虚淵玄(うろぶち げん)とは、日本のシナリオライターである。
概要
好きなエロゲーは『少女魔法学リトルウィッチロマネスク』など、作り手の欲望がむき出しの作品を好んでいる。
映画愛好家であり、下記のように手がける作品はそれらのオマージュが多く見受けられる。また、自身の興味趣向から、銃や車が多く出てくる作品からも影響を受けている。
所謂エロゲーに一般的に見られる、恋愛や萌えや性的描写を全面に押し出す作品とは対照的に、重く暴力的な描写やアクションシーンを得意とする。それがニトロプラス方向性に大きな影響を与え、ニトロといえばバトルと思っている人も少なくない。
PCアダルトゲームのみならず、小説の執筆やアニメの脚本も手掛けている。
最近ではアニメの脚本がメイン活動となっている。
上記のような熱い物語展開以外にも、ストーリーの暗さ、重さ(ハード、重厚さ)にも定評がある。本人は 「心温まる物語を書きたい」 という思想を持つも、本人曰く『本当はハッピーエンドにしたいのにどうしてもバッドエンドになってしまう』のだとか。そういう傾向に悩んで一時は断筆まで考えたが、『Fate/Zero』の執筆を機に開き直った立ち直った様子。そのせいか『続・殺戮のジャンゴ』は問答無用でハッピーエンドになる。…が、主人公達の未来は決して明るくないことも示唆されているのでこれには賛否もある。
24歳頃に感染症にかかって後少し処置が遅ければ死に至っていたという経験の持ち主。その後の療養期間の中で自身を「ある意味社会的に抹殺されてる死人同然」と捉え、その状態で数ヶ月過ごした事で自分の死に想像力を巡らせられる様になり、キャラクターが死ぬ際の想像力を回避出来る様になった為、作品を作る際にキャラクターを躊躇なく殺せるようになった事に経験が活きていると述懐している。数多くの執筆作品でメインキャラが次々と容赦なく死んで行くのはその為である。そのせいかスタッフキャストで脚本が虚淵と出る度に虚淵玄=死(血)というイメージが定着している。いや、もしくは生と死か。
また、病弱であった事から機械の体になりたいという願望を持っており、自身の作品にも「PSYCHO-PASS」や「まどか☆マギカ」など今の肉体とは別の体を得るというモチーフを度々登場させている。いわゆる不老不死に近いものである。
シャフト製作のテレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本を全話担当した事でも有名。蒼樹うめのキャラクター原案の可愛い絵柄を持った当作品においても、相変わらずの作風を発揮していた(強烈過ぎたせいか、鬱展開になるという印象が独り歩きするほどであり、日本のみならずフランスなど海外においてもそういう印象を持たれている様子)。
というか、原案など作品には一応関わっているが、直接関係ない部分であれこれ言われることも多くなった模様。
なお、この作品で名前が売れすぎてしまった為「未成年が自分の名前で検索して特殊性癖を持ってほしくない」という理由で今後、虚淵玄としてはエロゲーを作るつもりはないと公言している(別名儀では作る可能性はあるとのこと)。
いつかボトムズのようなガチガチのロボット作品を手がけたいと思っているらしい。2013年には翠星のガルガンティアのシリーズ構成ならびに脚本(原案は監督の村田和也と共同)を手掛けることになり、「船での共同生活」「お仕事」「白淵」をテーマ(生放送特番より)に、最終的には心温まる物語に相成った。 (途中王道的な驚愕(きつめ)展開あったけど)。決して沙耶の唄的な意味とかじゃないよ?
上述のように世間から「鬱展開しか描かない人」というイメージを持たれている事を気にしているのか、
映画『楽園追放』試写会の舞台挨拶において「俺だって人が幸せになる作品書くんだよ!」と発言している。
そしてその言葉通り、虚淵作品には珍しいメインキャラが誰一人死なない作品となった。
父親は俳優の和田周氏。悪役面を生かしてテレビで悪代官やウルトラマンで怪獣に変身する人間の役をしていたらしく、それが創作の原体験になっているらしい。虚淵玄自身は、父親の舞台で音響等で手伝いをしていたこともあるとのこと。そして偶然にも、平成仮面ライダーの脚本も手がけることとなった。祖父に推理小説家の大坪砂男、曽祖父に東大教授の和田維四郎がいる。
主な作品
ゲーム(一般への移植作)
18禁ゲーム(プラットフォームは全てPC)
ゲーム(その他)
- 浄火の紋章(同人・『リベリオン』の二次創作作品)
- レッドドラゴン(婁震戒)
- ガンスリンガーストラトス(アーケード、世界観・原案担当)
- Fate/Grand Order(スペシャルイベント「Fate/Accel Zero Order」のシナリオを担当)
小説
- 鬼哭街(『紫電掌』『鬼眼麗人』の上下巻構成、角川スニーカー文庫)
- 白貌の伝道師(ニトロプラス発行の同人誌、一部店舗、通販による取り扱い)
- Fate/Zero(Vol.1~4の全4巻、TYPE-MOON発行の同人誌、こちらも一部店舗、通販での取り扱い)
- BLACK LAGOON(『シェイターネ・バーディ』、『罪深き魔術師の哀歌』の2巻まで刊行、ガガガ文庫)
- アイゼンフリューゲル(全2巻、ガガガ文庫)
- Fate/Zero(前述した同名の同人誌が文庫化されたもので、こちらは全6巻、星海社文庫)
- 金の瞳と鉄の剣(星海社Webサイト「最前線」で連載、星海社FICTIONS)
- 白貌の伝道師(Fate/Zero同様、前述した同名の同人誌の単行本化。星海社FICTIONS)
- 鬼哭街(上述のスニーカー文庫版を全1巻に再構成した新装版、星海社文庫)
漫画原作
アニメ
- Phantom -PHANTOM THE ANIMATION-(原案)
- BLASSREITER(シリーズ構成・脚本。メインライターは小林靖子)
- Phantom 〜Requiem for the Phantom〜(脚本)
- 魔法少女まどか☆マギカ(シリーズ構成・全話・劇場版脚本)
- Fate/Zero(原作・BD-BOX特典ドラマCD脚本)
- PSYCHO-PASS(原案・脚本)
- PSYCHO-PASS2(企画監修)
- 翠星のガルガンティア(シリーズ構成・脚本)
- アルドノア・ゼロ(原案・3話まで脚本)
- 楽園追放(脚本)
- GODZILLA(原案・シリーズ構成・脚本)
- バブル(脚本)
- RWBY 氷雪帝国(アニメーション原案)
特撮
- 仮面ライダー鎧武(脚本)
人形劇
- Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀(原案・脚本・総監修)
作詞
- テックメンの歌
- 機神咆吼ッ!デモンベイン!
関連動画
チェックのシャツが虚淵氏
関連生放送
SP番組・ゲスト出演
放送日 | 番組タイトル | URL | 動画 |
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2012年01月29日 | 小池一夫のニコニコキャラクター塾!~第7講:虚淵 玄~ | ||
2012年09月29日 | 【関智一・花澤香菜 登場!】「PSYCHO-PASS サイコパス」トークイベント生中継 | ||
2012年10月11日 | 【RE:I.G】「PSYCHO-PASS サイコパス」クリエイターズクロストーク中継 | ||
2012年12月20日 | 11話放送直前「PSYCHO-PASS サイコパス」大座談会 | ||
2013年09月06日 | 『PSYCHO-PASS サイコパス』プロジェクト重大発表会に潜入捜査! | ||
2013年12月22日 | 小池一夫のニコニコキャラクター塾!~第13講:虚淵 玄~ | ||
2014年03月22日 | 【AnimeJapan2014】BLUEステージ Program3 オリジナルアニメーション「アルドノア・ゼロ」生中継 | ||
2014年04月03日 | 『楽園追放 Expelled from Paradise』キックオフイベント | ||
2014年07月10日 | 『PSYCHO-PASS サイコパス』黒幕スタッフ生討論会~ 『PSYCHO-PASS サイコパス 新編集版』 放送直前特番~ |
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2014年09月22日 | “翠星のガルガンティア”オールスター感謝祭 | ||
2016年02月07日 | 朝から朝まで生ワンホビテレビ19 昼の部 - 虚淵玄 新プロジェクトステージ | ||
2016年07月07日 | ニトロプラス公式配信番組「本気はまた今度! ~2nd season~」第五回 | ||
2016年07月24日 | 朝から朝まで生ワンホビテレビ20 夜の部 - もっと知りたい!楽しみたいっ! 〜Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀〜 |
関連記事 - 漫画原作の巨匠・小池一夫「『まどか☆マギカ』は僕の考えの上をいく作品」(ニコニコニュース/2011.08.24)
- 「続編を思いつけたのは奇跡」脚本・虚淵玄が語る「魔法少女まどか☆マギカ」対談レポ(Newtype/2012.02.06)
関連コミュニティ
関連項目
- ニトロプラス
- Nitro+Chiral(同ブランド創設以来、製作総指揮・ディレクションを行っている)
- 鋼屋ジン(同じくニトロを代表するライター)
- 板野一郎(アニメ界に引きずり込んだ元凶恩師)
- シナリオライターの一覧
- アニメ関係者一覧
- ゴジラシリーズの関連項目一覧
関連リンク
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