメリカでのニックネームに由来する。勝負服もABCマートの看板カラーである黄色に赤のバツ+両腕の赤枠というデザインである。
2021年に栗東の杉山晴紀厩舎(主な管理馬に無敗三冠牝馬デアリングタクトがいる)に入厩。9月の新馬戦(中京2000m、5頭立て)でデビューし、1.5倍の人気に応えて2番手追走から抜け出して快勝。次走の黄菊賞(阪神2000m、6頭立て)も同様に2番手追走から抜け出して連勝する。
3走目は当然というべきか、2歳中距離GIのホープフルステークス。ここまでの2戦鞍上を務めていたルメールは1番人気のコマンドラインの元に行ったため、新たにデムーロ弟ことクリスチャン・デムーロを迎える。本番は4番人気とはいえ、ここまでが単勝オッズ10倍を切る混戦模様。
ゲートでややチャカついていたこともあり、スタートがうまくいかず中団から。最終コーナーから右左にヨレつつ進出していったものの、3番手からロスなく競馬をしたキラーアビリティを捉えるには至らず2着。
GI2着で収得賞金は積めたので、鞍上をデムーロ兄ミルコ・デムーロに変えてトライアルを挟まずに皐月賞へ直行。ところがゲート内で立ち上がってまたしても出遅れ。そのまま見せ場なく9着に終わる。続けて参戦した日本ダービーではゲートをうまく出ることに成功。そのまま中団前目で進めたものの、直線伸びず再び9着。この時点ではクラシックの脇役の1頭に過ぎなかった。
最後の1冠に向けて、今年は中京競馬場で行われる神戸新聞杯(GII)より始動。例年菊花賞を目指す馬でハイレベルになることが多い当レースだが、春のクラシック戦線を賑わせた馬は古馬との対戦に向かったり(イクイノックス・ジオグリフ・ダノンベルーガ)、凱旋門賞を目指したり(ドウデュース)、美浦所属のためセントライト記念から始動したり(アスクビクターモア)とやや層の薄い面子に見られていた。
そんな中本馬は鞍上が鮫島克駿騎手に乗り替わったのもあって5番人気。春クラシック参戦組の本馬やプラダリア(青葉賞覇者)を差し置いて、1番人気は4月デビューで2戦2勝のパラレルヴィジョンという状態である。
ゲートを五分に出たのち、やや左右によれたがそのままラチ沿いへと入ることに成功。1000mを60秒ジャストという平均ペースの中を進み、最終コーナーで内をするすると抜けて2番手まで浮上すると、逃げたリカンカブールを残り300mで捉え、追い込んできたヤマニンゼストとボルドグフーシュを寄せ付けずに3と1/2馬身差つけてゴール板を通過。嬉しい重賞初制覇となった。
かくしてトライアル勝者として臨んだ菊花賞だが、前述のとおりこの神戸新聞杯は面子が軽いとみられていた。1番人気と2番人気が同じトライアル組のガイアフォースとアスクビクターモアなのはまだしも、3番人気はトライアルを使ってこなかったドゥラドーレスである。本馬は大外が祟ってか4番人気であった。
スタートは五分に出てそのまま外目の好位を確保。セイウンハーデスが1000mを58秒7とかっ飛ばしていく中、本馬は中団前目で待機。第3コーナーでセイウンハーデスをアスクビクターモアが捕まえに行き、それを追って本馬は第4コーナーで内から進出。大外から突っ込んできたボルドグフーシュと共に、押し切りを図ったアスクビクターモアとの差を見る見るうちに詰めていく。
しかし仁川の坂を上がり切ったあたりで脚が止まり、最後はハナ差決着のアスクビクターモアとボルドグフーシュから1/2馬身離された3着。鮫島騎手は「ロスなく競馬をすることはできたが、最後の追い比べでもう少し頑張らせたかった」と悔いを口にした。
しかし4着ドゥラドーレスは5馬身ちぎっており、重賞馬としての実力を見事に示す形となった。
年内の最終戦として有馬記念に出走。鞍上には新たにイギリスから短期免許でやってきたトム・マーカンド騎手を迎えた。レースは先行策を取り内ラチ沿いから進めたものの、最終コーナーで同期のイクイノックス・ボルドグフーシュらに大外から次々に躱されていき人気通りの7着に終わった。マーカンド騎手曰く「直線ヨーイドンでは分が悪い」とのこと。
春は天皇賞(春)を目標に、伝統の阪神大賞典(GII)より始動。実に4度目の対戦となるボルドグフーシュ、当レース3連覇を目指すディープボンドと3強を形成した。その中で本馬は3.1倍の2番人気。1番人気のボルドグフーシュは1.6倍(ディープボンドは5.1倍の3番人気)。まあ菊花賞で負けているうえにボルドグフーシュは獲得賞金は菊花と有馬の2着のおかげでジャスティンパレスより上だが重賞未勝利のため斤量が1kg軽いということが影響したか。
しかし馬体が+16kgと成長し、さらに鞍上に名手クリストフ・ルメールを迎えた本馬は一味違った。レースはアフリカンゴールドが1000mを64秒9、2000mを2分8秒2とスローペースの逃げを打つ中本馬は最内でディープボンドを見る形、ボルドグフーシュはその後ろ。第4コーナーで例によってボルドグフーシュが大外からまくりを仕掛け、いまだ逃げ粘るアフリカンゴールドの後ろで3強が並んで最終直線に突入。
本馬は危うくアフリカンゴールドにぶつかるところであったが、ディープボンドが下がっていった結果開いた進路に飛び込むと、そのままボルドグフーシュも躱して1と3/4馬身差をつける快勝。名手の鮮やかな手綱さばきもあって重賞2勝目を挙げて見せた。そしてボルドグフーシュはまたしても重賞に手が届かず。
次走は当然天皇賞(春)。前年王者が日経賞で復活勝利を挙げた中、その対抗1番手として盾の奪取に挑む形となった。
本番の枠順は1枠1番の最内、前日まで雨が降っていたが当日は日も差し水はけが良くなった馬場は稍重まで回復。それを受けて最終オッズは4.3倍。前年王者タイトルホルダーに次ぐ2番人気である。
レース本番、好スタートを決めたタイトルホルダーと大外から果敢に飛び出していったアフリカンゴールドが競り合うのを横目に中団まで下げる。その後第1コーナーのあたりでディープボンドに続くような形で外に出すと、第3コーナーでタイトルホルダーが失速し場内がどよめく中スパートを開始。残り300mでディープボンドを交わすと上がり3ハロン最速の34.9秒という脚で後続を突きはなし、悲願のGI制覇。これでディープインパクト産駒は13年連続でのGIおよび旧八大競走制覇を達成した。
見事な騎乗で本馬をエスコートし、本人いわく「最終直線ではエンジョイしていた」鞍上のクリストフ・ルメールはこれで春天3勝目。馬主の三木氏にとっては嬉しいGI初制覇、杉山厩舎としてもデアリングタクトが無敗での牝馬三冠を達成した2020年秋華賞以来のGI制覇となった。また、セレクトセール2億円超の高額取引馬でGIを勝ったのは、アドマイヤグルーヴ、サトノダイヤモンド、ワールドプレミア、ポタジェに次いで5頭目である。
次走は古馬王道ローテを進み宝塚記念へ。ドバイシーマクラシックを圧巻の内容で制した同期のイクイノックスがライバル筆頭、同期の春天組も大半が宝塚へ行くため、現4歳勢にとっては初夏の頂上決戦となった。中団から差し切りを図るも、イクイノックスとスルーセブンシーズにぶち抜かれ、スルーセブンシーズから1馬身差つけられた3着。
秋は天皇賞(秋)から。近年では珍しく3歳馬も牝馬もいない、古馬牡馬の頂上決戦となったこのレース。11頭立てと頭数こそ少ないものの、強い馬たちがそろうレースとなった。このレースはジャックドールがハナを進み、それをガイアフォースが追い、3番手にイクイノックスがつける展開。だが、そのハナを進んだジャックドールのペースが最初の1000mを57秒7という超ハイペース。それらにみんながついていくわけだから、通常、後方からの差し追い込みが有利となる展開である。ジャスティンパレスはプログノーシスとともに最後方につけ、上がり600m最速の33秒7で追い込むも、いかんせんイクイノックスが化け物すぎた。きっちりと34秒2でまとめてきた彼に、2馬身半届かない2着に終わった。それまでの東京競馬場芝2000mのレコードはトーセンジョーダンの1分56秒1だったのだが、4着のダノンベルーガまでがそのレコードを更新するという恐ろしいレースであった以上、ただただ白旗を上げる以外の手はなかった。
その後はジャパンカップをパスし、4歳最終戦には有馬記念を選択。スルーセブンシーズやウインマリリン、ライラックなど好走を続ける古馬牝馬やまだ見ぬ3歳馬達を迎え撃つ。
ディープインパクト 2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ウインドインハーヘア 1991 鹿毛 |
Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
*パレスルーマー 2003 鹿毛 FNo.2-s |
Royal Anthem 1995 黒鹿毛 |
Thertrical | Nureyev |
*ツリーオブノレッジ | |||
In Neon | Ack Ack | ||
Shamara | |||
Whisperifyoudare 1997 鹿毛 |
Red Ransom | Roberto | |
*アラビアII | |||
Stellar Affair | Skywalker | ||
Fawn and Hahn | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Hail to Reason 4×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
。
掲示板
215 ななしのよっしん
2024/03/31(日) 23:30:37 ID: 2qAPOhOrkR
元々ハイペースの一本調子なレースを後ろからロンスパで差す馬でキレや反応速度に自身のある馬じゃないから、ドスローになりやすいシーマでイクイノックスやタイトルホルダーみたいなペース吊り上げてくれる相手もいないレースなら前に構えるのは前残り展開的にも正解ではあった
単純にキツめのコーナーからの上り勝負がキツかったかな…G1級では伸び伸び走れる大回りコースが必須なら、京都開催の宝塚記念は狙い目
216 ななしのよっしん
2024/04/24(水) 17:55:38 ID: S3DjYipvWC
跳び的に仕方ないんだろうけどコーナーで全く加速付かない特性なんとかしないと、有馬やドバイSCみたいに「凄い足で追い込んでパッと見の内容的にはいちばん強い!でもそれ4!」みたいな競馬続きかねんね。
それがプラスに出た秋天は結果こそイクイノックスがいなければ……だったけど、内容的にはほんとにイクイノックスが居なかったとして他の馬との逆転無いかはなんとも言えないところだし。
とりあえずこの弱点がなんとかなるコーナー緩くて坂の勢いで加速しやすくて馬群も散りやすい京都宝塚は最大のチャンスだろうけど、今のまま秋にドウデュース、リバティアイランド、スターズオンアース、まだ見ぬ3歳勢相手に勝ち切るイメージ湧かない。矯正できるかは分からないけど何とかなって欲しいところだね。
217 ななしのよっしん
2024/04/29(月) 07:31:40 ID: t+IVj183WK
なんか>>215や>>216のジャスティンパレス評を聞いてると、強化版ディープボンドみたい
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/03(金) 03:00
最終更新:2024/05/03(金) 03:00
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