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だから 虚構の始まり
…ココにいても、いいの? |
『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』とは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの劇場映画第2作である。
英語タイトル表記は『THE END OF EVANGELION』。シリーズファンの間ではそれを略して「EOE」とも呼ばれる。
1997年7月19日公開。総監督・脚本は庵野秀明。TVシリーズ第弐拾四話から続き、本放送では抽象的な描写に終始した第弐拾五話と最終話のリメイクとして、そして劇場版前作『シト新生 REBIRTH』の完全版として制作された。
前編『第25話/Air(EPISODE 25' / Love is destructive.)』(監督:鶴巻和哉)と
後編『第26話/まごころを、君に(ONE MORE FINAL / I need you.)』(監督:庵野秀明)の2部構成となっており、前後編の間に映画全体のスタッフクレジット(と、庵野監督のメッセージ)が挿入され、後編終了直後に終劇となる。
『Air』は「アリア」を意味する英語で、作中でも使用されている音楽「G線上のアリア」(Air on the G String)から。『まごころを、君に』はダニエル・キイスの小説『アルジャーノンに花束を』の1968年の映画版の邦題『まごころを君に』から、それぞれ引用されている。
2021年現在では、「バンダイチャンネル」「U-NEXT」「Netflix」「Amazon Prime Video」「YouTube」「Google Play」「dアニメストア」などで有料配信されている(本記事最下部「関連リンク」参照)。
ちなみに2019年8月1日からはニコニコ動画でも有料動画として配信されており、購入すると一定期間のみコメント付きで視聴することも可能。2025年10月1日にはプレミアム限定動画としても配信されている(本記事「関連動画」参照)。
2015年8月26日に発売されたBlu-ray BOXにも、テレビ版や劇場版第1作とともに収録されている。こちらは本作ラストの台詞の別バージョンなど、未公開音声なども収録されている(「関連リンク」参照)。
※劇場版前作『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の記事も参照されたし※
当時社会現象にもなっていた人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』は、そのテレビ版全26話のラスト2話において視聴者を置き去りにするかのような、良い言い方をすれば前衛的な、悪い言い方をすれば広げた風呂敷をたたまないまま放置するかのような終わり方をした。これは制作会社ガイナックスにとってもある意味不本意な形であり、最終回から1か月、本来構想した結末を描くため、完結版の制作が発表された。
1997年の春には「TVシリーズ総集編と新規製作の25話・26話」を、同年夏には「完全新作ストーリー」の劇場版をそれぞれ公開するという告知にファンは沸いた。上映当時のプロモーション映像などは、断末魔のような謎の絶叫音声が流れていたり、本作との関連不明の実写映像が流されるなど、かなり欝々とした雰囲気の作風が予想されるもの(「関連動画」参照)であり、更に期待と不安が煽られていった。
だが、未だガイナックスの制作体制はガッタガタのままであり(庵野監督に至っては鬱病に近い状態だったという)、それぞれ「春エヴァ(=後のシト新生)」、「夏エヴァ(=後の本作『EOE』)」と呼ばれた2作品の制作にも暗雲が立ち込めていく。遂には「春エヴァ」公開1か月前に制作未了のお詫びと、公開構成の変更が記者会見で告知されたのだった。
『シト新生』はTVシリーズの第壱話~第弐拾四話を総集編とした『DEATH』編と、第弐拾五話や最終話を新たに造り直した『REBIRTH』編(即ち本作に当たる部分)で構成されるはずであった。しかし『REBIRTH』編の制作が春の公開までに間に合わず、序盤部分(『Air』前半にあたる部分)までしか公開できなかった。そのため、夏までに時間をかけて『REBIRTH』編として公開されるはずだった残りの部分が制作され、本作にて第25話『Air』と第26話『まごころを、君に』と名前を変えて公開されたという流れである。
紆余曲折を経た本作は、庵野総監督の師匠的存在である宮崎駿の『もののけ姫』と同時期に公開されたが、同作のポスターキャッチコピー「生きろ。」と対照的な「だからみんな、死んでしまえばいいのに…」というネガティブにも程がある文面が使用されていたことは、後々までネタにされている。ここに翌年の劇場版『スプリガン』の「戦って、死ね」やWOWOWアニメ『ブレンパワード』の「頼まれなくたって生きてやる」を加えた生死四天王としてネタにされることもある。
本来の構想であれば劇場版エヴァは、第壱話~第弐拾四話総集編『DEATH』→25話『Air』→26話『まごころを、君に』と順に視聴されるはずのものであった。それを実現するものとして、翌年の3月には『REVIVAL OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』と編集された形式の映画も公開された(TRUE2の理由についてはシト新生の記事を参照)。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の開始後は、本作、『シト新生』、および『REVIVAL OF EVANGELION』などはまとめて『旧劇場版』(略して『旧劇』)とも呼ばれるようになった。
最後のシ者は倒した。だが、現実に対処できないシンジは
固く心を閉ざしてしまう。そして、約束の時が来る。
迫りくるNERV全滅の危機、死の淵へ追いつめられるアスカ、
レイと共に発動へと導かれる人類補完計画。
己の現実に抗い、夢を受容する人々の頭上に
EVAシリーズが舞い降りる。
暴かれる欺瞞を嘲笑うかのように……
次回『Air』
遂に、阿鼻叫喚の現実を直視する碇シンジ。
その衝撃に耐えかねた彼は、自我を幻想へと委ねる。
そこに『真実』という名の『苦痛』はなかった。
そこに『自己』という名の『虚構』はなかった。
そこに『他者』という名の『恐怖』はなかった。
そこに『他人』という名の『希望』はなかった。
そこに……『自分』という名の『存在』もなかった。
次回。終局『まごころを、君に』
アニメーション映像の質自体は、日本アニメ史上に残ると評しても過言ではない完成度を誇る。TVシリーズから積み重ねられてきた実写特撮風レイアウトに加えて、作画監督級の名アニメーターが結集した戦闘作画は一切破綻が無く、壮絶な死闘を克明に描き出している。
だが一方、そのストーリー展開は……
などと、視聴者を精神的に追い詰めるかのような、前情報に違わず陰鬱で重い展開の連続となっていた。
さらに劇中のクライマックスで起きる現象「サードインパクト」についても、作中での説明は独自の用語が多用された理解しづらいものであり、そして最終的な物語の結末についても、バッドエンディングともとれるような、解釈が分かれるものであった。
また後半においては、「映画館で作品を鑑賞する人々」「庵野監督を非難する過激な文が映った画面」などの実写映像までもが織り交ぜられているという、メタフィクション的な演出もあった。
強烈な映像描写と、わかるようなわからないような複雑なシナリオ描写のダブルパンチを喰らった観客たちの反応は、おおむね「お通夜状態」であった……とまことしやかに囁かれている(現在でもネット上で当時の感想を検索すると「帰路では一言も口を利く気になれなかった」「家族や恋人と観て後悔した」「これ以降エヴァを追わなくなった」などなど、真偽はともかく様々なネガ感想がヒットする)。
上映後のファンコミュニティは単に映画の感想を話し合うだけではなく、少しでも物語と現実をすり合わせようと、自分たちなりの解釈を話し合う考察的な書き込みで溢れた。実写映像パートなどから「新世紀エヴァンゲリオン」に熱中しすぎるアニメオタクに向けての「目をさませ」といったような否定的メッセージを含んだ作品なのではないか……という説も登場した。
しかし、もしその説が制作者の意図を言い当てていたとしたら皮肉なことだが、「解釈が分かれるスッキリしない終わり方」であったことから、その後もシリーズのファンは貞本義行による漫画版・各種ゲーム版・新劇場版などでの「別の結末」に関する期待を持ち続けることになった。また、当時黎明期だったインターネット上などでは、カタルシスが得られるような別の展開を描こうとするファンフィクション(二次創作小説)の作者/読者なども急増していたという(碇シンジがまっとうに主人公として活躍する「スーパーシンジ」系など)。
ある意味では、本作が「誰からも文句が出ない綺麗な終局」を迎えなかったことが、逆に「新世紀エヴァンゲリオン」というコンテンツを注目を浴び続ける、息の長いものへと導いたと言えるかもしれない。
終劇
掲示板
138 ななしのよっしん
2025/10/31(金) 01:12:28 ID: DyEnenV+pG
ーネタバレ注意(画像)ー画像は「最終話 『まごころを、君に』新脚本(第1稿・社内検討用) 」の18ページの一部です。
https://
139 ななしのよっしん
2025/10/31(金) 01:21:17 ID: tIMklmaH2Z
やってること自体はシンとほぼ同じっていう
昔はVHSのクソ画質だったんでショタシンジが夕方の公園で遊んでるところで特撮のスタジオみたいなステージになってるのなんて見えなかったぜ
140 ななしのよっしん
2025/11/05(水) 16:04:46 ID: MT/tcK98DR
先週初めて映画館で観たがとても良かった
特に甘き死よ来たれの「I with that could back time~」のときのリリス(巨大綾波レイ)に感動した
あの迫力と美しさはスクリーンじゃないと分からないなー
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/05(金) 19:00
最終更新:2025/12/05(金) 19:00
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