ギャラルホルンとは、
ここでは、2について解説する。
概要
作中の時代から約300年前、人類を滅ぼしかけるほどの威力を持った禁断の兵器「モビルアーマー」が原因で、厄祭戦と呼ばれる世界規模の大戦争が起こっていた。それを終結させるために「アグニカ・カイエル」という人物が中心となり、国家や民族、思想の枠組みを超えて有志を集め、ガンダム・フレームや阿頼耶識システムといった技術を開発し、その武力をもって終戦を実現させた。
戦後は世界各国の総意の元、各勢力が持っていた軍事力を一本化し、戦争につながりかねない問題に対して武力をもって介入、鎮圧にあたることから「武力をもって武力を制す、世界平和維持のための暴力装置」とも言われている。この時代におけるMSのエネルギー源であるエイハブ・リアクターの製造技術をも独占しており、名実ともに世界最強の軍隊の名をほしいままにしている。
階級は日本の自衛隊と同じ方式で呼ぶ。(例:少佐→三佐、中佐→二佐、大佐→一佐)
創始者の末裔であり、厄祭戦の原因となったモビルアーマーを倒して武勲を上げた7つの家門「セブンスターズ」によって統制・運営されており、以下の部署で構成されている。
- 統制局:軍務全体を統制する。
- 監査局:内部の汚職、不正などがないかを監査する。アニメ第1期で、マクギリスとガエリオはここに所属している。
- 総務局:経理、人事を担当する。
- 警務局:警察組織としての役割を遂行する。
結成当時は純然たる世界平和に貢献するための機関だったが、300年が経過した現在では各経済圏に干渉して利益追求や汚職に手を染める者も少なくなく、世界から疎んじられている。また、長らく戦争らしい戦争がない、すなわち実戦が少ないこともあって、実戦の形式化や練度の低下が著しい部隊もある。隊員は基本的に地球出身者だけで構成されており、それ以外の出自を持つ者は差別されるなどの問題も内在している。
結成当時から続いているセブンスターズによる統制(いわゆる血統主義)でも、下記のような問題が浮き彫りにするなっている。
- 現場の判断よりもセブンスターズの命令が優先され、作戦に支障をきたす。鉄華団を一度取り逃がしたカルタ・イシューがイズナリオ・ファリドに呼び出されて追撃を断念したなどはいい例だろう。
- 当主が無能な人材であっても、外部の誰も人事に口出しできない。第2期でのイオク・クジャンと部下との関係がまさに当てはまる。
- セブンスターズ内の権力闘争のため、本来取り締まるべき治安を乱す行為を彼ら自身が主導している。マクギリスがギャラルホルンの権威を失墜させるためにアイン・ダルトンをグレイズ・アインに改造してエドモントンで暴れさせた件や、ラスタル・エリオンがマクギリスを失脚させるためにSAUとアーブラウの紛争を誘発させた件などがこれに当たる。
このように組織としての腐敗が著しく進んでおり、治安維持組織としても信用を失いかけていた。アニメ第2期ではエドモントンでの一件で権威を大幅に失墜し、ギャラルホルンに頼らない独自の防衛組織の結成や独立運動の活発化が進み、少年兵やヒューマンデブリ、戦場に出るMSの増加という社会問題を招いている。
所属部隊
- 月外縁軌道統合艦隊「アリアンロッド」:ギャラルホルン最大の規模を誇る艦隊。各コロニーの監視と、地球圏に侵入する敵の迎撃を担う。総司令官はラスタル・エリオン。
- 地球外縁軌道統制統合艦隊:地球の静止軌道上まで迫った、または地球に降下した敵の迎撃を担う艦隊だが、殆どの場合はそこまで来る前にアリアンロッド艦隊が敵を撃退するので、滅多に出番がない。そのため、主な任務は式典におけるMSでのアクロバットの展示などであり、ギャラルホルン内部では「お飾り」「閑職」と揶揄されている。アニメ第1期での総司令官はカルタ・イシュー。第2期からマクギリス・ファリドが総司令官となって以降は、実戦的な組織として大改編される。
- 火星支部:火星圏の治安維持を担っているが、実質的には火星の各自治区の自治権にまで干渉し、経済をも支配している。火星軌道上に本部基地「アーレス」を設けており、本部長はコーラル・コンラッド三佐であったが、彼の戦死後はマクギリスの推薦した新江・プロト三佐が支部長代理となり、後に正式な本部長に就任する。
所属人員
※個別記事のない人物は担当声優も併せて記載する。
セブンスターズ
- カルタ・イシュー:第一席たるイシュー家の一人娘。地球外縁軌道統制統合艦隊司令。詳細は個別記事にて。
- イズナリオ・ファリド(声:速水奨):ファリド家の当主で、マクギリスの養父。権限拡大のためにカルタの後見人になり、マクギリスをガエリオの妹のアルミリアの婚約者にするなどしたたかに動いていたが、マクギリスの策で失脚し亡命。
- マクギリス・ファリド:イズナリオの養子にして監査局のエリート。詳細は個別記事にて。
- ガルス・ボードウィン(声:星野充昭):ボードウィン家の当主で、ガエリオとアルミリアの父。
- ガエリオ・ボードウィン:ボードウィン家の次期当主で、育ちの良さからくる正義感の持ち主。詳細は個別記事にて。
- ラスタル・エリオン:エリオン家当主にしてアリアンロッド艦隊の総司令。詳細は個別記事にて。
- ネモ・バクラザン(声:佐々健太):バクラザン家当主。
- エレク・ファルク(声:綿貫竜之介):ファルク家当主。
- イオク・クジャン:クジャン家当主の困ったさん。詳細は個別記事にて。
月外縁軌道統合艦隊「アリアンロッド」
- ジュリエッタ・ジュリス:孤児だったが、ラスタルの友であるガラン・モッサに拾われ戦闘技術を仕込まれた後、ラスタルに見出されMSパイロットになった。そのため2人を心から尊敬しているが、イオクに対してはバカにした態度を取っており、彼からもサル呼ばわりされるなど折り合いが悪い。初登場時に蝶を食べるという鮮烈のデビューを果たした。
- ヴィダール:フルフェイスの仮面をかぶり、ガンダム・ヴィダールを駆る謎の男。自身の戦う理由を「復讐」と明言し、マクギリスの動向を追っているが、正体は謎に包まれている。しかし、セブンスターズの席次が決められた理由を知っているなど、一介の士官では無いようである。
- ヤマジン・トーカ(声:生天目仁美):アリアンロッドの整備主任。ジュリエッタを「ジュリー」と呼んでいる。
地球外縁軌道統制統合艦隊
- 石動(いするぎ)・カミーチェ(声:前野智昭):アニメ第2期より登場するマクギリスの部下。情報収集に長けている他、マクギリスが乗っていたシュヴァルベ・グレイズやヘルムヴィーゲ・リンカーを乗りこなす腕前も併せ持つ。
地球ではなくコロニーの出身で、それに起因する差別を受け続けてきた過去があり、誰もが平等に生きる社会を作るというマクギリスの思想に共感して革命軍に参加した。最期はガエリオの攻撃からマクギリスをかばい戦死した。
火星支部
- コーラル・コンラッド(声:家中宏):アニメ第1期の火星本部長。大商人のノブリス・ゴルドンと癒着しており、彼からの裏金の提供の見返りにクーデリアの暗殺を企むが鉄華団により目論見が崩れる。最後は火星軌道上まで上がってきた鉄華団を自ら迎撃し、ガンダム・バルバトスに撃墜され死亡。
- クランク・ゼント(声:間宮康弘):支部所属のMSパイロット。アイン、オーリスと共にCGS基地を強襲するが、ガンダム・バルバトスによりオーリスを失う。その際に敵が少年兵と知り、無益な殺戮を避けるため、クーデリアの身柄とオーリスのグレイズの返還を賭けた決闘を三日月に挑むが敗北、瀕死の重傷を負う。最後は三日月に介錯を頼み死亡した。差別を受けていたアインにも公平に接し、彼を始め多くの部下から慕われる好人物だった。
- アイン・ダルトン:CGS基地の強襲で初陣を迎えた新兵だったが、CGS改め鉄華団との戦いで立て続けに上官を失い、敵討ちのために鉄華団の追撃任務を願い出てガエリオの部下として転属する。詳細は個別記事にて。
- オーリス・ステンジャ(声:木島隆一):クランクの教え子。MSを持たないCGSの少年兵たちをMSで嬲り殺しにするが、突然地面から現れたガンダム・バルバトスに撃墜され死亡。機体は鹵獲され、鉄華団の資金源として売り払われた。ちなみに兄のコーリス・ステンジャが地球外縁軌道統制統合艦隊の太平洋方面軍で指揮官をしている。
- 新江(あらえ)・プロト(声:相馬康一):アニメ第2期から登場する、コーラルの後任となる火星本部長。
その他関係者
- アルミリア・ボードウィン(声:加隈亜衣):ガエリオの妹で、アニメ第1期の時点で9歳。既にマクギリスとの婚約が持ち上がっており、彼を「マッキー」と呼んで慕うが、自分が子供であることにコンプレックスを持ち、そのことでマクギリスが笑い者にされてはいないかと悩んでいる。
マクギリスが革命を宣言した際に、彼が兄を殺そうとしたこと、それにより実家を乗っ取ろうとしたことを知ってナイフを向けるが、マクギリスがその刃を甘んじて受けたことで、マクギリスが本心から自分を愛しているのではないか、自分はマクギリスを本当に憎んでいるのかと、愛憎入り混じった思いを抱き混乱する。 - ガラン・モッサ(声:三宅健太):ラスタル・エリオンの親友であり、ジュリエッタの師匠でもある。元々はギャラルホルンに所属し武功を上げたが、ラスタルを影から支えるために退役し、現在は傭兵部隊の隊長を務めている。ラスタルの頼みでマクギリスを失脚させるためにSAUとアーブラウの紛争を誘発させ、鉄華団地球支部の少年兵たちをこき使うが、それを鉄華団本部に察知され、三日月たちに奇襲される。最後は昭弘と戦い敗北、ラスタルとの繋がりを示す証拠を消すために乗機のゲイレールごと自爆して散った。
- アグニカ・カイエル:ギャラルホルンの創設者として知られる厄祭戦時代の英雄。ガンダム・フレーム1号機であるガンダム・バエルには彼の魂が宿るとされている。
関連動画
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関連項目
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
- 鉄華団(基本的に敵、マクギリス派の味方)
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