ドミニオン(ゲーム)とは、Donald X. Vaccarino作のカードを主体としたボードゲームである。
2008年秋にアメリカでRio Grande Games社より発売され、2009年にホビージャパンより日本語版が発売されている。
2009年の(ボードゲームにおいて最も権威のある)ドイツ年間ゲーム大賞と、ユーザー投票によるドイツゲーム大賞のダブル受賞を果たしている。
このゲームの登場によって、「アセンション」や「サンダーストーン」といったゲームが生まれ、日本においては「たんとくおーれ」「ハートオブクラウン」などのいわゆるドミニオンクローンと称されるゲームがリリースされるなどボードゲーム界隈において大きな影響を与えている。
概要
ドミニオンはカードベースのウノやトランプのようなカードを使用するゲームであるが、その遊び方は一般的に思い浮かべるようなカードゲームとは異なり、マジック・ザ・ギャザリングや遊戯王などのデッキ構築していくTCGベースのカードゲームに近いが、「デッキ構築をすることをゲームにした」その遊び方は、非常にユニークである。
簡単なゲームの概要
各プレイヤーの初期デッキにあるお金を上手に使ってデッキ内部のお金を増やし、そのお金で勝利点カードを獲得するといった具合に拡大再生産を繰り返してデッキを構築していく。
ゲーム終了時に、獲得した勝利点の合計が一番多いプレイヤーが勝利する。
大雑把なゲームの流れ
- 銅貨(1コイン)、銀貨(2コイン)、金貨(3コイン)、屋敷(1得点)、公領(3得点)、属州(6得点)、呪い(-1得点)カードを場にサプライとして置く。
- このゲームで使用する追加のカード10種類(それぞれ10枚/勝利点カードのみ12枚)を決め、場にサプライとして置く。この10種類はゲームで遊ぶプレイヤー全員が自由な方法で決めることができる。
- すべてのプレイヤーはサプライから銅貨カード7枚と屋敷カード3枚を引き、その10枚を自分のデッキとする。よくシャッフルされたデッキから5枚引いてそれを手札とする。
- 【アクション(Action)フェイズ】手札からアクションカードを使用し、その指示に従う。使用できるアクションカードは基本的に1枚のみだが、カードの効果によっては使用できる枚数が増えることもある。
- 【購入(Buy)フェイズ】手札から財宝カードを使用し、サプライにあるカードを購入する。購入できるカードは基本的に1枚のみだが、カードの効果によっては購入できる枚数が増えることもある。
- 【クリーンアップ(Clean-up)フェイズ】使用したカードと手札に残ったカードをすべて捨て札とする。その後、デッキからカードを5枚引いて次のターンの手札とする。デッキからカードを引けない場合はすべての捨て札をよくシャッフルしそれを新たなデッキとする。
- 左のプレイヤーのターンとなる。次のプレイヤーは4から始まる。
以上を繰り返し、サプライから3種類のカードが無くなるか、属州カードが無くなったときにゲームが終了する。
ゲーム終了時、プレイヤーの所持するすべてのカード(手札、捨て札、デッキ)の中に含まれるすべての得点カードの合計を計算し、その合計点が一番多いプレイヤーが勝利する。
面白いところの概要
- ゲームごとに使用されるカードの種類が異なるので、それぞれに違ったゲーム展開となるところ。
- そのゲームで使用されるカードの中から、自分が目指す戦略にそってカードを購入し、デッキが大きくなっていくところ。
- 得点カードは得点以外の役には立たないため、ゲーム中においてはハズレのカードでしかないが、ゲームに勝利するためには得点カードを購入しなければならないところ。
- ほかにもいろいろ。
ラインナップ
ドミニオンの歴史は長いため、現在では多数のセットが存在する。ゲームプレイには「基本カード」と呼ばれるカード群が必要であるため、基本カードが付属していない拡張セットをプレイするためには「基本」「基本(第2版)」「陰謀」「基本カードセット」のいずれかを購入する必要がある。
表中の発売日は、英語版および日本語版のみ掲載。ドイツ語など他言語版もあるがここでは割愛する。
セット名 | 発売日 | 解説 |
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基本 | ![]() ![]() |
記念すべきシリーズ最初の作品。「基本」という名前だけあり、複雑な効果のカードは少ない。「第二版」の登場に合わせて販売終了。 |
基本 (第二版) |
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最初のセットの発売から8年の歳月を経て登場したリニューアル版。「基本」から一部のカードが差し替えられた。今からドミニオンを始めたいなら、まずはこれを手に取ってみるとよい。 |
陰謀 | ![]() ![]() |
「効果を選択できるカード」や、複数のカードタイプを併せ持ったカード等が登場。「基本」同様、「第二版」の登場に合わせて販売終了。 |
陰謀 (第二版) |
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「陰謀」のリニューアル版。「基本(第二版)」と同様、元のセットから収録カードが多少変化している。 陰謀(第一版)とは異なり基本カードが付属しておらず、単体では遊べないので注意。 |
海辺 | ![]() ![]() |
ここから基本カードは別売りになる。自分の次のターンにも効果を発揮する「持続」カードが多数登場し、「基本」「陰謀」とはまた異なるプレイの雰囲気を与えてくれる。 |
錬金術 | ![]() ![]() |
今までよりも小型の拡張セット。特殊な財宝である「ポーション」カードが登場。ポーションで購入可能なカードは強力なものが多い。ルールが非常にややこしい「支配」はこのセットの出身。 |
繁栄 | ![]() ![]() |
「富」と「繁栄」がテーマの拡張セット。多種多様な財宝カードや、7コイン以上のコストを持つカードが新登場。「金貨」「属州」以上のコストと見返りを持つ「白金貨」「植民地」カードもサプライに加わる。 |
収穫祭 | ![]() ![]() |
「錬金術」と同様の小型セット。テーマは「多様性」であり、カードの種類を増やすことで有利になるカードが多数登場。 |
異郷 | ![]() ![]() |
「カードを購入or獲得した時」に効果を発揮するカードが多数登場。むしろ獲得時効果がメインに使われるようなものもある。新規メカニズムは特になく割と地味な印象。 |
暗黒時代 | ![]() ![]() |
「カードの廃棄」がテーマの拡張セット。メカニズムとしては呪いに似た邪魔者の「廃墟」カード、初期の山札を置き換えるための「避難所」カードなどが登場。 |
ギルド | ![]() ![]() |
3個目の小型セット。テーマは「コイン」、ターンを超えて持ち越せる「コイントークン」や、購入時にコインを追加で支払うことで恩恵を得られるようなカードが登場。 |
冒険 | ![]() ![]() |
「海辺」で登場した持続カードが再登場した他、カードの代わりに購入して効果を得る「イベント」、脇によけておき必要な時に呼び出すことができる「リザーブカード」といったメカニズムが新たに登場。今までのセットよりも考えることが多く、ゲームプレイは複雑になりがち。 |
帝国 | ![]() ![]() |
「勝利点」がテーマの拡張セット。新規メカニズムには、特定のカードを購入する等で発生し返済義務を負うことになる「負債」、ゲーム終了時の得点計算のルールを追加する「ランドマーク」などがある。 ゲームプレイは(主にランドマークのせいで)上記の「冒険」よりも更に複雑。上級者向け。 |
夜想曲 | ![]() ![]() |
購入フェイズとクリンナップフェイズの間に「夜フェイズ」が追加され、そこでしか使えない「夜行カード」が登場。また、特定カードの効果により発生する、運要素の強い「祝福」「呪詛」といったシステムも。 |
ルネサンス | ![]() ![]() |
拡張セット「ギルド」で登場したコイントークンが「財源」という名で復活した。一度購入してしまえば永久に恩恵を受けられる「プロジェクト」や、1個しかないので他人から奪い合うことになる「アーティファクト」といったメカニズムが新登場。コンボ色がかなり強い拡張セット。 |
移動動物園 | ![]() ![]() |
英語版は2020年3月、日本では2020年5月に発売予定とされていたが、諸事情により発売延期。 |
公式大会
日本においては、ホビージャパン主催の「ドミニオン日本選手権」が2011年より毎年夏頃に開催されている。
この大会の優勝者には後述の世界選手権への本選参加の権利が与えられる。
2011年からの日本選手権優勝者は下記のとおりである。なんか、木ドミとか東ドミとか言うのが強いらしいよ。
2011年 re_ne氏
2012年 iori氏
2013年 iriho氏
2014年 re_ne氏
2015年 hiroki氏 → 本人のブログ
2016年 ながどん氏 → 本人のブログ
2017年 むーろん氏 → 本人のブログ
2011年以降より、毎年アメリカで行われているGENCON内のイベントにおいて、世界選手権が行われている。
2010年以前については不明であるが、分かる人は記載お願いします。ところでGENCONって何なの?
(GENCONについてはRio Grande Games社がスポンサーとなっている)
この世界選手権において、日本代表はほぼ毎年優秀な成績を収めている。もしかして日本最強なのでは。
2011年からの日本代表の成績は以下のとおりである。
2011年 優勝 re_ne氏
2012年 優勝 iori氏
2013年 準優勝 てっぺい氏 (日本選手権優勝者辞退のため、日本選手権決勝に残った方の出場)
2014年 優勝 マルク氏(日本選手権優勝者辞退のため、日本選手権決勝に残った方の出場)
2015年 代表なし (日本選手権決勝に残った方が全員辞退したため)
2016年 優勝 YOSHIBALL氏 (日本選手権優勝者辞退のため、日本選手権決勝に残った方の出場)
2017年 4位 むーろん氏
やはり、このゲームは日本人最強なのでは?
公式オンラインゲーム
2013年より、play.goko.comにおいて、Rio Grande Games社から承認をうけたオンライン対戦サイトが公開され、2015年からはMaking Fun社が http://www.playdominion.com/
にて引き継いでいる。
以前はブラウザ上で動作するゲームだったが、2016年8月現在においては要求スペックの上昇により、ブラウザ上での動作は非常に重くなっており、主にクライアントソフトをダウンロードして遊ぶようになっている。
クライアントソフトになったことでiPhone、Androidに対応したアプリも登場しているが、その動作は(お察し下さい)。
2017年からは運営をShuffle iTに移しリニューアルした (https://www.dominion.games/
)。現在は日本語にも対応。旧バージョンと異なりクライアントソフトはなく、ブラウザ上で比較的快適に遊ぶことができる。一応タブレットやスマホでもプレイ可能だが操作性はあまり良くない。
関連動画
関連商品
以下のセットは、どちらかを購入すれば遊ぶ事ができる。
もちろん、両方購入して併用する事も可能。
品切れが起きると高騰したりするが、その時は素直に再販を待つといいよ。
関連項目
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- 0pt
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E3%83%89%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%82%AA%E3%83%B3%28%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%29