「――ともかく。ウチの妹は、いわゆる腐女子というやつなんだ。」
「婦女子?」
「・・・・・・いや、たぶんその顔は分かってないだろう高坂。腐女子だ。婦人の「婦」ではなく、腐るという字を使う。腐った女子と書いて、腐女子。実のところ俺も、やつらの生態の全てを把握しているわけじゃないがな――二次元三次元を問わず、主に人間の男同士の恋愛や、性的な関係を妄想し、悶え愉しまずにはいられないという忌まわしい業に支配された女性達のことを指す。・・・・・・分かるか?」
「すまん。よく分からんが・・・・・・腐女子、だっけ?なんでまた、そんなふうに呼ぶんだ?」
「腐っているからだ」
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」4巻から一部抜粋(太字は傍点の代用)
男性キャラクター同士の恋愛を嗜好する女性の事である。単に「腐」とも。
また、この嗜好をボーイズラブ(BL)・腐趣味と呼ぶ。
「腐女子」という名称は「こんな趣味で興奮してる私達は腐ってる」と当人達が「婦女子」をもじって自虐的に自称したものが始まり(「腐女子」の出典を明記できる現存最古の記録は1999年の男性ブロガーによる他称とする資料 ネット上で「腐女子」の使用目撃例が報告される。 もあるが、このブログには「ネット上の某掲示版で」広まっていた呼称として言及されている)。
ちなみに、腐趣味を持つ男性オタク(少数だが存在する)は『腐男子』、もしくは父兄をもじった『腐兄(ふけい)』と呼ばれる。
ただし、愛好者はあくまでも「男同士の恋愛を妄想するのが好き」なのであって、現実のゲイに関心があるとは限らない。というか、創作物を読んでいるだけの異性愛者(男性であれ女性であれ)に、現実の同性愛を理解しているような顔をされると、ゲイとしてはかえって厄介である。逆にゲイでBLを好んで読む者がいないわけではないが、BLはゲイコミュニティの中では好意的に受け止められていないため、ゲイがBL好きを公言しにくい環境になっている。
BLと言えば少女漫画風の線の細い美少年or美青年同士の絡みが想定されがちだが、今では絵柄や対象も多様化しており、中高年や実在の人物(ナマモノ)もBLの範疇に入っている。腐女子歴が長い者は、本来性別が存在しない無機物などの人外、果ては抽象概念(国など)でも妄想が可能である。
その妄想力には定評があり、
「例えばねー、鉛筆と消しゴムでどっちが受けでどっちが攻めかって議論はもう10年前に通過してるの」
――801ちゃん
「極端な話フォークとスプーンさえあればプリミティブな愛の形は表現できるのです」
――赤城瀬菜
と、世の変態紳士に勝るとも劣らない脳内ワールドを持つ。
2chにおいても腐女子の主な生息地である「801板」は2ch最強で最狂かつ最凶であるとされ、過去に軍事板やvipperなど無謀な男達に戦争を仕掛けられたが、ことごとく返り討ちにした歴史を持つ。→801板
ちなみに「攻め」「受け」とは「挿すか挿されるか」を示す腐女子の隠語である。
男女間(いわゆるノーマルカップリング)と違い、両方が突起物を持っているためこのような区別がなされる。「掛け算」とも表現され、「A×B」ではAが攻め、Bが受けである。
同じキャラクターの組み合わせでも「A×B」と「B×A」は全く別物とされ、双方の支持者同士が戦争状態になるほどである。「ヘタレ攻め(攻め側が受動的)」「誘い受け(受け側が積極的)」「襲い受け(受け側が強引に迫る)」なる概念もあるが、たとえ相手を押し倒していようと最終的に挿入される側が受けである。
cf.ボーイズラブ
BL趣味に目覚める理由としては、以下の様なものが挙げられている。
「801が好きな理由」
1)男×女だと障害がないので早くくっつけばいいのに、と冷めてしまう
2)男×女だと恋愛の延長線上にあるもの(避妊、妊娠、結婚、嫁姑問題、老後など)を
すぐ想像&心配してしまう
3)男×女だと自分とつい比べてしまう為、完全には現実逃避できない
4)自分が経験可能な事(男女の恋愛)をわざわざ小説、漫画で
読みたい、自分でかきたいとは思わない
5)男×女はどうしても損得や打算が多少あるので
同性同士の性別を超えた魂の愛の繋がり云々というのに憧れる
6)男女ものや同性愛ものは現実の存在が読んでいて気になる為、
色々考えるきっかけになって面白いけど疲れた時に娯楽として読むには重い
7)同性同士の世間的に認められない故の罪悪感などのタブー性に惹かれる
8)女性キャラは性格や体の描写など見る目が厳しいので気になってしまう
9)気に入った男キャラに釣りあうと思う、いい女キャラが作品にいないことがある
10)女キャラとくっつくと嫉妬してしまってがっかりする
11)ヤオイという設定のファンタジー性が重いテーマ(周囲との軋轢など)に勝るため
「物語を面白くするための単なるトッピングに過ぎない」と据える事ができるので
後々まで尾を引くことがなく、自分だったらどうしようなどと考えなくて済む
12)男×女では難しい男×男の親友兼恋人の対等さや同じ目線の精神的繋がりに憧れがある
13)女や女同士では真似できない 男同士特有の友情やライバルや
離れていても互いのことはわかってる感じや腹をわって話せる雰囲気に凄く憧れる
14)男×女が恋愛しかないのに比べて男×男は色々な関係で萌えられる
15)性的興味や魅力を感じるのは異性(男性)なので友情、愛情、エッチがセットで見られる
16)異性=未知なものなので都合良く妄想することができる
17)男×男だと自分の性(女性)は全く介在しないので完全に傍観者の立場になれたり
安心して浸ることができる
しかし現在、新しい世代の腐女子にとっては、そういった経緯とは関係なしに「オタクの世界に入ったらすでにそういう土台が出来上がっていた」ことが大きいらしい。特にコンプレックス等の深い問題があるわけでなく、オタクになったら自然と腐女子になっていた、というのが理由とされている。
そのため「腐女子」とは言ってもBLに特に強いこだわりを持たず、自分の守備範囲にある分野の一つとして、NLなどとともに広く浅く愛好する人が増えているという。もちろん、周囲に腐女子が多くいてもBLに関心を持たない、受け付けない、あるいは友人らの影響でBLを読みだしたものの百合などに関心を移す....といった女性オタクも多くいる。
その歴史は相当古いと思われるが、女性向けに少年同士の世界を描くという創作が認知されるのは1970年代の24年組(竹宮惠子、萩尾望都ら)の台頭あたりからだと思われる。1978年には美少年と同性愛をテーマにした雑誌『Comic Jun』(後のJune)が創刊されている。同時期の同人誌即売会には美少年同士の同性愛創作同人誌や、BL要素のない原作をネタに同性愛二次創作した同人誌が多数出回り、それぞれ「オリジナルJune」「やおい」(やまなしおちなしいみなしの略)などと呼ばれた。これが「ボーイズラブ」という語に置き換わるのは1990年代に入ってからである。
アニメにおけるやおいブームは「六神合体ゴッドマーズ」がその始祖であると言われる。
しかしこの作品がジャンルとして広く認識される契機になったことは確かなようだが、それ以前から「ガッチャマン」のジョーと健、「グレンダイザー」の大介と甲児、「ガンダム」のシャアとガルマの関係など、水面下で妄想たくましくさせていた女性たちがいたようだ。
その流れはやがて「キャプテン翼」「聖闘士星矢」「サムライトルーパー」「勇者シリーズ」などに続いていく。
これらの作品は元紀宮清子内親王も大好きだったといわれるが、かつて、サムライトルーパーブームの頃、ファンロード誌の同人誌通販紹介ページで、欄外に「同人誌の送付先が皇居になっていたことで、宮内庁から注意を呼びかけられた。」と記載されるという事件が起こった際、ひそやかに「真犯人は紀宮殿下ではなかろうか?」とささやかれたエピソードもまた存在している。
その後、ガンダムWや超者ライディーンのように明らかに女性ファンや腐女子をターゲットにしたアニメも増え、国内のみならず海外においても、北米版ガンダムWの放映を皮切りに腐女子達の輪は世界中に広まっている。
ただし海外において男同士の架空の恋愛を妄想して楽しむ女性は日本の影響とは無関係に存在していた。代表的カップリングとしてはホームズ/ワトソンやカーク/スポックなど。海外では×の代わりに/(スラッシュ)を使うことから、スラッシュフィクションと呼ばれる。
腐女子同士の交流は昔からの手段であるコミックマーケット等の同人誌即売会はもちろんのこと、ネットが発達した近年は腐女子の運営するサイト・ブログが主である。また気軽に絵と妄想を投稿できる場としてPixivが大きな活動拠点のひとつとなっている。
腐女子(ふじょし)→腐人(ふじん)→貴腐人(きふじん)→汚超腐人(おちょうふじん)→超々腐人(ちょうちょふじん)
腐女子暦や漬かり具合、単に年齢などで進化するようだが、今のところ明確な基準はない。
実際には「腐女子」「腐」が使われることが多く、他の呼び名はあまり目にしない。
(世間的には)マイノリティな嗜好であるため、同人誌即売会を除けば腐女子の活動の場はネット上であることが多い。
大半の腐女子は、空気を読んで自重し、周囲にあまり迷惑をかけない様振舞っているものだが、中には空気を読む気がないor自重したつもりで全く出来ておらず場の雰囲気を破壊する無自覚な荒らしのような者も存在する。
例えば動画内、ツイッター、掲示板スレなど『かわいい♥』『結婚してー♥』『付き合ってください♥』ぐらいであればまだ黄色い声援の域を出ていないが、空気を読まずに『どっちが受けでどっちが攻めなの?』『○○さんは週に何回ヤってるの?』などとコメントをする人は正直かなりイタいと言わざるをえない。
これを腐向けコメントor腐コメと呼び、他の利用者(良識ある腐女子含む)から気持ち悪がられ忌み嫌われている。
そういう困った連中は「ゴキ腐リ」「腐豚」等と呼ばれ、一般人やその他オタクはもちろん腐女子からも嫌われている。
(参照:ゴキ腐り)
一部の者の悪行を受け、「腐女子」そのものを蔑称と捉えて腐女子全体を一緒くたに批判・叩く者もまた一部出現している。
腐向け動画をニコニコにうpする際、動画のタイトルや説明文に「/」などの検索除けを入れ、
簡単に検索に引っかからないようにする配慮を施された物がしばしば見受けられる。
説明文や動画の冒頭に「腐向け注意」「BL注意」などの注意を促す一文を入れろいう意見もある。
腐女子叩きが見られるのは、空気を読まずに話題をBLに持っていく者がいる事に加え腐趣味が嫌いな人が多いのも大きな要因である。
あなたが大好きでたまらない趣味であっても周囲がそうであるとは限らない。
動画内で大文字、色文字などで腐コメを書かれると、
それに過剰反応する人々が現れ、動画が荒れてしまうことが多々ある。
過剰反応のコメには『腐女子乙』『腐女子キメェ』『腐女子m9』『腐女子は帰れ』など書かれ、益々動画が荒れてしまう。
基本的に腐コメを書く輩は自重できない人々が多い(そのようなコメントをする時点で自重する気がない)ので、
対策としては動画内では基本的にスルーし、あまりにもひどい場合は黙ってNGユーザー・NGコメントに登録し共有NG設定をすることが推奨されている。
掲示板ではそのような不適切なコメントを削除するように運営に頼んだりするとよい。
スルースキルを身に着けることでみんながニコニコできるようになります。
※漫画家と小説家は除く。(他の職業に比べると腐女子である割合は非常に高く、挙げたらキリがないため)
女オタク全般を腐女子と呼ぶ人もいるが間違いなので注意。
漫画『げんしけん』において、腐女子である大野さん(大野加奈子)は
との有名な名(迷)言を残しているが、もちろんそんなことはない。女オタクの間では腐趣味は一大勢力ではあるが圧倒的マジョリティという訳ではなく、BLが苦手な女性オタクも多くいる。BLも嗜む女性であっても、腐趣味にあまり強いこだわりがなく男×男がメイン萌えではない人を腐女子扱いすると不快感を示すこともある。
掲示板
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14591 ななしのよっしん
2024/12/15(日) 10:17:44 ID: ZMAdGUb7Y6
「腐女子はゲイの最大の理解者」理論、本気で言っているなら正気を疑うし、さすがに何かの間違いだろうと思って確認したら、ガチの人文学者がこのトンデモ理論を主張していた。性的マイノリティをBLで好き勝手に性的消費しておいて何が理解者だよ。あまりにもキモ過ぎるし、吐き気がするわ。ゲロゲロ。
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「腐女子はゲイの最大の理解者」理論、本気で言っているなら正気を疑う
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最終更新:2024/12/21(土) 21:00
最終更新:2024/12/21(土) 21:00
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