パワーレンジャー・サムライ

『パワーレンジャー・サムライ』(Power Rangers Samurai)とは、アメリカ合衆国の特撮テレビドラマ。日本のスーパ戦隊シリーズ「侍戦隊シンケンジャー」をアメリカでリメイクした。パワーレンジャーシリーズの第18シーズンにして16作目である。

2011年2月5日からニコロデオンで放送。同時期にニックトゥーンでも放映。ヨーロッパでは同年8月から放送。全43話。

日本では『パワーレンジャー SAMURAI』のタイトルで吹き替え版が製作された。全40話。
なお、日本国内ではSPDより行われていたパワーレンジャーの日本語吹き替え版プロジェクトは、今作をもって打ち切られる事になった。
このため、パワーレンジャーシリーズの日本語吹き替え版は今作が現時点における最終作となっている。（2023年12月現在。2017年公開のリブート版パワーレンジャー除く）

あらすじ

火・水・天・木・土の自然のエレメントのサムライシンボルを操るパワーレンジャーが、冥界の闇の戦士たちと戦う。

概要

『侍戦隊シンケンジャー』をアメリカ（撮影はニュージーランド）でリメイクした作品。

2009年に一旦終了したパワーレンジャーシリーズであったが、2010年5月に権利がウォルト・ディズニー・カンパニーからサバン・ブランドに移行。サバン・ブランドが製作する新生パワーレンジャーシリーズの第1弾である。製作会社の変更に伴い、放送局もABC放送（アメリカ）、ディズニーXD（ヨーロッパ）からニコロデオン系列に変更になった。

本作にもスタントマンとして参加しているこしげなみへいによれば大筋は原作から変えずに作る予定とされる。

サバン・ブランドの社長、エリー・デケルによればDVD用エピソードの製作も検討されており、『仮面ライダーディケイドVSシンケンジャー』をベースに製作したいとしている。

本作はパワーレンジャーシリーズで初めてのハイビジョン画質の放送となる。

2010年のメイシーズ感謝祭パレードにサムライレンジャーが登場するなどのプロモーションが行われている。

本作のパワーレンジャーのスーツは原作と同じものの他にアクションフィギュア「メガレンジャー」シリーズと同じデザイン物が作られており、本編の撮影に使用されている。

2012年2月18日より、第2シーズン(シリーズ第19シーズン)となる『パワーレンジャー・スーパーサムライ』が開始。日本国内でも『パワーレンジャー SUPER SAMURAI』のタイトルで吹き替え版が製作された。

登場人物

パワーレンジャー（サムライレンジャー）

ジェイデン/レッドレンジャー
パワーレンジャーのリーダー。エレメントは火。
優しい性格だが、時には毅然とした態度をとる。彼には何か秘密がある模様。

ケビン/ブルーレンジャー
パワーレンジャーのサブリーダー。厳しい父からサムライの掟と作法を教え込まれた。
真面目な性格で泳ぎの名手。エレメントは水。

ミア/ピンクレンジャー
チームのお姉さん的存在で、性格は自信家。エレメントは天。

マイク/グリーンレンジャー
ゲーム好きなムードメーカー。エレメントは木。

エミリー/イエローレンジャー
最年少で無邪気な性格。フルートの演奏が得意。エレメントは土。
本来は彼女の姉であるセリナがイエローレンジャーになる筈だったが、病に倒れたため、エミリーが代わりにイエローレンジャーとなった。

アントニオ・ガルシア/ゴールドレンジャー
ジェイデンの幼馴染。市場の魚屋の息子で、自身も釣った魚を調理して売り歩いている。子供の頃から侍になることに憧れており、一家で引っ越したためジェイデンと長年別れていたものの我流で特訓を行い6番目のレンジャーになるためにジェイデンの元に舞い戻った。メカいじりが得意で、サムライモーファーなどの装備も自作した。

協力者

ジイ
サムライレンジャーの師匠で剣の達人である老人。ジェイデンの秘密を知っている模様。

ダイスケ
初代レンジャーの記念碑が祀られているサムライの聖地「テンゲンゲート」の守り人。ジェイデン達にブラックボックスを託し、ナイロックに関する伝承を語った。

レンジャーオペレーターシリーズレッド
ジェイデン達の前に現れた謎の戦士。ジェイデンと共闘し、ジェイデンから受け取った恐竜ディスクを自分の武器に装着してパワーアップする。変身を解除しなかったため、パワーレンジャー・RPMに登場するレッドレンジャーであるスコット・トルーマンと同一人物かは不明。

一般人

ファーカス・バルクマイアー
通称バルク。かつての「バルクとスカル」の片割れで、甥のスパイクとともにコメディリリーフとして活躍。今作では、サムライレンジャーの登場に触発されスパイクを立派なサムライに仕立て上げようとするが、バルク自身、自分の能力を買い被りがちである。

スパイク・スカロヴィッチ
『パワーレンジャー』などに登場したスカルの息子でバルクの甥。バルクの的外れな支援を受けつつサムライを目指しているが、サムライを目指すための訓練はたいてい失敗に終わっている。

セリナ
エミリーの歳の離れた姉で、本来は彼女がイエローレンジャーになるはずだったが病に倒れたためエミリーが代わりに戦うことになった。幼い頃のエミリーが虐められて泣いているといつも慰め、自分が病に倒れた後は妹が自分の代わりにレンジャーになって危険な目に遭うことを心配して泣いていた。

ケビンの父
ケビンの水泳のコーチでもある。息子に幼い頃から熱心に水泳の練習をさせ、同時にサムライの心得を教え込んできた厳格な男性。

ナイロック一味

マスター・ザンドレッド
悪の軍団のリーダー。

オクトロー
ザンドレッドの部下である参謀格。

ダユウ
ザンドレッドの側近である女幹部。かつては人間で、デッカーとは婚約者の間柄だったが騙されてデッカーをナイロックにしてしまい自身もナイロックとなった。デッカーとは異なり、ナイロックになった後もかつての記憶は残されており、彼から贈られたギターが変化した三味線を大切に携えている。

デッカー
ナイロックの剣士で謎多き人物。かつて人間でダユウとは婚約者の仲だったが、火災で瀕死の重傷を負い、騙されたダユウの願いによりナイロックとなり、その際記憶を失いダユウとの過去も忘れている。ただし、身体の半分は人間のままであり元の姿に戻ることも可能である。人間だった頃、ダユウから贈られたウラマサという剣を愛用する。

ムーガー
戦闘員。

パワーレンジャーの装備

サムライザー
パワーレンジャーの携帯電話型の変身アイテム。
『Go! Go! Samurai』と叫んだ後、それぞれのエレメントを意味する漢字を宙に書き、変身する。

スピンソード
パワーレンジャーの共通装備である剣。レンジャーのベルトの収納部から取り出したディスクを柄に取り付けて鍔とすることで起動する。ディスクを回転させると鍔がプラキシノスコープとして働き、威力が上がる。

サムライメガブレード
メガモードのレンジャーが使用する武器。スピンソードが変化した折り畳み式の剣で、ゾードの操縦にも用いられる。ゴールドレンジャーはスピンソードを持たないが、メガモードに変化する際に手元に出現している。

サムライモーファー
ゴールドレンジャー専用の携帯型変身装置。
コード入力によってレンジャーへの変身およびゾードの召喚を行う。

秘伝パワーディスク
スピンソードなどの武器にセットして使うディスク型のアイテム。必殺技の発動やゾードの召喚が可能。

ブラックボックス
初代レッドレンジャーが生み出したとされる魔除けのアイテム。未完成の状態でテンゲンゲートに保管されていた。

ギャップセンサー
ナイロックの出現を感知するセンサー。

ファイヤースマッシャー
レッドレンジャーの個人武器。赤い大太刀。ジェイデンがファイヤーディスクを取り付けたスピンソードから変化する。ビートルディスク等と組み合わせることでキャノンブラストモードとなる。

ハイドロボウ
ブルーレンジャーの個人武器。水の矢を放つ青い弓。ケビンがウォーターディスクを取り付けたスピンソードから変化する。

スカイファン
ピンクレンジャーの個人武器。突風を巻き起こすピンク色の扇。ミアがスカイディスクを取り付けたスピンソードから変化する。

フォレストスピア
グリーンレンジャーの個人武器。緑色の槍。マイクがフォレストディスクを取り付けたスピンソードから変化する。

アーススライサー
イエローレンジャーの個人武器。黄色の手裏剣。エミリーがアースディスクを取り付けたスピンソードから変化する。

バラクーダブレード
ゴールドレンジャーの専用武器。魚型の小刀。バラクーダとはカマスという海水魚の英名である。

登場ゾード

ライオンフォールディングゾード
レッドレンジャーのゾード。

ドラゴンフォールディングゾード
ブルーレンジャーのゾード。

タートルフォールディングゾード
ピンクレンジャーのゾード。

ベアーフォールディングゾード
グリーンレンジャーのゾード。動物形態での戦闘では、後足で立ち上がり爪を振るうことも可能。

エイプフォールディングゾード
イエローレンジャーのゾード。

ビートルゾード
ビートルディスクで召喚されるヘラクレスオオカブト型の支援ゾード。頭部を回転させて角で敵を突いたり、エネルギー弾による遠距離攻撃が可能。当初はジェイデンが所持していたが、現在はマイクが所持している。

ソードフィッシュゾード
ソードフィッシュディスクで召喚されるカジキ型の支援ゾード。毒を浄化する癒しの能力を持つ。魚雷を発射したり、鼻の刃で攻撃が可能。長い間、行方不明になっていたが、釣り人の協力でケビンに釣り上げられる。

タイガーゾード
タイガーディスクで召喚されるホワイトタイガー型の支援ゾード。地面に穴を掘る能力を持つ。ゾード形態では、地下を掘り抜いて地割れを作ることが可能。かつてマスター・ザンドレッドが冥界に封じられた際に奈落に落ちてしまい、マディモットに支配されていた。その後、ジェイデンの手に渡る。

オクトゾード
アントニオが幼い頃にジェイデンから託されたゾード。墨を吐いたり、吸盤で敵に貼り付いて攻撃する。普段はクーラーボックスの中で待機している。

クローゾード
アントニオが使用するロブスター型ゾード。巨大なハサミを持ち、リング状の光弾を放つことができる。やはり普段はクーラーボックス内で待機している。かつての戦闘で損傷したためジイが保管していたが、アントニオによって修復された。

メガゾード

サムライメガゾード
5体のフォールディングゾードが合体して誕生する巨人。巨大な刀・メガブレードを振るう「サムライストライク」で敵を討つ。

ビートルブラスター・メガゾード
メガゾードがビートルゾードを武装した形態。砲撃を連発する他、兜を回転させて火球を放つローティングビートルブラスターという必殺技を持つ。

ソードフィッシュフェンサー・メガゾード
メガゾードがソードフィッシュゾードを武装した形態。メガブレードをツインブレードモードに変化させて戦う。魚雷攻撃の他、頭部にセットしたメガブレードで敵を切り裂くソードフィッシュスラッシュという必殺技を持つ。

タイガードリル・メガゾード
メガゾードがタイガーゾードを武装した形態。両肩のドリルが武器で、ドリルで敵を砕くタイガードリルチャージという必殺技を持つ。

オクトスピア・メガゾード
メガゾードがオクトゾードを武装した形態。右腕の槍が武器である他、盾から冷気を噴射して攻撃することが可能。

サムライバトルウイング
ビートル、ソードフィッシュ、タイガーの3体をサムライシンボルで合体させた形態。サムライメガゾ―ドとは違い人型ではないが、その代わりに自由に空中飛行が可能。必殺技はヴォルテックススピンとチャージングスラッシュ。

バトルウィング・メガゾード
「功」のサムライシンボルにより、サムライバトルウイングとサムライメガゾードを合体させた形態。サムライバトルウイングの飛行能力が追加され機動力が大幅にアップした。必殺技は上空から刀を振り下ろすフライイングスラッシュ。

クローバトルゾード
クローゾードが人型に変形した戦闘形態。方角になぞらえた4つの姿を持ち、戦況に応じて異なる武器を使う。

クローバトルゾード・イースト
両手の爪で戦う形態。必殺技は両手の爪で切り裂くクローピンチャースラッシュ。

クローバトルゾード・ウェスト
クローゾードの尾を扇状の武器として使用する形態。

クローバトルゾード・サウス
2本の刀で戦う形態。必殺技は両手の刀で敵を切りつけるダブルカタナストライク。

クローバトルゾード・ノース
オクトゾードを装備した形態で、槍と盾を持って戦う。必殺技は槍で敵を貫くオクトスピアチャージ。

キャスト

役名	俳優
ジェイデン	アレックス・ハートマン
ケビン	ナジー・デ・テージュ
マイク	ヘクター・デヴィッドJR.
エミリー	ブリトニー・アニー・パータル
ミア	エリカ・フォン
アントニオ・ガルシア	スティーブン・スカイラー
ファーカス・バルクマイヤー	ポール・シュリアー
スパイク・スカロヴィッチ	フェリックス・ライアン
ジイ	レネ・ナウファフ
セリナ	ジャシンダ・スティーブンズ
ダイスケ	グラント・マクファーランド
マスターザンドレッド(声)	ジェフ・スザスターマン
オクトロー(声)	〃
ダユウ（声）	ケイト・エリオット
デッカー(声及び人間態)	リック・メディナ
OPナレーション	スティッグ・エルドレッド

スタッフ

製作総指揮	ジョナサン・ヅァクワー
プロデューサー	サリー・キャンベル
音楽	ノアム
キャスティング	アリス・パンプトン
原作	ハイム・サバン、東映
オリジナル	『侍戦隊シンケンジャー』（八手三郎、東映）
製作	パワーレンジャー・プロダクション
配給	サバン・ブランド マルビスタ・エンターテイメント

関連コミュニティ

関連商品

関連項目

• パワーレンジャー・RPM（前作）
• パワーレンジャー(2010年)（前年度展開）
• パワーレンジャー・メガフォース（次作）
• 特撮
• 特撮作品一覧
• スーパー戦隊シリーズ
• パワーレンジャーの関連項目一覧

外部リンク

• 公式サイト（ニコロデオン）
• パワーレンジャー公式サイト内の紹介