英語(えいご)とは、印欧語族(インド・ヨーロッパ語族)のうちゲルマン語派の西ゲルマン語群に属する言語である。
概要
英語 |
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総話者数 | 約18億人(非母語話者を含む) 約5億人(母語話者数) |
話者数の順位 | 1(非母語話者を含む) 2(母語話者数) |
言語系統 | インド・ヨーロッパ語族 ゲルマン語派 西ゲルマン語群 |
通用地域 | 世界各地 |
公用語採用国 | グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国(事実上) アメリカ合衆国(事実上) カナダ オーストラリア連邦 欧州連合 他約80国 |
言語コード | |
ISO 639-1 | en |
歴史的には主としてイングランド地方で発展してきた言語であり、その名称も「イングランド語」に由来する[1]。
現在ではイングランドのみならず、イングランドを含む英国(連合王国)の全域で用いられている。また、かつて英国の植民地であった地域にある国[2]、すなわちアメリカ合衆国、オーストラリア、カナダなどでも用いられている。さらに、国際連合(UN)および欧州連合(EU)の公用語であるほか、各種の国際機関で日常的に用いられている[3]。国際的な情報伝達に有用であることから、各国の外国語教育においても英語は特に重視されている。
母語としての総話者数は約5億人とされ、その数は中国語(約13億人、そのうち普通話は約9億人)に次ぐ第2位である。ただし、かつて英国の移民・植民地政策によって世界各地に広まっているという点が、中国語との大きな違いである。
また、英国、ついで米国が、それぞれ世界的な大きな影響力を有する国家になった影響で、国際語としての地位を確立するに至った。第2言語として英語を習得している者の数も多い。日本の教育機関においても、第1外国語としては英語を扱う場合が殆どである。インターネットにおいても最も用いられている言語でもある (参照) 。
同じゲルマン語派西ゲルマン語群に属する言語としては、ほかにドイツ語やオランダ語が挙げられる[4]。一方、歴史的にイタリック語派(特にラテン語およびフランス語)の影響も強く蒙ってきたため、フランス語などとの類似性も見受けられる。
文法
- 語順はSVO、AN。
- 印欧語族に属しているにもかかわらず、印欧語族に特徴的な「屈折」(曲用および活用)が著しく退化しているのが英語の一大特色である。
- 印欧語族に属する諸言語では、名詞(および代名詞、冠詞、形容詞)が性、数および格に応じて「曲用」するのが一般的であるが、英語の名詞は(3人称単数の代名詞などを例外として)性を失っているほか、属格(所有格)を除く格も殆ど廃れている[5]。本来は曲用が担っていた文法的機能は、語順を固定化するなどの手法で代替されている。
- また、印欧語族に属する諸言語では、動詞がその法、態、相、時制、主語(の人称や数)などに応じて複雑に「活用」するため、その複雑な活用形を駆使しなければならないのが一般的であるが、英語の動詞が有する活用形はかなり少数である。一番活用形が多いbeですら8種類しかない(be, am, are, is, was, were, been, being)。本来は動詞そのものが活用することで担われていた文法的機能は、助動詞の多用[6]などによって代替されている。
- 一部の外来語を除けば、ダイアクリティカルマーク(à, ö, çなどのように文字に付いて発音などに影響を与える記号)が無いため、26文字のアルファベットだけで表記することができる。ただし、それだけアルファベットの表記と実際の発音との関係が複雑となっており、英語学習者を悩ませている。
- 基本的に、英単語のアクセントは第1音節に置かれるが、これに従わない例も多々見受けられる。特に外来語に顕著。例: recórd (記録する), exhíbit (展示する)。
方言差
主にイギリス英語・アメリカ英語・オーストラリア英語の三種に分けられるが、インドやフィリピンなどを考慮すればその国の数だけあるともいえる。アメリカ人とイギリス人などはお互いに「どちらが標準語で、どちらが訛っているか」と対立する部分もあるそうだ。
当然、同じ国内でも地域ごとにも違いがありイングランドに限っても同じ国内で通じないというのもある。たとえば「I'll go to hospital today.(俺は今日、病院に行く予定だ)」が「I'll go to hospital to die.(俺は死ぬために病院に行く予定だ)」に聞こえる(dayの発音が違うため)など、シャレにならないものまである。こうした発音や語彙の地域差は、しばしば英語圏の文学や娯楽作品などでネタにされる。
アメリカ英語に慣れている日本人にとってはオーストラリア英語が特に訛りが激しいと感じられることも多い。なおカナダではイギリス英語、アメリカ英語、ケベック周辺のフランス訛りと3種類あるが前者2つはあまり違いが無い。
歴史
現在使用されている英語の原型は、17世紀初頭ロンドン方言を元に完成された。英語が生まれたイギリス(特にイングランド)は、歴史的に様々な国の言語の影響を受けており、多くの外国語の単語が見られる。
前史
印欧語族の一派からゲルマン語派が前五世紀ごろに成立した。
ゲルマン語派の話者たちは、紀元前までにその居住地を、スカンディナビア半島沿岸、バルト海沿岸、ユトランド半島、ゲルマニア平原やさらにゴート族のように黒海北岸までにも広げていた。
しかし、紀元前のグレートブリテン島(以降、イギリスと表記)にはケルト人が住んでおり、ゲール語などのケルト語が話されていた。また、紀元前55年と54年にはガイウス・ユリウス・カエサルがイギリスへ遠征をした。
その後百年ほどたった紀元43年、ローマ帝国がイギリスを占領する。この頃はおよそ上層階級ではラテン語が、下層階級ではケルト語が話されていたようである。また、ローマからの距離もあって、ガリア(今のフランス)やヒスパニア(今のスペイン、ポルトガル)など違い、言語はラテン語化されなかったようである。そのため、この時代に入ったラテン語は余り無い。
一方、時代は下って4世紀、東方では民族不明のフン族がヴォルガ川以東のステップからヨーロッパへと進入。東ゴート族を壊滅に追い込んだ後、西ゴート族を蹴散らし、ローマ帝国に侵攻。アッティラの時代には中央アジアからバルト海に至る大帝国を築くにいたった。これをきっかけにゲルマン諸部族は民族大移動を開始。ローマ帝国領内になだれ込んだ。
すでに衰退したローマ帝国にはこれをとどめる力はなく、本国の弱体化を受け407年にローマ軍はイギリスより撤退。すると、今度はゲルマン人(アングル人・ジュート人・サクソン人)が侵入し、七王国を建設。サクソン語などのゲルマン語が流入し、ブリテン島のゲルマン語化が始まる。
古英語時代(五世紀~1066)
以後、大陸ゲルマン部族から分かれたイギリスにわたったゲルマン部族はその言語を独特なものにしていく。暗黒時代と呼ばれる五世紀の間にゲルマン諸部族はブリトン人(イギリスに元から住んでいたケルト人)との戦いを優位に進めつつ、王国を形成。主要な王国が七つだったため、後にギリシャ語でヘプターキー(七王国時代)と呼ばれた。アーサー王の伝説が生まれたのもこの頃。後に王国は四つへ統合される。ちなみに、現在イギリスがEnglandと呼ばれるのは初期に隆盛を誇ったのがアングル系の王国だかららしい(Anglia(羅)>England)。
同時期にキリスト教がイギリスに再伝来。ケルト系キリスト教を駆逐しつつアングロ・サクソン王国に普及した。キリスト教の関連書物ががラテン語やギリシャ語で書かれていたこともあり、それらの単語が根づいた。
この頃北ゲルマン語群の古ノルド語を話すノルマン人(要するにヴァイキング)がイギリスの東海岸を脅かしていた。特に、865年に発生した大異教軍は史上最大の規模であり、イングランドのほぼ全域を占領し、ノーサンブリア王国、イーストアングリア王国、マーシア王国が滅亡。辛うじてウェセックス王国のみが王国を維持した。アルフレッドによってヴァイキングの勢力範囲を東北部のデーンロウに限定し、ここに王国はようやく安定を見た。更に、アルフレッドの孫、アゼルスタンによってデーンロウも奪還したことで、王国はイングランドの統一に成功する。アルフレッドは文化振興も行った。彼自身がラテン語を使えることもあり、かなりのラテン語文献がこの時代英訳されている。そのため、古英語はおよそウェセックス方言が標準語といえる。
とはいえ、デーン人の侵略がなくなったわけではなかった。1016年にはデンマーク王クヌートによって王国が北海帝国に組み入れられるなどして依然としてデーン人の影響は強く。8世紀から11世紀の間に、彼らの話していた「古ノルド語」の単語が使われるようになる。語頭のsk-(例としてsky,skin)などのような顕著なものも有る。その数およそ一千語。またgive,getであるが、これは古ノルド語の影響を受けてつくられた単語である。これらはもちろん古英語にも存在し、それぞれOE. giefan, gietan(発音はイェヴァン、イェタン)と綴られていた。しかし、古ノルド語のON. geba, getaの影響により、英語本来の音である[ j ]が駆逐され、[ g ]にとってかわられたのである。もし、古ノルド語の影響がなければこれらの単語のつづりはそれぞれ yive, yetとなっていたと考えられる。
また、古ノルド語の影響は英語の文法にも多大な影響を与えたと思われる。特に、格変化についてはそれが顕著だろう。というのは、古ノルド語と古英語は語群の差こそあれゲルマン語派に属し、また先の民族大移動の時代にはまだ意思疎通可能なである程だったと推測される。さてこのような差となると四百年たってもある程度の同一性が有るはずである(日本語の方言で例えると、一概には言えないが博多弁と大阪弁の違いくらいの差である)。具体的には単語の語幹である。逆に言えば、単語の語尾即ち格の決定に重要な部分が違っているのである。
屈折語尾の違いは、意思疎通の阻害を生む。古英語時代既に始まっていた屈折語尾の衰退は意思疎通の便宜を図るため、大いに加速されたと考えられる。
この時代の書物としてはBēowulf,Anglo-Saxon Chronicleなどが有る。
中英語時代(1066~十五世紀末)
11世紀半ばに、ノルマンディー公ギヨームによってノルマン・コンクエストが起こり、フランス北部にいたノルマン人がイギリスを支配するようになる。そして、イギリスの支配階級がフランス語しか話さない人々によって占められることになり、フランス語が大量に流入した(ちなみに、こいつらも元はノルド語を喋っていたのだが余りにもフランスになじみすぎてさっぱり喋れなくなっていた)。これは15世紀まで続いた。これ以後、イギリスは海外から侵攻されたことがない。
なお、この間にフランス語から借用された語彙は一万語に及び、その75%が現在まで残っているという(Wikipediaより)。特に十四世紀以降、百年戦争によって本国フランスに敵対心を持ち、またフランスの領地を失った王侯貴族たちはやがてイギリスの言葉を使い始めた。その一方長らく政治の場で使われなかった英語には政治のための語彙が少なくフランス語からの借用によってこれを補うことと成った。
もっと、ややこしいのは彼らがノルマン・フレンチというフランス語を話していたことである。要するにフランス語の方言なので、パリ周辺のフランス語とは語形が異なるものがいくつも使用されていた。そのため、後にフランス語が英語に入る際多くの二重語をつくることになる(例、chaseとcatch)。
また、支配者階級の言語がフランス語(またはラテン語)と成ったことで標準語が存在しなくなった。これにより各地の方言差が拡大していくこととなった。例えば、卵一つもらうのにもえらい苦労をしたという文献があったりする。
また、フランス語の流入は古英語から続く格変化による屈折語尾の衰退をさらに加速させることとなった。同時に一部の語はフランス語にその座を追われた。古英語においては、基本単語に語尾を付けていくことにより語彙が充実していたが、それは基礎単語がなくなるとそれを中心とする語彙体系が失われることでもあった。
この時代の代表的な人物としてはGeoffrey Chaucerがいる。
近代英語(十五世紀末~)
百年戦争、ばら戦争終結により、イギリス国内が統一し安定して来ると次第に文物が普及し始める。特にこの時代から印刷が始まっており、これが英語の統一に拍車をかけた。この時代ロンドンを中心に方言差が縮まっていった(といっても中英語時代と比較すればであるが)。
また、この時代特筆すべきはウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)である。彼の書いた文章は初期近代英語の実態を知る資料のみならず、後の英語規範にまで影響を与えている。
15世紀から16世紀までの間に、長音や二重母音が移動する大母音推移(Great Vowel Shift)が一部の方言(スコットランド方言など)を除いて起こり、スペリング(綴り)と発音が一致しなくなった。発音が変わったにもかかわらず、スペリングを変えなかったからである。これは、英語を勉強する人間にとって最も大きな障害になってしまった(と同時にどうしてこの大母音推移が僅か二百年の間に起きたのかは英語史上最大の謎でもある。)
16世紀から17世紀の間に、文人たちが「粗野な英語を発展させる」という目的の元、ラテン語やギリシャ語から多数の単語を借用した。こうして学術用語を中心に、数百ものラテン語が定着した。活版印刷の技術の確立もあり、こうした単語がイギリスに広まった。
特に、ラテン語はフランス語の母言語だったこともあり、今日ではフランス語とあわせて英語の語彙の四割を占めている(ラテン語とフランス語は語形が似てどちらから借用したか分からないものが多く有るためいっしょにカウントする)。
大航海時代に入り。イギリス人の活動範囲が広がると、世界各地の単語が英語に取り入られ始めた。
17世紀の初めに、イギリス人がアメリカに入植するようになる。その後、18世紀中盤にイギリス人の勢力がアメリカで強くなると、北アメリカでは英語が主流となった。そして、アメリカ独立戦争を経て、アメリカ合衆国が1776年7月4日に独立宣言を行った。こうして、アメリカ英語(いわゆる米語)の歴史が始まる。アメリカ英語には、アメリカ先住民(いわゆるインディアン)の単語をはじめ、移民国家であるため、世界各地の様々な単語が米語に取り入れられた。
- アメリカ先住民: ユタ(Utah), オハイオ(Ohio), ミシシッピー(Mississippi)
- 日本語: 津波(tsunami), 班長(honcho)←hanchoではない, カラオケ(karaoke)
- スペイン語: Los Angeles, San Diego, San Francisco, San Jose, Santa Barbara
こうして、様々な国の言葉を持つ言語が生まれたのである。
日本における英語
日本人が本格的に英語に触れるようになったのは、幕末の開国以行である。第二次世界大戦期、日本と英米の関係が悪化した時期には英語を「敵性語」として排斥する運動が起きたが、日本語には置き換えられない語彙も多く完全に英語由来の語が消え去ることはなかった。
日本の教育で現在習っている英語はアメリカ英語である。時たまイギリス英語の言い回しが出てくることもあるが、それはわずかである。発音に関しては、日本の英語教師の質の悪さも相まって、変な発音が教えられているのが現状である。これがEngrishと揶揄される原因を創っているものと考えられる
ちなみに国連本部はニューヨークにあるが国連公用語はイギリス英語であり、欧州連合(EU)の会議で使われる英語も無論、イギリス英語である。
街中の看板や広告、楽曲 (特にJ-POP) の歌詞などに取り入れられることも多く、日本人にとっては一番、身近な外国語であると言える。明治期や戦後の連合軍占領期の頃には「英語公用語化論」「漢字廃止(ローマ字化)論」なども見られたが、近年ではあまり省みられることもない。しかし英語が依然として日本人の外国語コンプレックスを刺激する部分があるのも確かで、国際語としての英語に執着するあまり「外国語といえば英語」「外国といえばアメリカ」と逆に視野を狭くしているような人もいる。
逆に言えば、日本国内(及び日本人の多い海外の観光地)にいる限り日本語だけで日常の用は済んでしまうわけで、その意味では学校における英語教育が役に立たないと指弾され続け、民間の英会話学校が繁盛しているにもかかわらず何とかなっているのはそれなりに幸運なことでもある。
ただ、英文を和訳したり和文を英訳したりする過程で自分の日本語文の文法や構成を確認したり、「甘え」「萌え」など英語などでは置き換えるのが難しい単語などをどう表現するか考えることで、日本語の豊かさなどを再発見することもある。異なる言語文化を学ぶメリットの一つともいえよう。
また、英語由来の外来語(いわゆる横文字)以外にも、いかにも英語っぽいが日本でしか通じない単語や言い回しなども多い(いわゆる「和製英語」)。また日本国内では普段は意識せずに使われているが、英語話者にとっては理解不能だったり奇異に映ったりするらしく、しばしば笑いのネタにされることもある (いわゆるAYBABTU) 。まれに、こうした和製英語が逆に英語に取り入れられるような事例も存在する(ジャスト・イン・タイム等)。
発音上の問題で言うと、日本人にはLとRの区別が難しい、というよりもほぼできないと断言してもよい。
例えば、vの発音で「唇を噛んで発音しろ」と教わった方は今すぐその発音をやめることをお勧めする。唇を噛んでしまうと呼気が止まってしまい、閉鎖音、つまりbの音が発音されてしまう。この方法で発音された音は英米人というよりもbとvの区別をもつ言語を話す人たちにとってはbに聞こえてしまう。
さらにはwhatのことをいまだに「フワット」などと教えてるのも問題であろう。イギリスでもアメリカでももうこのような発音は全くなされてないといってもよい。イギリスでもアメリカでもwhatは「ワット」、which 「ウィッチ」と発音するのがふつうである。
他にもLができない、Fができないなどなど様々な問題がある。
欧州での英語
「ヨーロッパは英語が通じる」と安易に考えがちであるが、ヨーロッパにおいて英語を公用語とする国はイギリスとアイルランドだけである。(実は地中海に浮かぶちっこい国マルタもそうだが、まぁいいだろう)従って、ヨーロッパのうちの大部分を占める大陸ヨーロッパでは、英語は主要な言語ではない。
とはいうものの学習人口は多く、ちょっとした観光旅行くらいなら英語で何とかなってしまうのも事実ではある。しかし、大多数のヨーロッパ人にとって英語は外国語であるという認識はもってしかるべきであるし、「英語ができればヨーロッパも旅行に行ける」などと愚直にも考える輩はもっと真摯に欧州がどういう場所か見つめなおす必要がある。
母語として
ヨーロッパにおいて、英語を母語とする人口は6000万人強であり、これはドイツ語(約1億人)、フランス語(約8000万人)に次いで第3位である。(ロシアも考慮すると、ロシア語母語話者が約1億5
フランス
「国内はできるだけフランス語で話すこと」が一種の礼儀となっている。海を隔てた隣国の言語であるが故に(日常生活で困らないほどの)英語を話せる者はワリと多いが敢えて自国のアイデンティティーを守るために話さない人もいる。なおフランス語では「h」の音は発音しないため、フランス人が話す英語においても「h」の音が欠落しやすい。(「his」が「is」のように聞こえる、など)
学校教育では第一外国語に英語もしくはイタリア語、第二外国語としてドイツ語やラテン語がよく学ばれる。
ドイツ
観光地ではまず問題なく英語が通じる。ドイツ語は英語と同じゲルマン語派西ゲルマン語群に属する言語で共通点も多く、教養あるドイツ人の多くは英語を操るのに長けている。
学校教育では第一外国語に英語、第二外国語としてフランス語やラテン語が学ばれる。
スイス
スイスの公用語はドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語であり英語は含まれていないが、便宜上の共通語として用いられることもある。
イタリア
イタリアは世界的な保養・観光国であることもあり、有名観光地では大体において英語が通じる。が、観光地でも街を散策するのには多少なりともイタリア語の知識があった方が頼もしい。英語を話せるイタリア人は仏独に比べると少なく、そのへんのオッチャンオバチャンはまず話せないと思っていい。また、母語であるイタリア語以外にはフランス語しか話せない、ドイツ語しか話せない、というイタリア人も結構いる。
学校教育においては、最近では英語が第一外国語となることが多いが、フランス語も第一外国語としてそれなりに人気がある。文系高校ではラテン語・古典ギリシア語が必修。第二外国語としては英語、フランス語、スペイン語、ロシア語などから選択して学ぶ。
チェコ
プラハなど観光地では英語がよく通じる。若い人は英語がよく分かるが、プラハでも少し年輩の方には英語が全く話せない人もおり、英語で話しかけるとドイツ語が返ってくる。
チェコ語は外国人にとって難しい言語、マイナーな言語であるとチェコ人たち自身が認識しており、「外国人にチェコ語が通じるわけがない」とはなから思っている人も多い。そのため、頑張ってチェコ語で話しかけても英語やドイツ語で返事をされたりする。
同じスラヴ系言語であるロシア語は、なんとなく意味が分かるようである。しかしチェコの歴史的経緯から「チェコ人が一番よく分かる外国語はロシア語だが、一番話したくないのもロシア語」だという。
学校教育では、必ずしも英語が第一外国語ではなく、ドイツ語、フランス語、ロシア語、英語から選択して学ばれる。
東欧諸国
英語はあまり通じない。地理的関係から英語よりドイツ語がよく通じることもある。またロシア語を解する人も多い。スラヴ系言語は比較的お互いに差異が小さいものもあり、至極簡単な意思疎通程度なら異なる言語間でも可能なことがある。
なおスラヴ系言語で最も話される言語はロシア語であるが、東欧の他の国ではソビエト連邦の圧政に虐げられた国などもあるためロシア語が嫌悪されていることもある。ドイツ語も、歴史的経緯から注意が必要なこともある。できるだけその国の言葉を話すのが良い。
ギリシャ
観光地では比較的英語が通じる。ギリシャでは、社会的に成功するためには外国語が必須であると考える人も多く、熱心に外国語が学ばれる。しかし必ずしも英語ばかりが圧倒的でなく、フランス語やドイツ語の方が得意な人もいる。
関連動画
関連項目
脚注
- *「英語」の「英」は「イングランド」を漢字転写した「英吉利」に由来している。
- *英連邦(Commonwealth of Nations)の構成国である場合もある。
- *欧州連合(EU)には英語を含め24もの公用語が存在するが、欧州委員会などの実務機関では英語が最も頻繁に使用されている。国際連合(UN)においても英語を含む6公用語が存在するが、会議等では英語が最も頻繁に使用されている。
- *特に基礎的な単語(家族や数字を指す単語など)はドイツ語と似通ったものが多いが、これは英語とドイツ語とが約2千年前に分流するまで同じ言語だったことに起因する。ちなみに、英語に最も似通っている言語はフリジア語、次いで近いのはオランダ語や低ザクセン方言などの低地ドイツ語といわれる。
- *さらに、 of などの前置詞によって属格(所有格)も代替されることが多くなってきている点も見逃せない。
- *現代英語においては、各種の法助動詞(後続する(助)動詞は原形)、完了を表す助動詞 have (後続する(助)動詞は過去分詞の形)、進行を表す助動詞 be (後続する(助)動詞は現在分詞の形)、受動を表す助動詞 be (後続する(助)動詞は過去分詞の形)を駆使することによって態・相・時制などを明確に表現し分けることが可能である。
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