Frostpunk(フロストパンク)とは、極寒世界都市建設シミュレーションである。
概要
ゲーム情報 | |
---|---|
ジャンル | シミュレーション ストラテジー |
開発元 | 11 bit studios |
販売元 | 11 bit studios |
機種 | Win Mac PS4 XB1 |
発売日 配信日 |
2018年4月24日 2020年02月27日 (DMM) |
価格 | ¥ 3,090 (Steam) \ 3,000 (DMM) |
その他 | -- |
ゲームソフトテンプレート |
『This War of Mine』を開発した11bit studiosが開発し、2018年4月24日発売。PS4・XboxOneでは『Frostpunk Console Edition』として2019年10月11日に発売された。
舞台は19世紀末に隕石が原因の地球寒冷化が発生し、地球が雪の星になった世界。大英帝国はこの状況で生き残るために各地にジェネレーターを作成し、避難民の受け入れ先にする計画を立て実行。各ジェネレーターに避難民たちがたどり着き、ジェネレーターの周囲に都市を作って生活していつ終わるかわからない極寒世界で生き延びることとなる。
プレイヤーは各都市の指導者として住民たちの要望に応えて都市を発展させることが目標となる。必要なことは資源、住居の確保、病気の住人の回復、教会や警備の設営、およびこれらを作るための法律の制定など。不満がたまり続ければ指導者は都市から追い出されてしまうこととなる。
-20℃が当たり前の異常気象の世界という状況もあり、住民の要望すべてに完全な形で答えるのは難しい。時には倫理観よりも都市を守る経済性をとる選択を選ぶ、もしくは苦労してでも倫理観を重視した選択をとるという状況に立たされることもある。
本作の評価は高く、リリース1年で140万本、2021年4月に全世界売り上げが300万本に達したと発表された。賞レースもノミネート止まりも多かったが、Game Critics Awards : BEST OF E3 2017 Best Strategy GameとAustralian Game Awards 2018 Strategy Title of the Yearを受賞している。
追加コンテンツ3作の配信を持ってSteamストアページで「これ以上のコンテンツは作成されない」と書かれ、Frostpunkは更新完了と思われたのだが、2021年5月にNetEase Gamesと11bit studiosが戦略的パートナーシップを結び、スマートフォン向けの『Frostpunk Mobile』の開発を発表。『Frostpunk Mobile』では『Frostpunk』の要素を引き継ぎつつ、ローグライクアドベンチャー、法律とギルド、希少動物救命所、キャラクター開発などの要素が追加されると発表している。発売は2021年内。
2021年8月12日に本作から30年後の世界を舞台にした『Frostpunk 2』が発表され、発表記念でSteamでは『Frostpunk』が期間限定で無料で遊べるうえに、販売ストアでは70%OFFで購入可能になる大盤振る舞いも行われた。発売日は未定。
ゲームモード
ゲームモードとしては、決められた期限内に課題をこなしていくシナリオモードとエンドレスモードの2つ。エンドレスモードにはシナリオモード同様厳しい環境を生き抜く忍耐、最低限のゲーム性は持たせてあるが、最初期の研究は終わらせて早い段階で自由な都市作りが行いやすい環境が整う平穏、『The Last Autumn』の追加コンテンツのシナリオをエンドレスモードに持ち込み、極寒世界でジェネレーター再建設を始める建設作業員モードの3つがある。
エンドレスモードで選べるマップはシナリオモードで登場したマップに加えて、エンドレスモードだけで選べるマップもある。シナリオモード登場マップの中には建物がすでに建てられているマップもあったが、エンドレスモードではジェネレーター以外建物がない状態から始まる。
シナリオ・エンドレスどちらのモードでも難易度設定ができ、イージー→ノーマル→ハード→エクストリームの4段階で難易度が上がっていく。天候変化や病気の発生率など個別で難易度を変えることができ、その時の難易度はカスタムとして扱われる。
シナリオモードでは生存者モードをオンにすると難易度エクストリーム固定に加えて、停止ボタンが消えて時間経過を止められないようになる。普段なら左上のボタンで時間を止めて人員配置の割り当てや建物の建設を指示できるのだが、時間停止が使えないことによりリアルタイムストラテジー色が強くなる。
エンドレスモードでは定期的に嵐が発生し、その間食料供給ができなくなり探索も行えなくなるが、新たな探索地点が発生する。これはランダム生成される探索地点を探しつくしてやることがなくなることを防ぐ対策の仕様として機能している。さらにランダムハザードの適用を行うと、定期的に一部施設が使い物にならないほどの弱体効果が適用されるため、様々な施設の活用を考えなればならない。
DLCについて
本作の他にDLCとしてサウンドトラックとデジタルアートブックに加え、追加コンテンツで『The Rift』『The Last Autumn』『On The Edge』の3作があり、シーズンパスでの購入ができる。ただし、追加コンテンツは『The Last Autumn』以外評価が低く、損したくないなら『The Last Autumn』だけ買うのがいいかもしれない。PS4・XboxOne向けには3作まとめて2021年7月21日に発売。
内容は以下の通り。
- 『The Rift』(不和/2019年8月27日発売)
- エンドレスモードで新マップの「亀裂」が追加。橋を作らないと対岸に渡れない場所がいくつもある。橋のコストが高く、ジェネレーターの出力範囲最大を有効活用できない(一部は建物が建てられない場所になっている)と悪条件もあって非常に難易度が高い。
- 『The Last Autumn』(最後の秋/2020年1月22日発売)
- シナリオモードに「最後の秋」、エンドレスモードで建設作業員モードが追加。建設作業員モードは寒冷化が始まった中でジェネレーターの作成を行うこととなるが、シナリオモード同様の制限時間があり、完成していなければ寒波に耐えられないため事実上のゲームオーバーを突き付けている仕様となっている。
- 『On The Edge』(綱渡り/2020年8月21日発売)
- シナリオモードに「綱渡り」、エンドレスモードで集落システムが追加。集落システムはシナリオモード同様の微妙な出来の交易システムが採用され、強制的にランダムハザードも適用されるため難易度は高い。
施設
ゲーム中建てられる施設の一部を記載する。生産施設は管理資源の項に記載するため、ここでは紹介を後回しにする。
ジェネレーター
都市の中央にあるエネルギー供給施設。発電機だと考えてよい。中央から熱を放ちその範囲は暖かい状態になり寒さが緩和される。寒さの緩和されていない場所に居続けると住民は病気になりやすいので暖かい場所の確保は必須である。ジェネレーターを稼働させるためには常時石炭を要求する。
都市の施設が機能するためには、ジェネレーターから道路を経由して施設が繋がっている必要がある。そのため必然的に道路を辿ればジェネレーターにたどり着く。
研究で出力の強さや範囲を強化させることができるが、強化した状態で運用し続けている間は石炭消費量も上がる。また一時的に石炭消費を増やさず強引に高出力にするオーバードライブが使えるが、限界まで使い続けるとジェネレーターが爆発するうえ、限界到達まで1日持たないため使いどころが難しい。小型版として蒸気ハブがあり、好きな場所にジェネレーターのような暖かい場所を提供することができる。
テント
住民たちが済む家。研究を進めると断熱効果の高い宿泊小屋・住居にグレードアップできるが、常に10人しか住めない点は変わりなし。
収集所
ゲーム開始時にある野ざらし資源を直接指定して回収させるよりも効率よく拾うことができる。効果範囲内の資源を回収していくため資源がなくなると機能しなくなる。
序盤しか使い道がない施設のように見えるが、石炭を地中から掘り出して石炭の山を作る石炭採掘機の回収で石炭の山に対して使う機会がある。
ワークショップ
都市を強化するための技術研究を行える施設。施設はいくらでも建てられ、数が多いほど研究スピードが上がるが、2棟建てても1.3倍、3棟建てても1.5倍、4棟以降は0.1倍分上乗せされるだけ1.6倍、1.7倍、1.8倍……)と数が多いからものすごく早く進むわけではない。しかし、技術研究が進むことはそれだけゲーム進行が有利になるため、人員に余裕があるなら多めに建てたほうがよい。
施設の維持費自体は存在しないが、研究のためには木材と鉄を要求する。
救護所
病気になった住人を治療して健康な状態に戻せる施設。1軒で5人しか診られないし回復には1日かかる、重症患者は回復不可能と問題点も多く、研究を進めて早く上位施設の診療所に引き上げたい。
ビーコン
都市の外へ探索の遠征を送るスカウトチームを編成できる。スカウトチームは都市の外の専用マップの探索地点を選んで送り出し、到着したら探索を行って次の場所を選んで探索を続ける。
都市の外には資源や都市にたどり着けていない遭難者などがいて都市に持ち帰ることができる。この方法でしか見つけられない資源があるので遠征はとても重要である。
墓場・死体安置所
不幸にも死んでしまった住人の行き場。法律によって作れる施設が変わり、墓場なら死亡時の希望減少が低下、死体安置所は死体を資源として保管し、別の法律で「活用」することができる。
前哨基地
資源が豊富に採れる場所から都市に資源を運び込む前哨チームを結成できる。前哨基地からは派遣用に人員を配置するだけで毎日まとまった資源を手に入れられるため大変お得である。
工場
重傷で手足切断となってしまった住人の回復を行うための義手の生産のほか、いわゆるロボットとなるオートマトンの生産ができる。プレイ方法次第ではどちらも作ることがないこともあるため必ず必要な施設ではない。
管理資源
都市の資産に当たる項目。プレイ中はこれらの変移に目を向ける必要がある。
石炭
ジェネレーターの燃料。現実世界ではCO2排出量削減の観点から嫌われがちな資源だが、本作の設定である19世紀末では十分現役。無くなればジェネレーターは停止するため基本的に消費を上回る生産量を維持したい。
入手方法は野ざらしの石炭パイルの回収、指定地点に建てる炭鉱、任意の場所に建てて回収人員を要求する石炭採掘機の他、木材を石炭に変える炭焼き小屋がある。
木材
道路敷設や建築物、研究などで使用。石炭と違い、常時消費するものではなく必要な時にまとめて消費する。
入手方法は野ざらしの木材クレートの回収、設置地点周辺の凍結林から切り出す製材所、指定地点の壁に穴をあけて氷の壁の向こうにある木を回収するウォールドリル。面積のわりに凍結林から取れる木は多いので製材所は長めに仕事してくれるが、最終的にウォールドリルがないと需要に応えられなくなる。
鉄
建築物、研究などで使用。消費傾向は木材同様必要な時にまとめて消費する。
入手方法は野ざらしの鉄くずの回収と指定地点に建てる製鉄所。入手方法が少なくすぐに製鉄所に頼ることとなる。
蒸気核
強力な施設の建設時に使用する。生産方法はなく原則遠征で拾ってくることに期待することとなるが、一部マップでは野ざらしの蒸気核輸送車から1つ回収することができる。
生食料・糧食
日々の生活で住民が毎日消費する。供給されないと住民は空腹→飢餓を経て餓死する。飢餓状態でも食事が供給されれば完全回復するようである。
生食料と糧食の違いは食材の段階。入手段階では生食糧であり、生食糧を調理場で加工することによって糧食となる。生食料1に対して糧食2が基本だが、法律によってデメリットと引き換えに糧食の変換効率を上げることができる。
生食料の入手方法はハンター小屋で夜から早朝にかけて狩りを行って集める方法、温室から昼間に収穫作業をさせて集める方法の2通り。ハンター小屋は研究が進んでいない状態でも建てられ、最終的にかなりの効率を出すものの初期段階ではかなり貧弱。温室は法律の労働時間の延長の恩恵を受けて楽に生産量を上げられるが、伸びしろの低さや貴重な蒸気核を要求する欠点がある。
気温
現在の気温。都市の側から操作できる数値ではない。ゲーム進行に応じて温度の上下が発生するが、基本的に寒くなる一方である。対抗するためにはジェネレーターの強化、建物の断熱レベルの改良が必要になる。
住民
都市に住んでいる人たち。住人には区分があり、基本的に高度な知識を持たない労働者、高度な知識を持つエンジニア、仕事に就けない子供、機械のオートマトンの4種類に分けられる。
オートマトン以外は食料の要求に加え、労働時間以外での労働を行うことはなく、体調次第では重症からの回復として手足切断で労働させることができなくなったり、体調悪化から死亡の可能性がある。オートマトンは1機で10人分の労働力を持ち一日中働き続けられるが、定期的にジェネレーター・蒸気ハブでエネルギー補充をする必要がある。
不満・希望
住民の現状に関する評価。不満は現在の状況、希望は今度の展望に関する評価と言える。不満が最大値か希望が最低値になると最後通牒として期限内の数値の改善を要求され、達成できなければ指導者は街から追放されてゲームオーバーになる。
不満は人数分の住宅の確保、住みやすい温度の確保、適切な労働時間、娯楽の提供などで、希望は法律の目的法の制定で改善できる。
法律
都市に適用される効果。施設の建設の前提になっていたり、施設に適用するために必ず取らなければならないものも多い。法律成立には資源の消費はいらないものの、再度の成立には直前に成立した法律ごとに設定されたクールタイムの経過が必要となる。
法には一般的な法律を定めた適応法と信仰か秩序どちらかを選択して進める目的法の2種類がある。生活にすぐに直結した適応法のほうを優先的に進め、ある程度態勢が整ってから目的法を進めるのがよい。目的法は最終的には希望の数値を気にしなくて済む法律が解放されるが……
シナリオ
『Frostpunk』本体に4本、DLC追加シナリオとして『The Last Autumn』と『On The Edge』に1本ずつ追加されている。「新しい家」が正史でそれ以外の3本が外伝のような立ち位置で「新しい家」を20日以上進めることで開放される。「最後の秋」が寒冷化以前の時代を取り扱った前日談、「綱渡り」が「新しい家」のその後を取り扱った後日談となっている。
各シナリオごとにSteam実績としてクリアするだけで獲得できるものに加え、ハード以上・生存者モードでのクリアの高難易度での挑戦、難易度問わず最も好ましい結末と言える結末でクリアする実績が用意されている。
新しい家 A New Home
ロンドンからたどり着いた市民が避難所となるジェネレーターの周囲に新たな街「ニューロンドン」を築き生活基盤を整えていくが、近くにあるウィンターホームはジェネレーターが爆発しており人もいなくなっているという状況が判明。パニックを起こした市民の一部は今からロンドンに戻る派閥「ロンドン主義者」を結成し、期限を過ぎたら街を去ることを宣言。無謀な提案をするロンドン主義者の勢力増加を阻止するため、この都市でも暮らしていけるような希望を見せることとなる。
最初にプレイするシナリオであり、序盤の課題もチュートリアルも兼ねた内容となっている。ただしチュートリアルの出来が良いとはいえず、「詳しくはガイドを読んどいてくれ」と言わんばかりの説明である(これでも説明皆無の『This War of Mine』よりマシである)。うまくいかない場合は序盤だけ何度もやり直して感覚をつかんでみるとよい。ポイントは序盤よく使う木材の確保、十分な食料の供給体制、法律による労働時間の延長で生産性を上げる、蒸気ハブの研究でお手軽に暖かい土地を増やすことなど。
中盤以降のロンドン主義者の問題が始まると希望が強制的に大きく下がる。それと同時に希望増加に役立つ目的法が解放され、信仰で心の支えを持つか規律で結束力を得るかの選択が提示される(楽な攻略の観点では施設で悔い改めるイベントがある信仰が楽)。希望をコツコツ増やして解決するか、目的法最深部にある明らかに危ない法案を可決して「解決」するかの選択で対処することとなる。
なおロンドン主義者の問題が解決してもクリアとはならず、訪問者によって最後にはこの世界らしい重大な危機が迫っていることが判明する。ここでは都市の総合力が問われるとだけ記載しておく。
聖櫃 The Arks
世界中の植物を集めた建物「聖櫃」を守るために少数のエンジニアが集結。すべてはいつか終わるであろう寒冷化を乗り切った後の世界のために……
初期状態では「新しい家」の半数ほどの人数しかおらず、住宅や食料問題は簡単に解決するものの人手不足が深刻なので、オートマトンをたくさん用意してオートマトンに都市の資源生産を任せる街を作ることで乗り切ることとなる。そのため最初の課題が道中で落としたオートマトンを作るための工場の技術に関する資料の回収となっており、ビーコンを建設してスカウトを送り出して探しに行く必要がある。
聖櫃は一定の暖かさがないと中にある植物が凍り付き始めるため、蒸気ハブや屋内の暖房で温度の維持を要求してくる。すべて凍てつかせても即ゲームオーバーにはならないが、凍てつかせるたびに希望が減るうえにこのシナリオでは目的法は制定できないため、この後の希望の管理が厳しくなっていく。
オートマトンの量産体制と仕事の割り当てが済んで、最後の課題として必要な資源・施設を集めればクリアとなるが、新たな訪問者から「近くにあるニューマンチェスターが危機的な状況に陥っている」と言う報告が届き、整えた都市の生産能力と輸送要員のオートマトンを使って物資を送って都市を助けるかどうかが問われることとなる。本来の聖櫃保護のための都市とは関係のない要望で無視してもクリアできるが、プレイヤーの決断は……
難民 The Refugees
かつての世界で支配されていた住民が反旗を翻し、領主たちが乗る船を奪っていち早くジェネレーターに移動。先に都市を築いて自分たちのものにすることに。遅れてやってきた領主たちだが様子はおかしく……
ゲーム開始直後の労働者の数は「聖櫃」を下回るが2日に1度、後続の難民グループが到着する上に「途中ではぐれたグループを探し出してほしい」と言われて、スカウトを送って遭難グループを連れてくる必要が出てくる。その結果猛スピードで人口が増加していくことになるので、ゲーム前半ではこれら人口増加に対抗できるテントや食料や医療体制、さらにテントを置けるような暖かい土地や石炭が要求される。
さらにこれまでの都市建設スペースよりも明らかに土地が狭く、ジェネレーターの最大範囲の出力で大半の土地を温められる程。無駄なスペースを可能な限り減らす必要も出てくる。
難民グループ回収を終えた後は領主のグループが到着する。かつての扱いから領主たちを拒絶するか、受け入れるかの選択が提示される。仮に受け入れるとなれば更なる供給体制が要求されるうえ、病気になっている領主の対応だけでなく、いまだ残る階級闘争の問題の対処も強いられる。
ウィンターホームの滅亡 The Fall of Winterhome
「新しい家」で判明したウィンターホームの壊滅に迫る。ゲーム開始直前にウィンターホームで起きた暴動によりかつての指導者は追放。新たな指導者が都市の立て直しを図るが、この都市にはある重大な問題が存在した。
これまでのシナリオと違い、すでに都市は開発が進められており住民も多数おり、研究や法律はある程度制定されている状態から開始となる。法律は指導者が変わっても撤回することができないため、あまりよい法律を選ばなかった前指導者の法律を引き継いでゲームを進めることとなる。
前指導者追放直後からスタートするため、町は暴動で都市が荒れ果て死傷者多数、さらに前指導者のろくでもない都市開発のせいでかなりできの悪い都市となっているため、まずはがれき(他のマップの野ざらし資源扱い)の撤去、救護所を増やして速やかな病人の回復、蒸気ハブ範囲に建物を入れられるような再開発を行う。道路がやたら敷かれているため不要な道路を撤去して木材に変えるのも効果的。
ゲームプレイに慣れていないと早々と最後通牒を突き付けられてゲームオーバーになることも珍しくないが、ここを乗り切って都市を立て直すと、次の段階としてジェネレーターの検査を行う。しかし、検査の結果わかった事実により、都市を捨ててスカウトが見つけたドレッドノートで避難することとなる。
以降、都市は避難のための体制に移り、定期的にドレッドノートに避難者を移しながら、人が減った都市の建物を片付けて維持費の節約を行う。都市建設シミュレーションなのにダウンサイジングを行う奇妙な体験を経て避難できる状態になればクリア。しかし、最も楽なクリアではごくわずかな人しか避難できず、大半の人を避難させるには膨大な資源が要求される。また、ジェネレーターもエンジニアの監視下に置いておかなければ、避難を済ませる前に取り返しがつかない状況に陥る可能性がある。
最後の秋 The Last Autumn
『The Last Autumn』追加シナリオ。寒冷化に備えて大英帝国が各地で建設していたジェネレーターのうちの1つの建設現場の責任者として送られた人物がプレイヤーの分身となる。仕事は期限内のジェネレーターの完成だが、建設現場の地下からは有毒ガスが出ており安全対策に気を使わなければならず、労働者達は労働環境に不満があれば仕事の進みが悪くなり、最悪ストライキも辞さない構えを見せる。はたして無事にジェネレーターは完成するのか?
都市開発シミュレーションが一転、このシナリオでは建設シミュレーションに姿を変えた。内容が様変わりしたことにより、建物・研究・法はこのシナリオでしか出てこないものに置き換えられている。ゲームオーバーの条件はジェネレーターの建設中間目標の期限を2度過ぎるか、45日になってもジェネレーターの建設が終わっていないこと。
主な流れは労働者のためのテントを用意してジェネレーター周辺の野ざらし資源を回収した後、ジェネレーターにつける部品を作成するための中間素材を必要数作るので、そのための工場を設置し、本国から届く資源を積み下ろしする港と収集所よりも高性能な積み下ろし機の設置、そして食料としての漁港の設置となる。もちろんワークショップや救護所など他のシナリオでも恒例の建物も必要となる。
寒冷化以前と言うこともあり日々の温度管理はほぼ考えなくてよくなったが、代わりにガスの濃度管理が課されるようになった。ガス対策は濃度の高い日は建物や法律での安全対策を適用させること。第3段階が終わると地下は完全に塞がるためこの問題は考えなくてよくなる。
法律は会社のルールとして規則と労働者側かエンジニア側どちらかを選んで制定する2種類。他シナリオの適応法と目的法のようなポジションとなる。不満はいつも通りの扱いだが、希望は意欲に変更され、一定値以上なら労働者の生産効率が大きく変化するものとなっている。労働環境に不満があるとストライキで生産が止まるため、ストライキをさせないような労働環境を確保することも求められる。
人員は本国から電信を行って増やすことができる。電信で要求を行わなかった時間に応じて要求で使えるポイントがたまっていき、それで支払うこととなる。希少なものほどコストが高くなり、労働者よりもエンジニア、蒸気核のほうが高くなる。届くのは電信で要求してから24時間後。なお蒸気核は多数手に入れられてもオートマトンは作ることができず、施設のコストとして消費することとなる。
スカウトはこれまで通り資源を探してきてくれるが、中には狩場を見つけて一時的に狩りを続けて食料を確保してくれる選択肢も提案してくる。狩場は一度使うともう取れなくなってしまうが、漁港だけで賄うには厳しい場面で役に立つ。
本シナリオの評価は高い。選択肢が非常に豊富で労働者の安全を維持しながら効率を高く保って進める穏健な進め方、逆にこき使って意欲低下による効率低下を法律で対応する強引な建設でクリアする方法もとれる。Steam実績でも様々な進め方で遊ぶことを促すような実績があるのも相まってリプレイ性は高い。
綱渡り On The Edge
『On The Edge』追加シナリオ。ニューロンドンの第11前線基地のリーダーであるプレイヤーは陸軍倉庫に保管されていた大量の鉄と蒸気核を回収し、ニューロンドンに送る代わりに生食料を得る条件を課されて仕事をしていたが、突然ニューロンドンの生食料の供給が少なくなる。さらに第11前線基地独自で探索を進めて集落から食料を得るとニューロンドンから問題視され、この対応に怒った第11前線基地は独立を宣言。ニューロンドンとの緊張状態が続く中、生き残りのため他の集落と妥当な条件での交易をおこなうことで活路を見出していく。
第11前線基地は陸軍倉庫からの取り出す無数の鉄・蒸気核、それと別の場所にある炭鉱設置ポイントで石炭は十分供給できるが、木材は今ある凍結林しか残っておらず、食料に至っては研究ツリーから排除されている。早いうちに食料がつき、続いて木材が底を尽きることが容易に考えられるため、この状況を交易を使って改善することとなる。
交易では見つけた集落に連絡を取り、時間経過で溜まる好感度と引き換えに一方的に資源をもらう方法と集落発展のために要求する資源を渡して対価をもらう方法の2種類。どちらかの手段を選んだらもう片方は取れないというものではないので両方うまく使えばよい。
集落は最初に出会える温泉と廃船キャンプと子供たちの炭鉱の3か所。集落が一定以上発展すれば集落から定期的によく取れる資源を送ってもらえるようになるのだが、そのためのルート作成は第11前線基地が負担することとなる。
本シナリオの評価は低い。Frostpunk特有の倫理観と都市の経済を天秤にかける選択が薄く、自由に交易資源の選択をさせてくれない不自由さ、プレイヤーが過去にまともにニューロンドンを発展させているとこのシナリオでのニューロンドンの態度や終盤の展開が受け入れがたいこと、クリアを考慮すると食料がよくとれる温泉と木材が多数ある廃船キャンプの交易によるレベル上げが必須で、初めから炭鉱の設置ポイントがあるおかげで石炭のやりくりが楽なので、石炭がよくとれる子供たちの炭鉱は相手にする意義がかなり薄く攻略ルートはほぼ固定、考えようによっては「歴史は繰り返す」とも言えるような結末の不穏さとかなり不満点が多い。
ヒント
本作をうまく進められない人向けにいくつか気を付けるポイントを紹介する。
- スタート直後の野ざらし資源の回収には収集所を使う。理由は直接拾わせるよりも回収速度が速く、寒さにも強いため。大抵のマップの難易度ノーマル以下では収集所2つを作れるだけの資源があるため、書道で道路を引くための木材クレート回収を行わせ、収集所2つと道路を引いて序盤の資源回収を行わせる。
- 法律の緊急シフトの次にある延長シフトは職場ごとに10時間労働から14時間労働に変更することができる。不満が上がるが単純計算で1.4倍生産性が上がると考えればかなり強力。
- 研究で開発できるようになる蒸気ハブは簡単に暖かい土地の確保ができる。当然石炭消費が発生するため建てすぎないように。簡素な時間設定が可能なので稼働中の職場の温度維持をしたいときに活用するとよい。
- 児童労働-すべての労働で子供はほぼすべての職場で働かせることができるが、効率は悪く死亡の恐れがあるなど意外と不便な法律だったりする。だが、道路敷設や建設に参加できるうえに死亡の恐れがない。安全な職場以外で余った子供を残しておけば、昼間に建設を行うと大人が職場を離れて作業に加わろうとするのを防いで道路敷設や建設を進めることができる。
- 早いうちに診療所が建てられるよう研究を進める。救護所の倍の速さで治療が進み、ベッドの数も2倍あるので実質4倍の速さで病人を捌くことができる。最大効率での稼働にエンジニア10人を要求するが、さらなる研究で5人で済むようになる。
- スカウトの長距離移動は直接新探索地点に移動させるよりも、近くの探索済み地点に移動させてからのほうが早い。すでに行ったことのある場所では初めて行く時よりも早く進めるようになっている。
- 都市の出力に自信がない場合難民の受け入れを断ることも考えること。人が多いほど石炭と食料の消費は高くなる。
関連動画
プレイ動画
関連リンク
関連項目
- 8
- 0pt