概要
子どもの玩具=グッドガイ人形に殺人鬼の魂が乗り移り、殺戮を繰り返すホラー映画。
無邪気な姿をした人形が凶器を携えて襲ってくるという強烈なビジュアルが人気を呼んだ。
が、シリーズを重ねるごとに、「エルム街の悪夢」と同じくコミカルな面が強調されるようになり、純粋なホラー映画からブラックユーモアが溢れるものへと変化している。
2012年までで5作が製作された。
2013年には、リメイクとスピンオフ作品が2本同時に製作されていると発表され、同年のうちに、スピンオフ作品の方が公開された。
リメイク版の方は、一応2014年公開予定だが、めっきり製作情報が発表されず製作が中断しているのではないかという噂すらあったが、2017年にスピンオフ作品の続編公開をはさんだ後、2018年に「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」のスタッフ陣営を中心としてリブート版の公開予定を改めて発表。2019年に同時期公開となっていた「トイ・ストーリー4」に喧嘩を売る広告をしまくった事も話題を呼んだ中で ようやくの公開となった。
概要・あらすじ
チャイルドプレイ(1989年日本公開)
凶悪殺人鬼チャールズは、ある日の逃走中にとうとうマイク刑事の銃弾を受け、死に瀕する。
しかし彼はその間際、逃げ込んだおもちゃ屋にあったグッドガイ人形に、ブードゥー教の秘術でもって自らの魂を移し、殺人人形チャッキーと化して難を逃れる。
が、代わりの肉体を見つけなくては、彼は永遠に人形のままであった。どうにかして新しい体を手に入れたいチャッキーは、自分が殺人人形であるとは知らずに買った少年・アンディに目をつけ、彼を殺してその体をのっとろうとする。
彼はアンディの家で本性を表し、殺戮を始める。アンディは母親と共に、チャッキーに立ち向かう……。
それまで普通に笑っていたグッドガイ人形=チャッキーに、乾電池が入っていないことが判明するシーンなどが有名。
低予算であったため、チャッキーの表情のバリエーションが乏しく虚ろであり、不気味さをかもし出している。
チャイルドプレイ2(1990年公開)
アンディ母子とマイク刑事の活躍により、心臓を撃たれて息絶えたチャッキー。
が、まさか人形が連続殺人を犯したという彼らの証言を信じるものはおらず、母親は精神病棟に収監され、アンディは養護施設に送られてしまっていた。
一方で、彼らの証言などで大きな風評被害を受けていたグッドガイ人形の製造元は、状況を打破するべくとうとうチャッキーだった人形の復元に手を出し、騒動がでたらめであることをアピールしようとする。
が、この人形には、チャッキーの魂がまだ残っていた。
復活したチャッキーは製造元の会社を抜け出し、アンディへの復讐を始める。
予算が増えたことで、チャッキーの表情が豊かになった。
チャイルドプレイ3(1991年公開)
グッドガイ人形の工場内でアンディを追い詰めるも後一歩の所で失敗し、ばらばらにされたチャッキー。
度重なった事件によって操業を停止していた工場が、8年ぶりに再開されることになった。
が、記念すべき再開後第1個目のグッドガイ人形は、チャッキーの残骸が溶かされて再生されたものだった。
案の定、チャッキーは復活し、アンディの体を三度奪おうと企む。
しかし、8年の月日が経ってアンディは16歳になり、陸軍学校に通っていた。
彼を襲うのは骨が折れると考えたチャッキーは、ターゲットをアンディからタイラーと言う少年に変更。陸軍学校に忍び込んで殺戮を働き、彼を狙うが、とうとうアンディに存在がばれてしまい、やがてカーニバルの遊園地で一騎打ちとなる……。
チャイルドプレイ チャッキーの花嫁(1998年公開)
遊園地でばらばらになっていたチャッキーを、人間時代の恋人・ティファニーが復元する。彼女は彼との結婚を今なお望んでいたのだ。
が、チャッキーは彼女を殺害し、花嫁姿の人形にその魂を移し変える。 年老いた彼女の肉体を捨て、共に2人で若い肉体を手に入れようというのだ。
2人は他者の肉体を奪うことができるブートゥー教の秘宝「ダンバラの心臓」を手に入れるため、チャッキーの肉体であるチャールズ・リー・レイが埋葬された墓地へと向かう。何も知らずに愛の逃避行を決意した一組のカップルと共に・・・・・・
かくして、2人の殺戮ハネムーンが始まった。
いよいよコメディ要素が色濃くなってきた4作目。もはや1作目の面影はどこにも無い。
チャイルドプレイ チャッキーの種(2004年公開)
イギリスの見世物小屋で、インチキ腹話術師にこきつかわれていた、「本当に生きている人形」・シットフェイスは、ある日テレビで、かつてアメリカで殺戮を繰り返した「殺人鬼の魂が乗り移った人形・チャッキーとティファニー」の噂を基にしたホラー映画製作のニュースを見る。
画面の中の2人の腕には、自分と同じ位置に"made in Japan"の文字が刻み込まれていた。
彼らこそが生き別れた親に違いない。シットフェイスは見世物小屋を抜け出し、長い旅路の末ハリウッドにたどり着く。
そこには、どう復元されたのか、チャッキーとティファニーの姿があった。最初、彼らは動かなかったが、シットフェイスがブードゥー教呪術をかけたところ復活。やはり前作のラストで生まれた子どもであったことが判明し、家族3人で感動の再会を果たす。
が、チャッキーは彼に殺人鬼の道を歩むことを望み、ティファニーは父親=チャッキーとは違う平凡な人生を歩むことを望む。育児方針で衝突する2人の諍いが、やがて最悪の夫婦喧嘩に発展して行く。
この作品のみ、『ガキの使い』などで度々チャッキーのコスプレを披露していた山崎邦正(現・月亭邦正)が、納屋六郎に加えて吹き替えに挑戦している。
チャイルド・プレイ 誕生の秘密(2013年公開)
車椅子で生活する少女ニカは、突然自殺を遂げた母のことで悩んでおり、せっかく訪ねてきてくれた姉のバーブとも衝突していた。
そんな中、親戚が一人また一人と不審な死を遂げていく。
ニカは、バーグの娘がつれて歩いている茶髪の人形に不審なものを感じ、やがて、その人形が皆の死に関わっているのではないかというバカげた発想を抱き始める。
ニカの考えは果たして的中していた。その人形こそ、20年来の約束を遂げるためにやってきた、チャッキーだったからだ……。
『チャイルドプレイ3』と『チャッキーの花嫁』の間に当たるスピンオフ作品。チャッキーの過去にも一部触れる内容である。
シリーズの生みの親であるドン・マンシーニが脚本と監督を担当している。
また、ヒロインのニカを演じるフィオナ・ドゥーリフは、シリーズを通してチャッキーの声とチャールズを演じ続けているブラッド・ドゥーリフの実子である。
また、本作のエンディング後に流れる後日談(エピローグ)で、初代主人公のアンディを演じたアレックス・ビンセントがすっかり大人になったアンディを久々に演じるというサプライズがある。
日本ではビデオスルー。
チャイルド・プレイ チャッキーの狂気病棟(2017年公開)
前作のラストで心神喪失判定を受け、精神病棟に隔離されたニカは改善の兆しありと言う診断結果を受けて、人気の無い場所に建っている「ハロゲート精神病棟」へ移送されることとなった。
同施設内での生活を送るニカは同じ収容患者のマイケルと知り合い、急速に惹かれ合い恋仲となる。
一方で主治医やニカの姪の後見人を名乗るバレンタインという女性、更には前作のエピローグで登場したアンディがそれぞれチャッキーと登録されたグッドガイ人形をニカに届けた事をきっかけに謎の連続殺人が施設内で発生し始める。
スピンオフ作品「誕生の秘密」の続編。
監督・脚本は引き続きドン・マンシーニ。
シリーズの生みの親が引き続きメガホンを取ったのだが、内容はお世辞にも良いとは言えず、実際に観た人たちからも「チャッキーよりも施設内に収容されている患者たちの方が怖い」「駄作中の駄作」と不評を買い、更には前作ではサプライズ登場だったアンディも今作では本格的に物語に関わるのだが傍から見ても「頭の悪いおっさん」と言われるに等しい行動ばかりしているという失笑を買う等、シリーズ内でも一番評判の悪い作品となった。
この結果を受けてか、マンシーニはこの作品を最後に「チャイルド・プレイ」シリーズに関わらない事を表明した為、2019年に公開されたリブート版において設定が大きく変わるきっかけにもなった。
また、長年チャッキーの吹き替え担当をしていた納谷六朗が死去した為、今作から島田敏が吹き替え担当となった。
日本では前作に引き続きビデオスルー。
チャイルド・プレイ(2019年公開)
AIを利用した開発商品を販売しているカスラン社では人間の生活をより快適にする為の商品開発を行っており、中でも人間とのコミュニケーションを通じて学習することで「生涯のパートナー」として人間の生活サポートを行うAIロボット「バディ人形」は世界的な人気を誇っていた。
そんなバディ人形を製造しているカスラン社のタイの製造工場で1人の作業員が上司から叱責された腹いせに、プログラミング途中だった1体のバディ人形のAIプログラム内の言語や感情などの制御を無効化した状態で納品してしまう。
同じ時期にシカゴに引っ越してきた母子家庭のカレンとアンディは裕福でない家計での新しい環境下、アンディが反抗期を迎えた上にカレンの彼氏のシェーンとも仲が悪い事もあって酷くぎくしゃくした家庭環境下にあった。
そんな中、ショッピングセンターで働いているカレンに1人の客が「目が赤く光る」とクレームを言って型落ちした1体のバディ人形を押し付けてきた。仕方なく引き取ったカレンから早い誕生日プレゼントとしてしぶしぶ受け取ったアンディによって起動したバディ人形は自ら「チャッキー」と名乗る。
アンディは、普通なら指示に従うはずが従おうとしないチャッキーに苦労するも友情を深めていき、それと並行して素行不良ではあるが仲間思いの友達を作ることに成功する等の変化が見られるようになるも、妻子持ちでありながら毎日家に入り浸るシェーンとの仲はどんどん悪くなっていき、更にカレンもシェーンに味方する為に軋轢も深まるばかりで家族間の関係は悪化する一方だった。
そんな毎日のある日、アンディが飼い猫にひっかかれてケガを負い、更にアンディが「シェーンがいなくなってしまえば」と愚痴をこぼしたのを目の当たりにしたチャッキーは次第に不気味な行動をとり始めるようになる。
これまでのシリーズから設定を大きく変更したリブート作で、チャッキーも悪魔の呪文で魂を乗り移らせた殺人人形という設定から、AIプログラム制御の無効化によって暴走する殺戮ロボットという設定に変更されているのが特徴である。
過去のシリーズ作品の面影も、チャッキーの外見以外では初代の主人公サイドだったアンディ、カレン、マイク刑事の設定部分のみとなっている為、これまでシリーズを見たことの無い人でも見やすい作品となっており、日々発展しているAI技術への依存と危険性についてのメッセージ性を含んでもいる。
他にも冒頭の概要で既述した通り、公開日が「トイ・ストーリー4」の公開日と近かった為に、広告ポスターのほぼ全部が「「トイ・ストーリー」のキャラクター達をあの手この手で破壊するチャッキーの姿」という、ディズニーとピクサーに喧嘩を売りまくった、色んな意味で清々しいものであった。
また、チャッキー役を全作品で演じてきたブラッド・ドゥーリフから「スター・ウォーズ」のルーク・スカイウォーカー役で有名なマーク・ハミルがチャッキー役を演じる事となり、こちらでも同シリーズの新三部作ブームの真っただ中だったことも相まって「遂にルークが暗黒面に堕ちてしまった」と話題を呼んだ。
日本ではアメリカ公開から1か月後の2019年7月に公開された。
チャッキー
本名:チャールズ・リー・レイ。
『湖畔の絞殺魔』の異名を持つ凶悪殺人犯で、長い間逃亡していた。ある呪い師に教わっていたブードゥー教の秘術により、玩具屋にあった「グッドガイ人形」の一つに自らの魂を移し、殺人人形と化す。
非常に残忍で凶悪な性格であり、好んで人を殺す。特に2作目以降は「エルム街の悪夢」のフレディと同じく、どこかユーモアすら感じられるブラックな悪戯を行うようになる。
非常に口が悪く、グッドガイ人形に収録されている「やあ、僕チャッキー! 遊ぼうよ!」という音声だけは綺麗な子どもの声だが、それ以外は組長先生元の野太い声での悪口しか話さない。
見た目は人形でも、筋力(?)は基本的にもとのチャールズのままであり、つまり成人男性と同等である。一方、アンディに振り回されているのを見ると、体重自体は人形そのもののようだ。
人間よりも遥かにしぶとい生命力があり、死んでも身体を修繕される度に生き返っている。しぶとくターゲットに喰らい着くため、作品のクライマックスでは、異常にひどい仕打ちの末にボロボロにされて敗北することが多い(例:『2』では、右手を切断せざるを得なくなった後、高温プレス機で焼かれて下半身を失い、強酸性廃液を浴びせられて全身ドロドロになり、その末に送気チューブで頭部を破裂させられてようやく活動を停止した(ネタバレ))。
弱点は人間の急所でもあり、長く人形の姿でいたことで蘇った「心臓」。これを撃ち抜くことでチャッキーは一応絶命する。しかし逆に言えば、その心臓を撃ち抜かない限りは例え頭が取れていても生きている可能性がある。
ちなみに、あまり長い間人形のままでいるとそのまま人間と化してしまい、中身が血肉になって、人形から抜け出すことが出来なくなってしまう。そのため、基本的にアンディやタイラーを狙うときはいつも焦っている。
別の人間の身体を手に入れるためには、「最初に自分の正体を明かした人物に同じブードゥー教の呪いをかける」ことが条件だが、シリーズの数を見ればわかるとおり、ことごとく失敗している。ここでいう自分の正体とは「自分の本名がチャールズである」と相手に伝えること。 この法則により、最初にチャッキーを買った少年アンディと『3』で登場するタイラーが狙われる。
「チャッキーの花嫁」以降は、自分がかつて呪い師から盗んでいた赤い宝石のペンダント「ダンバラの心臓」を使うことが条件となった。
一方で『誕生の秘密』ではティファニーによって復活したまでは同じだが、ティファニーの協力の下で様々な人物の所に荷物として送り届けられ、届けられた先で殺戮を行っていた。しかし、「チャッキーの狂気病棟」ではインターネットで「手足のある人間体であれば魂を上書きできる方法」を見つけ、複数のグッドガイ人形に自分の魂を乗り移らせることに成功している。
2019年版「チャイルド・プレイ」では作中の設定が大きく改変され、製造工場の従業員の1人が上司からパワハラを受けた腹いせに、1体のバディ人形に埋め込むAIチップを勝手に改造し、言語や感情などの制御を無効化した状態で納品された為に、持ち主となったアンディの下で間違った事までをも学習していった結果、学習したプログラムに従いつつ、アンディの唯一の友達でい続ける為に彼の邪魔となりうる存在を排除していく殺人ロボットへ変貌していくという、悲劇性の強い設定となっている。
ティファニー
「チャイルドプレイ チャッキーの花嫁」から登場。チャッキーがまだ人間であったときの恋人で、10年間も思いを寄せて他の男とは深い関係を持たなかった。警察署からチャッキーの残骸を盗み出して修繕し、アンチョコでブードゥー教の秘術を使って彼を蘇らせる。しかしチャッキーは彼女の思いを裏切った挙句、彼女を殺し、花嫁人形に魂を移してしまう。こうしてティファニーもまた「生けし人形」となってしまった。当然、怒りを顕にするが、チャッキーと共に新たな肉体を得るために協力する。
チャッキーの花嫁に相応しく、劇中でも多くの人を手にかける殺人鬼。女性らしく愛や品行を大事にし、それを蔑ろにする者は大体、彼女の怒りを買って殺される。しかし「チャイルドプレイ チャッキーの種」では息子の教育のために殺人衝動に抵抗を見せる。時に母親の受け売りの言葉を引き合いに出し、登場人物に何らかの影響を与えている。
スピンオフ2作品にも登場しており、チャッキーの殺戮に積極的に協力している描写がある。
グレン(シットフェイス)
「チャイルドプレイ チャッキーの種」に登場。チャッキーとティファニーの息子だが、人間時代の時ではなく、前作で人形であった彼らの愛の契りによって誕生した。そのため、生まれながらにして「生ける人形」である。見世物小屋の腹話術師からシットフェイスという酷い名前を付けられていたが、チャッキーに「グレン」(ティファニーからは「グレンダ」)と改めて名付けられる。グレンは両親の教育方針に振り回され、幼いながら「殺人」を何回も目の当たりにし・・・
中性的な容姿であり、あの両親から生まれたとは思えないほど優しい性格。殺人もいけないものと考えている。日本製の血(?)か、両親の挨拶に日本語を使っている(勿論、吹き替えではない)。
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