シュヴァルグラン(Cheval Grand)とは、2012年生まれの日本の競走馬である。栗毛の牡馬。
栗東・友道康夫厩舎所属、安平町・ノーザンファーム生産
馬主は佐々木主浩(ハマの大魔神その人、馬の名前に「ヴ」を入れている)
主な勝ち鞍
2016年:阪神大賞典(GII)、アルゼンチン共和国杯(GII)
2017年:ジャパンカップ(GI)
この記事では実在の競走馬について記述しています。 この馬を元にした『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するキャラクターについては 「シュヴァルグラン(ウマ娘)」を参照してください。 |
概要
父ハーツクライ、母ハルーワスウィート、母父Machiavellianという血統。
父のハーツクライは有馬記念、ドバイシーマクラシックを制し、何よりディープインパクトに国内で唯一土を付けた馬として名高い。本馬はハーツクライの5年目の産駒にあたる。
母のハルーワスウィートは現役時代「尻尾の無い馬」としてファンが多く、戦績は22戦5勝。母父のマキャヴェリアンはMr. Prospector産駒で種牡馬としてはドバイWC優勝馬Almutawakelなどを輩出。母父としても名高く、本馬以外にも欧州の名種牡馬Shamardalやヴィクトワールピサを輩出している。
4代母Glorious SongはシングスピールやRahyの母、Devil's BagやSaint Balladoの姉として知られ、一族にはダノンシャンティや本馬が名を連ねる、名門の出である。
ハルーワスウィートは前述の通りファンが多い馬であったが、ファンの中に往年の名投手佐々木主浩がいた。ハルーワスウィート繁殖入り後はその産駒を立て続けに落札。本馬はハルーワスウィートの4番仔として生まれ、半姉にヴィクトリアマイル連覇のヴィルシーナ、半妹に秋華賞とドバイターフを勝ったヴィブロスがいる。本馬がデビューする頃には既にヴィルシーナはヴィクトリアマイルを連覇していた。また、2023年に府中牝馬ステークスを優勝したディヴィーナは姪(母ヴィルシーナ)、みやこステークスを優勝したセラフィックコールは従弟である(母シャンドランジュがハルーワスウィートの半妹)。
競走生活
2~3歳
2歳9月の阪神芝2000mでデビュー。3番人気で迎えここをタイム差無しの2着に入り、翌月の京都で勝ち上がる。その後京都2歳Sへ出走し、ここを5番人気ながら3着に入り、続くエリカ賞(500万特別)も3着に入って2歳時を終える。
3歳に入り若駒Sから始動を予定するも、レース前日に右肩の跛行を起こし出走取り消し。東京優駿を目標にするも毎日杯5着、京都新聞杯8着と敗れクラシック路線を断念。
休養を挟み8月末の札幌3歳上500万下から復帰し、ここを後の中山3600守護神アルバートの2着に入り、距離を2400mに伸ばしたところこれが功を奏し、500万下、1000万下、オリオンS(1600万下)と連勝して秋の上がり馬として期待させつつ、3歳シーズンを終えた。
4歳~5歳、VSキタサンブラック
年が明けて4歳となり冬の京都名物日経新春杯へと出走。昇級初戦ながら1番人気に推され、レースではレーヴミストラルの抜け出しを許すもシュヴァルグランもじわじわ脚を伸ばして2着に入る好走を見せる。
その後阪神大賞典へ出走。ここでも1番人気に支持され、レースでは中団を追走。4コーナー手前から好位を目がけて外からポジションを上げ、直線に入ると勢いよく先頭に躍り出る。すると最後軽く流す余裕を見せながら2馬身半差の快勝を収め、重賞初制覇となった。
そして人気の一角として天皇賞(春)へ参戦。シュヴァルグランは3番人気に推された。
ここで現れたのはこれから2年間顔を合わせ続けるキタサンブラック。自分でペースを作って逃げて終いも伸びるという、ロングスパートに頼るほかないシュヴァルグランにはかなり分の悪い相手である。
レースではキタサンブラックが最内から淡々と逃げてシュヴァルグランは中団を追走。直線でインから伸びたもののキタサンブラック、カレンミロティックの競り合いには入れず3着に敗れた。
その後宝塚記念に出走するも直線で進路を失い、またあまり伸びが無く9着に敗れた。
夏場を休養に充て、秋はアルゼンチン共和国杯から始動。58kgと最重量ハンデを背負ったものの、先団を見る位置から外目を上がり、息の長い末脚で後続を並ばせず勝利。重賞2勝目を挙げた。
その後ジャパンカップに出走。ここを3番人気で迎え、レースではキタサンブラックが道中息を入れつつ逃げ、大外枠発走のシュヴァルグランは中団後方の外目を追走。直線に入って大外から追い込みにかけるが2馬身半+クビ差と3着。その後有馬記念にも出走し中団から早めに上がったものの6着に敗れた。
明けて5歳となり阪神大賞典から始動。ここでは前年菊花賞と有馬記念を勝ったサトノダイヤモンドが単勝1.1倍に推され、2番人気にシュヴァルグラン。ここでは4コーナー捲るように上がっていったが直線でサトノダイヤモンドに交わされて2着となった。
続く天皇賞(春)は4番人気。三度見えたキタサンブラック、サトノダイヤモンドと再戦となり、シュヴァルグランはいつもより前目、好位を進む。番手で控えたキタサンブラックがヤマカツライデンを交わしたのと同時にシュヴァルグランも進出。必死に追いすがるものの差は中々縮まらず、1馬身1/4差の2着に敗れたがサトノダイヤモンドをクビ差凌いだ。
続く宝塚記念ではあっと驚く逃げ戦法に打って出たがキタサンブラックと共倒れになり8着。この敗戦で2016年阪神大賞典からコンビを組んでいた福永祐一は降板となった。
5歳秋シーズンは京都大賞典から始動。ここを1番人気に推され、レースでは後方から坂の下りで仕掛けるように動いたがインを突くスマートレイアーと粘るトーセンバジルには届かず3着となる。
そして次走に選んだのはジャパンカップ。ここでは京都大賞典で鞍上だったデムーロがサトノクラウンを選んだ為、短期免許で来日中のオーストラリア人騎手、ヒュー・ボウマンが鞍上となった。ここでは5番人気に推され、1番人気は前走嵐の天皇賞を激走したキタサンブラック。
レースではやはりキタサンブラックが逃げるが、シュヴァルグランは最内枠から先団を見つつ追走。直線に入ってキタサンブラックが逃げ態勢に入る中シュヴァルグランは徐々に外へと持ち出されスパート。残り100mでキタサンブラックを捉え、しぶとい末脚でレイデオロの追撃を抑えゴール。GI初制覇。
鞍上のヒュー・ボウマンもJRAのGI初制覇となった。
その後有馬記念に挑んだが、最後の直線でスワーヴリチャードが斜行し進路を失うも3着を確保した。
6~7歳
明けて6歳となり大阪杯から始動。ここでは三浦皇成を鞍上に迎え、4番人気で出走するが久方ぶりの2000m戦はキツいか13着に大敗。
続く天皇賞(春)ではボウマンを鞍上に据え、キタサンブラック引退、サトノダイヤモンド不在の中1番人気に推され、事実レースでも先行馬を見る好位から進み、直線入口で先頭に立ち押し切りを図る堂々としたものであったが、ゴール前でレインボーラインの最内強襲を許し2着。負けて強しも盾は得られず。
宝塚記念には出走せず夏場を休養に充て、京都大賞典から始動するがここではサトノダイヤモンドの復活を許し、こちらは直線で一杯となり4着。
ジャパンカップではボウマンが地元豪州で騎乗停止を受けC. デムーロ(ミルコの弟)を鞍上に迎え、中団からしぶとく伸びて超速レコード対決の中アーモンドアイに離されたものの4着を確保。
続く有馬記念ではやっとボウマンが乗れるようになり、大外枠から控えて中団後方を追走し、最後の直線では馬群を割るように伸び、ブラストワンピースには届かなかったが2年連続の3着に入った。
有馬記念後引退の予定だったが撤回し現役続行。ドバイシーマクラシックへと出走し、ここを道中5番手から先に抜け出したOld Persianにスワーヴリチャードと一緒に追いすがるものの1馬身半届かず2着となった。尚半妹のヴィブロスがドバイターフへ出走し、こちらもアーモンドアイの2着と好走した。
その後欧州へ遠征しキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスへと挑戦。ここでは凱旋門賞連覇のEnableや前年2着馬Crystal Oceanなど強豪が揃った中、アスコットの起伏と稍重馬場に難儀し11頭中6着となった。Hurricane RunとElectrocutionistの3着に入ったハーツクライは凄かったんだなあ。
その後インターナショナルSに出走。中団から進めたが直線伸びず9頭立て8着に敗れた。Electrocutionistの2着に入ったゼンノロブロイって(ry
帰国後ジャパンカップに出走し、中団から良いところ無く9着に敗れたが、続く有馬記念ではハイペースの中後方で待機し、直線で追い込んで6着に入線。11月末時点で有馬記念を最後に現役を引退することが予め発表されており、2019年12月25日付で競走馬登録を抹消した。
引退時点で国内獲得賞金は10億円を超え、ドバイSC2着の分を加えると合計11億3497万円と10億円ホースの中に名を連ねた。勝ち鞍こそGI1つとGII2つと他の10億円ホースの中でも見劣りするものの、4歳から7歳まで海外含め一線で戦い、重賞での掲示板16回と確実に賞金を稼ぎ続けた。
種牡馬として
競走馬引退後はブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入り。2023年に初年度産駒がデビューし、8月27日の小倉1R未勝利戦でアートフォーム(母ラテアート、母父サクラバクシンオー)が産駒初勝利を挙げた。
血統表
ハーツクライ 2001 鹿毛 |
サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
アイリッシュダンス 1990 鹿毛 |
トニービン | カンパラ | |
Severn Bridge | |||
ビューパーダンス | Lyphard | ||
My Bupers | |||
ハルーワスウィート 2001 栗毛 FNo.12-c |
Machiavellian 1987 栗毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Coup de Folie | Halo | ||
Raise the Standard | |||
*ハルーワソング 1996 栗毛 |
Nureyev | Northern Dancer | |
Special | |||
Morn of Song | Blushing Groom | ||
Glorious Song | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Halo 3×4×5(21.88%)、Northern Dancer 5×4(9.38%)、Natalma 5×5(6.25%)
関連動画
関連項目
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