「ロックマンワールド5」とは、1994年7月22日にカプコンから発売された、ゲームボーイ用アクションゲームである。ロックマンワールドシリーズの第5作品目。スーパーゲームボーイに対応している。
かつてはニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで、2013年11月6日より配信されていたが、ニンテンドーeショップのサービス終了に伴い、現在は配信でのプレーは出来なくなっている。
概要
これまでのシリーズは、本家シリーズの作品を2つずつ素材として制作した総集編であったが、本作はボスキャラクター、音楽、特殊武器まで全て完全新作として作られている。
新要素は、下記のとおり。
召喚すると、地面を転がりながら敵に攻撃する猫型ロボット。最初から持っている武器で、エネルギー制。前作に登場した「ビート」は居なくなった。なお、召喚するには「溜め撃ち」をする。
ゲーム後半ステージの道中にある、4個の宝石を集めると、ライト研究所で製作できる。
前作の「B」「E」「A」「T」プレートに代わるようなもの。
- ロックンアーム
スーパーロックバスターに代わるロックマンの溜め撃ちで、ロケットパンチ。「マジックハンド」等、ロックンアームの追加効果を付与するアイテムをライト研究所で購入できる。
前作にあった、「同じステージを何度かコンティニューすると、イベントを経て、チャージ時間の短縮&弾速が上がる」システムも採用されている。この強化システムは、2回まで可能。パスワードに記録されない。
ストーリー
Dr.ワイリーが消息を断ち、人々が彼の存在を忘れた頃。突如として現れた戦闘用ロボット「アース」の攻撃を受け、ロックマンは倒れてしまう。
その数時間後、世界中の街が、宇宙から飛来したという「スペースルーラーズ」に支配されていった。
Dr.ライトによって一命を取り留めたロックマンは、新兵器「ロックンアーム」を装備し、新たな敵に立ち向かう。
スペースルーラーズ
前半ステージでは、マーキュリー、ビーナス、マース、ネプチューンと、
後半ステージでは、ジュピター、サターン、ウラノス、プルートと
それぞれ戦う事になる。
SRN001 アース
地球征服をするべく、スペースルーラーズを引き連れ地球に飛来したロボット。
ボディーは地球外の物質によって作られており、ロックマンのスーパーロックバスターを全く受け付けない(オープニングの演出)。
自分以外のロボットはすべて汚いと考えており、相手に近づかれることを嫌い、遠距離攻撃を好む。
好きなものは「シャンプー」。嫌いなものは「帽子とヘルメット」。
相手の動きを停止する光輪を撃ち、「スパークチェイサー」というロックマンを少しずつ追跡するレーザー、ロックマンが近づくとテレポート移動して間合いを変える。
特殊武器は「スパークチェイサー」。アースの物とほぼ同様だが、アースが使用するものより追跡速度が強化されている。
弱点武器は「ディープディガー」。ただし、使用すると足場が不安定になってしまうので、倒すだけならバスターだけで十分。
SRN002 マーキュリー
液体金属のボディーを持つロボット。
自らを液体状に変化、分裂して襲いかかる戦法を得意とする。後のレインボーデビルを彷彿させる。
合体時の武器「スナッチバスター」は、ダメージを受けるほか、PチップやE缶まで盗まれてしまう。
スペースルーラーズの中ではプルートとは仲が悪い。
「スナッチバスター」は上述の能力から、一度喰らってしまうとPチップの数が減少する事から、研究所でのアイテム開発の際の痛手になりやすい。だが、この攻撃は体当たり後に攻撃を加える事で中断させる事が出来る。
また、前半ボスだけあって体当たりの軌道も見切りやすい。加えて、ステージも今作の中では簡単な部類に入るので、今作を最初から始めた場合は一番最初に攻略されやすいステージ筆頭となっている。
特殊武器は「スナッチバスター」。マーキュリーの物とは異なりPチップやE缶を盗む能力こそ消滅したが、体力を吸収する効果自体は健在なので、ライフ回復目的として使える。
弱点武器は「ブラックホール」。取得出来るサターンが後半ステージのみに登場するので、弱点武器を使うのなら最終ステージのボスラッシュ限定になる。
SRN003 ビーナス
蟹をモチーフにした戦闘ロボット。
性格は奇麗好きな半面、攻撃的な性格である。
蟹のように横歩きしかできず、正面を向いて歩くことできないことを悩んでいる。
泡型の爆弾を大小2種類撃つ。小はロックマンに向かってゆっくり飛んでいく。大は画面中央に設置され、しばらくすると爆発する。
特殊武器は「バブルボム」。発射すると左右に揺れながら天井まで上昇して、敵に当たるか、天井の行き止まりまで行くと爆発する。
弱点武器は「フォトンミサイル」。この武器は後述の通り、武器の軌道に関して非常に強い癖を持っているので、どちらかといえばミサイルを設置する感覚で直接彼に当てに行った方が良いだろう。
SRN009 ネプチューン
魚人のような風貌の水陸両用戦闘ロボット。
両手から発射する「ソルトウォーター」はあらゆる金属を錆つかせる塩水である。「ソルトウォーター」は地面や壁に着弾すると炸裂し、小さな滴となる。また、地震を起こし天井から塩水を滴らせる攻撃も得意とする。
実は塩分の取りすぎを気にしていたり、足が水虫なのが悩みであったりと矛盾の多いロボットである。
基本的に大きくジャンプしながらフィールドを端から端まで移動。
彼が画面端に到達すると、地震及び天井からの塩水攻撃を行う。地震はプレイヤーの動きを止める効果があるので、直後の塩水攻撃に当たる率が高い。
一方で「ソルトウォーター」は彼に近づくと発射してくるのだが、これはすなわち行動を固定させるのも同然なのでハメパターンに移行させすい。これに比較的簡単な構成になっているステージも相まって、今作の序盤で倒されやすいボスの一体になっている。
特殊武器は「ソルトウォーター」。ネプチューンが使用する物とほぼ同じ性能を持つが、彼の物とは異なり、手りゅう弾の様な感覚である程度の軌道をコントロールする事が出来る。
弱点武器は「スパークチェイサー」だが、初戦ではロックバスターで戦うことを余儀なくされる。
SRN004 マース
ナパームマンの様な全身を武器で構成された戦闘ロボット。別名「歩く兵器倉庫」。
手加減を嫌い、どんな相手にも全力を出して戦う性格。実は地雷垂れ流しが辞められなくて悩んでいる。
地雷を設置したり、連射力のある弾を発射するなどして攻撃してくる。一番の武器は「フォトンミサイル」で、強力なミサイルを高速で撃ち出す。
彼自身の攻撃パターンは非常に豊富になっているのだが、同時にステージの方も初見殺しや強敵が多く配置されている事から、経験の浅いプレイヤーは前半ステージでは一番最後に回した方が得策である。
特殊武器は「フォトンミサイル」。静止した状態で発射し、時間が経つと高速で移動するミサイルを放つ。ミサイルの移動時は癖が非常に強い関係で敵に当てづらく、どちらかというと静止した状態のミサイルを設置物の様に扱うのがミソ。
弱点武器は「ソルトウォーター」。
SRN006 サターン
時間と空間を操ることができる戦闘ロボット。
フラフープのような輪を身に付けている。
時を止めてから小さな弾を広範囲に発射したり、輪を空中に投げながらスライディング攻撃を仕掛けてくる。輪からブラックホールを発生させ、何でも吸い寄せることができる。ブラックホールの発生中に、ロックンアームを放ってしまうとブラックホールに吸い込まれてしまい、弾が撃てなくなる。
特殊武器は「ブラックホール」。頭上にブラックホールを発生させて敵を飲み込み破壊した後、エネルギー弾を回転しながら撃ち出す。
弱点武器は「エレクトリックショック」。
SRN005 ジュピター
飛行能力に長けた戦闘ロボット。
ジェット噴射により長時間空を飛ぶことができ、上空からロックマンに襲いかかる。
高出力・高威力の「エレクトリックショック」を頭上から放つ。「エレクトリックショック」はダメージ量も多く、すべての武器を弾き飛ばすので注意が必要。発射後は小さな弾を4発同時発射してくる。
特殊武器は「エレクトリックショック」。ロックマンの手から電気の帯を発生させる。攻撃ボタンを押している間は発生し続ける。攻撃範囲は狭く、接近戦用の武器だが、威力は非常に優秀。
弱点武器は「バブルボム」。常に空中にいるので当てやすいが、床が凍っているので滑って相手の攻撃を受けないよう、しっかり狙いを定めたい。
SRN008 プルート
ジャングルでの運用を想定して作られた戦闘ロボット。
獣のようなデザインをしており、登場モーションではロックマンに向かって威嚇するような雄叫びを上げる。
機動力に長けており、素早い動きで体当たり攻撃を仕掛け、壁に張り付き追尾能力を持つ燃える弾を放つ。その他、爪からは斬撃を発射する。
実は『ロックマン7』に登場するスラッシュマンの原型となったロボットだったりする。
特殊武器は「ブレイクダッシュ」。チャージする事で強力な体当たり攻撃ができる。体当たりで特殊なブロックを破壊する事が出来る。また、発動後は若干の無敵時間が発生する
弱点武器は「スナッチバスター」。当然、マーキュリーとは仲が悪い。
SRN007 ウラノス
パワーに長け、SRN中では最高の怪力を持った闘牛をモチーフにしている戦闘ロボット。
所謂「体育会系」で頭が血が上りやすく、気が荒い性格。卓袱台返しが好きなど変なところもある。
その見た目から想像が出来る様に、パワフルな戦いを好む。
怪力自慢らしく、地面を持ち上げ、投げつける「ディープディガー」が武器。
体重もかなりのもので、ジャンプで地震を起こし、ロックマンをよろめかせる。それだけで無く、その地震は天井をも崩落させてしまい、巻き込まれるとロックマンは一撃で破壊されてしまうので注意したい。
装甲も硬く、ロックンアームのダメージ量もロックバスターと同じ1ダメージしか与えられない。
特殊武器は「ディープディガー」。特定のブロックを持ち上げて投げることができる(持ち上げられるブロックの上に立つとブロックの色が変わる)。所謂「スーパーアーム」。
特定のブロックを持ち上げられる関係上、ステージ内の探索に秀でている。反面、ブロック周辺には敵が少なくなりがちである事から、やはり攻撃向きではない。
弱点武器は「ブレイクダッシュ」。
その他のボス
ダークムーン
ネプチューン、マーキュリー、マース、ビーナスの4体を倒した後、アースの地球基地で戦うことになる。
軍団の特攻隊長らしい。
位置付けとしては、過去作のイエローデビル系列の大型戦闘用ロボットで、体を小さなパーツに分裂させて襲ってくる。
さらに過去のモデルで課題であった「歩行能力」を身につけ、目からは3発の弾を発射する。
分裂した体のパーツは、位置が低いものは直線で移動し、高いものは落下して地面でバウンドするパターンがある(初回のみすべて直線で移動)。
すべて画面外へと飛んで行き、そこで合体して再び画面内へと姿を現す。目を見開いた時にのみダメージを与えられないので注意。
スカル・ブレーザー
ワイリースターへの侵入者を防ぐ超大型イオン砲台。時空を歪めるほどのパワーを持つ。
ドクロ型発射口から放つレーザーキャノンが脅威。
その威力は絶大であるが、発射までにはかなりの猶予があるので回避するのは容易である。
この脅威の発射口だが、同時にここが弱点でもあるので、レーザーを発射した直後に開いている発射口にバスターを撃ち込むことでダメージを与えることができる。
上部からはミサイルを発射してくるが、これはバスターで破壊が可能なので、とにかく弾幕を張って破壊してしまおう。
下部からは大砲を発射する。弾の速度はなかなかのものだが、ブーストを駆使すれば回避しやすい。
RKN001 エンカー(量産機)
『ロックマンワールド1』に登場したロックマンキラー第1号。
ワイリースター内で大量に量産されているうちの一体と戦うことになる。
初代に比べると、挙動が読みやすくなっているなど弱体化している。しかしロックバスター以外の武器は何一つ受け付けないところは変わっていない。
倒しても「ミラーバスター」は取得することはできない。
?????? クイント(量産機)
『ロックマンワールド2』に登場したクイント(Dr.ワイリーが改造した未来のロックマン)の設計図を基に作られた量産機。
ワイリースター内で大量に量産されているうちの一体と戦うことになる。
攻撃パターンは『ワールド2』のものから変更されていない。というより、変更する必要がない。
弱点武器は「フォトンミサイル」だが、ロックバスターでも問題なく戦える。
倒しても「サクガーン」を取得することはできない。
RKN002 パンク(量産機)
『ロックマンワールド3』に登場したロックマンキラー第2号。
ワイリースター内で大量に量産されているうちの一体と戦うことになる。
攻撃が緩慢となり、スクリュークラッシャーの威力の減少、突進攻撃も見切りやすくなった。
弱点武器は「バブルボム」だが、非常に当てづらいのでロックバスターで戦うのが無難である。
倒しても「スクリュークラッシャー」を取得することはできない。
RKN003 バラード(量産機)
『ロックマンワールド4』に登場したロックマンキラー第3号。
ワイリースター内で大量に量産されているうちの一体と戦うことになる。
第2形態ではなく第1形態の姿で登場。
攻撃はパターン化され回避も容易になってはいるが、バラードクラッカーの威力は侮れない。
弱点武器は「ブレイクダッシュ」だが、ロックバスターで戦った方が効率がいいかも知れない。
倒しても「バラードクラッカー」を取得することはできない。
エル・ナックル / アール・ナックル
ロックマンの頭上から狙いを定め、勢いよく拳を振り降ろす。この直後に露出する目が弱点。
攻撃パターンとしてはこれを延々と繰り返すので、スライディングで回避しながら攻撃を重ねよう。
「エル・ナックル」を倒すと、直後に「アール・ナックル」との戦いになる。
攻撃パターンはほとんど同じだが、移動速度が上がっており、拳を振り降ろした後に誘導ミサイルを発射しつつ、ロックマンを掴もうとしてくるパターンが追加。掴まれただけではダメージは無いが、誘導ミサイルに当たってしまうので注意。予めミサイルを破壊している場合でも安心はできず、解放した直後に再び拳を振り降ろすので着地直後にスライディングで回避しよう。
弱点武器は「ソルトウォーター」、「スナッチバスター」。これは左手・右手どちらも共通している。
ブレーン・クラッシャー
本作の「ワイリーマシン」。
ワイリーのロボット生産を管理する高性能コンピュータで、「ワイリースターの頭脳」と言われる。強力な防御シールドを張っており、ロックマンの武器を何一つ受け付けない。
攻撃パターンは、ミサイル(×3)射出→ピカシュー射出→アラベル射出を繰り返す。
ミサイルは射出されるとしばらく回転しながら滞在し、ロックマン目掛けて飛んでくるのでスライディングで避けたり、バブルボムを使って破壊しよう。
次に「ピカシュー」と呼ばれる重力をコントロールするロボットを射出する。ステージの天井には針があり、重力を弱めて天井の針に接触させようとするので、ピカシューを攻撃してこれを阻止しよう。
ピカシューを倒すと、次に「アラベル」と呼ばれる目覚まし時計を模した時限爆弾が射出される。タイマーの数字が0になると爆発するので、うまくタイミングを合わせてブレーン・クラッシャーに爆風を浴びせることでダメージが与えられる。
倒すと第2形態に移行。マシンの下半分が失われ、上部のドーム状の装甲が破壊され、ワイリーが顔を出す。トゲ付き天井が低い位置まで下がり、狭い空間で戦う。
トゲは即死ではなくダメージであるが、ブレーン・クラッシャーから地を這う電撃が次々に発射されるので、プレイヤーには小ジャンプの技術が要求される。
第2形態の弱点は「ソルトウォーター」、「フォトンミサイル」、「スパークチェイサー」と多いので、使いやすいものを選ぶと良い。
サンゴッド(英語版:Sun Star)
ワイリー博士によって発掘された、過去の文明に存在していた戦闘ロボット。
攻撃手段は多く、サンゴッドの残り体力によって変化する。
開始直後は「チャージレーザー→突進→地を這って上昇するビーム」の繰り返し。体力が減ると、地面を破壊する火炎弾を発射して、両者は下の階層へ移動する。
次は「大型の高速弾→バウンドする電撃弾→小ジャンプで迫る」の繰り返し。さらに体力が減ると、前と同じ。
これ以降は「チャージからの突進往復攻撃→宙に浮いて、画面全体に威力の大きい雨を降らせて地面を破壊する→下の階層へ移動する」を繰り返す。
雨が発生すると、ダメージを受けながら急いで下の階層に逃げるしか方法が無いので、ロックマンの回復手段が尽きたら負け確定である。宙に浮いた後に攻撃を当てると、雨を中止させることができる。
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