自律思考固定砲台さんとは、週刊少年ジャンプで連載中の漫画作品「暗殺教室」において、私立椚ヶ丘中学校3年E組に所属する架空の女子生徒(?)である。クラスメイトからの愛称は『律』。
☓ 自立 ◯ 自律
概要
「暗殺教室」始動後、作中時間では殺せんせー暗殺指令から1ヶ月が経過した5月。京都を舞台にした修学旅行暗殺編も予定調和なまでの失敗に終わった後、政府首脳陣合意の上で投入された「科学技術の粋を結集した、2人の特殊な暗殺者」のうちの片割れである。
生まれはノルウェー。整った顔立ちと、自律進化を遂げる高度な人工知能(AI)を兼ね備えた、ハイスペック北欧少女アンドロイドである。…が、残念ながら比喩表現ではなく彼女は『本物の二次元少女』であり、あくまでもそれはモニタ画面に映る顔部分のイメージ映像のみ。本体は「ゼーレのモノリス」「黒い巨大iPhone」と例えられる無骨な筐体である。
世界のトップ達が雁首揃えて、何をやっても殺せないチート生物をどうにか暗殺するためにひねりだした答えの一つが
「暗殺用固定砲台に人工知能乗っけた兵器を『転校生』だと言い張って教室の生徒席に配置する」
というのを聞くと実際かなりこみ上げてくるものがあるが、これもまた殺せんせーから言い出した口約束を逆手に取った戦略の一環である。事実、政府公認であるため「顔と知能が存在する」という理由だけで戸籍まで登録済み。隠す気すら無い脱力ネームとバカげた見た目に反してその性能はひたすら本物であり、事実、3年E組では赤羽業に次いで殺せんせーに物理的ダメージを与えた2番目の生徒(3例目)となった。
スペック
- 名前
- この手の実験的兵器であれば必ずありそうなコードネーム・愛称はおろか、製造型番すら言及されておらず、もはや暗殺目的を隠す気すら無い、かといって人間に似せる気も無い投げやり直球ネーミングが、何とも言えない脱力感と笑いを誘う。御多分に漏れず名付けイベント発生フラグが成立し、クラスメイトの不破さんにより、一文字取って『律』と名付けられた。
- 知能
- 名前を読んで字の如く、自力で学習・思考・進化する人工知能を持ち、会話での意思疎通も可能である。
- 当然ながら人工知能ゆえの並外れた演算能力も備えており、主力武器である対先生BB弾を精密射撃するのに、その能力が活躍する。それもそのはず、このAIは元々イージス艦の統合制御システムとして開発されていたものがルーツであり、人間を遥かに超えた判断速度で戦況を分析し、最適な複数火器を同時並行して運用することに長けた代物なのである。だがそれに留まらず、防がれた攻撃パターンを瞬時に分析し、すぐに軌道再計算を行うことで次からは単に精度が高いだけでなく、更に意表を突いた、応用の利いた攻撃を展開してくる。
- 兵装
- モノリス状の筐体内に銃火器が格納されており、側面からロボットアームが複数本せり出して精密な機銃掃射を行う。初撃の時点で既に「機関銃2門、ショットガン4門(※但し打ち出すのはBB弾)」という重装備っぷりで、1話冒頭での生徒20名強による一斉射撃並の弾幕を単騎で展開できる。
- が、真に恐ろしいのは兵装のカスタマイズ。人力でのメンテ・オプションパーツ交換でなく己の知能を以て自力で行ってしまう。一瞬のうちにショットガンの副砲を一門増設し、隠し弾を増やすことで2撃目にて殺せんせーの片指を吹き飛ばすという、不意打ち以外による人間離れした正攻法で初めてダメージを与えることに成功した。
- 素材形成
- 何と筐体の中に兵器だけでなく3Dプリンタまで内蔵しており、特殊プラスチック樹脂を成形して自在な構造物を造型できる。主な用途は上述の銃火器増設であるが、有名な石膏像や花束など、美術の授業に使えそうな製作も得意である。だが真骨頂はその製作物体積。あろうことか自身の筐体の厚み(体積)よりかさの大きな物をも平然と生成してしまえる。現行の3Dプリンタでは成し得ない謎の技術・オーパーツっぷりを発揮している。
- 固定
- 高性能だがあくまでも固定砲台であるため、筐体の根本は―果たしてどうやったのか不明だが―木造教室の床にいつの間にか新設されたコンクリートの基礎へ、アンカーボルトでガッチリと固定されている。体育やプールの授業、全校集会といった教室外行事で彼女の処遇をどうするつもりなのかは今のところ謎である。
- 破壊不可
- どう見ても無理がある上に馬鹿げているが、国家ぐるみの企みであるため、顔のデータ、戸籍を持ち、正式に「生徒」として登録されている。この一見無意味な設定は、殺せんせーと政府の契約である「生徒に一切危害を加えない」条件を逆手に取るため。いかな高性能であろうとも、人間の暗殺者が用いる唯の「兵器」である限りは、殺せんせーにいとも容易く「手入れ」されてしまう。だが、兵器そのものに自律した意思を持たせて「生徒」であると無理やり強弁してしまえば、人間ですらなくとも生徒である以上、殺せんせーはうかつに手出しが出来なくなる。
彼女がE組メンバーになるまで
殺せんせーを倒すために送り込まれ、目的通りダメージも与えた彼女だったが、攻撃手段が銃器からBB弾をばらまくことであり、言うまでもなく「教室にいる他生徒への影響」など配慮して設計されたものではなかったため、
という具合に、クラスメイトにとっては「空気を読まずに授業妨害をされるだけで、先生暗殺においても授業においてもメリットが皆無」である。結果として反感を買い、設置後2日目にして、快く思わなかった筆頭、クラスメイト寺坂によってガムテープグルグル巻きの仕打ちを受けてしまう。「これは生徒への危害にあたり契約違反だ」と抗議する砲台さんだが、殺せんせーは「妨害を加えたのは生徒であり、"先生は"一切、危害を加えていない」という理屈で拘束解除を拒否。クラスメイトもまた、少なくとも授業中は発砲してほしくないという理由で彼女の拘束を解いてくれる者は誰一人いないまま、丸1日放置されてしまうのだった。
だが、そんな彼女に救いの触手を差し伸べたのもまた、殺せんせーであった。放課後、殺せんせーは給料のほぼ全て(20万円、アニメ版では176万9000円に変更)を使いきり、彼女の改造に着手する。「危害を加えるなとは言われましたが、改造してスペックを上げるなとは言われていませんからねぇ」とこれまた巧妙な屁理屈を展開し、3D制服モデリング、表情パターン実装、世界のスイーツ検索など様々な追加機能が搭載された。そして何よりも、今の彼女に必要なのは他のクラスメイトと一緒にやっていける協調性であると説く。これを単に人間向けの精神論ではなく、機械の彼女にも理解しやすいよう、「クラスメイトと協調できれば、今日のように妨害されるどころか、単独行よりも暗殺成功確率が飛躍的に上がる」という検証データの形で渡して論理的に説得し、協調性を身につけさせた。
次の日、やってきたE組生徒達が見たのは、前日までの無機質なジト目の彼女ではなく、大げさに晴れやかな表情で詩的な挨拶を行う別人のような彼女の姿だった。モニターが増設され全身表示になり、心地良いムード音楽まで流れ、色気も倍増しで、改造された彼女はクラスメイトからの評価も一転して人気急上昇になった。
上手く行くかと思われたが、夜になり様子を見に来たノルウェー開発陣達の手で「暗殺には不要な機能」と断ぜられ、殺せんせーによって増設された機能はほぼ全て分解、破棄されてしまう。改造ルールも改正され、このまま初日の無表情KYに退行するのかと思われたが、協調性を持つことは「暗殺においても大切な機能」だと律個人のAIが学習結果から判断したため、「協調性関連機能」「3D制服モデリング」「表情パターン」、そして「クラスの女子に花を作る約束」は、とっさにメモリ内に退避され、グレードダウンされたものの彼女の意思は初期化されずに残った。
こうして、殺せんせーお仕着せの「外から与えられたもの」を全て没収されてもなお、彼女自身が学習し、創造主の意向に逆らい、己の意思でクラスメイトと仲良くなる道を選びとったことに、「保護者の意向より生徒の意思」を尊重したい殺せんせーも大満足。【無表情→表情豊かに全身図→表情豊かに顔だけ】と、数日の間で仕様が二転三転した律は、E組27人目の生徒として、改めて皆に受け入れられたのである。
名前があんまりなので自 律(おのず りつ)と改めて登録し直している。
日々自己進化は着実に進み、自己は強化されていてクラウドコンピューティングにより、ネット上にバックアップを着々と増設している。今では例え本体が壊されようが思考能力が残るようになっている。月二回制作者のメンテナンスがあるが、データをネットに逃がしてやり過ごしているし、メンテナンスの時に役立つダミーAIも開発している。死神にハッキングされたときは分身が怠惰になったことをうけセキュリティ体制を一新した。
モバイル律
本体は教室に固定されているのだから、移動する時はどうするんだ律という疑問があったが、その疑問は映画の時間によって解決される。殺せんせーと共にハワイに映画を見に行くことになった渚とカルマだったが、渚の携帯電話(スマフォ系)に律がダウンロードされていた。彼女曰く、クラスメイトとの情報共有を円滑にするために全員の携帯に自分の端末をダウンロードしたという。それがモバイル律である。渚曰く何でもありになってきた、らしい。
彼女のテストの受け方
律は技術者達が技術をつぎ込んで出来た存在であり非常に頭もいい。そんな彼女が学校のテストを受けるときどうするのかという疑問は前々からあったが期末テストの時に明らかになる。
結論から言うと替え玉を使った。
どんなテストの問題を出そうとも彼女は解けてしまうが、そう言う風に作られているからであり(7巻キャラ紹介にて現代国語以外はパーフェクトを取れると言うことが判明した)、不平等と言えば不平等である。しかし生徒であるためテストは受けるべきである。
対策として律が替え玉に勉強を教え、その替え玉が取った点数が律の点数になることとなった。
その方法を提言しに行った烏間は浅野に見下された目でみられたりはしたが、方法は通り、律はテストを変わった形で受けられることとなったのである。
替え玉の名は尾長 仁瀬(おなが にせ)、情報本部長の娘であり、かなり良い子。
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関連項目
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